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表題作見つけたボクのオメガ様

滝沢雨音 α,昔の同級生,24歳
工藤大樹 Ω,大学院生,24歳

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

「君は価値のある”番候補”なんだ。」
幼少の頃のいじめにより陰キャになってしまったΩ・大樹
性別格差に押しつぶされていた大樹の前に、
過去同級生だったというハイスペックα・滝沢が現れた。
大樹はまったく存在を覚えていない上に、
なぜか自分と番になることを望む滝沢を警戒するが?

作品情報

作品名
見つけたボクのオメガ様
著者
夏のティー  
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイオメガバースコミックス
発売日
ISBN
9784799740989
3.4

(57)

(9)

萌々

(21)

(14)

中立

(12)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
4
得点
183
評価数
57
平均
3.4 / 5
神率
15.8%

レビュー投稿数4

理解が追いつかない

ここ最近、性格の悪さ全開のレビューばかりを量産していたので、少しでも気分良くレビューを書けそうな作品を探していました。
表紙の雨音の笑顔に騙された…。

賢くて積極的。
そんな自分はαだと信じていた大樹にとって、人生が一転したのは小学校のときの性別判定テストだった。
予想に反してΩだった大樹は、それまでの高圧的な態度に嫌気がさしていたクラスメイトからいじめを受けるようになって…。

いじめって怖いですね。
相手の狡さの上を行く社交術が身に付いている年齢であれば、ここまで酷くなることはなかったのかもしれないけれど、性格上「逃げる」という手段を持たなかったばかりに、余計に自分を追い詰める選択をして、ほぼ対人恐怖症に。
そんな大樹に近づいて来たのが、小学校の同級生だったという雨音です。

終盤に差し掛かるまで、雨音の黒い策略と、雨音が狙った通りに流されていく大樹を交互に見せられます。
これが思った以上にしんどい。
片方はときめいているのに、片方は実験の過程をチェックするかのような冷静さ。
雨音的に計算外なことをしたせいで、予想外な方向へ進むものの、それだって致命傷を与えるほどではなくて。

何だろうなあ。
雨音から熱量を感じられなかったんです。
「もう一度チャンスを」と懇願するのもパフォーマンスに見えてしまって。
この期に及んで「(大樹に紹介されたΩに)何ひとつ勝ってるところなんてないのに」って平気で言っちゃうところとか。
大樹に対して「孤高のヒーロー」と思っているようにも見えないんです。
敬意が感じられないというか、打算ばかりが前面に出ているので、「捕まえたボクのオメガ(敬称つける価値なし)」というタイトルの方がしっくり来る感じ。

陰謀、策士系が楽しいのは、自分は完璧だと驕っている策士が足元を掬われる展開をじっくり味わえたり、策士が計算外に変化する自分の感情をどうにも出来ずに戸惑ったりする姿をしっかり見せてもらえる場合なんだなと気付きました。
人知れず苦しんで、「変わったボクを見て!」と言われても、信用できない。
見えないところで恋を自覚したとして、「君がいいんだ!」と言われても、ピンと来ない。
見えるところで葛藤してもらえないと、読者全員の気持ちまで巻き込めない。

作画が好みだったので、巻き込まれたかったです。
積極的に巻き込まれに行こうと読み直してみたけれど、巻き込んではくれませんでした。
残念。

1

もう少しあると思ったら‥ないんかーい!

黒髪の子に背後から目隠ししつつ振り返ってこちらを見ている男の子が攻めの滝沢くん。
目隠しされてる黒髪の子が受けの工藤くんです。
最近なんか目隠ししてる表紙絵多いな‥。
夏のティーさん、初読み作家さんです。
なんとも一度見たら忘れられないお名前ですね。
絵は綺麗で読みやすかったです。

ストーリーなんですが、攻めくんの闇が深そうで、とにかく受けくんを愛でるのに裏がありそうで後半まで、何か謎解き的なものがあるのかと読んでいたのですが‥結局の理由は傲慢なα親族への反抗からって事のようで‥
私の理解力がないせいかどうも意味が分からず‥。
皆さんのレビューを読んで「こういうことだったのかぁ〰」っと納得する始末‥(;>_<;)
受くんの小さい頃、自分はαだと自身満々!俺様キャラがとても魅力的だったので、変わってしまったのは仕方ないけど(オメガバースの差別はきびしいので‥それがあるからオメガバースの世界観が出ているし)なんか弱々しいキャラになってしまったのが残念で、根本的なところは男前で攻めくんを受け止めているのでしょうが、もう少しストーリーに受くんの強さが戻る描写があったら面白かったなぁっと思いました。
その頃の強かった受くんに惹かれた攻めくんなので。

取り合えず、もうしばらくしたらまた深読みしたいと思います‥(๑-﹏-๑)

5

ヤンデレだけど憎めない天然αと、ほだされΩ

幼い頃から優秀だった大樹は、友人に恵まれ、輝かしい未来を信じていた。
しかし、性別検査でΩであることがわかると日常は一変。いじめられ、こき使われる日々。
持ち前の反骨精神も次第に疲弊し、それからは目立たずひそやかに生きてきた。

そんな大樹の前に、滝沢というαが現れ、「番になろう」と言ってきます。
滝沢は小学生の時に同じクラスだったと言うが、大樹はまるで覚えていない。
そんなことは意に介さず迫ってくる滝沢を警戒しつつも、徐々に惹かれていく大樹。

滝沢はというと、α一家に生まれ、自分に相応しいΩを選ぶことを義務付けられていました。
そんな家族に反発した滝沢は、小学校で同級生だった大樹に目をつけるのです。
滝沢にとっては大樹は、「こんなΩを選んだ」と家族に反抗するための道具に過ぎない。

全ては計算の上の行動で、優しく近づき、信用させ、落とすのが滝沢の狙い。
大樹の中に眠る自尊心を呼び覚まし、「スポットライトがあたる快感」を味わわせ、秘めた欲望を引きずり出す手腕は実に巧妙です。
しかし完璧な滝沢にもミスが。大樹の抑制剤を隠してヒートを誘発し、それでもフェロモンに抗う姿を見せて信用を得るはずが、理性を失い本気で襲いそうになる。

そして、自身に動揺した滝沢が作戦を練り直している間に、大樹は滝沢の「Ω選別」の真実を知ってしまう。
それならばと有能なΩを滝沢に引き合わせて縁を切ろうとするが、本当は素直に表すことのできない想いがあった。
一方、バレた以上利用価値はないはずなのに、大樹への執着が消えない滝沢は、傷ついた大樹に真摯に想いを告げます。信じてもらえなくてもいい、ただ好きなのだと。

滝沢はヤンデレ策士でありながら、お坊ちゃま故か天然なところもある面白い人物です。
αらしく圧倒的優位に立つ一方で、素直に大樹の愛を求める姿なんかはちょっと幼くてかわいい。
それを象徴するのが、滝沢を受け入れると決めた大樹の「頑張ってかわいがってあげるしか…」というセリフ。
恐らく今後も滝沢は大樹を怒らせてはあたふたし、大樹は振り回されつつ滝沢をかわいがっていくのだろうと思います。

描き下ろしは滝沢家に挨拶に行く二人。生来の芯の強さを見せる大樹と、そんな大樹だから好きになったことを実感する滝沢。
大樹をかっこいいと言いながらもちょっと強引にエッチに持ち込み、流された大樹が怒るいつものパターン。でもこんなやりとりこそ二人らしい。
まだ番にはなっていないけど、そうなるまでの日々も二人が愛を深めていく大切な時間なんだなぁと思えます。

7

見つけたというか、見つかってしまったというか

小学生の頃って実力主義というか、成績がいいだけで一目置かれるみたいなところあるし、それが別の価値観で崩れてしまったがゆえのいじめときたならば、それはそれは容赦なかっただろうなぁと勝手に工藤くんの生い立ちに思いを馳せてしまいました。
が、性格が変わってしまってもめげなかった工藤くん。本当に偉いと思います。
だからこそこんな(と言ったら失礼ですが)わがまま坊や雨音の勝手な願望に巻き込まれてしまったのは、本当に本当に可哀想でならない…と思ってしまいました笑
でも作中で運命の番っぽい?描写がされていた気がしたので、運命ならば仕方ない。
雨音の思うがままなのはちょっと許せないので笑、今後は思いきり甘やかされて、憧れの先輩の下のびのびその才能を発揮してほしいです。

4

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