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女性あけみさん

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閉塞感が盛り上げてくれる

どこを開いてもエロ、エロ。
まさにエロ特化本なんですけど、舞台が離れ小島で因習や権力者に囚われているという閉塞感が、否応なしに盛り上げてくれるんです。
エロだけに終わらせないあたり、さすが沙野さんだと。

どんな方法でご神託をするんだろうと思ったら、きゃ~あんな方法だとは!
でも、昔からの因習とかを思い浮かべると、さもありなんって感じで、ありだよねぇ~って思いました。
巫女になるために行われたシーンだって、うっわぁ~だし。
しかも、あとで種明かしをされ、えっと思うようなこともあって、さすがです。

現代物で、エロ特化本だとストーリーに物足りなさを感じますが、この話は、ありえないようなことが、そこかしこに出てきて、因習だとか伝承だとか、おどろおどろしいものを想像させてくれるから、足りない物を補っている気がします。

こんな双子ものだとは

表紙を見ていただいたらわかると思うんですが、攻めは二人、双子(航と蓮9です。
その二人の間に挟まって、本当に切なく心を揺れ動かされる晴人。
となると、いつもの3Pか?! となるわけですが、同時に二人一緒に付き合うことはないんです。
どちらかとしか付き合ってないという、ある意味変わった(いやいや、人として真っ当です)お話です。

半年前、異動でやって来た直属の上司・宇津木。お堅いイメージがあって、回りの同僚は宇津木を敬遠していましたが、悩んでいたときに優しく声をかけてくれたり、仕事で信用してもらっていたことやらで、いつしか宇津木に心惹かれていた晴人。

馴染みのバーで、上手くいかない恋愛をこぼしていたときに声をかけてきた蓮。舞台俳優をしているという蓮は、ノンケの落とし方を教えてくれるのです。
そしてそのレクチャー通りに実行すると、ある日個人的に晴人を誘って来た宇津木。付き合い始めた二人は、週末に密かにデートを繰り返し、愛し合うようになるんです。

ここまでは順調に進んでいくわけですが、航と蓮が双子だったことがわかり、身をひいた蓮と入れ替わるように航と付き合い始めた晴人ですが、どこかに本当の気持ちを置き忘れたような気になってしまって。

いや~、こんな展開が待っているとは予想外。
晴人じゃないけど、びっくりでした。
結局最後に結ばれる相手は……。

それそれが、ちゃんと真摯に恋愛をしていたし、流されることなくきちんと自分の気持ちに向き合っていたし、安易に3Pに流れなくてよかったなぁ~と思ったお話でした。

自分好みに育てるって

磨けば光るものを持っていながら、本人は全くその自覚がなく、自信もなく、家族もなく、たったひとりで生きている櫂を、一目見て自分好みの“蝶”に羽化させたいと思った執行。
ヒギンズ教授の『マイフェアレディ』を思い浮かべるところですが、実際はもう少し湿った空気感があって、本文にも出てきますが、レクター博士なんだそうです。
うん、確かに丁寧に育てているけど、育ちすぎたら捨てちゃってたんですね、今までは。
だから、そういうところがレクター博士なんでしょうねぇ。

執行に出会うまでは、地味で真面目で臆病で面白みのないただの学生だった櫂が、執行に手をかけられると、本当に羽化していくんです。
ですが、執行は綺麗に着飾らせてはくれるけれど、気持ちはくれない。というか、最後まで抱いてくれないことに、不安を持ち始めます。
好きなのは自分だけで、執行は愛してはくれていないのではないかと。執行の自宅にある温室に飛ぶ、執行が育てている様々な蝶と同じなのではないかと。

そうなると、元々自信のない櫂は、どんどんと後ろ向きになっていき、執行からの連絡を拒否し始めます。携帯の連絡さえ途切れたら、もう二人を繋ぐものはないという薄っぺらな関係だと自嘲する櫂の姿が、切ないやら哀しいやら。

また、執行が昔付き合っていた男・京哉の登場により、以前の執行が誉められた人間ではなかったことがわかっちゃうんです。
櫂も感じたのと同じように、京哉は『温室を飾る人形』として扱われていたらしいんですよ、執行から。だから、好みからはずれると即捨ててしまう。
プライドの高そうな京哉は、今でもそれが許せなくて、櫂にちょっかいを出してしまったわけです。

執行といういい男に愛され、自信をつけた櫂は、京哉だけでなく、画壇の重鎮にまで気に入られちゃってます。執行が嫉妬の嵐を巻き起こさないといいのですが。

相変わらずのラブラブバカップル

『罪な後悔』で、あからさまにごろちゃんを避ける後輩の検事・武内を食事に誘った高梨。そして、その場にごろちゃんも呼び出したんです。ちゃんとごろちゃんをわかってくれれば、武内の態度も変わるはずだと信じて。
ですが、その願いも空しく、食事が始まってしばらくすると、事件が起こり呼び出される高梨。
その場は解散になりますが、武内は現場を見ておこうという建前で、高梨の後を追うのです。が、現場がはっきりわからず、大体のところでタクシーを降り歩いていると、因縁のある幼馴染みの矢神と10年振りくらいに再会。矢神はヤクザになっていました。
この矢神が、武内のホモ嫌いの原因でした。

さすがにごろちゃんが、殺人事件に巻き込まれちゃうのも限界に来たのか、今回殺人事件はごろちゃんとは関わりのないところで起こりました。
ですが、武内が矢神(ごろちゃんやごろちゃんと一緒にいた富岡は誰かわかっていませんが)が、ラブホから出てきたところを目撃させたりと、事件と絡ませては来ますけど。

武内の取った行動がきっかけになって、殺人犯は逮捕されますが、麻薬を扱っている加納組とか、警察の情報を漏らしている警察関係者とか、本当に捕まえたかった人物が全然捕まってないので、そのあたりを絡ませて、次に出るという矢神と武内のスピンオフで、スッキリ事件解決となるのかなぁ?
いやいや、解決して欲しいです。

高梨とごろちゃんは、相変わらずラブラブのバカップルです。エロ担当として励んでいますよ~。
それと、トミーも全く諦めてないところもすごい。何かにつけて口説いてますけど、キッパリ断るごろちゃんもいい! で、ごろちゃんのために骨を折るトミーが素敵。
トミーにもいいお相手が出来るといいのになぁ。

あとミトモ。情報屋なのはわかるけど、その情報ってすごすぎません? なんでも(警察よりも)知ってる、ゲイバーのママって……。

六青さんの萌えがてんこ盛り

六青さんの処女作だそうです。同人誌で発表されていたものを改稿したもの。
実は、同人誌で読んでいました。
その時に「おおっ、こんなラストがあってもいいのかぁ……さすが同人誌だ」と感心したものでしたが、商業誌でもOKなんですねぇ。

六青さんの萌えをてんこ盛りにしただけあって、受けである葉之助は、健気だけじゃなく、これでもかってくらい酷い目にも遭い死にそうになっちゃいます。
もちろん攻めの隆継とも、気持ちが繋がるかと思えても断ち切られちゃうし。

でも、心から愛し、信頼した男のそばに一生いられた葉之助は、幸せな一生だったんでしょうね。そりゃ、途中では酷い目に遭ってますけど。
幸せと不幸の振り幅が広い、まるでジェットコースターのような人生でしたが、再び隆継と暮らし始めてからは、心身共に尽くしまくったんだろうと想像します。
そしてそれが、きっと葉之助の幸せだったはず。
幸せな葉之助が見たかったなぁ。

若者ゆえの悩み

何と言えばいいんでしょう。切ないのかもどかしいのか、上手い言葉が見つかりません。
手を伸ばしたいのに、自分の感情に名前が付けられないから、どう伸ばしていいのかわからない。
助けてって言えばいいのか、好きだって言えばいいのか。
そして、先に気が付いた方は逃げ出しちゃって。

勉強は苦手ですが、優しくて人のことを思いやれて、真っ直ぐな宙。お隣さんのお兄ちゃん・哲弥の部屋にこっそりと遊びに行くのが楽しくてなりません。
が、厳しい父には、哲弥のところへ遊びに行くのを止められています。ばれて叱られていると、哲弥が庇いに駆けつけますが、宙の父はそれすらも気に入らない。仕事人間で、子どものことは二の次。一番に庇ってくれるはずの母は、家庭を顧みない父に愛想を尽かし、もう出て行っており、父子家庭なんです。

ぐれちゃっても良さそうなのに、哲弥を心の拠り所にして何とか踏ん張っているって感じで、何かあればポキッと折れそうな宙の心。
哲弥はそのことがわかっているから、甘やかさない父の代わりに宙を甘やかそうとしているんですよねぇ。
でも、まだ高校生だから何の力にもなれないんです。

ここですよ、まだ高校生だからどうにも出来ないんですよね。
守ってやりたいと思っても、父がいるからそれもままならないし、かといって本当に出来ることはなくて。
想いだけが募っていく辛さ、切なさ、もどかしさ。
若者ゆえの悩みが、目一杯詰まっていました。

え~~~、こんなところで終わりですかっ! というところで終わってます。
早く続きが読みたいです。

続編が読めるとはっ!

続きを描いてらっしゃったとは、全く知らなかったので、続編が出て嬉しかったです。
あの可愛らしい六車君が帰ってきたんですもん。
今回も、めちゃめちゃ可愛らしい格好をしてくれました。仮装パーティーでの、半ズボンスーツ姿です。
でも“半ズボン”って……。似合ってたんですけどね。

さて、続編ではよくありますが、出来上がったカップルを邪魔するトンデモ登場人物が、これでもかっ! これでもかっ! とばかりに続出します。
二人の女性の攻撃を喰らって、六車君はへこんじゃうんですね。
多少は由利先生に“嫁”呼ばわりされたのも、傷ついた一因かなぁ? とは思うのですが。
しかも、由利先生は「好きだよ」とか「愛してるよ」とか、全然言ってくれませんからねぇ。
言わないとわからないことはちゃんと言ったほうがいいと思います、由利先生。

六車君が担当する作家・佐倉先生もいいところのお坊っちゃまで、お金には不自由していない、見るからに王子様だから、やることなすこといちいち大げさ。
浮世離れした人物だったなぁ。

今回は、こんなトンデモ登場人物に振り回されて、由利先生の担当を降りる羽目に陥った六車君でしたが、由利先生から欲しかった言葉ももらうことが出来て、元の鞘に収まりました。
元サヤ以上に、作家と担当という間柄以上に、恋人としても確固たる絆が出来たように思いました。

強引だと思われた攻めが実は

異動して新しい職場になかなか馴染めず、居場所のなかった本郷。
九重と組んだ仕事によって認められ、この先編集者としてやっていく自信をつけることが出来ます。
そして、とある理由により傷つき、絵が描けなくなっていた九重。
傷ついた原因を、ちゃんと確認しないといけない! と、腰の引けている九重を叱咤する本郷。
そして、きちんと本当のことがわかったときは、なんか私までホロッと来ました。

二人が、お互いの存在によって信頼を築き、自信を取り戻し、愛を育んでいったわけですが、ここで尻込みをしてしまう本郷。
男同士で、まして自分なんか愛されるわけがないと離れていくんですよねぇ。
仕事が忙しいと距離を取る本郷を、わざわざ編集部へ乗り込み、攫っていく九重は、相変わらず傲慢ですが、こんな傲慢さならOKです。

そして、ラストは本当に変わった二人。
この二人の関係が、ものすごく羨ましく感じました。
久しぶりに、仕事もエロもいけてるお話だったと思います。

やっとラブラブになれる?

『ユキウサギ』は、千秋が侑央に執着を持ち始める頃のお話。
千秋視点でお話が進むため、狡さや執着や腹黒さ全開で、何を考えているのか丸わかりです。
それだけに、重い、重い。
体調次第では、鬱っとなりそうな気が。

千秋のあまりの執着さに、侑央がだんだんと笑わなくなっていくことに気が付き、ようやく自分のしてきたことを振り返るわけです。

ですが、千秋は侑央のことを『案外頑固』と思っているわけですから、ここまで流されるんじゃなく、嫌なら嫌だと言えばよかったのに。
笑えなくなる前に。
いやだって拒否されたら、千秋だってもう少しやり方を変えてきたと思います。千秋だって、嫌われたら元も子もないんですから。
それに、荘一には言えないなんて言わずに、当たって砕けたっていいんじゃない? とも思っちゃうから、やっぱり侑央だって狡く感じます。

どうにもならなくなった閉塞感から逃げ出すように、進学先を東京にした千秋。上京する朝、登校する侑央を、バスの窓からこっそりと見送るシーンは、ついホロリ……でした。

「バイバイ、ユキちゃん…、もう、さよならや…」
哀しすぎました、千秋が。

そして、前作の続き『啼かぬ蛍が…』
カラダを繋ぎ、なんとな~く恋人同士(?)みたいな関係になった千秋と侑央。
ですが、まだまだ甘さとは縁遠い感じ。もどかしい関係です。

ですが、千秋と侑央の前に現れた芸妓により、侑央は嫉妬するんですが、「結婚しないで」とは言えないんです。
嫉妬しながらも、そのことを言えずにいた侑央も、とうとう「一緒にいてくれる?」と言えるようになります。
カラダから始まった関係とはいえ、気持ちもどんどんと千秋へと傾いていくというか、搦め捕られていくというか。
ようやく気持ちがしっかりと通い合ったなぁ~と思えるラスト。
気の強い侑央ですから、まだまだ甘えたりはしてないけれど、千秋を膝枕なんかしちゃってるんだから、もう大丈夫かなぁ?

強引な攻め

同期同士で付き合ってて、でもプラトニックでキス止まり。この二人が、だんだんと愛を深めていくお話なのね……と思いきや、全く違ってたっ!!!
5つ年上の男がさっと現れ、あっという間に攫って行っちゃったよ。
そうですっ! 略奪愛です!!
しかも、攫った相手の気持ちなんかお構いなし。チャンスと見たらそれを逃がさない。
いやはや、こんな強引な攻め、初めてでした。
ってか、略奪愛も初めてかもしれない。

最初は、付き合っている相手がいて、その相手もちゃんとわかっているのに、自分の気持ちに正直になって歩己に迫る御森を「何だ、コイツ」と思ってましたが、真剣に好きだったんですよね。
だから、降って沸いたチャンスを無駄にしなかった。やり方はどうかと思いますが。

それに比べ毅ですよ。もちろん、歩己を好きだという気持ちに嘘はなかったと思うんです。
ですが、肝心なところで腰が引けてちゃ、恋人も離れていくってもんですよ。
やっぱり、男同士の恋愛には思い切れなかったってことが敗因でしょうか。ノンケだったわけですから、これ以上責めるわけにもいきません。
まぁ、割り込んできた相手が悪かったんだと言うことで。

歩己だって、自分の気持ちの隙をつかれたとは言うものの、ちゃんと御森の気持ちはわかるし、自分のこともわかってくれるし、愛される心地よさだって知っちゃったら、何もしてくれない毅を見限っちゃったんだろうなぁ。
しかも、気が付いてなかった嫌な面を見せつけられちゃったら……ねぇ?

そしてラスト。さりげない御森の思いやりというか優しさというか、あ~やられた。

歩己が取り調べた青年とか、訴えた相手とか、もちろん歩己や毅等々、ナチュラルでリアリティーがあったなぁ。