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女性renachiさん

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もうすぐ2巻発売ということで

読んでみた。一般文庫にしては軽い文体で、クセがなくするする読める。
内容は、男が集まりわちゃわちゃ賑やかす系ラノベ。今作はメインとなる四人の紹介巻のような仕上がり。四者それぞれの視点で四話分(+おまけの猫視点)が収録されていて、シリーズ開始!という雰囲気だった。

起こる事件はどれも小さくて、細部に散りばめられた雁字搦め要素は身近にあるものばかり。ちゃんと悪には鉄槌が下されるのに、うっすらモヤモヤが残る。
被害者の心の傷が消えないタイプの犯罪が多く描かれているからかもしれないし、開き直った悪人のやり口があまりにリアルだからかもしれない。善人の愚かさを見せつけられるからかもしれないとも思う。
そんな奴らを見て笑う白雄は異質な存在で、とても惹かれるものがあった。

BL的に見るなら、注目すべきは表紙にも登場している間山(義)兄弟。兄の和樹は人懐っこく物怖じしないタイプで、考えが浅いキャラとして描かれているためか、深い闇は見えない。弟の見守り兼監視役を自ら買って出ており、そこに使命感を持っているらしいキャラ。

白雄は人として大事な何かが抜け落ちているが、行動原理は子供以下のそれなので、ある意味分かりやすい。隣に和樹がいなければ犯罪者になっていそうな危うさがある。だが超絶イケメンで挿絵もカッコよく、辛い過去も語られるので、とても魅力的なキャラになっている。創作のパターンに嵌められた感はありつつも、気持ち良く好きになれた。

他にも弁護士や警察官など、物語をスムーズに進めてくれるキャラが揃っていて、スカっとさせてくれそうな期待が高まる。
巻数を重ねていくと、いつか白雄や和樹が闇堕ちする展開が来そうでわくわくするので、ぜひ長く続くシリーズになって欲しいと思う。

二人の関係性は、今のところ白雄の執着が一方的に強いっぽい。歪む顔が見たいがために和樹の彼女を奪ったり、一生離れないと決心してたり。BLでよく見るエピソードをちらほら入れつつ白雄の暗部を描いていて、そこに萌えが詰まっている。

いきつくところまでいってしまう二人をぜひ見たいと思う。続いてくれるといいな。

恋じゃない方が萌えたかも……

クマとリスの獣人が一緒に冬眠しながら恋をしていくお話。もふもふは可愛いしちょっとしたエピソードなんかはめちゃくちゃ素敵なんだけど、あまりに起伏がなさすぎるのと、大人と子供の触れ合いっぽく見えるのにエロに突入するところが微妙でハマれなかった。

なりゆきでディビスの家で冬眠させてもらうことになったリック。ディビスは最初からリックに甘々で、溺愛彼氏の様相。対するリックは容姿への褒め言葉にあわあわしてて、瞳が顔の半分を占める少女漫画の主人公っぽいと思ってしまった。

どこまで読んでもその印象が覆されることはなく、ディビスの無償の愛がデフォルトで注がれ続ける。だんだん深まっていく感じだと萌えられたが、最初からずっとなので、リックが何もしなくても恋が成立する仕様。
リックは心理描写がとにかく幼く小さな女の子のよう。癒しにはなるが、ただ可愛いだけの夢小説のような……。Web小説なら最高なんだと思う。

ほぼ二人だけの世界で完結しており、キャラの背景も一部は読者に共有されるだけで、リックとディビスの間にはない情報なのが気になった。それなのにディビスが都合よくリックを好き過ぎる気が。めちゃくちゃイイ男で萌えるし惚れるのは確かだが、ストーリーに深みが足りないというか。
溺愛BLはこういうものとして割り切って読まなきゃいけなかったのかな。

この関係性だと恋にしない方が萌えまくったかなあと思う。成人男性と女児のようだと思いながら読んでいた先にエロシーンがあったので、そこがとても浮いているように感じた。

手土産の木の実のエピソードはじんとする感じでとても良かった。キャラは魅力的だし、ふたりのやりとりがたまに親子みたいで可愛い。もふもふ描写やしっぽの表現も好き。
BLでなく別の形で書かれていれば、自分の中で神作品になってたかもしれないと思う題材だった。

やっぱり終わり方が神だった

シリーズ四作目。ガッツリ美術犯罪捜査のお話。正直あまり興味を惹かれない分野だが、ジェイソンの絵画への傾倒ぶりが伝わってくるおかげか、楽しくすらすら読めた。

サムとジェイソンのカプは導入から甘々で、あまりのサービスっぷり(?)に後半どんな落とし穴があるのかとヒヤヒヤしてしまった。あんなに渋み強めだったサムがストレートに愛を囁いている……どうしたサム!?とそわそわとニヤニヤを同時に体感した。

事件はジェイソン自身がとある縛りの中で捜査している。私情を入れまくっていたが、今までの感情論に基づく私情とは重みが違ってるので、それなりの論理性はあって良かった。(今までは根拠なくそんな人じゃないっていう勘を事実のように扱って進めたりしてたので)
だがそれはサムとの関係に亀裂を生むことになる。拒絶するサムの反応を特別酷いとは思わないが、ジェイソンが仕事でこういう頼り方をするのはそれなりの覚悟の上な気がするので、ショックなのも分かる。

で、突進したジェイソンが危険な目に遭いながら事件は解決し、改めてサムとの対話へ。
毎回思うがジェイソンの中のサム像が面白すぎる。いまだにサムの感情に疑問を持つのに、ちょっと人間らしさを見たら驚いていて、自分の恋人をどんな人間だと思ってるんだろうと笑ってしまう。恐怖を見せるサムはありえないっておいおい……ジェイソンもサムに負けない鈍さを持ってると思う。

今作は別れ話で終わりかと思いきや、即追いかけてくるサム。びっくり。あのサムが。さらに弱々しく口説きまくるサムにびっくり。
それに対するジェイソンの答え、最後の一行がもう……!ひぃぃぃってなった。この一言で神作品になってしまった。ジョシュ・ラニヨン作品は終わり方がクセになるものが多いなあ。
次は最終巻かな?早く読みたい。

何をしてもギャップ萌えを生む男

シリーズ三作目。完結を待てず読んでしまった。
今作は襲われたジェイソンが療養休暇に入り、サムの実家で過ごすお話。大まかな流れはシリーズのパターン通り。サムがびっくりするほどのギャップ萌えを放ってくる、お決まりの萌えシーンもあって嬉しかった。

療養といってもジェイソンは事件に関わっていくし、サムはジェイソンを襲った犯人探しに必死になっている。
が、それよりも胃がキリキリしたのが、サムの母親とジェイソンが二人で過ごすシーン。さすがサムの母!と言わしめる裏の意図がありそうな発言の数々。嫁姑のヒヤヒヤ感。読みながら変な汗をかきそうだった。

サムとジェイソンは相変わらず別方向に不器用な二人で、想い合ってるのにすれ違っている。
今作はジェイソンの動ける範囲に縛りがあるせいか、事件に複雑さはなく、サムとの関係に悩む描写が多かったように思う。その内容に1~2巻と同じ空気を感じたのは気のせいかな。仕事柄仕方ないことは分かっている、でも自分に関することまで話してくれないなんて!っていう。

散々悩んだジェイソンは、決死の覚悟でサムとの対話へ。心持ちは対決って感じで気合い入ってて、別れまで覚悟する極端さ。こんなに思い詰める性格で今後の遠距離恋愛は大丈夫か?と不安になるが、そこはサムが流石だった。
石のような男サム、何をしてもギャップ萌えを生む男。お料理サムの挿絵にぎょっとなり、ちょっと嬉しそうな表情を見せるだけで「あのサムが!」と感動させられてしまう。
そんなサムが声を震わせて感情を吐露する。サムのこうした感情に思い至らなかったジェイソンを不思議に感じなくもないが、サムの性格を考えれば納得する面もある。同時にジェイソンも性格上せっぱつまると周りが見えなくなるから仕方ないのかも。
つくづく対話が重要な二人だと思った。

その後の甘々シーンは普段のラブシーンの何倍もの気恥ずかしさを感じた。そういえばあれは仲直りHだったんだな。

事件はドタバタと解決し、離ればなれになった切なさをほんのり漂わせながらのエピローグ……かと思ったら最後の最後に怖すぎるホラーなお手紙が。まじで迫りくる恐怖に震えた。なんつー終わり方!
早く次が読みたい。

受けの成長が足りず終われない感

シリーズ三作目で二話構成。最初の話は同業で付き合う面倒臭さ全開で、音彦が飛滝の才能に嫉妬したり悩んだりとぐるぐるしている。ちょっと売れて自尊心の高まりも見えるため、今までより複雑化し、あまり読んでいて楽しいとは思えなかった。

恋人としての付き合いが安定し、慣れが生む傲慢さはある種リアルだが気分良くは読めない。音彦はその点を自覚しながらも感情制御が下手になっていて、飛滝の相手としては物足りない。
前作で一緒に成長していって欲しいと思ったが、音彦は飛滝に甘えて退化してしまったように感じた。

二作目は飛滝がイギリスドラマの撮影に向かうお話。三カ月の別離が我慢できない音彦は、追いかけて見学に行ってしまう。
正直ここに萌えは一切なくて、ただただ撮影を滅茶苦茶にしないでくれ~とヒヤヒヤした。スタッフの所沢に一番共感したかも。無駄に現場の仕事を増やしている音彦は邪魔者でしかないんだから、謙虚でいて欲しかった。

結局俳優として得た答えは当たり前すぎることで、ここまでやらなきゃそこに辿り着けないなんて先が思いやられる。平均より少し歩みの遅い売れない俳優、ってだけなら良いが、音彦はやっと情緒が芽生えて人間として成長を始めた飛滝の恋人。
そういう目で見ると、どうしても見劣りするというか、力不足というか。

飛滝に魅力を感じてシリーズを追いかけてきたため、飛滝の厄介モンペのように音彦を評価してしまう。もっと飛滝の隣に並べるくらい精神面の成長を見せて欲しかった。
ここで終わりと言われても、安心して音彦に飛滝を任せることはできない気持ちをどう処理したらいいんだろう。まだ終われない感を残したまま終わってしまったシリーズだった。

とりあえず飛滝が好きだ、という感想だけは強く残った。

可愛くて切なくて危うくてちょっと怖い

メイン二人が恋人になってからのお話で、とても甘い始まり。俳優として順調に売れ始めた音彦は、飛滝の建てた家でいちゃいちゃしながら不安を覚えている。飛滝は相変わらずというか、音彦視点からはさっぱり本心が見えなかった。

音彦の心理描写からは、まだ兄弟を演じていたときの飛滝への未練が見え隠れしていて、本当の飛滝が見たいと言いながらも、自分の望む飛滝であって欲しい願望が溢れている気がした。自分が分からない飛滝にとっては良いかもだけど、何にでもなれる飛滝なだけに、傍から見るとどうしてもモヤモヤしてしまう。

関係に不安を抱えた状態で、二人は役柄になりきったリハーサルを始める。ごっこ遊びを真剣に続ける大人を見ているのは据わりが悪く、終始ソワソワしながら読んだ。
このプレイに関する解説は、一巻目同様音彦の推測のみで終わってしまい、桐生の思惑が本当にそうだったのか、飛滝が意図したのは本当にそこだったのか、正解が分からない書き方なのは気になった。大事なとこがふわっとしているような。

いろいろあって仕事は成功に終わり、その後の飛滝は完璧な恋人になりすます。
改めて振り返ると、飛滝は生まれたてのようだと思う。やっと芽生えた情緒の全てを音彦に向けている。音彦の言葉一つ一つを大切に覚えていて、喜ばせようと必死で、とても可愛い。同時にそれまでの飛滝を想って切なくなり、悪い女にコロっと騙される男のような危うさが心配になる。

ちょっとしたことで落ち込む様子を見せる飛滝は、音彦の言うことなら何でもやってしまいそう。それは怖いくらいで、飛滝の人生に影響を及ぼす何かを音彦が迂闊に言ってしまわないかとヒヤヒヤする。今後音彦が腹黒さを身に付けないよう、切に願う。

次は遠恋になるのかな?飛滝のイギリス行きの件は理由も語られずに進んでしまったので、先を読みたくなる。

まだ飛滝のキャラは形成されている途中なんじゃないかな。とても魅力的だが音彦次第なところがあるので、一緒に成長していって欲しいと思う。後を引き、読後もしばらく飛滝のことを考えてしまうくらい萌えたキャラだった。

スタート地点に立つまでの話かな

面白かった!モヤるところもあるし、結局あれは何だったの?って謎は残ったままだし、本当にそれでいいの?ってキャラに問いたいところもあったりするけど。攻めのキャラとストーリーがとても良くて即続きを欲するくらい面白かった。

天才俳優×売れない俳優。役作りのために同居生活を始め、徐々に役と己の境目が分からなくなりながら惹かれていくお話。

始まりから甘ったるい兄弟としての触れ合いが繰り広げられ、音彦に同調するように戸惑いとドキドキを体感できる。
飛滝の頭の中は設定通り本当に分からないが、飛滝本人にも分かっていない雰囲気なのが良い意味で怖い。そんな状態で襲ってくる意味の分からなさ。音彦もさすがにそこまで呑まれることはなく、それなりに常識的な反応なので読みやすかった。

二人の触れ合いはギリギリのライン上にある感じで、危ういヒヤヒヤ感を楽しめる。やっと飛滝に綻びが見えるとめちゃくちゃ萌えた。
ただ疑問というかすっきりしないのは、このときの飛滝の心情が音彦の推測のみになっていて、答え合わせもされなかったこと。飛滝が自分に惹かれているはずといういう自信と、反対されればされるほど強固になっていく若さゆえの暴走が、後に落とされるフラグかと思っていたら特に何もなかった。
あの飛滝の空白の一日は結局音彦の予想だけで説明は終わりなのかな?

後半、撮影に入ってからは桐生の執着ぶりにヒリヒリした。飛滝に自己を取り戻して欲しいと願いながら自分好みの男を演じさせようとする音彦も桐生と同じに思えたが、飛滝にとっては最適な相手なのかな。

撮影後はバタバタとくっつき、二人はやっとBLのスタートラインに立ったよう。これからの二人を見たいと強く思う。
監督に軽口を叩き俗っぽさを見せる素の飛滝は、意外にも普通に好き嫌いがあって、コロンも役作りでなく付けていたことが分かり、顔のない男でも自我がないわけでないと分かって安心した。今後さらに感情的になる様子をぜひ見たいキャラ。

気になったのは頻出する「確執」という単語の使いどころ。紙初版で読んだが微妙に意味を違えて使用されているように思えた。正しく使われていたとしたら桐生はさらに意味不明なキャラになってしまうがどうなんだろう。てか一部文章も変だった。

この一冊だとBLの導入部だけを見せられたようなので、続きがあって良かった。特に飛滝は本当に音彦本人に恋心を抱いているか不安が残るので、次作で払拭して欲しい。
次が楽しみ。

とても不思議な読み心地

メキシコを舞台にした麻薬カルテル絡みのお話。といっても残酷シーンに詳細な描写はなくさらっと。日本に馴染みが無さそうな事柄には丁寧な補足説明があるため、読みやすい。読者に過保護なラノベの中にこの世界観を落とし込んだのはすごいと思う。

メインカプは、組織で育ち暗殺に手を染める18歳の日本人アキと、元軍人のアメリカ人エディ。二人は一回寝たらお互いころっと恋に落ちた感じ。それまでに土台は出来上がっていたので自然な流れなのかな。
アキはあの状況で出会って助けられて優しくされて、気持ちが傾いてしまうのは必然だろうと思う。エディは惚れるのは早くて軽く見えるが、自分の気持ちを受け入れてからのハマりっぷりがとても良かった。

親代わりのリカルドとエディの間で揺れるアキは、エディの暗殺を命じられる。どうしてもやらなければならない辛い事情があるわけでなく、シンプルにどちらを選ぶかなので分かりやすい。メインはBLだったと思い出す。
個人的にはもう少し真に迫るような究極の選択にしてくれた方が、舞台設定に合っていて好みだった。全体的に、麻薬カルテルを題材にしてもBLだとここまでが限界ってのを見せられているように感じた。リアルが凄惨なだけに微妙な気持ちに。

モヤモヤしてしまうのが、エディが仕事を辞め相当な覚悟でメキシコまで来た件の決着の一つ。アキに「こいつらが犯人」と男三人引き渡されて「分かった、じゃあ殺す」バンバンバン!……え?っていう。ただの実行犯とはいえ、そんなあっさり……自分で確認したり、確信を持つ描写とかがないと、いいのかそれで?と目がテンになる。
そこからラストまでは駆け足気味。胸熱展開からの綺麗なまとまり方で、晴れやかに感じた。

メインカプ二人も良かったし、アキに選ばれなかった二人のその後もとても好き。

読み心地がとても不思議な作品だった。言い回しはところどころ英文風だがキャラの価値観は日本のもの。翻訳小説の直後に読んでしまったため、戸惑う点も結構あった。
挿絵が素晴らしかったので萌え度アップ。

他シリーズ作品を再読したくなる

同作者の過去作、殺しのアートシリーズ・All's Fairシリーズでちらほら名前が出ていたアダムのお話。事件でやらかし、閑職同然の仕事をこなすアダムと、ド田舎の保安官補ロブの出会い編。

ロブは明るく、根っからの優しさで地域住民たちに私情を入れまくって捜査する、いかにもな田舎警察。最初は冷たくされることに慣れていなかったりと、遊びで手を出したらダメなタイプでは?と心配になった。杞憂だったが。
対するアダムは捜査に対してだけは終始冷静。とはいえ捜査中でもロブを視界に入れるたびに律儀に心臓を跳ねさせる描写が楽しい。
事件をしっかり進めながら恋愛方面も進行しており、その描写割合は絶妙、とても好みだった。

始まりは小さな事件。とてもFBIの手が必要には見えないが、アダムが元はシリアルキラーを追っているところだったので、これらがどう繋がっていくのかと、わくわくしながら読める。事件は終盤一気に駆け抜けるように解決し、爽快感があった。

一度きりのつもりだった最初の夜と、何かを期待しながらの再会後の二度目の夜は、どちらも愉快なベッドシーンになっていて面白かった。ロブの明るさが心地良い。

上に挙げた二シリーズを読んでいると、さらに楽しめる要素が盛り込まれている。殺しのアートシリーズのケネディの相変わらずの働きっぷりを見れたり、All's Fairシリーズのタッカーの過去の所業を知れたり。
特にタッカーには笑ってしまった。アダムは元彼になるが、振り方がすでに完全にあっちに心が行ってるのが分かりすぎて酷すぎる。All's Fairシリーズを知らずに読むと悪印象しかないかも。あっちでは恋人にデロ甘な印象のキャラなのに。
ロブはアダムを存分に癒してあげて欲しい。

ラストの選択は、ちょっと驚きだった。アダムが決断した背景にはタッカーのことがあるのかな、と思ったり。罪深い男タッカー……。
読後はすぐにタッカーとケネディの話も再読したくなった。ファンならお得感増し増しな一冊。

硬質な物語に溶け込む恋愛描写が良い

物騒な表紙とタイトルが気になり読んでみた。
民間傭兵会社のエージェント二人がメインで、あまり馴染みのない世界が覗ける。拷問やその他残酷なシーンは、詳細描写がないため読みやすい。低糖度ながら熱い場面もあったりと、恋愛面も充実していて面白かった。

プロフェットは仕事に必要な能力値が最高レベル。様々な描写からそれが伝わってきて、圧倒されそうなほど。こういうタイプが視点主だと、展開がハイスピードで進んでくれるのでとても好み。
表面の顔を取り繕うのが上手いが、内側にはかなり深く歪な形の闇を持っていそう。

対するトムは精神的に不安定に見えた。そこにはっきりした理由があると匂わせ続けるも、全容はまだ語られない。こちらの闇はまっすぐで根が深そう。
意外に恋愛脳で、プロフェットへの気持ちが溢れすぎて思い悩む心理描写が長く楽しめる。恋のグダグダが硬質な物語に綺麗に溶け込んでいるのがすごく良かった。

仕事上のパートナーとなった二人は、物理的にも精神的にも激しくぶつかりながら近付いていく。お互い、相手の触れられたくない場所を意識しながら自分を顧みたりしていて、読み応えがあった。
三人称で頻繁に視点が切り替わり、二人がそれぞれ自分の闇に向き合う様子が描かれる。相手の影響を受けつつも、自分の心には自分一人で挑むところが良い。心がどれだけ惹かれていても、ちゃんと自分の足で立ってる感じがとても好き。

疑問だったのは、二人がクリスの死を追う任務に就く理由。民間会社なら依頼主がいないと報酬がないのでは?等々、話の本筋に関わることなので気になってしまった。警察の後に非公式捜査を行っていて、クリスが会社に関係する人物かと思いきやただの地下ファイターだし、会社側の対応も後出しで重要度が低いなどと言い出して謎だった。

絆が強固になる出来事がいくつもあり、それゆえにラストは辛い選択をする。こんなところで終わられても困るのだが、次を読んでも完結巻の邦訳はまだ出ていない。発売後にまとめ読み決定のシリーズ。

挿絵も素晴らしかった。気合いが入っているのか、小山田さんってこんなにすごかった?と見惚れ、挿絵買いしてみたくなった。
読後にプロフェットが歌っていた曲を調べてみると、歌詞がめちゃくちゃ泣けて良かった。