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考えるな感じろといっても考えてしまうこと

BLとしては(後述する点を除けば)かなり楽しめてしまって悔しい…><。。。
いや悔しがる必要はないんだけど。
息子×実父とかお互い妻子持ちなのにあっけらかんとしているところとか、まさに考えるな感じろ系。
52歳なのに何の説明もなく15か16くらいの外見の父。母と祖父の外見も何の説明もなく異常に若い。

つまりファンタジー要素が二重になっているということで、これで設定展開はそのままで遙の外見が年齢相応だったら、あるいは人物の外見はそのままであくまで非BLの過剰に仲良し家族の話として書かれていたら、この作品に批判的な方々の意見も違っていたかも知れない。

ただ私が低い方の評価にしたのは、長男妻のキャラ設定がどうしても引っかかってしまうから。
この夫婦、事象だけ見れば
「夫は他の者とセックスしまくり、妻は一度も抱かれず他人とセックスすることもなく孤閨を守っている」
「夫は妻を抱きたくないが子供は欲しいので人工授精で子供を作る」
というもの。
妻が心から納得して満足している設定でなければ、完全にただのモラハラDV。
妊娠出産ももちろんだけど、人工授精って女性の身体に凄く負担が掛かるんでしょ?

宗に本命以外とセックスさせたくないし浮気される男にもしたくないがために、妻に人工授精をさせ、さらにそれを正当化するためにレズビアンとセックスレス設定をおしつけてるようにしか見えないんだよなあ。
レズビアンだけどセックスレス、セックスレスだけど管での精子注入と妊娠出産はOKというのも都合のいい話だ。
さらにその妻にことさらに自分の状況に満足してるみたいな台詞を言わせ、それがあたかも名台詞であるかのように流布しているのも、なんか、ちょっと……という気になる。

女を安易な悪者当て馬にするBLも嫌だけど、女を搾取するBLはもっと嫌だ。
ファンタジーだからこそ、そういうものは読みたくないです。

長文です。

長文です。作品が素直に好きな方にはかなり腹立たしい内容となっている可能性があります。
ただ予めいっておきたいのは、長文で批判的なことを書いてるからといってこの話が私にとって無意味なものなわけではないということ。
これだけの言葉を引き出させるんだから逆に凄いとさえ言える。

とにかく主人公シェヴィーが身も心も美しく、でも聖人君子というわけではなく所々で人間くさいキャラ造形が素晴らしい。
もちろん耽美小説の身上炸裂で、シェヴィーの美しさも圧倒的。彼の登場するシーン特に快感に悶える所は本当に光の輝きを感じるほど。
昨今のBLではこういうキャラにはもうお目にかかれないだろうなと思う。

しかし主人公以外のキャラがことごとく嫌悪しか催さない連中ばかりで、しかもそういうキャラとして一貫してるわけでもなく支離滅裂なのがな。

エリック…いくらなんでもこんな計略に引っかかるか?というような計略に騙されて兄をレイプし、縛られて犯された被害者に対し暴言の逆ギレの上逃亡。
帰国後は兄がかつての理知と高貴さを完全に失って淫獣と化しているのを悲しむどころか、そっちの方がやりまくれるから都合が良いみたいな態度なのも卑しくて精神性を感じられない。
兄が苦しめられている写真を見てニヤニヤしてるのも胸糞なだけ。
しかしやはり、一番無理だったのがメイン攻めたるアランだった。

アランは最初からノリノリでシェヴィーを虐待してるし、クズなりに純粋さがあればいいんだけどそれもなく、シェヴィーーの親子になろうという申し出を当主の地位のために一蹴する。
ここで何らかの迷いとかがあればアランのキャラに深みが出るんだけど皆無だから、もし親子でなくてもいずれシェヴィーに欲情して、エリックを盾に脅してレイプしていただろうとしか思えない
(エドワードやメアリーのあの年齢離れした異常な性欲の強さと性格の悪さからすれば)。
百歩譲ってそういう悪党キャラとして一貫して書かれるならまだしも、途中で唐突に可哀想な子アピール始めるからもう意味不明。

シェヴィーの親子になろうという申し出を、「金と地位と性欲」のために嘲りとともに一蹴したよね?
その後も相手に巨大ディルドを突っ込んでグヘヘ笑いしてたよね?

それで、シェヴィーが自分よりもエリックを愛してるから悔しいだの、「心が手に入らないなら手に入れられるのは身体だけ」だの、いくらサイコパスでもちょっとおかしくないですかね。

剃毛や異物挿入は寂しさゆえについやってしまったことで、本当は楽しくなかったんだああってこと?
キャラが崩壊しすぎててもはやギャグである。

エリックに去られてボロボロになったシェヴィーを見ても、良心が痛んだりシェヴィーが辛いと自分も辛いと思うようなシーンが見事なまでに皆無で、体調不良を気遣うことすらなくとにかく鼻息荒くレイプと虐待しか頭にないアラン(14歳)。
ただその報いというわけでもないだろうけど、気になるのは当のシェヴィーは最後までアランのことをまったく愛していないということ。

全編を通して、シェヴィーのエリックへの思いというのは嫌というほど伝わってきた。
しかしシェヴィーのアランへの思いというのは…私は最後まで感じることができなかった。

アランには自分の欲望よりシェヴィーの気持ちを優先するような男気は皆無だし、それどころか辱めて相手が辛がっているのを見てゲヘヘ笑い。
どんなに身体を抱いてもシェヴィーの頭の中にはエリックしかいないと思い知り空しくなったり、エリックに見せていたような笑顔を自分には見せないことに気づいて寂しくなるような繊細さもない。
そんな相手だからシェヴィーもほだされることはまったくなく、パトロン兼3本目のディルドとして利用してるだけ。
そして神経粗雑なアランはシェヴィーのそんな内心にも気づかず、セックスしてれば仲が良いと思いこんでご満悦…寒すぎるし、さらに最後の落ちが理解できない。

ラスト、アランがエリックにシェヴィーを抱かせる理由がまったく分からない。
アランのエリックへの愛情というものがそれまでのシーンでまったく感じられないし和解するに足るエピソードも皆無なので、ラストと「1921」のとってつけたような3P展開と仲良し描写が気持ち悪くてしかたない。

エリック帰還の時にシェヴィーはそれまでの4年間には一度も見せなかった態度を見せ、当のエリックは、体格・人生経験・男臭さ・サイズ(笑)、すべてにおいて自分よりはるかに上…
特にアランはそういうことにやたらこだわるキャラ(おかげで余計に小物感が強くなる)ということがそれまで強調されていたし、これで何で、3人でやろうということになるのか本当に理解できない。
エリックも、兄に欲情はまだいいとしても、サディストになったり3Pを許容するのが意味不明な上にアランともラブラブなのが嘘くさすぎて寒々しい。
そもそも14歳時点でエリックは「アランに夢中」で恋人同士なのにドロシーにも惚れてAS上等、さらに兄にも内心欲情してるとか…わけがわからない。

過激なエロがあれば精神はカラッポでもいいの?
そしてシェヴィーの内心はとにかくエリックのことしか頭になくて、アランは刺激的な3Pを実現させるための棒でしかない。
アランが急死しても、エリックさえ元気ならダメージは全くなさそう。
今後メアリーの手記が発見されてアランは実はボブの子ということが判明…というのはないにしても、すっかり淫獣と化して正気とともに良心も失ったシェヴィーが、エリックをアランと養子縁組させて相続権を得させた後、アランの車に昔アランがエドワードの車にしたのと同じ細工を施すという妄想をしてしまう…

攻は表紙のスタイルより最終話の眼鏡無し髪バサバサの方がかっこいいと思う

他の方も書いているように、確かに「ご都合主義」「おとぎ話」の物語かも知れない。
展開の要となる攻の受への執着とか弟の屈折した親切ぶりとかが、最後まで展開のための設定以上に見えないのがなんとも。

ただやはり、受の心の傷やそれにより求愛されてもすぐには受け入れられない様子、それに対する弟の台詞など刺さるものがあったのも確か。
多くのBL読者の琴線に触れるものがあるのではないでしょうか。
エロ度は濃いけど、シャープな絵柄のせいでねちっこくなっていない所も◎。

キャラは良い、だけど…

重い内容なので、読了までにかなりの時間が掛かりました。
少し読んでは置きを繰り返し、結局1ヶ月ぐらいかかったのかな。

BLとしても恋愛小説としても、良い出来だと思う。
来栖の苦悩もよく伝わってくるし、睦の健気さと純粋さ、そして一度だけ激情を露わにして宝物の数々を破壊するシーンではなまじな一般文芸よりもぐっときた。
それ以外でも「睦には分からないけど読者には分かる」という不穏なものを表現するのが凄くうまい。
少しだけど議員や選挙のことについて知れたのもよかった。
しかし25年以上も第一線で人気で新作映画が出るとか凄いなレイダーマン。

二人の将来かあ。
まあこれは時代も進んでるんだし、将来的には「代議士×画家」の同性カップルだって受容されるようになるかもしれないからそれはあまり悲観しない。

知的障害者をBLの対象にするななどとは思わない。
少なくとも睦はちゃんと自分なりに考えて来栖と結ばれることを選んだし、来栖も時には耐えられず暴走してしまうけどそれは充分共感ができるもの。
その上で最大限睦を尊重して、そしてようやく結ばれたわけだから。

でもそれでなぜ高評価にできないかと言えばまず最初に、これは典型的な
「性悪当て馬女を出して恋愛成就の小道具にするBL」
だから。
それが残念。

第1話もその傾向はあったけど、第2話とか露骨すぎて引く。
志織さん、ねえ。紫織さんの間違いじゃないのっていう。
ラストのフォローもとって付けたようにしか思えない。

そもそも未来の夫の友だちの友だちが強盗犯で服役中じゃ、不安になって絶縁させたいと思わない方がおかしいでしょ。

でも、最大のネックはやはり睦の「障害」の描写なのだよな。
レビューを見て睦を発達障害とか学習障害とか仰っている方が多くて驚くのだけど、それらはあくまで知能や感情の遅れがないもので、だからこそそういう独自の名称がつけられている症状でしょう。

睦は言動を見る限り、明らかに「知的障害」。
それなのに作中設定で「ボーダーの位置であり養護学級に行くほどではない」と明言されているのも疑問だ。
そしてもう一つの疑問として、このレベルの子だったら、たとえ偏差値最低ランクの工業高校だろうと一般の高校に入って3年で卒業するとかむりじゃないかということ。
工業科なら危険を伴う実習もあると思うのだがそれはどうこなしていたのか、説明は一切無し。

ただの劣等生と知的障害者は絶対に違う。
作者は、「低偏差値の工業高校」というものを知的障害者でも入学卒業できて高卒の資格を手に入れられる装置か何かと思ってないか。
「数学は不得手」って、つまりある程度はできるってこと?
色々と違和感あるところが多い。

睦を一貫して普通学級に通わせた親の心理というものが一切書かれていないけど、結局作中で一番睦を辛い目に合わせたのは、他でもないこの親じゃないか?
そしてそれについてのツッコミを(肯定的なものであれ否定的なものであれ)一切書かない作者の精神は?と思ってしまう。

さらに中性的な美青年とか絵の才能があるとか、もうね……

BLはファンタジー。でもファンタジーにしてはいけないこともある。
とりわけこれはリアルよりの作風だし、「この題材をこういう風に書くなら疎かにしてはいけない」というものをかなり無視して書かれているという気がする。

終盤で出てきた「睦が純粋だから好きなんじゃない、ただ側にいて欲しいだけ」という一文は確かに来栖の本心なんだろうけど、個人的には唐突というか、障害者に純粋キャラを押しつけているという批判をかわすために作者が慌てて入れたというものも感じてしまう。

睦を選挙戦に利用しようとする志織に来栖が怒るけど、やっぱりこの作品自体が感動ポルノという気がする。
主人公二人のキャラは好きだし、応援したいと思えるのでそこが非常に残念な所です。

前二巻は神、後二巻は…

昔読んだBL再読プロジェクト。
このシリーズは4冊とも過去に読んでいて、今回もすべて読み返したのでまとめてレビューです。

うーん、前半の一巻と二巻は20年近くたって再読しても相変わらすの面白さ。「神」の称号に充分なレベルなのだが、後半三巻と四巻がいまいちすぎて…はっきりいって「読まなきゃ良かった」レベル。
一般人が書いてピクシブで発表した二次創作を読まされた気分。
(リアル作者氏がピクシブでこのシリーズの掌編を発表しておられますが)

一巻と二巻は主役二人も脇役達もみんなキャラが立っていて、なんというか、みずみずしい。
三巻以降は、まあまあ面白いと言えるのはせいぜい三巻第一話ぐらいであとは凝っているようで尻すぼみのがっかりストーリーが延々続く。
それだけならまだしも、キャラまでなんか違う…
上でも書いたように、天才傲慢小学生とかお馬鹿ヤンキーとかのワードだけみて原作者以外の人間が書いた二次創作感。
三巻第一話の清一郎の指輪プレゼントと俊がほだされかけて慌てるシーンは良かったけど、それくらい。
マナリスの旧日本兵とその思い人の名前が、俊の隣家とその姉娘と名前が同じなのはなんの意味があったの?
そしてスズキさんと食人族はどうなったの?
顛末を書くのは可哀想だから書かなかったけど察しろってこと?

清一郎がしびれ薬とか媚薬とかクスリを多用するのも違和感があるし、肉体的にもチートになりすぎ。
そりゃ一巻の頃から異常に腕力が強かったり平気でビールを呑んだりはあったけど、ただでさえ「小学生なのに超天才で巨根で絶倫」というトンデモ設定なんだからそれ以上に狩猟もできるし兵士としても優秀だし銃を携行してるしというキャラにされるとああそうですかとしか思えない。

誕生日の話も、今までの話が時期設定が前後しまくりなのはご愛敬としても、「小学6年生の12歳」と散々繰り返してきて「小6の清一郎は今日が誕生日」というのはさすがにいい加減すぎる。
そして誕生日を忘れられていてむくれる清一郎は可愛いっちゃ可愛いけど、やっぱりなんかキャラが違う…
俊も一巻では普通に友だちが多い設定だったのに二本木と三浦しか親しい人間がいないキャラになってるし、イダニスのキャラも惰性感。

地の文でのシニカルぶった言い回しもうるさいし、伏せ字ネタもしつこいだけ。
こういうのって年を重ねれば無くなる物だと思うが巻が進むごとに増えてるし。
「その地名も商業誌じゃギリギリだな」とかのメタ台詞まで出てくる。
あと清一郎は少女漫画を読む人間なの?
唐突に山岸涼子(伏せ字なし)の作品の内容を語り出してそれが話に何か影響があるわけでもないし、普通にあとがきで作者の読書体験と感想として語ればいいのでは。

つい後半二巻の不満が多くなったけど、一巻と二巻は確かに神レベルのBLであることは間違いないです。
エロは最後まで濃厚てんこ盛り。
イラストで天才の父・英一郎が見られなかったのはちょっと残念。

「しゅみじゃない」けどとりあえず

なぜか無性に傲岸不遜なキャラの出てくる小説が読みたくなり、手当たり次第に検索して俺様キャラの描写が凄いとのふれこみだったので手に取りました、

以下、続編「くるぶし~」とあわせての感想。
うーん、文章はしっかりしてるし、ゲーム業界のことも調べられてはいるんだろうけど、キャラに全く感情移入できなかった。
受けにノンケ男を転ばせるほどの魅力を感じられなかった。

逆に作者後書きですら「人でなし」といわれてる攻めがそこまで非常識な人間にも思えず。
単に水商売の女相手に派手に遊ぶことのなにが人でなしなの?
素人相手に何股もかけてるとかレイプまがいの非合意セックスの常習犯とかでもなし。
ゲイの男に惚れられて、断るでもなく受け入れるでもなく中途半端にあしらってるのがひどいってこと?
そんなの、大の大人なんだから辛いなら自分から関係を絶てば良いだけ。
少なくともそんなジメジメした性格の男が、恋愛でも友情でも男を引きつけることはないと思う。

他レビューを見ると攻めが受けの制作したゲームの一場面を見て受けの心情を察して云々というシーン、名シーン扱いなんだろうけど私には「今まで軽んじていた相手に違う感情を抱くようになる」というノルマを記号的にぶちこみ、ただ言葉で説明しているだけにしか見えなかった。
女しかだめな完全ノンケが、三十路おっさん相手にためらいなくBができるのには違和感しかないし、最後にCにいけるほどになるまでの心情変化に至っては、まったく説得力を感じられなかった。

このようにまずBLとしても個人的にはアウトなのだが、さらにアウトなのがゲームに関する描写。
ゲームのことは全く知らないけど、作中に登場するゲームは現実に存在する作品をそのまま流用したものらしい。
内容は「どうぶつの森」でタイトルは「ぼくらのなつやすみ」で、それだけならまだ目をつぶるんだけど「ぼくらのおやすみ」なんていう意味不明なタイトルに改変したあげくにユニークな内容だとか制作者(受け)は天才だとか…氷点下レベルの寒さ。
同じ作者の「3シェイク」という映画監督が登場する作品で、その監督が制作予定として語る作品の内容がどう見てもただの適当なのに、主人公や世間がすばらしい内容だとその映画を絶賛していてばかばかしくなったけど、そういう作家さんなんだろうか。

後半のバグ発生の話も、いくら何でもそんな理由でやらかすか?としか思えない。
第三者の悪役も唐突にしか思えなかったし。
そんなこんなで好きになれなかった作品だけど、それでも「しゅみじゃない」ではなく1段階あげているのは作中の台詞で一つだけ、刺さるものがあったから。

「ちょっとしたアイデアを一つの作品に仕立て上げるだけの根性がなくて、どうしてクリエイターになれるんだよ!」

発情ハウス コミック

彬りか 

後半はややペースダウン

こういう何も考えずに楽しめるエロ特化BLもたまにはいいよね!
というのは確かなんだけど、ただやはりこの手の話ですら「話がしっかりしている・していない」ということの差は生まれるもんなんだなあとも思った。

前半はヤリヤリなんでもありの面白BLとして違和感なく読み進められるのに、後半になるとボディーガードとか甥っ子とか、頭数が増えただけで登場人物としてうまく機能していないというか。

でもおもしろさは否定しないので、とにかく男どうしの、深刻なことはなにもない楽しいエロがみたい方にはお勧めです。

斬新な話?

大昔に読んだBL再読プロジェクト第3弾。

前に読んだ時は新書だったので、文庫で再販ということはかなり人気があったということなんですね。
エロは薄め。
全250Pの中でHシーンは170Pになってから。
その後Hシーンはしばらくなく、後半数十ページでいわゆるやりまくりの状態になるのだが、表現が淡泊なのでインパクトはそれほどなし。
以下ネタバレです。




まず、受けと攻めの人物設定と描写が本当に良くできている。
BLでしかもコミカルという二重のハードルがあるのに、終盤のほのほと弟の口論と和解のシーンでは不覚にも本気で感動してしまった。
最近めったなことでは創作物で感動などしなくなってるというのに。

天然を通り越して、人間なら普通に持っているであろう感覚がスポーンと抜けているほのほ。
まあそういうものがないからあの境遇にも(実の父親にジジイ相手に身体を売らされる!)ショックを受けないでいられるのだが、反面夕子や茶々丸といったほのほにまっとうな愛情を注ぐ人々には気が気でないわけで。
達彦への恋が初恋だと言い切ってしまうほのほ。
夕子さん立場ねえー!と思うけど、ただそれが情なしだということは、作者もほのほ自身も重々わかっている。

夕子の人となりの描写は、序盤ほのほ目線と夕子死後の地の文と茶々丸の語りしかないけど、それで夕子の内面というものがはっきりわかってしまう。
「美人で派手好みなのに決して水商売には手を出さず、地味できつい仕事ばかりしていた」というのはかなりの泣かせポイント。
だからほのほも、恋愛感情はもてなくても、夕子はかけがえのない人という思いを持っていた。

ほのほ「あなたには命をかけて守りたいと思う人がいますか?私にはいます。茶々丸と達彦さんです」

ありふれた台詞ではあるんだけどその台詞に至るまでのほのほの内面の動きがよくわかるから、血が通って聞こえる。
やっぱり、夕子の必死の献身がほのほの心を何かしら動かしてたんだ。
それがなければ、たとえ茶々丸や達彦への愛情や恋情をもってもどこか空虚なものになってたんじゃないだろうか…

BLとしては、ノンケの達彦がほのほを愛するようになるまでの過程が一筋縄でいかず山あり谷ありなのがよくできてる。
ただ…終盤はどうなってんのこれ?
もともと氷堂家に帰ってからの描写自体がかなり冗長で、それでも弟との口論と和解のシーンはハイライトなのだが、それをすぎたらもうほのほが夜這い→達彦うんざりしながら応じるの繰り返し。
達彦が経営者として再起するかどうかさえ書かれず、ほのほへの真の愛が芽生える描写もなしのまま、ほのほが庭で「夕子さんありがとう」と感慨にふけるシーンでラスト。

うーん、落ちになってない。
BL&恋愛物で一番肝心な主役カップルの愛の成就をこんな形にするとは、悪い意味で斬新すぎる。
それでも私自身はこの話は好きだし、BLの大海にこういう作品があっても良いと思うけど、文庫再販されるほどの支持を集めたとは…BL読者の懐の深さを感じた一冊でした。

批判と賞賛半々です

まず最初に書いておきますが、キャラ情報が間違いまくりです。
板東一樹26歳実業家・番場瞬16歳高校生×長田真木28歳高校教師です。
修正を入れたのに反映されていません。
特に主人公の名前のファーストネームが苗字になっているのはひどすぎです。

大昔に読んだBL再読プロジェクト第二弾。
20年近くぶりに読んで、感心したところとがっかりしたところが半々という印象だった。
Hは冒頭と終盤で過激なシーンが出てくるものの、それ以外ではむしろ(今のBLに比べれば)淡泊な方。
まあそれはいい。
不倫ということはあらかじめわかっていたけど、久々に読むと違和感もっというと嫌悪感がひどかった。
真木が浮気者という設定がそれに拍車をかけている。
BLで性病を考えるのは野暮の骨頂だけど、ここまであからさまに書かれていると考えてしまうよね…
浮気相手→真木→板東→優美香(母子感染)→小悠香というルートを。

第2話で真木が板東と優美香を怒鳴りつけるシーンは、作者的には名シーンなんだろうけど優美香と小悠香に性病を移していたかもしれない奴が何言ってんだとしか思えない。
そもそも小悠香両親がここまで小悠香をネグレクトするに至った元凶中の元凶のくせに。
板東のキャラも男らしいとか有能とか設定倒れにしか見えなくて、まったく心に響かない。
性欲ばかり強くて結婚相手への誠実さもなければ我が子への愛情さえ薄い、頭の軽いクズにしか見えない。
名家同士の政略結婚がそんな簡単にご破算にできるわけないし、優美香の実家(何となくスクール経営のみに留まっている板東家がさらなる拡大を目指して大財閥の令嬢をめとったイメージがある)にZAXがつぶされればいいのに。

あとこれも時代が変わったせいかもしれないけど、3歳女児が血縁のない大の男と長時間を過ごすというシーンがやたら多くてこれも結構気持ち悪かった。
第2話では下の世話までされてるし。
あと第1話の「おなかをぶう!」ってなに?
真木が女ならまあともかく、赤の他人の、保育士を目指しているわけでもない男子学生に女児のおしめ交換も含む世話を任せる親とかちょっとありえない。
真木がゲイだから何となくスルーできてるだけで、大の男が女児に、物心ついていれば性的なものとして覚えるような行為をするとか、どうなのかしらね。、

これだけではただのアンチレビューですが、もちろん良いところもあります。
真木のキャラは不倫関係を除けば確かに絶妙。
トラウマに関して「憤怒が僕を大人にした」「僕は負けなかった」というモノローグは、印象深くてこの20年近くずっと心に残っていた。
それでも真木を案じて、傷ついていると思いことさらに守ろうとする板東に対して真木のしたたかさを見抜き、この人はそんな弱い人じゃないと主張する瞬という対比も良い。
本当に、優美香が板東の姉とかで、あとできれば小悠香と番場家の第二子も男児なら、実に申し分のないBLだったのだが。

スケートものとしてもBLとしてもイマイチ

低評価の方に同意です。
スケート部分のいい加減さはおいておくとしても、キャラが記号的というかくっつくことありきで話が進んでいる感じがして入り込めなかった。
末期がん患者とセックスするのもひどすぎて無理。
相手は本当に望んでたのか?
断る気力もなく虫の息だったのを犯して、攻は自分に都合良く記憶を改変してるだけじゃないか?と怖い想像をしてしまうほど。

スケートBLなら、競技描写は「銀盤を駆けぬけて」、恋愛描写は「キス&クライから愛を込めて」の方がずっといい。