電子限定おまけ付き
デビュー作とのことですが、すごく良かったです。
途中の展開に意見が分かれるかもしれませんが、個人的に今までBL小説を読んできた中でなかった展開だったので嬉しい展開でした。(切ない展開は大歓迎なので)
ムク先生のイラストもあっていたし、文章も読みやすく、自分では知り得なかった世界を感じることが出来ました。
また一人好きな作家さんが増えたなと。
ちょっとまだ荒削りな印象もありますが、一本目とのことで勢いも感じられます。
ちょっと甘めではあるかもですが、期待を込めて思い切って神にします。
次回作が楽しみ!
こちら、AIソムリエさんに何回も何回もおすすめされたのと、好みがよく合うレビュアーさんが高評価でレビューされてるので読んでみました。
すっっっごく面白かったんですよ。
過去を穏やかに語るシーンでは思わず泣いてしまい、衝撃の展開では一瞬息が止まりと言った具合で。
そのあと「ゲス野郎!!」とギリギリしましたが。
そして恋愛のキュンもしっかりと!!
私もパジャマに裸足は萌えるよ~!!
「したいようにしてくれましたね」と(エッチで)暴走する攻めに泣きながら抗議する受けが可愛すぎて悶絶だよ!!
で、内容としては後天的な視覚障害者である鍼灸師・二ノ瀬と、患者としてやって来たリーマン・日根野谷による両片思いものです。
過去の経験から、現在の優しく穏やかな生活を壊したくないと頑なに思い込み、恋愛に臆病になっていた二ノ瀬。
そんな彼が強引で遠慮の無い、しかし視覚障害者である自分に対して垣根のない自然な男・日根野谷と出会い、交流を重ねてゆくうちに惹かれてゆく様を優しく丁寧に。
そしてすれ違いなんかを乗り越え、二人が結ばれるまでになります。
で、こちら、既に素敵なレビューが何件も上がってるので、個人的に強く印象に残ってる事を書かせていただきます。
元々作品自体はチェックしてましたが、「視覚障害者」が主役という事で、軽々しく手を出してはいけないゾーンに(作品を)分類しちゃってたんですよね。
なんとなく、難しくてテーマが重いイメージで。
それがですね、普段通り気負わず自然に読んじゃっていい作品だったんですよ。
エロで受けのこんな反応が超萌えるなー!!みたいな感想を持って全然いいんじゃないの?て感じで。
だって、実際に恋愛のキュンキュンがめちゃくちゃ多い作品なのです。
手で触れる事で理解する主人公が日根野谷に触れるシーンだったり、逆に実際のアクションがあるまで状況が分からない為、抱き締められて動揺したりのシーンだったり。
これ、視覚障害者である二ノ瀬視点なのに、無防備に触れられて日根野谷がドギマギしてたりするのが分かる描写なんかが上手いのです。
まぁ、二ノ瀬にとっては純粋に理解するための行為なんだけど、意識してる相手に無防備に近付かれて触られまくったら、男としては色々困るよねみたいな。
で、彼の視覚障害を萌える為のネタとして軽々しく扱っているのかと言うと、決してそうでは無い。
色々考えさせられる部分も多くて、作者さんが真摯に書かれたのであろう事が伝わってくる・・・。
あと、頑なに自分の気持ちから目を逸らし続けた二ノ瀬。
彼がやっと自分の恋心を受け入れた途端に、衝撃の展開が起こります。
どうもこれに関しては賛否両論みたいで、私も最初はギリギリしたんですよね。「このゲス野郎」的に。
ただ、後々真実が分かると、いかにも日根野谷らしい行動だったんじゃないかと思うんですよ。
日根野谷と言うキャラクターの、こういう部分にこそ魅力を感じていたので。
また、二ノ瀬の最終的な対応も、なんとも彼の「強さ」が表れていて心を動かされると言うか。
なので、個人的にはこの展開はあって良かったと思います。
そんなワケで「神」とさせていただきます。
このAIソムリエですが、コミックに関しては正直微妙なんですけど、小説に関しては結構な精度なんですよね。
私の場合はコミックより小説の評価数が多い事、あと好きな作家さんで漫画家さんより小説家さんの方が登録が多い事が関係してると思うんですけど。
やっぱ、データが多くなれば多くなるほど精度は上がるんでしょうね。
ちなみに「イエスかノーか半分か」は個人的殿堂入りですが、これもしつこくおすすめされてます。
や、あまりに良質すぎてデビュー作だというのが信じられない…!
読み始めたらページをめくる手が止まらず、気付いたらあっという間に100ページ読んでおり、そのまま徹夜して読み切ってしまいました。
主人公は目の見えない青年・二ノ瀬(受)。
鍼灸院を1人で経営し、限られた人間関係の中で穏やかに生活する彼は、高校時代の元カノの言葉に酷く傷付けられたことがトラウマとなり、恋を諦めています。
ある日、親友の一平の紹介で彼の会社の後輩だという日根野谷(攻)が鍼灸院を訪れるのですが、二ノ瀬はタメ口で無遠慮な質問などを繰り出す日根野谷に反感を覚えー
と続くお話です。
鍼灸のお話や、目の見えない人にとっての日常や突然襲われることの恐怖、見えないから相手の顔や体に「触れる」ことから生まれる不思議な感情など、読みながら納得したり深く考えさせられたりすることが多く、本当に胸に沁みる恋物語でした。
途中の2人のすれ違いはね、、
攻めの話のしかた順序や言葉の選び方がマズかったと思う。その後のフォローも、もっと素早く行うべきだったんじゃ…とちょっと思うところはあるものの。
完璧な人なんていないんだよな、っていう当たり前の事実がそこにある気がして、攻めが嫌になったりとか、そういうことはありませんでした。
目が見えないことが何かとても特別なのではない。
目が見える世界と、見えない世界。二つの異なる世界に住むというだけー
と二ノ瀬が途中で気付くシーン、こちらもハッとさせられました。
小椋ムク先生の優しくふんわりしたイラストも、すごく雰囲気に合っていて良かった〜
ああ、こんな話が読めて良かったなと心から思える、素晴らしい物語でした・:*+.
8/16気付の【BLニュース】で読みまして、興味をそそられていました。
デビュー作というのもそうですが、最も興味深かったのは視覚障がいの鍼灸師が主人公だということ。
私がお世話になっている鍼灸師さんも、中途失明で全盲なんです。長いおつき合いなのですが、彼と親しくなって「目が見えないって、私が思っていたのと全然違う」と何度も感じたので「半端なお涙ちょうだいものだったら、おばさんは許しませんよ」的な、ちょっと意地悪な目もあったんです。
そんなこと思っちゃってごめんなさい。反省してます。
何と言っても、二ノ瀬の心の動きに引き込まれます。
『ハンディを持って生きる』ということについて、深く考えましたし勉強にもなりました。
病気で高校生の時に失明した二ノ瀬は商店街の傍らで鍼灸院を開業しています。仕事も軌道に乗っており、同郷の幼馴染の一平夫婦や、商店街の人達も優しく接してくれていて、安定した毎日を送っています。ただ、二ノ瀬は過去の辛い経験から「恋愛をする気がない」と思っています。ある日、一平の職場の後輩である日根野谷が、一平から紹介され患者として鍼灸院を訪れます。仕事が忙しく、プライベートで面倒を抱えている日根野谷は、以前行った鍼灸院で酷い目にあったので東洋医学は信じないと言うばかりではなく、二ノ瀬の目のこともずけずけと聞いてきます。それに対して、二ノ瀬もついつい、いつもは言わない所まで踏み込んだ生活指導をしてしまったので、二度と施術を受けには来ないだろうと思っていました。しかし、日根野谷は「先生の言う通り、無理したらまた悪くなった」とやって来て、職場の悩みを打ち明けます。自分の非を認める率直な態度や、障がい者である自分に対して腫物を触るような扱いをしないこと、アドヴァイスを真摯に聞く姿勢に二ノ瀬は好感を持ち、日根野谷と友人になれたらと思います。鍼灸院に通い始めた日根野谷に対して、二ノ瀬はどんどん惹かれていくのですが……
『障がい者と健常者の間にある壁』を日根野谷が軽々と飛び越してくる(それは彼が帰国子女であることに由来するのですが)のが、とても気持ちが良いんです。「ああ、こういう人って素敵だな」と、素直に思える。
お話の途中で日根野谷が二ノ瀬を水族館に誘う部分があるのですけれど「見えない人が行っても楽しくないだろう」って思わないんです。ハンディがあっても楽しむことが出来る、って思っているんです。気をまわしすぎて「やらない」とか「気まずくなってしまう」ということがないの。
つまり、二ノ瀬にとっては『日根野谷と一緒にいればどんどん新しい世界に行ける』ってことなんですよ。
ねぇ、二ノ瀬が日根野谷に惹かれていくの、解るでしょう?
特に、過去に恋愛で酷い経験(書かないでおきますね。ホントに酷いのよ)をした二ノ瀬ですもの。
これは好きになっちゃうよ、絶対。
「この本、神作品!」と思って読んでいたんですが、後半部分で二人の関係だけではなく、二ノ瀬の生活にも危機が襲ってくるんです。そこがね、ちょっとだけ唐突と言うか、作品のトーンがガラッと変わっちゃう様な感じがしちゃったんですよ。特に日根野谷の言動が不自然で。
お話の構造としては仕方のないことなのかもしれないのですが、そこに『無理』を感じてしまったので『萌2』評価になっちゃいました。
でも全体的には、素晴らしい!
恋物語としても、頑なだった二ノ瀬の心が解けていく様に激しく幸福感を抱きましたし、障がい者と接する際の心得を知るお話としても大変興味深かったです。
初作品でこれですか……次作がとっても楽しみな作家さんが増えました。
小椋ムクさんの幸せいっぱいの表紙。そして、視覚障害者が主人公のBLってどんなお話だろうと、興味が湧いて、読んでみました。
目が見えない方が身近にいない私は、鍼灸師の二ノ瀬(受)の日常に、そうなんだ!とたくさんの驚きがありました。二ノ瀬は、窓から出した手の感覚と湿度やにおいで天気を推測し、声の調子や息の気配、体のちょっとした動きから、相手の気持ちを察します。自分は視覚ばかり使っていると、ハッとさせられました。最近、料理の味も匂いもよく味わっていなかったと気づかされ、目の前の相手の声の調子に十分注意を払っていたかな、と自問しました。もしかしたら、日々の小さな幸せや変化をたくさん見落としていたかもしれません。
高校生の若さで視覚を失い、悲しい失恋をし、一人で生きていくことを決めた二ノ瀬。一見穏やかで優しい、二ノ瀬のそんな芯の強さに、日根野谷(攻)は惹かれたのでしょう。鍼灸師としての腕もよく、運に任せて人を信用するしなやかさもある。凛と咲く花のようで、とても魅力的です。
日根野谷は、二ノ瀬に視覚障害があるからと過剰な配慮をしません。自分が一緒に行きたいと思うところに連れていきます。でも、水族館では自分の腕を差し出し誘導するし、夜道は自宅まで送ります。そういうさりげなさがとてもいい。二ノ瀬の鍼灸師としての腕を信頼し、料理は得意な二ノ瀬に任せる。対等に付き合ってくれて、一緒にいて楽しい。二ノ瀬が同性でも日根野谷を好きになる気持ちに共感できます。
そんな二人なので、純粋に恋愛ものとして、楽しんで読めました。
特に、二ノ瀬が、日根野谷に抱きしめられて、自分の気持ちが恋なのだと気づく場面は、「見えない状態で抱きしめられたら…」と想像して、ものすごくドキドキしました。タイトルの「触れて、感じて、恋になる」を象徴している気がします。二ノ瀬の気持ちが一気に高まってしまうのが、熱く伝わってきました。
ただ、水族館デートの帰りに日根野谷が二ノ瀬に話をするところからは、違う展開があってもよかった気がしています。二ノ瀬が日根野谷の話を誤解して、傷ついて怖い思いをすることは、必要だったのかなと思ってしまって。日根野谷が解決しておく問題だったのではないかと。終盤で真相が分かったときは、キスを我慢できなかったことが悪かったんじゃなくて、話す順番を間違ったんだよ、と日根野谷にツッコミを入れたくなりました。
二人が初めて体を重ねる場面は、日根野谷が手慣れた感じがして、それまで慎重に距離を縮めてきた二人らしくないように感じてしまいました。「ごめんね、上手くいかなくて」、「これからゆっくりやっていこうよ」みたいな、感じがよかったな。個人的な意見です。すみません。
でも、いろいろな気付きをもらえたし、BLとしての萌えもしっかり感じて、読んでよかったです。
小椋ムクさんのイラストも物語にぴったりで、もっと見たいなと思うくらい素敵でした。
視覚障害というデリケートな要素も、恋愛のときめきに自然に生かされていて、好感が持てました。
次回作も、ぜひ読みたい作家さんだと思いました。