ラムスプリンガの情景

rumspringa no jokei

ラムスプリンガの情景
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神255
  • 萌×247
  • 萌9
  • 中立8
  • しゅみじゃない4

3

レビュー数
35
得点
1498
評価数
323
平均
4.7 / 5
神率
78.9%
著者
 

作家さんの新作発表
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媒体
BL漫画(コミック)
出版社
心交社
レーベル
Chocolat comics
発売日
価格
¥700(税抜)  ¥756(税込)
ISBN
9784778124274

あらすじ

ラムスプリンガ――アーミッシュが、敬虔なキリスト教徒として彼らのコミュニティに残るか、家族を捨て外の世界で生きるかを決めるための、俗世を体験する期間。 ――80年代アメリカ。 ブロードウェイの夢破れ、田舎の街でウエイターと男娼をしているオズは、ある日、バーに来たラムスプリンガ期の青年・テオを“客"と間違え部屋に連れ込んでしまう。行くあても無いテオを放っておけず、つい面倒を見てしまうオズ。アーミッシュであることを馬鹿にされても怒ることも、疑うことも知らない純粋な彼に触れるうちにオズはニューヨークで擦れていた気持ちが絆され、彼を愛するようになるが…。

表題作ラムスプリンガの情景

テオドール・サリヴァン、アーミッシュの青年
オズワルド・カーター、夢破れたダンサー、27

その他の収録作品

  • カバー下:イラスト、あとがき

評価・レビューするAIの精度がアップいたします

レビュー投稿数35

《ネタバレ有》まるで洋画のよう

穏やかで健全だけれど閉鎖的でもある環境で生まれ育ったテオドールは、自分の世界をぐっと広げてくれた「はじめての人」であるオズワルドに恋心を抱く。
また、NYでダンサーを夢見るも挫折し、離れた先の街で燻っていたオズワルドも、無知なテオドールの世話を焼くうちに純真で真っ直ぐな人柄に惹かれていく。
おそらくド直球に王道な展開ですが、その分しっかりとした構成で丁寧に物語が描かれていたと思います。奇をてらわない王道だからこその良さってあるよな~と再確認しました。

年代物の内容にクラシカルな絵柄がぴったりで、漫画としても非常に読みやすかったです。隅から隅までどこを見てもすごく綺麗な筆致で、描き込みの美しいコマやギャグ調のコミカルなコマのバランスも良く、すごいな~!!と感激しっぱなしでした。本当に映画を見ているような感覚です。

ダニー(ひいては家族・故郷)との別れは避けられず、ほんの少しだけ苦い後味が残るハッピーエンドには深い余韻がありました。何が幸せかは本人が決める事だから、故郷を捨てるテオと故郷に残るダニー達、どちらに対しても誰も否定はできないんですよね…。この辺についても色々と考えさせられました。
「父のため」ではなく「自分のため」に、ダンスと関わり続ける未来を選び一歩を踏み出すオズワルドの物語もまた印象的。お父さんの深い愛情を胸に、テオと一緒に幸せに生きていってほしいと思いました。

作者さんご本人のカバー裏コメントにもあったように、「これぞ洋画!」という雰囲気たっぷりの感動作でした。テオドールが所属するコミュニティである宗教集団アーミッシュについては、多少の知識はあったものの詳細は今まで知らなかったため、そういった面でも非常に勉強になりました。

1

舞台に惹き込む圧倒的パワー

とても評価が高いため購入したものの、
「素晴らしい作品だろうからゆっくりじっくり読める日に読もう」
とずっと本棚に眠らせていた一冊。
やっっと本日手に取ることが出来ました。
今回は、あらすじもレビューも一切読まずに挑むことに。

これは…!!!
評価の高さや、それによる期待感を上回って心に響きました。
とにかく胸がいっぱいです。
まるで上質な映画のよう。

——ラムスプリンガ——
この用語の意味するところを知ったとき、この先訪れるであろう何らかの取捨選択、別離…のようなものが予感され、冒頭から胸がざわつき、終始切なさをもって物語を追いました。

テオを通じて、若き青春時代の、何もかもが楽しく、新鮮で、刺激的だった日々…そんな自身の記憶も呼び起こされました。

切なく美しいながら、物語の世界に惹き込むパワーの強さには圧倒されます。
とにかく感情を揺さぶられる、素晴らしい作品。

作者様が「桜田先輩改造計画」をお描きになっている先生と知り驚きました。
ど…どれだけ創作の振り幅が大きいのかしら!?
今後も追わせていただこうと思います。

2

洗礼前のアーミッシュなら大丈夫じゃない⁇

作品の評判が良いということで興味をもちました。
名作という評価がされているなら、全く知らないアーミッシュについて本で勉強してから読んだら、より楽しめるだろうと思い、アーミッシュについて研究をした大河原さんの本を読んでました。

さあ、いよいよこの作品を読むぞ!と意気揚々と読みだしたのですが、物語の要であるラムスプリンガについて、何それ?と疑問に。そのまま読み終え、モヤモヤ。内容に集中できなかった。

参考文献として菅原千代志『アーミッシュ もうひとつのアメリカ』(丸善、1997年)をあとがきに挙げていました。著者は写真家の方です。
またWikipediaから見るに、ラムスプリンガについてはDevil's Playgroundというドキュメンタリー映画の影響を受けている感じがしました。



アーミッシュはキリスト教のなかの再洗礼派に属しており、成人洗礼をします。「再」とついてますが、幼児洗礼は行なっていません。
つまり、成人洗礼を受ける前は作中の言葉を使うならずっとラムスプリンガなのです。
教会戒律の違反もある程度容認される。

アーミッシュを辞めると、社会的忌避をされるのは、洗礼後にした者で、それは神との誓いを破ったとされるため。
洗礼前のアーミッシュはコミュニティーを出たあとも家族などとの交流はできる。

ただ、コミュニティーによって教会戒律はある程度異なるため、テオが所属していた教区(もしくは家庭)はかなり厳しいところだったかもしれない。

しかし、多くはアーミッシュを辞める洗礼前のアーミッシュに重い制裁を加えることはないと思われる。


また転出者について、オハイオ州ジョーガ郡だと、1970年代生まれは全体で16パーセントが村を出ているのでそんなに少なくはない(テオがクロエから「近くにもっと大きな世界一の街がある」ということを聞いたという発言から、テオの村はニューヨーク州もしくはその周辺の州ではないかと)。


ラムスプリンガはアーミッシュのなかでどれくらい普及しているものなのでしょうか。そこの説明をもう少しして欲しかったです。

よく知らない集団に対して、センセーショナルなことが大きく取りあげられることがよくあるだけに、しっかりして欲しかった。

2

nabana

この作品からアーミッシュに興味を持ったので勉強する、という順序なら分かりますが普通逆を行きますか?笑
アーミッシュの専門書ではなくこれはBL漫画ですよ。もっと肩の力抜いて楽しめば良いのに。

評価どおりの神作品。

初読み作家さんです。

前作は表紙見ただけであり得ない!
絵が好きじゃないわって、今作も全く興味持っていなかったのですが、やはり評価の高さに惹かれ遅ればせながら買っちゃいました。

でも、びっくりしましたよ!
昭和感たっぷりの絵柄なんですけど、上手いですね!

感想って人それぞれなので、でもこんなに評価どおりの作品だと思えるのはすごい。
不覚ながら最後は涙が溢れてしまいました。

大昔に少女漫画でよく読んだラブストーリーみたいで、とても懐かしかったです。
ラストの2人の行く末を良くも悪くも想像させるところなど、そうそう!昔のお話の終わり方ってこんな感じ‥。

王道ってホントに真面目に作ってくれるとこんなにも心打たれるものはないのですね。
若い世代の方にはある意味、新鮮な作品かもしれません。

いい作品と出会える事が出来ました。
情報ありがとうございました。

3

間違いなく神

高評価に惹かれて購入しましたが 間違いなく名作でした。

対照的とも思える2人が出会い、のめり込んでいく様が
笑いも交えほのぼのと切なくも激しく描かれています。

素直な故にさまざまなものを吸収していくテオと
その純粋さに癒されるオズ
そして訪れる残酷な分岐

でも多かれ少なかれアーミッシュでなくとも
こういう決断は人生にままあることなのではと思います。

この先の2人にいろんな困難があるとは思いますが
この選択を悔いることなく
寄り添い支え合って共に生きて行ってほしいと思います。

読後の充足感が半端なく いいもの読んだと満足させてもらいました。
繰り返しよんでいます。
出来の良い映画を観たようなそんなきがしました。

3

こんなヒューマンもいける吾妻さん!

もともと桜田先輩が大好きでおっかけていた吾妻さん。
勝手にエロコミカル路線と理解しておりました。そうそう、モブもぶっとんでて面白くて大好き。

しかし!心交社といえばせつなほのぼの系、そこで吾妻さん、え?ほんとに?
と思っていたのはつかの間、こんなすてきなお話も描かれるなんて、と幅の広さに感服です。

そして、アーミッシュを取り上げられた着眼点にも拍手。自分を探すテオと、ブロードウェイを夢見て挫折し今は場末のバーで働くオズの、心の交流がすがすがしい。
テオの実家の風景もとてもよかった。

吾妻作品、ますます今後が楽しみです。

2

望んでいることを

ほんとうに望んでいることを言ってくれ
誰かのためにではなく、自分自身がほんとうにそうしたいと望んでいることを

-もう、これに尽きます

天使のようなテオは
エデンの園で禁じられた木の実を食べたように
すべてを失うのか

愛さえあれば、なんて簡単にはいえない
でも恋のためならためらうことなく捨てることもできる

そんな二人の恋に、もう目が離せない
ジリジリしながら、ときめきながら、心が震えるお話でした

そして作者の美しい絵の中で、瞳がクローズアップされるとき
心をわしづかみにされるような思いがします

必ず読み返したくなります

4

何かを選択する時は何かを犠牲にしなければいけない

初めての作家さんだったのですが、ちるちるでの高評価を見て手に取らせていただきました。
読んでいる途中は涙がこぼれそうになる場面が多々。
読み終えた後は『また記憶を消して最初から何も知らない状態で読み直したい』と思えるようなとても素敵な作品でした。

選択をするということはどういう事なのか。
自分の人生観に訴えかけてくるような心震えるストーリー。
作家さんの美麗なイラストも作品の雰囲気にぴったりでこの物語の世界に入りたいと何度も思いました。

生きているうちにこの作品に出会えてよかった。

そう思えるようなとても素敵な作品です。

5

想像以上に現実的、でもロマンチック

 初めて読んだ作家さんだったのですが、表紙の美麗なタッチから王道ロマンチックストーリーなのかなと想像していました。読後の印象としては確かにある意味王道でロマンチックでもあったのですが、泥臭いというか、人間味溢れるシーンも多々織り交ぜながら進んでいく、綺麗な部分とそうでない部分が絶妙に絡んだ作品だったように思います。

 主軸はあらすじにある通り、アーミッシュという独自の規律を守るキリスト教コミュニティに属しているテオが、ラムスプリンガという唯一自由を謳歌できる期間を過ごし、アーミッシュとして一生を終えるのか、コミュニティを捨てこの期間に出会って恋をしたオズと共に外の世界で生きるのか選択することです。ここに、オズが戦死した父親との約束に縛られダンサーとして燻っていること、テオが兄のような存在だったダニーとアーミッシュを抜けない約束をしていたことなどが加わって、簡単には選択ができなくなってしまいます。何でも知っていて、どこか達観していて、悲壮感も漂わせずに酒場のウェイター兼男娼に甘んじているオズは、ダニー達のことを考えてなかなか素直にテオを求めてはくれません。それは優しいからではなく、臆病だから。無知な子供のようなテオが、普段の無邪気さが嘘のように真剣にオズ自身の望みを聞きたいと言葉をかけるシーン、何度も読み返したくなりました。

 キャラ設定もとても良かったと思います。攻めのテオが世間知らずでただただ善良なワンコなわけではなく、実は激しい感情も持ち合わせているところだったり、受けのオズも男娼をやっていることを自分の選択だと認めていて、擦れているようでクスリにまでは手を出していないところなどがバランスが取れているなぁと感じました。

2

選択というのものについて考えさせられる

アーミッシュのことはキルト、清貧を尊び昔ながらの生活をする…という程度にしか知りませんでした。
そのアーミッシュ、ラムスプリンガというところに着目してBLを描く…
作家さんはすごいところに目をつけられて見事描き切ったなぁと感服します。難しいテーマだったろうに。
まだまだ私たち読者が思いもつかない作品がこれからも生まれ、それを読むことができるかもしれないという可能性を知ることができて、胸の高鳴る思いです。

テオとオズワルドの恋物語も胸を打ったけど、私はテオの従姉妹のクロエの存在が気になるというか胸の中に残り続けています。

ラムスプリンガでマンハッタンの美術学校に通い、世界の広さ、そして自分自身の限りない可能性を知ったクロエ。
だけど、彼女は幼馴染からのプロポーズを受け、それらを躊躇う事なく捨てるできたと語る。
それらを「素晴らしい呪い」と表現するクロエの、後悔はしていないけど少し未練が捨てきれない様子に考えさせられるんです。
長い髪がほどける様子はその押さえ込んでいる気持ちの表れみたい。

「大丈夫 私は幸せなのよ あの人を本当に愛しているから」という言葉はテオに言い聞かせているかのようで、自分自身に言い聞かせているように感じます。
これが「私、全っ然後悔はしてないわ!」みたいにキラキラ語られちゃったら、洗脳というと言い過ぎだけどやっぱり宗教ってすごい…特定の神様を信じていない私とは次元が違う…みたいに、ついてけない感を感じてしまったはず。
だけど、幼い頃から規律が叩き込まれて、幼馴染からの余りある愛情を受けて幸せそのもののように暮らすクロエにすら、選ばなかった方への未練というものが感じられる…。
そこが何とも人間くさくて私自身はホッとしました。
アーミッシュに生きていない私たちにも、両方選ぶということが出来ず、どちらかを選択しなくてはいけない事は幾らでもある。
選んだ結果、選ばなかった方の未練が胸に少し残っていたっていい、だけどクロエのように選んだ方を大切に、前向きに生きることが大切なんだと思えました。

テオの言う「怒ることを許されていない」というのが私はちょっと衝撃で。
感情を抑制する…それは幸せなことなのかなぁって。
それとも怒るような事なんて起きないほど、長閑で平和な、まるで天国のような暮らしなのだろうか。
だからこそ、オズワルドを犯そうとする輩達に拳をあげて「僕は今なら何をしたって許されるんだ」と怒りをあらわにするテオの姿が強烈に印象に残ってます。

同じ作家さんの桜田先輩改造計画は、イケメン扱いの誠一郎が、え?このメガネがイケメン??って感じで、正直言うと絵があまり好みではないなぁと思っていただけに、このラムスプリンガは80年代のアメリカという舞台とタッチがピッタリしててとても良いと思います。

次はどんなものを思いつかれるのか、どんな作品が読めるのか、とても楽しみです。

4

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