以前の連載ものが電子単行本としてまとまりました。
由元先生らしい年下攻めxおじさん受け。
主人公は、経理課長の茂住。
表情が固くミスをなあなあで済ませないので、課員からは怖い上司と思われている。
しかし茂住の本当の姿は周囲にも仕事にも誠実な真面目さん、そして甘いものや可愛いもの、可愛い犬が大好きなひとなのです。
休日、ペットショップで犬に癒されている所を同じ会社の営業マン・井瀬に見られて、家に犬を見にきませんか、と誘われます。
そこで茂住は素の姿を井瀬に知られるのですが、井瀬は茂住を可愛いと言い出して急にキス!
茂住は驚きつつも井瀬を意識しまくり、井瀬は社内でもグイグイ!
あとはBLではお決まりすぎる「姉妹を恋人と間違える」波乱がありつつも無事に両想いカップルになれました〜。
展開はBL的に王道。正直よくある系。
由元先生はおじ受けが得意!だから茂住課長は本当に可愛く見えてくる。一方井瀬は好青年だけど、ゲイ設定も無いのに年上同性にキスやそれ以上に全く躊躇がない。
そこが逆に怖かったりして。
物語はハッピーエンドで楽しく読めました。「萌x2」で。
多摩緒べべ先生の新作は、オメガバース。
オメガバースは作品ごとの設定の自由度が大きいジャンルですが、本作の基本設定は、「αはΩと番になる」「α同士で惹かれ合った場合、片方がΩ化し運命の番となる」というもの。
主人公はαの会社員・藤原。
同期の佐々木遊馬もα。常に藤原と営業成績を競っていて、自他共に認めるライバル関係…
…という冒頭。
ある日、路上で急にヒートなったΩに出くわしてしまった2人。救急車を呼んで対処するけど2人ともラットになりお互いで抜きあってしまうが…
この事がきっかけで藤原にΩ化の兆候が。
加えて、その原因の遊馬があの時のΩが家に来て困ってるから泊めてくれとやってきて、藤原の運命は如何に。
元々ライバルとして認める気持ちがあるところにカラダで触れ合った事実も相まって、お互いの気持ちが恋にまで高まっていく。
そこに他人のαが藤原をΩに誤認するにあたってもう心が抑えられない遊馬。
αなのに、という葛藤とΩへの目覚めに引き裂かれる藤原。
ここからはもう王道という感じで、波乱の後で2人は無事結ばれ、遊馬によってうなじが噛まれる、そしてΩへのバース転換へ。
特にオメガバースという事で肉体的に強く惹かれ合う描写は必須。αとΩとしての目眩く快感が良く伝わってくる。
多摩緒先生の素晴らしい美麗絵柄が作品を美しく彩っています。「萌x2」で。
「ひーくんと昴さんは犬猿の仲」電子限定描き下ろし番外編となります。
3p。
以下、内容となります。
↓↓↓↓
タイトル「愛犬家の話」
休みの日?
2人で外を歩いていると、犬の散歩をしている人とすれ違います。
おっボーダーコリー。頭良さそうだよな。ひーくんみたいだ。
ゴールデンレトリバーだ。穏やかで優しいの ひーくんと一緒。
アフガンハウンド!前分けがひーくんみある。
サルーキー。脚長いんだよな〜 ひーくんそっくり。
…ってばっかり言ってたら、巌谷が「昴さんが俺のこと好きなのって大型犬に似てるから?」
そんな訳ないって大慌てで否定した昴だけど…
ベッドで昴にキスを雨を降らせ勢い余って顔をペロペロ舐め出す巌谷に、(大型犬っぽい♡♡♡)となる昴です。
オムニバスものって好きなんですよね。おしゃれですよね。
本作は「タクシー」を軸にするオムニバス。
運転手さん視点だったり、乗客主体だったりの4作品と、「朝食、しましょうか。」というアンソロジーに掲載された短編1作品の収録。
「トーチ」
偶然高校の時の同級生・岩崎を乗せたタクシー運転手の樋口。
この作品を読んで「霊性の震災学」という本を思い出しました。石巻のタクシー運転手達の体験する幽霊現象の論文です。
樋口に起きた事は何だったのか。岩崎はなぜ樋口を選んだ?そこにあるのは後悔とどこか温かく懐かしい記憶。
「9時にサウスサイドで」
こちらも超常現象系。
ある晩、泣く男を乗せたタクシー。だが、降ろした後その場面がループする。
乗せた男が人殺しをしないのが元に戻る条件?
「最後の旅」
これも…
後悔を抱える運転手が乗せたのは、後悔を乗り越えて生きた者。
こんな2人になれるのなら。これが自分の未来ならば。
揺れる恐怖感を越えて行動します。それがあの未来につながるはずだから。
「トーチソング」
報われない愛の明かりを灯す…
亡くなった同級生を巡る男2人の車内での会話から浮かび上がる行き場のない想い。
残された人の人生もおかしくなっていくあの感じ。でもこの2人はまだ間に合うのかも。
「COFFEE AND DONUTS」
私自身のニャオスキー先生初読み作品。アンソロジーで出会いました。
保安官なのに血が苦手なウィル。でもそれでいい。それが人間。弱いままで強くなっていけるはず。
さて「描き下ろし」。こちらは「嘘つきギズモ」に収録の短編「アンコール」とリンクしているようです。
地球/日本上空に巨大なUFOが留まり、最期の一日が過ぎていく。そんな雪の日に病院から自宅に帰る人を乗せる一台のタクシー…
明日は食材を持って2人の夕食会かな。
オムニバスのいい所が良く詰まってると思いました。何気なくオカルトの匂いがする所も好き。
このタイトルの字体が、昔の映画ポスターを思い出させてレトロというかノスタルジックな魅力に誘われる。
レビューも多いので感想だけ。
過去が見えるカメラと、前世を覚えている男と、オメガバース。ちょっと詰め込みすぎだったように思う。
どこに焦点を見据えればいいのか…
主人公の望月はカフェ店員。Ωで、母を亡くして落ち込んでいて、不思議なカメラを持っている。
常連客の北川は一見αのようなβで、前世を覚えている。
北川にとって望月は前世で結ばれなかった好きな人。望月にしてみたら、優しくしてくれたのはその人の代わり?
結局は北川は望月本人を愛するし、一見受け身的な望月は自分から北川に飛び込んでいく前向きなハッピーエンド。
北川から見た前世の哀しみ、望月のカメラに残る幸せな家族の姿、実際に望月の親族だった事、それらが絡まって不思議な物語になったと思う。
もう一点不思議なのは、描き下ろし部分。
北川のNYでの同僚・ジョナサン視点で、どうやら望月は北川に相応しくない/釣り合わないと思われてるみたい。なんでこんな視点をラストに持ってきた?ジョナサンは北川をαと思ってる。実際ほんとにβなのかしら?
ともかくも、かなり独自性というか作者様の独特な感性が感じられて、そこは非常に素晴らしいと思う。BL漫画の評価としては「萌」で。
作者様のデビューコミックス。
表題作と短編1作品収録。
「嘘つきギズモ」
何の事前情報も無しにページをめくって、おおっと!ハードボイルド⁉︎とびっくりしてたら、今度は月への旅行が一般的らしいとわかる。近未来か…
そして認知のあやしいおじいちゃんのクリスマスプレゼントは、拾った人!もとい髭面の家政婦アンドロイドときた。
一体何なのこのお話…?ともう思いっきりツカまれた。
主人公はジョン。見た目も内面もナードっぽい。家族団欒が居心地悪いタイプなんだね。だからクリスマスにもひとりでいたいんだけど、このアンドロイド=ギズモ(おじいちゃん命名)といる事でとんでもない事態に巻き込まれていく…という展開。
それは実は陰謀、というか人類の未来にも関わるような問題で、後半はあれよとアクション映画のように。
ただ。
テンポは良くて映画的に読めるけど、色々穴はあるような。
子供のジョンが宇宙で見た遭難者は誰?何?
なぜギズモが近所に落ちてた?
なぜステファンがあの場所に逃亡老人としていたのか?待ってた?
ラストは、私はハッピーエンドの場面だと思いました。でも真っ黒は不気味だよ…
「アンコール」
終末もの。
地球最後の数日に、浮気者の恋人と和解できるか?
私はこういうのダメなんですよ…
なんで平気な顔して謝れるの?なんで結局受け入れるの?
でもなんでこういう話って結局滅亡回避するのかな。滅亡してください。(立花はまたやると思う)
やん先生〜!素敵なラブストーリーをありがとうございます。
今回の主人公は、職場で離婚したことを言えないでいる公務員さんの鴇田。
離婚自体は5年も前で、でもいまだに夢を見てしまうほど傷ついている。
職場ではクレーマーの対応などもあって心が削られている。
そんなギリギリのある日、飾られた大きな生け込みに不意に涙が溢れて…
…と始まります。
その花を生けたのは美丈夫の人気華道家・梶木。
ところが梶木にいきなりお金貸して、と言われて…ここでちょっとずっこけますよね。でも素敵ルックスの梶木が決してパーフェクトではない事が序盤から明確で、恋のドキドキ以前に面白友達のノリもありで始められた事が鴇田にとって良かったんだと感じました。
しかし、鴇田だって結構な行動力だと思うんです。
週末京都にお花を習いに行く…って。スゴイよ。
ゲイの梶木に優しくされてよろめいちゃった…にも見えかねない鴇田だけど、梶木も言葉にしない事で鴇田を追い詰めないようにしていたんでしょうかね。
結局「恋人」になるまで数年?
確かに私も梶木は適度に遊んで待ってるって思ってました。なのにちゃんと誠実だったって…素敵だ〜。
ストーリー自体は「地味っこに王子様現る」系統だと思うけど、年齢、京都、華道のエッセンスで他にない魅力を持った作品になっていると思う。
瀬に揺れて水に隠れる玉藻のように人に知られないような恋もするものだ…か。というよりさ。
深草少将に自分が通う小野小町。みたいな。それでいて引っ越しは広島に、というズレた鴇田小町。
あ、私小田切さんのファンになりました。