医療ものを書かせたら右に出るものはいない
というくらい、素晴らしいお話を生み出す春原先生。
今回はその医療もの+子育てという
自分の中では大好きなお話を書いてくださって
最後まで物語の中に入り込んで読めました。
攻めさんの和彰は、あれですね。
小学生。
好きな子ほどいじめたい、ちょっかいだしたいってやつ。
最初からそれが分かるくらい好きがだだもれで。
その意地悪を受ける受けさんの遥は、小動物のようにビクビクしながらも芯はしっかり持ってて。
住む所もお隣さんということで、くっつくのも時間の問題だったであろう状況に、
1つのスパイスとして混ざりこんだ6歳の光紀くんが、最後までいい味出してていい子すぎて。
これは是非読んで欲しい1冊だなあ、と
思います。
光紀の実母は胸糞ですが。
あー
マイホーム購入後の3人が見たいです。
ある日悪夢から目覚めたら
普通に過ごしていた平凡な受けさんの嵐に
おっぱいが出来てて、長年連れ添った
息子くんが消えてて…
というとこから始まり。
なんとか会社を休めないということで出社して、幼なじみの攻めさんでもある将成に事情を
話すことで、2人でどうしようかと
対策を練りながら愛を育んでいく話。
と、思いきや
間男いらなかったー。
本当にこの人だけは受け付けれなかったです。
あとは、嵐と同じようなことを思っていたのですが、将成は女になったから嵐を意識して、女の体だから愛せてる感がずっとあって…。
本人は最後に否定してるけど、そこまでの
熱量が伝わってこなかったというか。
あと、初めてわかった
自分の地雷ポイントとして
会話文というか、喘いでる中に「♥」は要らなかったなあ。
オメガバースもの。
アルファやオメガを特殊な言い回しで書いてあるので、慣れるまではどっちがどっちだっけ?と最初のページに舞い戻ることを繰り返していました。
主人公でもあるアルファのシメオンが
ほんと今まで色々なことに対して無頓着というか、興味すらわかず生きてきたんだろうなあ…という、性格で。
興味がわかない=それが当たり前、みたいな。
まあ、アルファという恵まれた生まれのおかげでそう生きてこれたのもあるのかと思うけど。
正反対にオメガのワスレナは
オメガバースものあるあるといったらそれまでだけど、オメガいうものを嫌悪しながら必死に生きてて。
親にも捨てられた所を悪役に拾われ
命を救われただけでなく名も与えられたことで
盲目的に崇拝して生きる糧にしていて。
そんなワスレナを利用する悪役にも
色々思うとこもあるんだろうし
過去にあったみたいだけども。
悪役には同情の余地なし、とばかりに
私は嫌いな人間でした。
だから、早くシメオンとくっつけ!
素直にくっつけ!早く素直になれ!
とずっっっと読みながら思ってました。
最後片翼のとこをもうちょっと詳しく
書いて欲しかったのと、
もうちょっと先の未来も読みたかったな、
という点で星4です。
渡海先生らしく、すごく読みやすい文体で
最後まで安定した内容で安心して読めました。
一家に一台欲しい、受けさんの優人。
名は体を表すという言葉がしっくりする程の
優しい思慮深い子で。
一方攻めさんの彰一さんは、なんとバツ2で…。
この2人がどう距離を縮めていくの!?と、
最初は疑問でしかなかったんですけど…。
人に尽くし過ぎなくらい尽くしても、
結果が返って来ず心が疲弊していた優人に
酸いも甘いも経験してきた大人な彰一さんが
一歩も二歩も黙ってリードしてくれていて。
それが優人の男の矜持を保ちつつも
立ち直れるキッカケになっていってて…
気付いた時には好きだったっていう
ちょーーー王道なパターンだったんですが、
そこに優人の家族絡みの話なんかも
うまく織り交ぜてあり
凄く読後感としては満足です。
最後、優人の一人暮らし先に
逆に入り浸ってる感じを出してる彰一さんが
好きでした。
えー、優人のことめっちゃ好きやんって
ニヤニヤしちゃいました。
主人公で受けの祐馬が腐男子設定っていうのは
割かし好きなので買ってみたのですが…。
腐男子ネタで盛り上がるのとか、イベント参加するのとか、2.5次元が好きだとか、祐馬のキャラははっきり立ってて良かったんです。
でも!
攻めの社長さんやら当て馬のショーゴやら
中途半端感が半端ないというか。
社長さんは最後の最後に
『俺たち恋人だよな?』って確かめてたけど。
いや、その前にお酒で潰してなし崩しに関係もっといて告白とかもないままそれは無いでしょうっていう。
ショーゴは本当に憧れの存在だけでいて欲しかった...。
なんで最後あんなことしたんだろう。
と、モヤモヤが後半になるにつれ溜まってく
1冊でした。
鈴倉先生のイラストは本当に可愛くて
祐馬の可愛さが上手く表現されてたのは
流石でした!!