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表題作五年後の初恋

藤城真幸, 俳優, 23歳
瀬戸晶, 失業中(元化学メーカー研究員), 23歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

五年経って同じ気持ちだったら、もう一度、お前に好きだって言う──
高校の卒業式当日、友人の藤城にそう告白した瀬戸。
互いに眼鏡をかけていることから「ダブル眼鏡」と呼ばれていたふたりは、
同じ大学に通うことにもなっていた。
けれど、瀬戸は告白とともに藤城の前から姿を消し、
五年間、連絡をとることをしなかった。
瀬戸が告白したのは、藤城への想いを断ち切るためだったけれど……。

作品情報

作品名
五年後の初恋
著者
池戸裕子 
イラスト
中田アキラ 
媒体
小説
出版社
オークラ出版
レーベル
プリズム文庫
発売日
ISBN
9784775528099
2.5

(6)

(0)

萌々

(0)

(3)

中立

(3)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
3
得点
12
評価数
6
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

高校生のような恋愛

止まった二人の時間が再び動き出す

<あらすじ>
瀬戸(受け)は高校の卒業式でずっと好きだった親友・藤城(攻め)に告白し、返事は5年後に聞くからと言って告白逃げします。
本当はそのまま藤城への想いを断ち切るつもりでしたが、結局忘れることができずに約束の場所へと向かいます。

きっと来ないであろうと10分待ったら帰ろうと思っていたのに、思いがけず藤城が先に約束の場所で待っています。もう一度会えただけで十分だと思っていた瀬戸ですが、藤城は最後告白されることを待っている様子。驚く瀬戸に藤城は「お前が好きだ」とまさかの告白。
思いがけず付き合えるようになった瀬戸は手に入らないと思っていたものが手に入ったことで、失うことを恐れるようになるのです。


瀬戸は藤城と同じ大学に進学することになっていましたが、告白することを決めてからは別の大学に進学することにしており、告白した後は音信不通にしてしまいます。
大手化学メーカーに就職しましたが、上司との折り合いが悪く体調を崩して退職してしまい、現在は就職活動中です。なかなか次の職場が決まらない中、約束の5年後が来てしまい、思いがけず付き合えることになった幸せを逃すのが怖いばかりに、藤城には本当のことが言えません。
エリート研究員として頑張っている瀬戸に負けないように頑張るとにこやかに話す藤城には幻滅されたくないと強く思ってしまうのです。



藤城は人気急上昇中の俳優です。瀬戸に告白されたことが自分の気持ちを見直すきっかけとなり、足掻いた結果自分が瀬戸を好きなことを認め、彼の再告白を心待ちにするのです。
瀬戸が研究者としてバリバリ働いていると信じており、自分も彼に幻滅されないよう頑張らないといけないと思っています。
瀬戸に褒めてほしいばかりに頑張りすぎた結果、空回りしてしまいます。
そんな時、人伝てに瀬戸の現状を知ってしまい、それに気が付かなかった自分を責め、頼ってもらえなかった自分に落ち込むのです。


藤城も瀬戸も、相手が頑張っているから自分も頑張らなければと思いつめて、どんな君でも好きだとお互い言っていたのにすっかり忘れて、弱みを見せることができないでてすれ違うところが高校生のようで初々しいです。
自分が相手を想うことにいっぱいいっぱいになっていて、相手を思いやることができなくなってしまって、相手を傷つけてしまうのです。

二人にかかわる登場人物は同じ事務所の先輩俳優の島崎。
バイである彼は藤城のことが好きだったようですが、遊び人風を装ってはいても、本気の相手には慎重になる性格だったようで無理に手をだすことはせず、(隙があればと思ってはいたと思いますが)瀬戸に対して牽制したり邪魔したりすることもなく、藤城や瀬戸にアドバイスしてくれるいい人でした。
藤城に気づかせることなく、瀬戸の方に気があるふりをして藤城の本気を引き出すという、藤城のことを吹っ切るためとはいえ自殺行為のような行動をとっていた島崎にもいい人が現れるといいと思います。彼のスピンオフを読んでみたいと思いました。



話的には、高校生の恋愛といった感じです。
特に大事件が起きるということはなく、考えが若いために自爆しあい被弾しあって傷ついて、やっと相手の立場にたって考えられるようになるまでの二人足掻きの話でした。
これを教訓にこれからはお互い自分の情けない姿を見せあって誤解のないようにしてほしいものです。

ひとつ気になったのは、藤城が伊達眼鏡をかけるきっかけになった高校時代の先輩について、大好きな先輩だったようなのにすごくあっさりしていて、あんなに瀬戸が気にするくらい親密だったのにと違和感を感じました。
もう少し、説明あっても良かったのに。

1

メガネーズ

絵がすごく好みだなあと思って購入したら、この間コミック読んだ中田先生でしたw その辺りにいそうなメガネ日本人男子2人の高校時代から始まるこじれ話で、「本編220P弱+あとがき」です。メガネがキーアイテムなので、眼鏡好きさんにはいいかもと思いました。私は眼鏡萌えはあまりないのと、「うわ、可愛い!」というきゅん殺されるポイントが今一つなかったので中立にしました。

高校最後の日、ネイビーの制服に身をつつんだ二人はいつものように河川敷に座り、卒業式のことやら思い出話に花を咲かせます。メガネーズと愛称を付けられるほど、すっごく仲良しだった二人ですが、この日を最後にすると決めていた瀬戸は「お前のこと、好きになっていた」と告白、返事は5年後でいい!と言って、なんとその場から逃走。京都の大学に一緒に進学すると思っていた藤城でしたが、実際には瀬戸は全く違った大学に行き・・・そして5年後の3月に話は続きます。

攻め受け以外の登場人物は
攻めの先輩にあたるシマジュン(人気中堅俳優)ぐらいかな。

**以下内容に触れる感想

五年後の3月に、俳優さんになって人気が出始めた攻めさんが、ちゃーんとあの河川敷にいて、ドキドキうきうき告白ターイム!なんです。うわ、さっくりくっついたわ!と思っていたら、そっから受けさんが人生に躓いていることが分かったり、攻めさんもお仕事で空回りしちゃったり・・・。
お互い良いところを見てほしいと思って、すれ違ったりもするのも、いじらしい。そんなこんなで二人の思いを固めていくという感じのお話です。

河川敷、わあ青春・・・と思う18歳が5年後23歳になって、ようやく思いを遂げるというお話なので、めっちゃハマる方にはとてもハマりそう!純情だよな、二人とも。えらいわーと思います。ただ私は高校生ものにあんまり興味が無いので、そんなに深くシンクロできず残念でした。

攻めさんの芸能話が全面に出ているわけではないと思いますが、少しはあるので、芸能関係のお話が好きな人にもよいかもです。
純情だよな、と思う二人がなんとか5年越しに思いを固める、私にはとても初々しく感じられたお話でした。

3

結構あっさり…

高校を卒業して五年後の再会ラブストーリー、
それまでどれほど切ないんだろうか、どんなふうに二人は想いを伝えあうのかと
ときめく気満々で読ませていただきました。
ところがW眼鏡を“メガネーズ”と言ってホットとクールとか…。
“ホット”な藤城がムードメーカーと言いたかったのでしょうけど
私には面白さが伝わらなかったです。ごめんなさい。
瀬戸が、自分にはない社交性を持ってる藤城に想いを寄せる気持ちはわかりますが
おとなしすぎて瀬戸の魅力がいまいちピンと来ませんでした。
素直で穏やかなところがよいのかもしれませんけども。
再会後、あっさりキスしちゃってたり
藤城は売れっ子俳優になっていたり(個人的に最近芸能ものは食傷気味ですみません)
藤城の先輩俳優も売れっ子で一般人の瀬戸と連絡取って助言してくれたりと
テンプレっぽくて切なくなるところを見つけられませんでした。
あと文体が読みにくいわけではないですがなんとなく薄い印象というか…。
残念ながら私には合わないようです。
辛口で大変申し訳ないですが中田アキラさんのイラストは素敵だったので
おまけの中立で。

0

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