生まれ変わっても必ず、君と恋をするよ

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表題作恋が、あの夏にある

坂上 涼太(大学生)
一生(高校生、涼太の幼馴染)

その他の収録作品

  • さらさらとふわふわ(描き下ろし)

あらすじ

亡くなった祖父の遺品整理のため、夏休みに郷里へと戻った大学生の坂上涼太は、垣根の向こう、床に伏した千鶴と出会う。
病弱ながらも無邪気で前向きな千鶴に惹かれていく涼太。
千鶴もまた、大らかで優しい涼太に好意を寄せ、「元気な身体に生まれ変わったら、涼太とデートしたい」とキスを交わす。
しかし、ある日突然家ごと消えた千鶴。
混乱する涼太の前に現れたのは、生まれた時から知っている年下の幼なじみ・一生で…?

「あのひと夏」の恋は、あまりにも運命的だった。
大柄のんびり大学生×一途過ぎる小柄幼なじみの、リインカーネーション・ラブ!

作品情報

作品名
恋が、あの夏にある
著者
牧コチコ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
arca comics
発売日
ISBN
9784866691800
3.7

(57)

(16)

萌々

(15)

(21)

中立

(3)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
16
得点
206
評価数
57
平均
3.7 / 5
神率
28.1%

レビュー投稿数16

じんわり心に染み入る、優しいお話でした

表紙が可愛くって、久しぶりにジャケ買いしました。

んー、すんごい良かった!
ココロにじんわり染みてくる、優しくって、温かくって、幸せなお話でした。

大学生の涼太は、祖父が亡くなり形見分けするために田舎に帰ってくる。
そこで彼は、病弱で床に臥せってばかりの少年・千鶴と出会う。

子どもの時から外に出ることもままならず、世間のことを何も知らない千鶴と急速に仲良くなり、さまざまなことを千鶴に教えてあげるが、ある日千鶴の兄からあまり関わらないでほしいと言われてしまう。

が、千鶴に想いを寄せ始めていた涼太はそれでも千鶴のもとへ行こうとするが、千鶴が住んでいた家ごと無くなっていて―。

というお話。

誠実で優しい涼太。
病弱で、涼太だけが世界のすべてになっていく千鶴。
そんな二人の淡い恋の行方は―。

というお話だと思って読んでいたらですよ。

うわー、そう来たか!

という。

ファンタジー要素はあるものの、ベースとなるのはごく普通の日常。
その日常が、繊細に、そして温かく描かれていきます。

彼らの間にある愛情は本物で、だからこそすれ違う二人にヤキモキしつつ、そっと陰から応援したくなる。そんなストーリーでした。

そして、この作品のキーパーソンである千鶴のお兄ちゃん。
カッコよすぎて悶絶した。
涼太がいるってことは既婚者なのか…。
残念。ぜひとも彼メインのスピンオフを描いてほしかった。

初読みの作家さま。
そしてジャケ買いという、ある意味賭けで買った作品でしたがめっちゃ良かった。

表紙のイラストも素晴らしい。
読後、この表紙をしげしげと拝見すると、この表紙が、この作品のすべてを描き切ってると思います。

ということで、この表紙にビビッときた腐姐さまには激しくお勧めしたい。

このコミックが、初コミックなんですか?
そうとは思えない画力、構成力ですっかり引き込まれました。

次巻も楽しみに待っていようと思います。

5

ネタバレなしで読んだ方がいい

表紙イラストのみで購入した、はじめましての作家さんの初コミックス。
これは本当にネタバレなしで読んで正解だった。
ちょっと時間ファンタジーが入っていますが、そういう設定が大丈夫で、少し切ない系で、エロはそんなに重視しない方にはとてもおすすめなので、ぜひ、ネタバレなしで読んでみてください。

以下、ネタバレがあります。



夏休み、祖父の家の遺品整理に郷里に戻った大学生の涼太は、垣根の向こうの病弱な少年、千鶴と出会い…。
この千鶴編だけでも、甘酸っぱいほんのりラブでなかなか泣かせるのですが、そこからがこのお話の本題。

後半の一生編は、前世の記憶と今の自分との間で揺れ動き、やっとたどり着いたと思った想いなのにすれ違う。
この葛藤のお話。
この後半があるので、神だな。

3

読んでーー!!

上手い!!良かった!!

3

優しい表紙が物語る美しい恋。

表紙に惹かれて。
リインカーネーションラブ。輪廻転生ものです。
あらすじに触れていますので、閲覧にご注意くださいm(_ _)m


東京の大学に通う涼太は、祖父の遺品整理のため、夏休みを郷里で過ごすことに。
そして垣根の向こうの離れにて病床に伏した千鶴と出会います。
幼い頃から寝てばかりいる千鶴にとって、外の世界は知らないことだらけ。
涼太の持っていた炭酸飲料に「なんだこれっ静電気みたいにバチッて!」とはしゃぎ、初めて聞く外のいろいろな話に目を輝かせる千鶴。
2人は毎日のように一緒に過ごすようになります。
そして涼太は、無邪気で前向きで、儚い雰囲気を持つ千鶴に惹かれていき、2人は淡いキスをするのです。

やりたいことはたくさんあるのに、体の自由がきかない千鶴は、
「生まれ変わったら、今度は全部やれるかな」
と呟きます。
それに対し、「生まれ変わらなくても今からなんだって出来る。どこにだって連れて行ってやる」と約束する涼太。
ところが、それを最後に、千鶴の姿は離れの家屋ごと消えてしまって…

千鶴が本当に可愛くて…
何に対しても興味を持ち、キラキラした目で涼太の話を聞きたがる千鶴。
そりゃ当然会いにいきたくなるし、いろいろなことを教えてあげたい!連れて行ってあげたい!と思うだろうなぁ。
千鶴の姿を見るのがなんかとても切なかった。

ここまでが、作品あらすじに書いてある場面です。
以下、ネタバレ含みます。ご注意ください。




消えた離れについて調べる涼太は、それが過去に存在した祖父宅の離れであることを知ります。
祖父の昔の日記には、千鶴が祖父の弟にあたる人物であること。50年前の夏に他界していたことが記されていました。
悲しみで呆然とする涼太は考えます。
「生まれ変わっているなら早く会いにこいよ」と。

視点は変わり、今度は涼太の歳下の幼馴染、一生のターンに。
一生には生まれたときから前世の記憶があり、初めて涼太に出会ったときから「この人に会うために今ここにいる」と認識しながら生きています。
自分の中に存在するもう一つの記憶。
涼太への感情は自分のものなのか。千鶴のものなのか。
迷いながらも、少しずつ自分の感情として涼太に恋していることを自覚する一生。
でもその想いは一切涼太には見せません。
涼太が女の子と付き合おうと、じっと耐え、そのときを待っているのです。

そう。涼太が千鶴と出会うときを。

そして、千鶴と出会い、悲しい別れを迎えた涼太のもとに、自分が千鶴の生まれ変わりであることと、涼太への想いを、力強い足取りで伝えにいくのです。

ここまで、すっごく夢中になって読みました!
切なさや、希望に溢れていて。
千鶴が亡くなってしまった悲しさ、生まれ変わってまた出会えた奇跡、涼太と一生の未来への希望を感じ、感情が行ったり来たり忙しかった!

でもここからがちょっと急ぎ足というのかな?

「涼太のもとへ向かった一生!さあどうなる!」

と思った次の話が1年後、2人が付き合っているシーンなんですよ。
一応そのときの様子は回想シーンとして描かれているんですが、結末を見てからの回想シーンだとどうしてもそのときの生の感情や、温度や、臨場感が伝わってこなくて。
一生が力強く涼太のもとへ歩き出すシーンがとてもワクワクしただけに、あの勢いを殺しちゃったのがもったいない。
私はそこはライブで見たかったなー。

後半は、一生の葛藤がメイン。
涼太が見ているのは今の自分なのか、それとも自分の中にいる千鶴なのか…

その悩みを2人で解きほぐしていき、ラストへ…という流れです。

序盤の描写や、一生のエピソードに心惹かれた分、どうしても大切な場面の見せ方がもったいなく感じてしまいました。
表紙や、内容に合った柔らかいタッチの絵柄はとても好きでした(^^)
エッチは一応ありますが、描写は軽く、エロが苦手な方にもオススメです。

2人だけど3人の恋。美しかったです。

評価は迷ったのですが、作者様初コミックスなんですね。
期待と応援を込めて萌2とさせていただきます!

15

もっと「今の2人」をドラマチックに描いて欲しかったかな?

(※激しくネタバレしています。未読の方は飛ばして頂けると幸いです)

Renta!さんで連載(?)していた時から気になっていた作品。
大好きな輪廻転生ものです。
1話だけ試し読みして、その後の展開をすごく楽しみにしていたのですが、
予想とちょっと違っていてかなり驚きました。

大学生・坂上涼太は亡くなった祖父の遺品整理のため夏休みに里帰り。
そこで出会った病弱でいつも布団からこちらを見ている千鶴という青年。
彼とのほのぼのとしたやり取りを続けるうちお互い魅かれていく2人。
でも千鶴の体調はどんどん悪化していき…。
(…ここまではお試しで読みました。)

問題はこの後。
なぜか突然家ごと消える千鶴。
実は涼太は50年前の千鶴に会いに行っていた…という、
タイムスリップものでもありました。
千鶴は涼太の祖父の弟。若くして亡くなっています。

更に、涼太の幼馴染・高校生の「一生」。
彼は千鶴の生まれ変わりであることが3話で明らかになります。
生まれた時から千鶴の記憶を持っていた一生。
涼太が大学生になり千鶴に出会うまでをずっと待ち続けます。

この作品の後半は、せっかく涼太と両思いになれたのに、
どうしても千鶴と比べられてしまう…。
一生の複雑な心境が切なく丁寧に描かれます。

これはこれで意外性があり、凝った設定だなと思う反面、
この作家さんの描く素朴で温かい人物やどこか懐かしい田舎の風景、
それをちょっと邪魔してしまうと言うか、ここまで凝らずに、
もっと分かり易い輪廻転生ものにしても良かったのではないかなと
私は感じました。

そして、生まれた時から前世の記憶をハッキリと覚えている一生。
自分の気持ちを隠し、
千鶴の消えたタイミングを狙って涼太の前に現れるあたり、
ややあざといなと思ってしまい、
「前世の記憶をはっきり持っている」のではなく、
『なんとなく涼太を見ると懐かしい』
『時折自分の知らない涼太の夢を見る。これはなんなんだろう…』
という感じで、徐々に涼太との過去の記憶を取り戻し、
最終的に結ばれる…といった展開にしたほうがよりドラマチックにお話が進んだのではないかな~と個人的には思いました。

あえて、ありきたりな展開を避け、今までなかった新しい作風の物語に出会えたのは単純に嬉しく、この作品自体も大好きになりました。
ただ、一生がちょっとかわいそうにも感じてしまった点と、やや盛り上がりに欠けたかなというところが心残りです。

次回作に期待して、神寄りの萌×2評価とさせて頂きます。

8

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