朝田ねむい先生の絵柄は独特で、手塚治虫先生とか昔の少年漫画のように線自体に勢いや表情があってすごく好きです。スーパーリアリズムもいいけど、こういうのが漫画にする意味がある表現ですよね。
4つの作品が入った短編集。
「ハレの日」は以前単話で買って読んでいましたが、今回あらためて読み直しても切なくて素敵なお話でした。結末がわかっていてもまた読みたくなります。
表題作の「アイ、セイ」は、何年も前に発売されていたのに読んでなかったことを後悔。
背中のファスナーが閉まり切らないメイドコス(描写が細かいw)に身を包みながらボロボロ泣き出すセイさんに心をえぐられました。
アイが以前何人かのセフレみなから別れたいと言われたというのに、セイ同様「なんで???」と思いましたが、ページを進めてセイが推測する別れの理由を読んで、そうかもと切なく納得。
アイが本当に真っ直ぐな性格で良かったです。
ほか2作も、どうしてこういうストーリーを思いつくんだろう、というクセの強い作品で、短編集でも読み応えありました。
黒い法衣にきちんと身を包んだ美人がはらりと涙をこぼす表紙。ど真ん中を少しはずして、物言いたげにかすかに頭を傾けていて、ほくろが色っぽい。添えられている清浄な白い蓮華とは対象的に背景の赤は煩悩の象徴のようで、この表紙とタイトルに心惹かれてページをめくりました。
BLの受けというと、以前は女性よりも女らしいキャラクターが多かったけど、わぎもこ先生の描く唯真さんは艶っぽいけれどもしっかりと男性の肉体で描かれていて画力に圧倒されました。
「拈華を待っていた」はどういう意味で描かれたのか、考えながら読みました。羣司さんに幼い頃から想いをつのらせながらも伝えることできないま彼を喪った唯真さん。仏教用語「拈華微笑」の解釈は色々あるようですが、まっすぐに唯真を求めてきて優しく微笑む田鍋に、「私がほしい言葉を余すことなくくれる」と言っていますよね。
なので、自分を受け止めてくれる手が差し出されことを切望していた、という感じでしょうか。
女王様なのに待ちの姿勢?とも思いますが、同性ということと、禁欲的であるべき僧侶という立場ゆえの自制もあってのこととでしょう。
そこも唯真さんの魅力になっていました。
意味を考えながら、これから何度も読み返したい一冊です。
BLではカップルの連れ子とか、オメガバースで晴れて結ばれた二人の愛の結晶という形で子供が登場することがちょくちょくあ、小さきものはみなうつくし。子供を出すのはずるいなと思いながらも、読んでて可愛さにほのぼのすることありますよね。
本編の藍ちゃん、1巻では就活中の大学生20才、その後大卒社会人の設定ではありますが、大人でも少年のようにあいらしく、合法ショ....ゴホッゴホッ、ぽいですよね。
その藍ちゃんを、さらに幼児姿にして(ただし、設定は妖精20才)、つやつやほっぺを描くなんて、もう合法ロ....ゴホッゴホッ、で反則ではw
もちろん奥海さんに自制心があるので、妖精さんに手は出さないとは思いますが、ご飯の前に警察へ電話一本!、とついつい現実的なことを考えてハラハラしてしまいました。ま、ファンタジーなので警察とか出てこない方がいいんですけど。
続きがどんな展開になるのか、すごく楽しみです。
書籍サイトを見ていて、この番外編をみつけたので迷わずその場でポチ。
読んだあとに、みな様どんな感想かなとこちらを訪れて、残念に思いました。
電子版にはないおまけマンガ3話+αが同人誌版にはある。
また修正も電子はライトセーバーですが紙版は細ーい刻み海苔とのことw
もちろん同人誌を電子で読めるだけでも大変感謝で、熱心なファンの方がわざわざお店まで足を運んで買われる同人誌と全く同じ内容を読みたいというのは望みが過ぎるというのはよく承知しています。電子で修正が強くなるのもしょうがない。
個人的には何本もある本棚ももういっぱいで、定期的に引越がある身なので(箱の大きさの割にすごく重くなる本を詰めた箱が多いと引越屋さんに嫌がられるんですw まぁ重くても運んでもらいますけどね。引越し屋さんごめんなさい)、紙の本はこれ以上増やしたくなくいつも電子派なので、目の前に紙と電子と両方あっても電子を買ったと思いますが。
本編が好きな作品だっただけにおまけマンガも読みたかったなぁと残念な気持ちになりました。
「読者を幸せにしましょう」の大号令ありがとうございます。
数年先でもいい、ページ数少ないのに高くてもいいので、おまけマンガも電子版を発行していただければとても嬉しいです。
神波先生、リブレ様、よろしくご検討ください。
そしてこうした色々な書籍情報や感想をたくさんの方と共有できる貴重な場を提供してくださっている、ちるちるにあらためて深く感謝いたします。
番外編の感想としては、始まりが星のきらめく夜空だったのに、数々の体位を経て最後は夜が明けて白み始める頃、という長丁場な時間の流れを表現していて、特急αの持久力が素敵でしたw
礼のきりりとした眉毛、とくに寝顔の眉毛を堪能しました。
松基先生の新作ということでサンプルを読んで、暗くて面白かったのでch.02まで購入。
あらすじは作品詳細にある通り。慕っている義兄のために犯罪に手を染めたのに利用されているだけの可哀想な夏生。事故にあって命を落とすけど、気がつくと地獄で、レナトスという悪魔用商業施設でパティシェとして働くことが課せられる。
そこで、レナトスの管理人・ハーデ様から彼の幼い一人息子・ネモがぐずったらお菓子を与えるように言いつかります。
ハーデ親子はそろって左目に眼帯をしていて、父のハーデが眼帯をはずして左目で罪人を処分すると、それに連動して離れた所にいる息子に苦痛が生じるようで、その際、甘いお菓子を食べさせると苦痛から開放される、みたいですね。
サイトによってはch.03も出ていますが、私が買ったサイトはまだ02まで。夏生とハーデがネモを介してこの先ラブエロになりそうなのは固いとして、まだ生きている義兄とはどう絡んでくるのか、続きの発売を楽しみにしています。
「犯罪」とか「地獄」とか暗いシチュエーションで始まりましたが、説明に
「松基羊が描く、救済系ハートフル地獄BL」
とあるので、バッドエンドにはならないようですね。甘エロ期待してます。
初デートのプランを練るためのプレデートの二人。
つきあうことになったのに、相変わらず推し活目線のかぁくんが可愛い。
隣同士に座って話しながら、ちょっとずるお互いのことを知っていくのが初々しい。雅人は、仕事のときは料理の香りを邪魔しないようにフレグランスをつけないのかな。初デートで「うすーく いいにおいがする」というかぁくんの心の声を読んで、自分も雅人の隣に座っている妄想に浸らせていただきました。
未散先生、ありがとうございます。
大人な聖人は今までどんな恋をしてきたんでしょうか。二人のおつきあいがさらに進んで、ベッドの中で雅人の甘い言葉にズギューンと打ち砕かれて炭になるかぁくんの姿を見てみたいです。
フツーに考えると、世界的なヴァイオリニストなら手先が器用でカンも鋭く、また楽器の性質上、温度湿度に敏感なはずだから、定めし蕎麦打ちもすぐ上達するはずですが。超絶美形なアーティストなのに蕎麦打ちだけは......w、という雅人にギャップ萌えしました。
下まつ毛バチバチの雅人にじっとみつめられたら、かぁくんじゃなくても推し活したくなります。作務衣姿もいいけど、私服やヴァイオリニスト時代の姿は神でした。
全編、未散先生ならではの笑いとスピード感にあふれ、切なさもあり。
苦しかった二人が一緒に前向きに進んでいく姿を見て、読み終わったとき、「よし、私もがんばろう!」という気持ちになれた一冊でした。
日々の仕事や人間関係に疲れはて、パソコンやスマホを開けば暗いニュースばかりの今日この頃。
そんな中、この本を読むと、隅から隅まで甘々で、藍ちゃんお尻の桃源郷=桃尻郷にうっとり。しばし憂き世を忘れることができます。
そしてお尻もさることながら、藍ちゃんのつるつるのほっぺの愛らしさ! 奥海さんでなくてもメロメロになりますよね。
出てくる人たちがみんなイケメンで、いい人ばかりで、本編と違ってハラハラすることも起きず、最後までほんわか気分に浸れました。
電子派なので、貴重な書店ペーパーをこうしてまとめて読めるのは、本当にありがたいです。
この番外編には5巻までの書店特典が収められていて、本編は今6巻まで出ていて第7シーズンも始まるということは、6巻以降の書店特典も、何年も先になるとは思いますが、いつか読める日が来るのかな、と。
本編・番外編の続きを読める日を楽しみに、明日も仕事がんばります!
作品のシュールなおバカ素晴らしさについては、すでに皆様が語っていらっしゃる通り。
昨今は、日本のマンガが海外でも人気が高く、色々な言語に訳されています。
好きなマンガの英語版をいくつか読んでみたことがありますが、注とか丁寧につけられていても日本独特の文化とか方言とかのニュアンスは訳しきれないですよね。
この作の舞台は江戸時代。江戸屋敷の若殿と国家老の身分のへだたりも物理的な距離感も、歴女でなくても子どもの頃から見ていた時代劇のお陰ですんなりイメージできます。
「しかと伝えよ」とかのセリフには、言ってる人と言われた人の上下関係も含まれているけれど、英語だとニュートラルな関係になってしまうような。
「失礼仕ります」は「失礼します」とは全然違いますよね。
説明いらずでこの作品を楽しめる日本人で良かったとしみじみと思います。
『密書でござる!』を読んで斑月先生の虜になりました。
ハチャメチャなのに、心の機微に触れてくるんですよね。
この作品、美少年・美青年でもないごっつい男二人しか出てきません。
カクテルドレスを着ているのにのぞく脇毛。安アパートの流し台のゴミ受け。兄貴臭しかない布団。押し倒されて見上げる天井にぶら下がる和風照明の蛍光管。
何ひとつロマンチックなものは出てこないうらぶれた現実描写の中、テツの思いだけが切なくいじらしい。
最後の方の、「じゃあ兄貴 ずっと一緒ですよ」の次のカット!
その次のページの「お前が今からいくのは◯◯なんだよ!」のクサいセリフ!
斑月節炸裂で笑わせていただいた後、最後はホロリ。
短編だけど読み応えありました。おすすめです。