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表題作ダブルボーダー

小鳥遊 聖(玲二の兄の記憶を受け継いだクローン・記憶情報システム会社勤務)
小鳥遊 玲二(バー店員)

あらすじ

兄の突然の死によって、家に呼び戻された玲二を待っていたのは、兄の遺伝子から作られたというクローン体・聖だった。
"弟"との出会いを素直に喜ぶ聖とは対照的に、嫌悪をあらわにする玲二。
かつて出来損ないの自分に対して見せていた冷ややかな眼差しではなく、まっすぐに向けられたそれに違和感を覚え突き離すと、どんな兄弟であったか教えてくれと頼まれてしまう。
そして玲二は思いつく、"兄弟ごっこ"をしなくていい嘘を--。

作品情報

作品名
ダブルボーダー
著者
出樹 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
G-Lish Comics
発売日
ISBN
9784866691398
2.8

(33)

(3)

萌々

(5)

(13)

中立

(9)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
6
得点
83
評価数
33
平均
2.8 / 5
神率
9.1%

レビュー投稿数6

のめり込むほどBL感が薄れる

面白いんですよ、単純に。
認知症などの病気に罹った際に役立てることを目的に開発された「記憶情報化サービス」をベースに、ある出来事から禁忌に関わらざるを得なくなった玲二の戸惑いと葛藤を描いた作品です。
ちょっと謎解きみたいな面もあって、ぐいぐい引き込まれます。
ただ、引き込まれるとBL感が薄れていくという結果に…。

父の後継者である兄に何かあったときに代わりをさせるべく用意されていた兄のクローン・聖のサポートをするべく、玲二が実家に呼び戻されるところから物語が始まります。
玲二自身がずっと訴え続けている通り、玲二の家での立場や父との関係、さらに生前の兄との関係から見て、玲二がその役割をすることに違和感しかありませんが、そこを突っ込んでしまうと話が進まないので、そこはスルーで。
ただそこの部分もテーマの一部なので、深読みしない程度にスルーで。

兄にそっくりな聖に兄への憎しみをぶつけてみても、所詮別の人間。
聖には植え付けられた兄の記憶の他に、それまで「聖」として生きてきた記憶もあって、そこは完全に上書きされているわけではないんですね。
また兄の記憶の方も完全コピーではなくて、仕事のように優先度の高いものは綿密に、玲二との関係のような瑣末なことはデータにない状態です。
その穴をフォローする役割をしつつ(とは言え、役立てるとは到底思えない関係性ですが…)、兄ではない「聖」と触れ合うことで玲二の中で何かが生まれていくという。
ただ兄への反抗心の示し方が「それ!?」と思ってしまうんだなあ…。
いや、それじゃないとBLにならないから、そこは突っ込むべきではないのだけど、種明かしされたときに「玲二はどうして…?」と思ってしまいます。

前提の部分で大きなツッコミポイントが2つあるものの、そこを深読みしたり、掘り下げようとしなければ、終盤のスリリングな展開が楽しめます。
BL的な面で考えれば、兄がサポート役に玲二を指名した=兄の秘めた想いが!?とか、玲二が聖についた嘘=兄とそうなりたかった!?なんて深読みしてしまいますが、そう読んでしまうと収穫ゼロで終わってしまいます。ご注意を。

「身代わり」のために作られたクローンが、クローンではなく「自分自身」として生きていくこと。
このテーマが面白かっただけに、無理にBL要素を入れ込む必要はなかったんじゃないかと思ったり、思わなかったりする作品でした。

1

好きな設定と絵柄なんですが

絵とか雰囲気とか設定とか、とにかく好みで読みましたが、肩透かし
展開も描写も綺麗で丁寧なのに、何か物足りない

玲二は本当にお兄ちゃんが好きだったのか?そもそもそこに引っかかってしまい、物語の展開に気持ちがついていかず

本当のお兄ちゃんの気持ちも推測するには情報が足りない
聖もよくわからかいままで、全てにおいてモヤがかかった状態で終わっちゃったような感じ

二人はこれで良かったと思ってるのかな?
もっとゆっくりじっくり展開していったら、また違った作品になったのではないかなーと思わずにはいられない作品でした

0

思ったよりもずっとライト


亡き兄のクローン×ウリもしてる腹違いの弟

表紙から漂うドロ沼感とタイトルに覚悟して読んだのですが、思ったよりも明るめでホッとしました。

家業を継いだ兄と家を出た弟。
兄に憎まれ口を叩くも実は内心好きだったが、ある日兄が交通事故で亡くなり、代わりのように兄そっくりのクローン。
記憶の継承を手伝うという名目の元、一緒に暮らしていくうちに兄の面影を見てまた惹かれていきますが、段々とクローンと兄では違う点も見えていきます。

「兄とは体の関係があった」と嘘をついてまで抱いてもらい、多くの時間を過ごすことでクローンとしての「聖」が好きになっていく。
兄の恋人で女性が絡むのですが、後半は受けに協力してくれます。

あと、これは本当に個人的なことなのですが別作品のクローンが出てくるBLと展開が違ったため、ラストで「あ、そっちのパターンね!?」と少し意外に思いました。
後から冷静に考えると、このパターンも多いのかもしれませんね…。

エロは少なめ。

0

面白くなりそうな可能性いっぱいあるのにな

ぬぉ〜〜〜なんか色々もったいない。
絵(画面)がちゃんと漫画として上手いだけに余計に!
痒いところに手が届かない連続で終わってしまうお話でした。
担当さんが編集のプロとして何かもう少しストーリー面をフォロー出来なかったものか・・・
なんていうか、伏線のように思えるものがことごとく別に伏線じゃなかった…っていう、作家様にそんなつもりはなくても読み手をミスリードさせるものが多かったなと思います。
色々と期待させる設定を盛り込んでらっしゃる(と読み手は感じる)ので、面白く出来る余地はいくらでもあると思う……からこその「なんかもったいない…!」に尽きる作品でした。

私も先のレビュアー様同様、クローンじゃなかったってパターンを期待したなぁ。

7

細々と少しずつ惜しい!

先のレビュアー様と似たレビューになってしまったのですが、
ただただ『惜しい!』の一言でした。
ワクワク要素はいっぱいあったのに全部肩透かしに終わって
え?(  ° ▽ ° ;)というのが率直な感想で残念です。

何様やねんみたいな書き方になってしまいますが、
作者さんの書きたいモノを100%とするなら、出力されたのが30~50%ぐらいな気がする。
何作か経験積んでもう少し温めてから世に送り出してたら変わってたんじゃないかな…。
(偉そうなこと書いてごめんなさい。)
(でもそのくらい「惜しい!」のです…。)


突っ込んだネタバレになりそうなので以下注意。


【亡くなった兄のクローン×兄に反発する弟】のお話です。
兄弟の父親は『記憶情報化サービス』というプロジェクトを立ち上げ研究していました。
そして極秘で人体実験もしていたようで…。
そのプロジェクトには兄も参加しており、自分のクローン人間を作っていました。

突然兄が亡くなったことによりクローン人間が代わりを務めることになったものの、
記憶データの精度は完璧では無く、身内である弟が側についてサポートをすることになります。
父や兄に反発して家を出ていた弟は抵抗するけれど、
父親は有無を言わさず押しつけてきて嫌々サポートすることになりーーーと展開します。


・本物の兄は結局弟のことをどう思ってたのか。
クローンが弟の挑発にのってセックスに応じた時、兄も弟のことが好きだったのかな?と思いました。手帳の下りが来たときは確信にかわってワクワクしてたのに…(;ω;)後半で兄の恋人が登場し、その恋人は政略結婚の飾り物でなくキチンと愛し合ってたようで、なんじゃそりゃとなってガックリ。

・父親
父の秘書?の口ぶりだと、あれ実は良い父親って落ちなの…?いやいや人体実験やって息子の死後 クローンに成り代わらせるようなヤツだぞ?とモヤモヤしてたけど、別に意識するような事柄でもなくグッタリ。なんで私は気にしながら読んでたんだろう…。イイヒトであろうがワルイヒトであろうが結果には関係なかったな…。

・兄の彼女
敵か味方かわからないのが面白さなんだろうけど結果にはシックリ来なかった。父親でよくわからんミスリード?するぐらいなら、兄と彼女の関係性や結果に説得力がでるようなバックボーンに尺割いてほしかったなぁ…。

・クローン人間について。
そもそも兄が生きてた時の描写が少ないので、読者から見て、クローンが似てるのか・似てないのかがサッパリ分からないのが一番難点だったと思う。台詞に共感しづらかった。

先の姐様に同様、クローンでは無かった
+αで兄は弟を愛してたパターンを期待してたので肩透かし気分でした。
2話目まではすごくワクワクしたし萌え要素もあったのですが残念。
辛口ばかりになりましたが少しずつ惜しいだけなので中立とします。
ストーリー以外では、画面が見やすく絵が綺麗だったので良かったです。

5

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