このタイトルの字体が、昔の映画ポスターを思い出させてレトロというかノスタルジックな魅力に誘われる。
レビューも多いので感想だけ。
過去が見えるカメラと、前世を覚えている男と、オメガバース。ちょっと詰め込みすぎだったように思う。
どこに焦点を見据えればいいのか…
主人公の望月はカフェ店員。Ωで、母を亡くして落ち込んでいて、不思議なカメラを持っている。
常連客の北川は一見αのようなβで、前世を覚えている。
北川にとって望月は前世で結ばれなかった好きな人。望月にしてみたら、優しくしてくれたのはその人の代わり?
結局は北川は望月本人を愛するし、一見受け身的な望月は自分から北川に飛び込んでいく前向きなハッピーエンド。
北川から見た前世の哀しみ、望月のカメラに残る幸せな家族の姿、実際に望月の親族だった事、それらが絡まって不思議な物語になったと思う。
もう一点不思議なのは、描き下ろし部分。
北川のNYでの同僚・ジョナサン視点で、どうやら望月は北川に相応しくない/釣り合わないと思われてるみたい。なんでこんな視点をラストに持ってきた?ジョナサンは北川をαと思ってる。実際ほんとにβなのかしら?
ともかくも、かなり独自性というか作者様の独特な感性が感じられて、そこは非常に素晴らしいと思う。BL漫画の評価としては「萌」で。
作者様のデビューコミックス。
表題作と短編1作品収録。
「嘘つきギズモ」
何の事前情報も無しにページをめくって、おおっと!ハードボイルド⁉︎とびっくりしてたら、今度は月への旅行が一般的らしいとわかる。近未来か…
そして認知のあやしいおじいちゃんのクリスマスプレゼントは、拾った人!もとい髭面の家政婦アンドロイドときた。
一体何なのこのお話…?ともう思いっきりツカまれた。
主人公はジョン。見た目も内面もナードっぽい。家族団欒が居心地悪いタイプなんだね。だからクリスマスにもひとりでいたいんだけど、このアンドロイド=ギズモ(おじいちゃん命名)といる事でとんでもない事態に巻き込まれていく…という展開。
それは実は陰謀、というか人類の未来にも関わるような問題で、後半はあれよとアクション映画のように。
ただ。
テンポは良くて映画的に読めるけど、色々穴はあるような。
子供のジョンが宇宙で見た遭難者は誰?何?
なぜギズモが近所に落ちてた?
なぜステファンがあの場所に逃亡老人としていたのか?待ってた?
ラストは、私はハッピーエンドの場面だと思いました。でも真っ黒は不気味だよ…
「アンコール」
終末もの。
地球最後の数日に、浮気者の恋人と和解できるか?
私はこういうのダメなんですよ…
なんで平気な顔して謝れるの?なんで結局受け入れるの?
でもなんでこういう話って結局滅亡回避するのかな。滅亡してください。(立花はまたやると思う)
やん先生〜!素敵なラブストーリーをありがとうございます。
今回の主人公は、職場で離婚したことを言えないでいる公務員さんの鴇田。
離婚自体は5年も前で、でもいまだに夢を見てしまうほど傷ついている。
職場ではクレーマーの対応などもあって心が削られている。
そんなギリギリのある日、飾られた大きな生け込みに不意に涙が溢れて…
…と始まります。
その花を生けたのは美丈夫の人気華道家・梶木。
ところが梶木にいきなりお金貸して、と言われて…ここでちょっとずっこけますよね。でも素敵ルックスの梶木が決してパーフェクトではない事が序盤から明確で、恋のドキドキ以前に面白友達のノリもありで始められた事が鴇田にとって良かったんだと感じました。
しかし、鴇田だって結構な行動力だと思うんです。
週末京都にお花を習いに行く…って。スゴイよ。
ゲイの梶木に優しくされてよろめいちゃった…にも見えかねない鴇田だけど、梶木も言葉にしない事で鴇田を追い詰めないようにしていたんでしょうかね。
結局「恋人」になるまで数年?
確かに私も梶木は適度に遊んで待ってるって思ってました。なのにちゃんと誠実だったって…素敵だ〜。
ストーリー自体は「地味っこに王子様現る」系統だと思うけど、年齢、京都、華道のエッセンスで他にない魅力を持った作品になっていると思う。
瀬に揺れて水に隠れる玉藻のように人に知られないような恋もするものだ…か。というよりさ。
深草少将に自分が通う小野小町。みたいな。それでいて引っ越しは広島に、というズレた鴇田小町。
あ、私小田切さんのファンになりました。
偽装犬猿の仲の甘々カップル続巻。
麻薬捜査はなんとか検挙し取り調べを進めているが、グループの中の1人が特殊詐欺グループの幹部と繋がりがある事がわかり、捜査チームは解散どころか新たに捜査を続ける事になり…
犬猿の仲の演技を続けなければならなくなる巌谷と昴。
さて、前巻で捜査チームの弥彦に2人の秘密の関係を知られたが…という所で終わり、これは弥彦が波乱の中心に⁉︎と思いきや、今回特殊詐欺捜査の応援として本庁からもうひとりのエリート・真田が合流し…
…と展開していきます。
真田は巌谷の学生からの親友で、同期で、ライバル。真田曰く「相棒」。
昴はこの「相棒」という立場に羨望し、嫉妬して…
…と聞くとドシリアス?と思いますが、そこはちゃんとコミカルな面もあるので楽しく読めます。
そして何と弥彦は昴の「現場主義」に協力して、今回の特殊詐欺捜査の進展に大きな貢献を果たしてくれますよ。
2人の隠れラブラブはそのまま続行で、プラスむっつり弥彦の3人チームで事件をバッタバッタと解決!っていうシリーズ化もいいかもしんない。
強烈なケンカップルの2人。その実態は…
…というコミカル系BL。
片やゴリゴリの現場主義、アツい魂の組対刑事・昴と、キャリアのエリート巌谷はいつもいつも顔を合わせれば言い合い、怒鳴り合い、罵り合い、掴みかからんばかりの喧嘩腰、しかし家に帰れば半同棲のラブラブバカップル!なのだ。
…という設定で始まります。
2人の関係はヒミツ。だから職場で顔を合わせないように新組織に志願した昴だけど、なんと巌谷も配属されてしまい!
相談の上、職場ではますますバチバチを装うことにするわけです。これが最初のうちは結構コミカルなんだけど、やっぱり心が削られてくるんです。
その上、麻薬捜査で浮かんだ地域が2人の出会いの場所だとわかり、もしかして今の関係は巌谷の仕事の一部⁉︎という疑問が心に浮かび始め…
しかし昴は心のアツい真っ直ぐな男。自分だけが好きな関係でも彼の人生を守りたい。
さて。昴の不安は杞憂ですよ。それどころか巌谷は昴の危機一髪に助けに来る王子様!
ただ!捜査チームの一人に関係がバレちゃったんです。だからまだ続きます!
絵柄はすっきりして読みやすい。巌谷は一貫してクール、昴は現場での厳しさと恋する可愛さ、優しさの色んな表情がいい。ストーリーは「萌」、昴には萌x2で。
由元先生の新作は、ウブい大学生とメスお兄さん的年上のお話。
主人公は大学生の伊吹。
二十歳のお祝いに先輩にいきつけのお店に連れてきてもらい…
…という冒頭。
伊吹はその先輩に恋している。その日は飲みすぎて店長の紬が家に送ってくれたが、何故か紬にキスされて。
紬は伊吹の先輩への恋心を知り、伊吹が可愛いから応援する、ウブだからエッチな事も教えてあげると言ってきて、伊吹は反論もできず流されていく…
要は、紬はひとの恋愛感情を引っ掻き回すのが好きなワルお兄さんなんですよね。
だけど、今回ばかりは伊吹を傷つけたことに自分が傷ついて、自分がいつしか伊吹に本気になっていたことに気付く…という展開なわけだけど。
これね〜…紬に説得力が無いというか…
これまで散々ひとの弱った心に付け込んで、振り向かせて振る、を繰り返して遊んでいた紬。伊吹がそれまでの相手とどこが違ったのか。そこが見えづらい。
何より…
由元先生はウブい大学生よりもやっぱりドエロいおじさんを描くのがピタッとくる気がする。
紬の外見は好きです。綺麗で一見優しげな悪女型のメスお兄さん、って感じ。
「もののふっ‼︎」の「2」‼︎キタッ
「1」で息子忍びの顔出しで、次は彼のお話かな?と思ってはいましたが、やっぱりそうでした。
お館さまの領地を訪れる元敵の一色正嗣。
その目的は、この地に住まわせて欲しいとの事。代わりに風評被害のある特産品の販路を拓こうという一色。
堺への交渉に監視/護衛を命じられる二郎丸だが…
…という冒頭。
早々と尾行が気付かれふたり旅となるわけですが。
二郎丸は非常に優れた忍。だから心を動かさない。心は無くて良いわけです。そんな二郎丸でも何故か心が動きかける。一色が自分に好意を見せるから。
二郎丸の初恋っぽい戸惑いがなんとも萌えです。
そしてそんないきさつを私たちと同じ目線で見守るのが、菊三なんです。
菊三は神様だけど、人の心を支配するわけじゃない。
菊三も応援してるとなれば!父三郎太も静観するしかあるまいて。
…というBL世界はソレとして。
菊三〜〜‼︎
菊三は愛でできていて今とても元気、それは十條寺領が愛で満ちてるから。
六択も元気そうで良かった!
次号で完結とのこと、今から寂しくなってます…
ふゅーじょんぷろだくと独自の新しいバース世界誕生!それが「ブルームバース」。
オメガバースと「花」を融合した世界観。ていうかほぼほぼオメガバースと同じような。
α、β、Ωに相当するのが、オーナー、ノーマル、プラント。
ヒートは「開花期」で、プラントはそれぞれ個人特有の花が体のどこかに咲きます。
プラントはフェロモンに該当する「アトラクタント」を分泌し、オーナーがプラントの花を食べると「ブーケ」という関係性になります。番と同じ関係性です。
試し読み部分でしっかり設定が読めます。
本作は、その「ブルームバース」20作品で構成されたアンソロジー。
花の香りに引き寄せられるクラスメートや後輩。
一目惚れしたオーナーの前で花を咲かせて誘惑するプラントや。
大好きなプラントに一筋でどんなにモテても絶対靡かないオーナーや。
彼氏とのデートを想像するだけで部屋一面の花畑ができるプラントや。
プラントの花で花粉症のくしゃみが止まらずキスもできないカップルや。
ノーマルとの恋に踏み出すプラントや。
自分の花を食べて食べて〜と迫りまくるポジティブプラントや。
初めて見たプラントが可愛くて初恋しちゃうオーナーや。
大好きな彼がいたのに本能に負けて自分から別れたプラントや。
などなどなど。
プラント達は各々が自分の花を持ち、開花してオーナーを誘い、惑わせる。
多くのプラントは自分がプラントである事、自分の花に多少なりともコンプレックスを持っているよう。でも咲く花はどれも美しく可憐。
特にラスト作のさとまるまみ先生の花には祝祭感があふれていた。
今日ブーケとなる2人のベッドはまるで花のしとね。自らが花園になって文字通りの花嫁/花婿になるさまはもはや神秘的。
これから先「ブルームバース」が定着するかはわからないけど、色々な可能性は感じさせる設定です。