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エキスパートレビューアー2025

女性しなちくちくさん

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影森くんがちょっと見たことがないような攻めで面白かったww

数作拝読している作家様。いつも濡れ場のエロスにドキドキしています。本作は試し読みして、強引そうな年下男前攻めにグッときたので読んでみました。以下ネタバレあります。

リーマンもので、攻めの影森が後輩の年下攻め、受けの花之木が同じ部署の先輩。よくある設定で、影森は年下ワンコかな?それともスパダリかな?俺様かな?と楽しみに読み始めたのですが…。

なんだろうこの年下攻め君はww
ちょっとあまり読んだことのない感じです。
イケメンだけど、我が道を行くというか、職場でも空気読まないというか、とにかく変わり者です。うん、これじゃ営業は無理だわw
こんな個性的な攻めはあまり見たことなくて、ストーリーがどうなるのか想像がつかなくて面白かったです。

一方花之木は、職場でニコニコとなんでも引き受けちゃう人で、気弱なタイプなのかと思いきや、影森をディスる営業を強気で撃退したりして、意外に男前で良きギャップです。(でも詐欺に引っかかりそうなシーンはヤバかった…汗)

あることをきっかけに影森が花之木を好きになり、即「付き合ってくれませんか」と告白(コレ出会った当日w)、毎日迫るけど、突然のことで花之木は信じられずはぐらかす。
そんな花之木に「今すぐ証明します 身体で」とホテルに連れ込む…ってなんて強引なんだ!ww

えっちしながら強気に口説く影森。
かなり強引だけど「愛してる」「あなたは俺のものになるんです」なんて言って、花之木も気持ちよくて訳がわからなくなり…というこの濡れ場が、大変エロティックでゾクゾクしました♡さすが理原先生だ〜!

中盤では、花之木がなぜ仕事を引き受けすぎてしまうのか、その理由が出てきますが…。この辺の花之木の気持ちが、ちょっと自分には難しかったかも。
幼少期の経験から花之木は、常にニコニコと人の役に立たなければ受け入れてもらえないと思っている。
しかし影森は言いたいことを言って、空気も読まないのになぜか周りを明るくしている。
そんな影森に嫉妬して心をかき乱されて、影森を避けるようになる。
そして影森にひどいことを言ってしまい、嫌われると思ったら、「ますます好きになった」なんて言われて、影森に絆されて…ということかな。(読み返しながら読解してしまった…汗)

さて後半は総務部のお仕事、懇親会。
影森のフォーマルなスーツ姿かっこいいな〜♡
しかし、ここからまた意外な展開になって面白かったです。花之木にスーツ姿を褒められて、影森無表情でも喜んでるのかと思ったら…あんな展開になるとはww
濡れ場で豹変した花之木にも驚いたけど、影森のリアクションにもっと驚いたwww

終盤は、影森に塩対応されても無視されても(花之木視点)、落ち込みながらも全然挫けない、花之木の心の強さにグッときました!もし自分がこんな態度取られたら死ぬほど凹みそうw
まったく影森くん、最後まで花之木も読み手の私も振り回してくれましたww

本編ラストの両想いえっちも良きでしたが、描き下ろしの、可愛い服着た花之木に大興奮する影森(早口ww)と、そんな影森に拗ねちゃう花之木が可愛くて最高でした♡

見た目は無表情なダウナー系だけど、グイグイ迫って溺愛もしてくれる影森は、面白くて魅力のある攻めでした♪

紙本 白短冊修正(電子の試し読みがガッツリ白抜きだったので紙購入で正解でした!数本の白短冊で大変えっちです。迫力ある濡れ場が数回あり修正箇所も多いので、修正にこだわる方は紙をお勧めします。Rentaはどうかな?)

個性的なセレブ達の集いが楽しい♪

好きな作家様。同日発売の『落花と破鏡の』と一緒に購入しました。落花〜はしっとり、本作はセレブ達のお話でややコミカルな作風です。
全164ページ(落花〜と約100P違い!)。以下少々ネタバレあります。

あらすじの通り、多くのセレブな紳士達が集う会員制倶楽部ミモザが舞台。個性的な紳士達がたくさん登場して楽しいです♪

メインCPは会長の伊集院と、その婚約者の弟・二条大雅ですが、他にもBLっぽい人たちがいて。
硬派な五十嵐は人形を愛する天然な加賀美に恋してるみたいだし、一ノ瀬兄弟の弟は兄へ近づく女性を全て排除する、もはやヤンデレ気味なド執着を持つブラコンだし…。
本作ではそこまで深く掘り下げられなかったけど、この人たちメインの続編も密かに期待していますw

会長の伊集院は、この歳まで電車に乗ったことがない超セレブ。この人が刺激的な体験をしたいと言ってきて、皆で大人の遠足を計画。セレブな遠足楽しそうだなぁw

伊集院は20代くらいなのに、時々目をキラキラさせるのが可愛らしい。ちょっと浮世離れしていて、少年みたいなところがあるw

さてSPを引き連れ、貸切電車(東京の電車貸切できるの⁈w)で浅草観光へお出かけ。
多分SPに囲まれながら楽しんでたら、男前眼鏡の大雅が登場。
大雅は子供の頃から伊集院を大好きらしく、気持ちを全く隠さない、クールな年下執着攻め君。

遠足を楽しんでたら、あるトラブルに遭遇。それに冷静に迅速に対処する大雅、格好良いな〜!
なぜか大雅と伊集院、二人で喫茶店の店番をすることに。二人の仲を見守る、伊集院の侍従・東がさすがのフォロー。できた従者だな〜w

終盤には、伊集院の婚約者で大雅の姉・花蓮も登場して一悶着。花蓮もなかなか個性的な変わり者で、こちらも面白かったです。
そして花蓮に罠(?)にはめられても、自分を傷つけてでも紳士に徹する大雅が、大変格好良かったです!

セレブの知り合いなんていないので、浮世離れした人物達の言動は、まるでファンタジーみたいで楽しかったですw
実際のところ、セレブの家にLGBTQとして生まれたらどうなってしまうんだろう…とちょっと考え込んでしまいました。家を出たりするのかなぁ。それともやっぱり隠して政略結婚かしら…。

後半に豪邸がたくさん描かれたので、美しい室内を眺めるのも楽しかったです。

ミモザの面々がそれぞれ個性的で大変楽しい作品でした。ミモザの大所帯、本作だけで終わらせるのはもったいない!ぜひ他のメンバーを主人公にした続編が読みたい!
個人的には、硬派な五十嵐×人形を愛する加賀美のお話をぜひ読みたいです♪
(でも一ノ瀬兄弟も気になるww)

続編を期待して待っています♪

濡れ場なし(軽いキスのみ。伊集院と大雅のえち、ちょっと読みたかったw)

お互いの存在に救われる救済ストーリー

好きな作家様。こちら連載時に1話だけ読み単行本化を待っていました。
同日発売の『東京似非紳士俱楽部』と一緒に購入してどちらも読みました。全く異なる雰囲気で面白いです。本作はしっとりした作風です。
全260ページ。以下ネタバレあります。

東京で社畜だった真智(受)が体を壊し、十数年ぶりに故郷に戻る。幼馴染の然(攻)と再会すると、雰囲気が変わっていて…というお話。

真智は子供の頃、自分のせいで川で姉が亡くなるという過去があり、苦しんでいる。
一方然は飄々としているように見えて、実はある秘密があり、苦しい状況にある。

初めは真智が不憫に感じたけど、読み進めると然の方がさらに不憫だった…(泣)
然は真智と会わない間、やんちゃしてたみたいだけど、色々つらくてやさぐれちゃったんだろうか。でもあんなひどい母親でこの程度ならマシなのかも。悪に走らなくてよかった…。

然は普通の人が視えないものが視え、聞こえないものが聞こえる能力がある。序盤で真智を助けられたのはその能力のお陰かな。
あ!真智の亡くなった姉の瑠璃姉の霊が時々出てきて然と会話してるから、知らせてくれたとか。
(瑠璃姉亡くなって何年も経つのに成仏できてないのかな?それとも守護霊みたいなの?でも然の守護霊にはならんよね。ちょっと謎だった)

然の母親がゾワッとするほどの毒親だけど、ある意味この人がいたから両想いになれたとも言える…。

後半は然が毒親を排除するべく驚く行動に出る。刺されるって、どんな煽り方したんだ…無事でよかった(汗)

真智は姉のことがあって、恋愛する権利はないと思っていたけど、然に必要とされて心が救われた。
一方然は「自分も母親もいなければよかった、どうやって全部終わらせるか」なんて不穏な気持ちだったけど、戻ってきた真智の存在に救われた。
心に傷を持つ二人が、恋をして苦しみから解放されるような救済ストーリーでした。

後書きによると、描いたことのないテイストだったとのことで、なかなか重めな内容でしたが、最後は二人とも幸せそうでほっこりした読後感でした。

(タイトルについて自分では検索してもわからなかったので、タイトルについて書かれているレビュアー様の内容、大変勉強になりました。感謝!)

電子 濡れ場は1回。修正不要な描き方 

酔うとエロ可愛くなる受けのギャップは良き

デビュー作『スパイシーミルクキャンディ』は既読です。前作は高校生でしたが、本作は美容師のお話。以下ネタバレあります。

憧れの美容師・瀬南(せな)(攻)と同じ店で働くことになった新米美容師の海(受)。しかし瀬南は感じの悪い男だった。歓迎会で瀬南に煽られ泥酔した海は、瀬南の部屋でだんだんえっちな雰囲気になってしまい…というお話。

海は普段は普通に元気で、瀬南の意地悪にもめげずに認めさせる!とちょっと強気な男の子。
しかし酔っ払うと人格が変わって、無自覚にエロ可愛くなるギャップが良いです。

瀬南はそんな海の酒癖に興味を持って、練習を見てあげる代わりに一緒に飲もうと誘ってくる。

2回目に瀬南の部屋に行った時、結局また酔っ払った海が今度はキス魔になっちゃった!
海は童貞処女っぽいのに、無自覚にエロ可愛く瀬南を煽って、瀬南もその気になってえっちな展開に。この濡れ場がすごくエロティックでゾクゾクします。

海はえっちしながら「大好き」なんて言ったのに、翌朝には「全部嘘なんで忘れてください」だって。好きという気持ちはシラフで伝えたい派らしい。瀬南がムッとしてるやんw

そんな海にペースを崩されるのが嫌で、瀬南は距離を置こうとするけど、酔っ払った海が瀬南の部屋に突撃w 他の男の匂いさせてくるのが嫌って、瀬南も好きになりかけてるな〜。

海はシラフで告白しようと瀬南をご飯に誘うけど、また酒飲んじゃった〜!(間違ってきたウィスキーを飲むんじゃない!バカなの?)
なぜか外が豪雨で二人でホテルで雨宿り。酔った海がまた瀬南をえっちに煽っちゃう。しょうがない子だな〜、結局また告れないし。

なんてグスグスしてたら、友達から別の店にスカウトされて、その件で拗れる二人。海はグスグスしてるし、瀬南は意地っ張りだしでいつまでもモダモダしてるな〜(汗)

終盤、連絡取れなくなった海を探しに飲屋街へ行く瀬南。やっとやる気出したな〜w
ラストは瀬南が男気見せてくれたよ、や〜〜っとだな〜ww
しかし海、「仕方ない人だな」とか言ってるけど、その言葉、そっくり君にも言いたいよ!もう禁酒しなさい!w
最後はいつもと逆で、酔っ払って甘える瀬南が可愛かったです。

海は瀬南のどこを好きになったんだろうと思ったけど、1話を読むと職場で再会する前から好きだったらしい。中身はよく知らないだろうに外側で惚れたってことかな。瀬南の方は海に絆されちゃった感じかな。

海が「告白はシラフでしたい」という思いが強すぎていつまでも告白せず、瀬南も好きなくせに告白待ちしてる、終盤までモダモダしたストーリーはちょっと疲れました。
でも酔った海がエロ可愛くなって、瀬南を煽るえっちな濡れ場描写(特に1、2話)は良きでした。

電子 ライトセーバー修正

孤独な二つの心が惹かれあう美しいラブストーリー

初コミックス、おめでとうございます♪
連載開始時から美しい作画に注目していました。
以下少々ネタバレあります。

まずはとにかく作画が美しくて素晴らしいです!
そしてキャラデザも素敵。受けのユイも美人で可愛らしいですが、なんといっても攻めの義一の格好良さたるや‼︎‼︎ 登場シーンでダダ漏れる雄みのある色気にズキューン‼︎‼︎ そして続く濡れ場、半裸の筋肉の美しさよ…。初めて拝読した時に、義一のあまりの格好良さに天を仰ぎました…。あとスーツ姿もめちゃくちゃ格好良い♡
なので単行本の表紙を見た時も「やっぱり表紙は義一だよね♪」と思ってしまいました。色っぽい〜♡
(義一だけで何文字書くんだ(汗)

ヤクザの用心棒である義一と、デリヘルで働くユイが出会って恋に落ちるお話。

初めは義一の態度が傲慢で、強気なユイもカチンときて最悪な出会い方だったけど、ヤクザに絡まれても物怖じせずに言い返す強気なユイに、義一は興味を持つ。

普段は元気に振るまうユイが、「俺はこういうのしか出来ないから」と少し弱気になると、義一が「俺も似たようなもんや」。お互いが同じ匂いを感じて、惹かれあっていく…。
この後の2回目の濡れ場、義一の態度に甘さが出てきて良きです。「俺に惚れさしたる」!(///ω///)キャー♡♡

その後義一は頻繁にユイを指名するようになり雰囲気も甘くなっていく。ユイに「可愛い」と言われて「もっと言うて」と甘える義一が可愛い♡

ユイの「一緒に生きてくれるの?」という冗談に「それもおもしろそうやな」と義一。
気持ちを伝え合う、雪の中のキスシーンがロマンティック♡
不憫な生い立ちの義一と、天涯孤独となったユイ。孤独を抱える二人の魂が惹かれあったのかな…。

ある人物の差金で男達に襲われるユイ。しかし義一の言葉を思い出して力強く反撃する。ユイの心の強さはホントにかっこいいな〜!
俺のせいだと自分を責める義一に、心配してくれて嬉しいと笑うユイ。ユイの愛に義一の心が救われるのを感じてキュンとします。

重要な脇役、義一が護衛する若頭代理の修。
過去シーンも含めてかなり登場するんだけど、この人の心情が複雑で難しかった。
幼い頃助けてくれた義一を好きなんだろうに、一緒にいたいからこそ嫌いな極道やってるらしいのに、なんで義一に嫌がらせするんだろう。義一の忠誠心を試してるってこと?
子供時代は可愛かったのに、なんでこんなに歪んじゃったんだろう…。この人はちょっとわかりにくかった。

修の過去シーン終わったら、いきなり義一が敵に捕まって血だらけで、急展開に驚いた。そしてユイの登場でまた驚いたw
せっかく両想いになってたのに、なんてこと〜!

そして1年後。
まずは修が改心してよかった…。ほんと極道似合わないから、優しい部下達と一緒に頑張ってほしい。「家族になりたかった」って言ったけど、やっぱり義一を好きだったんだよね…これからいい人と出会って幸せになってほしい…。゚(゚´ω`゚)゚。

そしてユイも頑張ってる。強い子だから心配ない!
ラスト、ユイのまっすぐな告白に心臓を押さえる義一。「痛いのは別ンとこ」。素敵なタイトル回収♡ 心配性の義一、ユイが変わらずにいてくれてよかったね、とちょっとうるっとしてしまった…。

ラストは甘〜い二人が素敵でした(濡れ場の二人が色っぽい〜♡)。でももうちょっとあまあまな二人が読みたい!ぜひ番外編などでその後の二人が読みたいです♪

そしてドラマチックな作品なので、ぜひドラマCDも聴いてみたい!CD化も待ってます(貪欲w)。

評価は神と萌2で迷いましたが、全体的にデビュー作でこのクオリティは素晴らしいと思い、またとにかく攻めの義一がめちゃくちゃ格好良かったので、神評価とさせていただきます。

また素敵な作品、作家様と出会えて嬉しいです!
今後の作品にも期待しております♪

電子 ライトセーバー修正(美しい作画なのに白くて残念!同レーベルの某作品のようにR18版を読みたいです!ぜひ!(ツ _ _)ツ))

雄みのある男前な極道攻めと、気持ちの強い不憫受けが良きでした

初読み作家様。こちらがデビュー作とのこと。極道ものが好きで、試し読みで惹かれたので読んでみました。全219ページ。以下少々ネタバレあります。

作画は線が少し太めで独特、味があって個性的でいいですね。
キャラデザは、特に攻めの志賀が雄みのある黒髪男前で格好いいです。受けの春樹は盲目で、基本目が閉じてるけど、たまに目が開くとつぶらな瞳で可愛らしいです。

春樹は19歳と若い上盲目なのに、同居の祖父が病に倒れ、一人で花屋を切り盛りして頑張っていて少々不憫。
志賀の年齢は出てこないけど20代半ば〜後半くらいかな?ここは年齢が欲しかった。体格差に加え、年齢差CPだと更にグッときた気がする…(主観w)。

極道の若頭候補と花屋という、かけ離れた立場の二人が偶然知り合い、徐々に惹かれあっていくが、志賀は住む世界の違う春樹と距離を置こうとして…という王道なラブロマンスです。

春樹に会うのを我慢していた志賀が、偶然雨の中ずぶ濡れの春樹を見つける。春樹の「優しい」という言葉にタガが外れてキスするシーンは、大変エロティックでゾクリとする描写でした。

春樹は盲目で、そのせいで友人関係が上手くいかなかった過去もあり不憫ですが、一方で心の強さがある。
志賀は二人の生きる世界が違うことに日和るんだけど、春樹はそれでも好きだと、一緒にいたいと力強く伝える。志賀が「漢だな」と言う通り、春樹のそんな男前な性格が良いギャップでした。

ストーリーはかなり王道で、あまり意外性はありませんでしたが、両想いになった後の二人は可愛らしくてほっこりしました。

またあらすじに「執着愛」とありますが、志賀は確かに強く春樹に惹かれますが、立場を考えて距離を取ろうとする自制心の強い男性なので「執着攻め」とは感じなかったです。その理性は男前で格好いいと思いますが。

(先生が現在連載中の『オリバーの心臓』は、試し読みしたらかなりの執着攻めで気になりました。)

極道の男前攻めと少々不憫な一般人受けの、ロマンティックなラブストーリーでした。そのような作品をお求めの方におすすめです。

⚠︎極道の暴力描写が少々あり。

シーモア 濡れ場は一回。修正不要な描き方。

コミカライズよりもさらに人物の心情が理解できてすごく楽しめた

初読み作家様。コミカライズを拝読して、原作にも興味を持ったので読んでみました。以下少々ネタバレ含みます。

鮭田ねね先生のコミカライズ、作画やキャラクターが大変綺麗で楽しく拝読しました。ただ小説1冊をコミックス1冊におさめているので大変驚きました。ストーリーも少し駆け足に感じたので、ぜひ小説も読んでみたいと思った次第です。

やはり小説だと漫画よりも、人物の心情が詳しく把握できるのでよかったです。

漫画では、アーサーが時広を好みじゃないと言いつつ、割とすぐに惹かれてるな、なんで?と思ったんですが、本作は両視点で、アーサーの気持ちも大変わかりやすかったので、気持ちの変化がくわしく理解できて嬉しかったです。

また漫画ではカットされたシーンやセリフがちょこちょこあったので、その辺も読めて良かったです。

漫画でも思ったけど、アーサーが時広に恋して劣情も抱くけど、すぐに日本を去るのに手を出すことなどできない、というプレイボーイらしからぬ生真面目なところが大変好感を持てます。良き攻め様♡

時広もかなり本気でアーサーに惹かれていて、両片想いのモダモダも大好きなので楽しかった。

後半では、プレイボーイだったアーサーが、それまで経験したのことのない本気の恋に懊悩する姿にかなり萌えました♡

終盤、ストーカーについてしっかり調べる前に時広を家に帰したのは、アーサーらしからぬ失態だなと感じました。
そして再びストーカーに襲われるシーン、漫画でもゾッとしたのですが、文章だとより詳細な描写で、余計にゾ〜〜っとしてしまいました…(汗)

ラスト無事両想いとなってからは、アーサーの外国人らしい溺愛っぷりが大変良きでした。

濡れ場は、漫画とは少し異なる描写があったり、少しカットもされてたので、読み比べるのも楽しかったです。

コミカライズも楽しめましたが、本作はさらに詳しく人物(特にアーサー)の心情を把握できたので、読んで良かったです!

シリーズということで2巻の情報をチラ見したら、なんと時広の友人・大智編があるんですね!そちらもかなり気になるので、2巻も読んでみようと思います♪

シーモア 挿絵付き

ナルシスト美形攻め×天然で可愛い平凡受け ちょっとえっちで楽しいラブコメ♪

初コミックスでしょうか、おめでとうございます♪
ラブコメが好きで、試し読みが楽しかったので読んでみました。全189ページ。以下少々ネタバレあります。

美形な自分の顔が大好きな高校生・祐樹(ゆき)(攻)。綺麗なものが好きだったのに、平凡顔でちよっと危なっかしい弟の友人・陽太(ひなた)(受)と一緒に過ごすうちに、目が離せなくなっていき…というお話。

作画はすっきり綺麗で読みやすいです。
陽太が平凡と言われつつもお目々がクリッとしてて可愛い。あと脇役の弟・巳稀(みき)も美人で可愛い!祐樹は唇のホクロがセクシーなイケメンです。
あと陽太がたまにちびキャラになって運ばれるの、めっちゃ可愛いです♡

ストーリーはコミカルなラブコメです。随所にクスクス笑っちゃうシーンがあって、すごく楽しいです♪

祐樹がめちゃくちゃナルシストで自分の顔大好き!よく鏡や窓に映った自分の顔に見惚れてます(ちょっとキモいww)。 そして弟が大好きなブラコンです。クセが強い攻めww

そんな祐樹が、通学電車で痴漢に遭ってるのに気づかない(そんなことある〜?!汗)陽太に気づき、一緒に通学するようになって、どんどん目が離せなくなっていきます。

基本的にずっと面白いコメディですが、時々えっちなシーンがあって、そこはしっかりえっちなのが良きです♡

攻め視点メインで、祐樹が途中から『陽太は絶対自分のこと好きだろう』とそわそわしてるんですが、「いやいや、好きなのはお前だろ〜ww」と何度もツッコミたくなりますw

陽太のピンチに助けに入った祐樹が、顔を傷つけられてショックを受けながらも、怪我した陽太を見てプッツンして反撃するシーンは、祐樹の漢気が格好よかったです♪

後半は少々すれ違いつつも、終盤に両想いに。二人の幸せそうな笑顔が可愛い。祐樹がちょっと重たい溺愛攻めになって良きです♡

ラストにしっかり濡れ場も。陽太、初めてだろうにしっかり予習してきて準備するとか、ピュアなのにスケベで、ますます祐樹が夢中なっちゃうな〜ww

それから美人で可愛い弟の巳稀が結構頻繁に登場して、祐樹にクールにツッコミやアドバイスするので、目の保養&楽しかったです。ラストではまさかの急成長ww イケメン君になったので、ぜひ巳稀のスピンオフも読んでみたい〜ww

ナルシスト美形攻め×天然で可愛い平凡受けの、ドタバタしたラブコメ、とっても楽しかったです!今後の作品も期待しております♪

電子 白抜き修正(液垂れ描写は少々あり)

よくある兄弟ものとは異なる展開で面白い スピンオフにもなった当て馬がとても魅力的だった

先生の作品はいくつか拝読していて好きな作家様です。初めて読んだのは『処女執事』で、ストーリーやエロスに衝撃を受けました。
こちら兄弟物が好きなので読んでみました。以下少々ネタバレあります。

本作は受けと攻めの両視点が、短いスパンで交互に来るので面白い手法でした。二人の心情がわかりやすいです。

攻めが兄の聰一郎で医師、受けが弟の要斗でスタントマン。あまり似ていない兄弟は実は義兄弟。
兄は弟に苦手意識がありながらも家族として気にかけている。弟は兄に秘めた気持ちを抱いている。
微妙な二人の関係が、式見という俳優が要斗に近づいたことから変化していき…というお話。

初めのうちは、式見が当て馬として要斗に近づくことにより、兄も要斗への劣情を抱き、弟は兄を選んで当て馬と別れる、というようなありがちな流れなのかな、と思いながら読んでいました。しかしやはり佐野先生、もっとずっと捻りのある内容でした。

まず式見がただ要斗を好きになるような、単なる当て馬ではないところが面白いです。好きというよりは興味深い観察対象というか。要斗をじっと観察することにより、要斗の中の複雑な兄への気持ちや、命を失いそうな危なっかしさに気づいて、放っておけない気持ちというか。
式見の気持ちをあれこれ推測するのが面白かったです。

聰一郎と要斗の関係も、よくある兄弟物とは違った展開です。
兄弟物だとよくあるのは、兄弟なのに結ばれてしまうという背徳感や罪悪感などが描かれて、そこに魅力を感じるんですが、本作はもっと深堀りされるというか。
聰一郎も要斗も、お互いを性愛の対象とした途端、意識的に兄弟であることを捨てる。それまで互いを「兄貴」「カナ」と家族として呼んでいたのを、「聰一郎」「要斗」と呼び、過去の家族としての話も一切しなくなる。そして特に要斗は、兄を失った喪失感に苦しむようになる…。

この後半に丁寧に描かれる、恋人になることにより兄弟・家族の絆を失う要斗の苦しみが、本作の特徴の一つで興味深かったです。
お互い愛し合っているのに、その状況に苦しむ、というのはあまり読んだことのない展開でした。

聰一郎は要斗をずっと弟として見てきたのに、式見が現れたことにより、急に恋愛対象として意識し出すのは、ちょっと不思議に感じました。

他作品でも感じましたが、濡れ場が淫靡というか、非常にエロティックでゾクゾクします。
特に聰一郎が要斗に自分か式見かを選ばせ、式見の目の前で致すシーンは、「要斗は俺のものだ」と言う聰一郎の狂気じみた執着にゾクリとさせられました。

兄弟であることを捨て恋人となって苦しんでいた二人が、最後に選択した道がとても清々しくて素敵なラストでした。

式見という人物が外見も中身も、脇役にしておくには勿体無いような魅力的な人物なので、スピンオフ読みたいなと思ったら『天使の定理』という作品があったんですね。そのうち読んでみたいと思います。

シーモア 挿絵付き(笠井先生の美しいイラストにうっとり。特に聰一郎が格好良くて好きです♡)

ノンケの親友同士の恋が丁寧に描かれている良作

初コミックスとのことで、おめでとうございます♪以前単話で1話を拝読し、面白かったので単行本化を待っていました。全213ページ。以下少々ネタバレあります。

大学3年でルームメイトの陽向(攻)と隼人(受)。二人ともノンケで彼女がほしい!とサークルの新歓に参加するも、王様ゲームで濃厚なディープキスをしてしまう。部屋に戻ってからも売り言葉に買い言葉で再びキスをして、そこからお互い意識するようになってしまい…というお話。

作画がとても綺麗で読みやすいです。
キャラデザは、陽向が隼人を見つめる視線とか、隼人の色気ある憂い顔とか、時々ハッとするようないい表情にドキッとしました。

二度目のディープキスで陽向が勃起してしまい、気まずくてギクシャクしてしまう二人。
陽向はどんどん隼人を意識して好きになっていく。一方隼人は、陽向のおかしな態度にカチンときてちょっとイライラ。
高校時代から親友の二人が、温度差を抱えながらも少しずつ距離を縮めていく様子を、過去描写も絡めながら、丁寧に描いていきます。

陽向の方が早めに好きを自覚して、悩む表情とか、酔った隼人にグイグイ迫る表情とか、色気を感じて良きです。
隼人も後半に入るとようやく陽向を意識し出して、戸惑いながらも赤面する表情が可愛いです。

陽向の元カノや友達の竹田くんが、陽向の相談に乗ってくれたり、いい感じにアシストしてくれたりするのが、いい子達でほっこりしました。

終盤、陽向が好きだと告白するシーン。
これまでみたいに仲のいい友達でいたいと思う隼人に、しっかりと気持ちを伝える陽向が、男前ですごくかっこよかったです。

元々ノンケの二人なので、両想いになったらえっちの時どちらが抱くか問題が出てきます(お約束w)。
隼人が陽向の無理くりな主張に簡単に流されちゃったけど、もうちょっと抵抗してもよかったような気がしました。

恋人になってからの陽向は溺愛攻めになって、隼人に優しく笑いかける表情がすごく可愛いかったです。

初えっちは一番最後でとうとう!しかし挿入するシーンはカット⁈と思ったら、描き下ろしでしっかり描いてくださってよかった〜!

描き下ろしは後日のえっち。陽向が隼人を気持ちよくさせようと一生懸命だったり、隼人が無自覚におねだりする表情が可愛かったり、すごくエロティックで愛のある濡れ場が大変良きでした♡
電子限定描き下ろし(4P)は、あまあまピロートークでした。

ノンケの親友だった二人が恋に落ちていく様子が、時間をかけて丁寧に描かれている良作でした。
今後の作品も楽しみにしています♪

電子 白抜き修正(修正箇所は描き下ろしに少々)