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良作です。

最近小説の面白さに気が付き、せつないものを読みあさっている最中に出会いました。
良作です。
導入から中盤まではテンポ良く読みすすめられ、特に駅で別れるシーンはとても切なかったです。
後半は少しもたついたかな?という読後感でしたが、地元に帰ってからのエピソードも良かったです。二人で幸せに生きていって欲しいと強く思わされるラストでした。

他の方も仰っているように、惜しむらくは睦の障害の状態像のズレでしょうか?
小説の描写からボーダーの知的レベルということですが、一般の高校に入っていることを考えると、療育手帳を持っていて手帳有りで受け入れてくれる一般の高校のコース(定員割れで実際にこのような受け入れをしている学校もあります)に入っているのか、高校入学に際して療育手帳が出ず支援学校に入れなかった(これも実際良くあります。手帳必須の所も結構ありますので)のかな…と推測されるのですが、彼の言動と比較するとボーダーラインよりは少し下の方なのかな?と思ってしまいました。
一方で、一人で電車に乗ったり面接をこなしたり、働いたり、果ては自立した暮らしも可能であったりするので生活能力は申し分ないレベルですね。この部分も実際の知的障害の状態像とはズレがある気がします。もちろん個人差はありますが。
ボーダー域ではなく、軽度よりの中度という描写の方がしっくりくる気がしましたのでその辺は惜しいのかな…でも成人後もレイダーマンがずっと好きな睦の描写はとてもリアルでしたので評価の迷いどころです。
ただ「睦が純粋だから好きなんじゃない」という台詞、自分も身につまされるものがありました。私はお仕事で知的の方と関わる機会がありますが、純粋さというものをついつい過度に意識してしまい、相手の本当の姿を捉えきれていないのではないかと常々思ってしまいます。この辺りの来栖の気持ちはなんだか自分と重なってしまってぐっと来ました。完全に個人的な経験からですが…笑

現実はこのお話のようにうまくいくことの方が少ないですが、睦は来栖を好きになったからこそ地元を飛び出し独り立ちをし(←これがどんなにすごいことか!)、愛し愛される喜びを得ることができた。彼の成長を促したのは間違いなく来栖への思いであるし、来栖をきっかけに自分の新たな可能性に気づいていく睦の姿は希望に満ちているな…と思いました。うまくまとまりませんが、読むことでじんわりと胸に残ったものを考えさせられる、そんな小説です。

私には合いませんでした。

雪よ林檎の香のごとくがとても良かったので、評価の高いこちらも読んでみましたが…。
結果はハズレでした…すみません。

性交渉を拒まれる辛さに主人公二人が悩み、苦しみ葛藤するという構図であり、視点が主人公二人であるので当然主観的な語りにはなるのですが…
お前達ちょっと自分のことばっかり可愛すぎやしないかい??という感想を持ちました…。

二人はメールというツールを使ってお互い言いたいことを言い合えるフラットな関係を作っていきますが、一方でお互いのパートナーには踏み込みきれず言いたいことを曖昧にするずるい状況を作り上げています。
攻めも受けも二人とも一度も泣いたり喚いたり自分の意見を相手に聞いてもらって、その上で相手の言い分を聞こうと努力をしなかったよね??と…。もちろんパートナー達もその状況に甘えているのでずるいのですが、一番誠実でない方法でパートナーの心をこじ開けてやっと本心が得られて、何の意味があるのでしょうか…。
かおりさんの過去も、もっと一顕がちゃんと受け止めてあげればお互いが納得できる形で解決策があったかもしれないし(ぶっちゃけかおりさんの理由は没性交渉になっても仕方ないと思えるレベル)きょうびカップルセラピーもある時代なのに、最大限の努力をしたのかと思うと…ホンマに彼女のこと好きやったんか!?(笑)和章に関しても、整はあんなに長きに渡ってに支えてもらったのだから、この人はこう言ったらこう反応すると決めつけていかないでぶつかるべきだったと思います。たかがセックスというけれど〜と開き直る台詞がありますが、この台詞で完全にキレましたね(笑)自分が傷つかないように逃げた挙句が開き直りかよ…と。怒りが湧いてきました。
主人公二人とももう少しパートナーの内面に気を回す余裕があればな…と思い中立評価です。
俺に飽きても、俺の身体には飽きないでねというセリフも意地悪く『こいつはわからねーぞー』と思ってしまいました…。
救いを求めて和章さんのスピンオフも読んでみようと思います。

求めていたBL…!

前作未読です(読んでいなくても特に支障はなかったように感じました)。
こちらの作品はいわゆる全員片思い状態からはじまります。川野(受け)→谷(攻め)→瞬(攻めの幼馴染)→??
『好きな人には好きな人がいました』系と言いましょうか…それだけでもとても好きなシチュエーションなのですが、今作の魅力はなんと言っても受けの川野くんがとにかくかわいいこと…!
全身全霊で初恋をする川野くんに、谷くんが揺れ動く姿が良い!何度も川野くんに期待をさせちゃう谷くんを『川野くんを弄びやがって谷のヤロー』と思うか、幼馴染への諦めきれぬ片思いを抱える谷くんに共感できるかどうかで評価が別れるかなと思いました。
植物園でのシーンは辛いですが、とても好きです。谷くんとの関わりが川野くんを精神的に成長させてくれたのは確かなので、お互いの気持ちに整理をつけるためにも学生時代には一度離別して、インターバルがあったのはすごく良かったと思います。

ちょっと時間はかかったし、辛い思いもしたけど、初恋が実ってよかったね川野くん…谷くんもきっと幸せにしてくれるでしょう。あの日の全身全霊で恋をしていた川野くんのように、否、それ以上の愛情をもって谷くんには川野くんを大切にしてあげてほしい…!
迷い無く神評価で、これが私の求めていたBLだ…!と思いました。

無意識で恋をするということ

前作はCDで聴き、続編もたいへん切ないと話題になっていたので手に取りました。
素晴らしい作品です。

個人的に『良い!!』と思ったポイントは
ルースが記憶を忘れても、夢を通してエリィを無意識的なレベルで認識し続けている点。
どんなに意識的な部分(すなわち記憶)を失ってしまっても、本人が統制できない無意識のレベルで恋情が蓄積されていく描写が印象的でした。

ルースが記憶障害であるがゆえに、エリィとルースが逢瀬を重ねる際は、何度も同じセリフではじめましてを繰り返す描写も素晴らしいです。ここを省略せず、丁寧に描いてあることで『あぁ、ルースは本当に忘れてしまうんだな…』と読者もエリィの気持ちになって切なさを体験することができます。
更にこの『はじめまして』の積み重ねがあることで、他のレビュアーさんも仰っておられたように、最後の二行が生きてきます!
中盤までは怒涛の切なさなのが、後半少しペースダウンします。最後まで切なさを継続させてほしかったな〜と思っていたところに、ラストの二行が効いてくるので、総合的に『神』評価です…!
是非、ハンカチをご用意ください笑

悪魔の園で見つける愛

ふらりと立ち寄った本屋にて、ビビットでどこかレトロな素敵な表紙を見かけ検索して知ったのが本作。そこから単行本になるまで、今か今かと待ちわびていました。

個人的に身近にキリスト教徒の知り合いがおり、また宗教的な興味もありまして、アーミッシュのラムシュプリンガ期の知識は元々あったのですが、まさかこの題材がBL作品で読めるとは…!と改めてこのジャンルの懐の深さをしみじみと感じました…笑

内容についてですが、宗教的知識がなくともアーミッシュがどのようなものかというのをとてもわかりやすく描いていると思います。閉鎖感を感じさせず、しかしアーミッシュ文化のここ!という所は的確に押さえているので格好の入門書にもなり得るのではないでしょうか?(気になる方は現代のアーミッシュを追ったドキュメンタリーもありますので是非)
さらに80年代の文化も加わり、レトロで美しい絵柄とも相まってとてもまとまった印象があります。舞台が現代でないことも、アーミッシュと少し昔のアメリカの文化とが上手に比較され、他の方も仰っておられるように一本の映画を見終わったような読後感があります。

映画に関連して、以下少々ネタバレ


ラスト、二人が村を去る場面を映画『卒業』に例えるシーンがあります。映画史に残る余りにも有名なシーンです。『卒業』のラストはやっとの思いで逃げ切った花嫁と彼女を奪った男性がバスに乗り込みますが、たくさんの乗客から白い目を向けられるという所で終わります。これからの彼らの未来が明るいものだけではないということの暗示になっています。
『卒業』をここで持ってくることの意味を考えると彼らの前途も多難に満ちているということを吾妻先生は言いたかったのではないかと思います。生きてきた文化がまるで違ううえに、同性愛者としてこれから生きていく二人にはきっとたくさんの試練が待ち受けている筈です。ただただハッピーエンドではない、そうした現実感がこの作品にはあります。

アーミッシュの人々は自分たちが過ごすコミュニティ以外の場所をデビルズプレイグラウンドと呼びます。悪魔が住まう悦楽の園で愛を見つけた二人が、どんな困難が待ち受けていようとも、それらに負けることなく二人で幸せに生きていく姿を願わずにはいられません…!がんばれ…!

内容、絵柄ともに文句なしの神評価です!(長くなってしまった…)

物語の持つ力

初レビューをこちらの作品に…

内容はドロドロの昼ドラ的展開と言ってしまえば話は早いのですが、それだけでは片付けられない物語としての魅力が本作にはあります。

これだけたくさんの登場人物がおり、予想のつかない怒涛の展開が繰り返される(読み手によれば目を覆いたくなるほどの)にも関わらず、主人公雅樹の魅力が全く失われないことに坂井先生の力量を感じます。先生ご自身も四六時中雅樹のことを考えられていたと作中に描かれていますが、作者から愛されたキャラクターというのはどうしてこんなに生き生きとした印象を読者に与えてくれるんでしょうね。

2巻では主人公の役割を、娘へと譲ることになりますが雅樹の人生をずっと見守って行きたいと思わせてくれる稀有なキャラクターだと思います。
また、登場する人物それぞれの行動原理もはっきりとしており、それぞれが課題を持った人間らしい存在として描かれるため、すべての人物に対して疑問や嫌悪感を抱くことがなかったのも神評価の要因となっています。

1,2巻続けて読むことを強くオススメします。ちるちるがなかったら出会えていない漫画でした!感謝。