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病み方がリアルです

ドロドロの1巻から2巻は更にドロドロに。
1巻からすでにその壊れっぷりにゾクゾクさせられた須藤さんですが、少しずつ弱さを見せ始めています。新谷くんに抱きしめられて静かに目を閉じるシーンで彼の心の中にあるものは何なのでしょう。もう人情や人としての尊厳なんて全て失くしたような生き方をしてるのに、まだ少しでも人間らしさが残っているのなら彼のそんな一面をもっと見てみたいと思いました。そして、逆に今まで必死に人生にしがみつこうと足掻いていた菊池くんが壊れ始めているように思えます。考える力が無くて、どうしても破壊的な思考に走ってしまって、それでももう全て受け入れたように笑う姿が悲しい。そして優しい善人のように見える新谷くんも、自分の欲望や性癖に抗えない。

今作の主役は三人とも、真っ直ぐな愛情に恵まれず不幸な生い立ちであるのでしょう。歪められた人生の中で歪んだまま生きている。愛情よりも依存や執着の色が濃いのに、ほんの僅かな愛情に縋ってどうにかして生きているような不安定さ。それぞれの感情の描写も胸が痛むリアルさです。
どうなってしまうのか…すごく気になります。

キャラクターの透明な魅力

二木の片づけ出来ない、時間を守れない、単純な作業を覚えられない、忘れっぽい、情緒不安定というこれらの特徴、なんだかどこかで聞いたような感じがします。
それだけでなく一定の分野においてはもの凄い集中力を見せたり、独特の感性を持ち合わせていたりと、これは然るべき機関へ行けばそれなりの診断名をつけられてしまいそうだと思いました。本編に直接的な表現は無いですが、榎田先生はある程度そういった知識と見識を持った上で二木というキャラクターを生み出されたのだろうと推測します。二木は子どもの頃から他の多数の人間たちとはテンポが合わなかったという説明がありますし、おそらく先天的にちょっと変わった特性を持っているということだと思います。

作中で茜さんが二木の描く漫画を割れたビー玉のようと評しているのですが、きっと二木自身にもそのような魅力があるのだと思います。不完全で未発達、それでもキラキラと健やかに輝く生命そのものの美しさがあるのだと思います。そして、とても優しく清らかな心の持ち主である。漫画を描きながら亡くなってしまった鳩子に想いを馳せ、彼女の命を紡ぎ続ける姿に胸が締め付けられました。そんな子に甘えられて、東海林が好きになってしまう気持ちとてもよく分かる。中盤で死んでやるとゴネる二木を東海林が思い切り罵倒するシーンがありますが、それも真摯な愛情の裏返しのように思います。結構言いたい放題言ってますが。

東海林と二木との関係は共依存関係に近いと言えますし一般的な価値観で判断すればあまり良い状態ではない、不健全と評されてしまいそうなんですが、この二人に関しては必ずしも不健全とは言えないよなと思います。支配か服従という極端な関係になるのではなく、互いに何かを与え合うことが出来れば、共依存的な関係も一つの健全な愛の形として成立すると感じました。

わかる人にわかれば良い的な

最初はこの複雑な3人の関係に首を傾げてしまいました。特に拾とタケの関係性が見えなくて考えさせられたのですが、何度か読んでいるうちに人物像が見えてきました。

おそらく、拾は非常に独特な価値観を持っていて、そのせいで他人から理解されず拒絶されるということを繰り返してきた人なのかな。また、拾は他人と自分との境界線が曖昧なために自分の中の価値観や秩序を他人に押し付けて支配的な関係になってしまう。

そして理由を説明しても多くの人には理解も納得も出来ないような拾独自の秩序に合わせられる数少ない存在がタケ。タケもまた他人と自分との境界線が曖昧なので、拾に対して受動的で服従的な関係になってしまっています。拾とタケは支配的な者と服従的な者で一見正反対のように見えて、実はお互いに曖昧な自我を持ち合わせているという点で似ていて凸と凹のようにしっくりきてしまう、とても閉鎖的で強固な共依存関係です。

そんな二人だけの世界に変化をもたらしてしまうのがミネ。ミネは非常に鈍いのかそれとも器が大きいのか、反発しながらも拾とタケの関係をそのまま受け入れていきます。彼の存在にそれまで揺らぐことの無かった拾とタケの感情が動き出してしまう。自分たちをありのままで受け入れてくれる第三の存在が現れて拾とタケはプチパニックなんですよね。特にタケが混乱しています。

ある意味で柔軟なミネに対して、拾とタケは非常に頑なで極端であるため小さな亀裂やズレが生じるだけでガラガラと崩れてしまいそう。もし、ミネがタケを好きになってしまったら、タケはどうするんだろう…。
珍妙で絶妙な三角関係を言葉少なに淡々描いています。今後3人がどうなっていくのか、見てみたいような見たくないような不思議な後味の作品でした。

頬が緩みます

いやらしっけなし、ドロドロなし、うじうじ控えめ
そして役者さん方の演技がとても自然で心地の良い一枚でした。

恭平は元ヤンなのに捻くれたところもなく、真っ直ぐで純粋で一生懸命なとっても良い子なんですよね。18歳の男の子と思えないほどピュアで情緒が幼いところがあるので、ともすると役者さんの演技もわざとらしくあざとくなってしまいそうな恭平のキャラですが、鈴木さんの演技はとても素晴らしかったです。千葉ちゃんの海外出張の話を聞いて不安な気持ちから出た弱々しい「なんでぇ?」、や突然万里に押し倒された時に出た間の抜けた「なんだぁ?!」などちょっとした台詞の言い方やリアクション一つ一つが生きていて、恭平への愛しさが増しました。他にも食べてるシーンや拗ねてるシーン、どれもとても可愛くて思わず頬が緩みました。
そして羽多野さんの万里。カッコいいです。無垢な恭平にたびたび性教育をほどこしてくれるエッロい万里ですが、仕事にかける情熱は本物で熱くなるところはしっかり熱く演じて下さっています。恭平を叱咤するシーンなどなかなかの迫力です。もちろん恭平を翻弄する囁くようなエロボイスも素晴らしかったです。
脇を固める役者さんたちも素晴らしかった。
耀成くん、千葉ちゃん、鳥丸さん、いい味出してます~。
個人的にはサンボ先生を押したいです!

マキシムが歌ってるところも聴きたかったですが、さすがにそれは難しいか…。でも、いい買い物でした。長さもちょうど良いのでウォークマンに入れて毎日リピッてます。

悶えます!

もう、ほんっとうに素晴らしかったです。
ジャンの世界の終わりに何をするか?という問いから始まり、結局ナニをするのですが、そのストーリーの中に5人のキャラクターの魅力がこれでもかというくらい濃縮されています。エロも満載ですし、中の人たちの演技も最高です。しかし、他の派生作品にもあるようにジャンの台詞はやはりどこかそう遠くはない別れの時を暗示するようで切ない気持ちになりました。それが尚いっそうこの物語と登場人物たちを愛しく思わせます。ラッキードッグ1を好きな方は是非聴いてみてほしいです。