今回もプライベートでの可愛いいちゃいちゃから、仕事でのリアルなすれ違いまで見せてくれて、満足度が高かったです。慶司の溺愛っぷりは相変わらずで、十条も読者も不安に感じることはありません。今までやりたいと思ったことを慶司に叶えてもらっていたから、今度は自分が慶司のやりたいことに応えたいと、十条がいろいろ考える様子も微笑ましかったです。職場では超デキる上司の十条。昔の仕事上のパートナーと再度一緒に組むことになり、すっかり忙しくなってしまいますが、時間が少しでもできた時には慶司と一緒にいたいと、我慢したりせずに真っ直ぐ行動するところに好感が持てました。お互い相手に安心して甘えられるカップル、素敵です。
甘〜い!!と唸ってしまいそうな糖度で、お腹いっぱいになりました(笑)。もうとにかく慶司の十条溺愛っぷりが最初から最後まですごい。ほとんどの場面で一定の表情を保っているのに、付き合いたてで浮かれているのがダダ漏れなのが、年下攻めとして可愛いなと思います。そんな慶司に翻弄されっぱなしの十条ですが。後半は仕事上での彼のミスにも動じず上司としてしっかり対応し、デート中に珍しく弱音を吐かれたらどっしり構えた態度で包み込んであげていて。
これですよ、年上上司受けの醍醐味は。これがないと年下攻めが飽きたらどうなっちゃうんだろう、とか不安に感じてしまうんですが、年上受けが年上らしい器の大きさや、シゴデキ感を見せてくれると、年下攻めもこの人の下で働けてよかったなぁと思えますよね。恋愛には疎くても、十条には仕事で積み上げてきた確かなものがある。そういう関係性が2巻で見れて嬉しいです。
貴宏の大阪出張中、お互いに他の男と接する機会が多くなり、やっぱり当て馬的展開になるのかな?と思いましたが、レオもしっかり貴宏への操は立てていたので安心感がありました。少しぐらつきはしたみたいだけれど、男だもの、それがリアルな感情だと思います。貴宏の方は新しい職場でもスタンスを変えずに飄々と従業員に接するのがプロだなぁ、良い上司だなぁと。一方で、それで従業員が落ち込んでしまったら、ちゃんとケアして言い方を見直す柔軟さも兼ね備えている。会いにきたレオのありのままの感情の吐露にも真っ直ぐ向き合ってくれたので、もっともっとレオに熱くなれる彼氏になっていってほしいですね。
蛮王という言葉から暴虐な王を想像していましたが、破天荒ではあるけれどとてもからっとした性格で、付き合いが長くなればなるほど憎めないような、案外本質的には誰からも好かれるタイプの王なのが、いい意味でイメージを裏切ってくれました。幼い頃から他人を救うために自由を奪われてきたミルザを外の世界に連れ出してあげてほしいと切に願いましたが、彼にとっては今の生活も切っては切れないもので。2人なりの着地点が見つかってよかったです。アスラの闇や呪い、周囲の純真なミルザへの執着などはもっと掘り下げてもよかったかな、ラストが性急だったかなという感は否めませんが、1巻という短さで綺麗にまとまっていたと思います。
やっぱり『カラオケ行こ!』の面白さを求めて読んでしまうんですよね。そうするとこの続編は下巻まで大きな山場もなく、ぬるっと終わってしまったなというのが正直な印象。そもそも狂児と聡実の関係性をそういう目で見ていないので、ハグによって関係性が変わってほしかったわけではありません。明確な答えが出ないまま終わらせるのもありだとは思う。けれど、BLに振り切らないなら『カラオケ行こ!』レベルの秀逸なシュールギャグで何度もくすっと笑いたい。それが、最後までシリアスなんだか軽いんだかBL感を出したいのかよく分からない空気のままだったなぁと。ヤクザのおじさんたちが面白かったから、彼らの登場シーンを増やせばもう少し笑えたかも?などと考えてしまいました。
またこの2人の掛け合いを読めて嬉しいです。塩野が異動になってエリート街道を昇りつつある中での遠恋。仕事で来ている時に多古井に冷たいのはプロ意識がなせる業なのかなと思いきや、ただの痩せ我慢だったと知り微笑ましかったです。現実の警察組織はまだまだホモソーシャルな部分も残っていて同性愛に寛容ではないんじゃないかというイメージですが、こちらは皆フラットな態度でいてくれて温かい空気が素敵ですよね。周りに筒抜け過ぎやしないかとも思いますが、そこはお愛想。起きる波乱もリアリティはありませんでしたが、なんやかんや最後に2人の絆が確かめ合えるので気付いたら楽しんでいました。年上でおじさんな見た目の多古井がちゃんと可愛いのはすう先生のテクニックと塩野の愛のおかげですね。また続編が読みたいです。
律の症状は強迫性障害というものなのかな。あまり詳しくないので断定はできませんが。生まれ持ったものではなく、幼少期の生活環境が原因のようなので、素人としては何かをきっかけに少しでも改善されればなぁという思いがつい頭をよぎってしまいますが、彼の叔父も一護もそのままの彼を受け入れて、そういう性格の人間として最後までフラットに接しているところが印象的でした。そうだよね、そんな簡単に治せるものではないよね、と。律のルーティンを理解し、その生真面目さや正直さを愛おしく思い、たくさんの決まり事からはみ出た衝動的な言動に胸を熱くする。そんな一護だからこそ、律が安心して身を委ねられるのだなと思いました。
表紙の雰囲気どおり、ホラー要素多めの除霊BLです。私はホラーが得意ではありませんが読めたので、ホラー苦手な方でも読みやすい作品だと思います。除霊からBLに発展するトリガーはいろいろパターンがありますが、こちらはそもそも霊が煌河の精気を吸い取ろうとするので、天丸がそれに対抗しようとすると必然的にそういう行為になるという感じ。
お互い別に筋金入りのゲイというわけでもないだろうけど、体の関係から始まって共に修羅場をくぐり抜けるうちに相手を受け入れていくのは自然な流れに思えました。天丸の方は最初から煌河を気に入っていたみたいですが。確かに煌河は筋肉もしっかりある男らしい体つきで、行為中も表情が蕩けすぎることもなく、最後まで男性らしさを崩さないところが魅力的な受けでした。