比翼の鳥

既婚者で医大生の蓮島大気（はすじまたいき）は、ある日妻に捨てられ、苛立ちチンピラと喧嘩をしていた。そんな大気を見つめる一人の男性、凍上喜利（とうじょうよしのり）。彼の瞳には、大気の中にいる『比翼の鳥』が見えていた。そして独りでは長く生きられないことを悟る。喧嘩により気を失った大気が目を覚ますと、知らない屋敷にいた。そして大気は、凍上が一人の青年に刺青を掘っている姿を目撃する。さらに二人は性行為を初め、熱くなった青年の背中には美しい『夜叉』の刺青が浮かび上がる……。その光景に見惚れながら、大気は青年に親友――村雨夏彦（むらさめなつひこ）の姿を重ねていた。
家族に捨てられ孤独となった医大生の大気。ある日、性行時に浮かび上がった青年の美しい刺青に魅了され、大気も思わず興奮してしまう……。