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4編全ての作品に於いて性的嗜好がテーマとして感じられるお話しに感じました
性的嗜好の前の性自認に立ち止まったり、自分や相手の性行為への思考の違いに悩んだり苦しんだり、、、
それぞれのお話しに出て来るキャラ達を通して読み手が「感じたり」「知ったり」していけるお話しが読める1冊だと思います
キャッキャウフフなBLではないですが、啓蒙書のような圧のあるテーマ性絶対重視~‼な作風でもありません
どのお話しにも色んな立場にたって自分なりの読み方が出来る、そんな読ませ方の誘い方が巧いっ!と思える1冊でした
商業を読んでいて「お約束で萌える~♡」だったり「こう来るか…!」という裏切りのワクワク感など様々な感情を覚えるのが本当に楽しいなと思うのですが、この1冊は各話読了後の感情もそのお話しそれぞれ全く角度が違い様々で。。。一言で表すのがとても難しい
だからこそ「感じる事」が出来ていたと思いますし、そういう考え方・生き方・捉え方があるのか、、、と「知る」事も出来る1冊だったな、とつくづく思い至ります
楽しい~!と言う感情が勿論皆無な訳ではないですが「それだけ」じゃない…!
どのお話しもほんとに印象的
さらに自分なりの読後感を味わった後にあとがきで先生の作品への振り返りを読む事でまた新たな感じ方が出来るのも奥深いです
私は普段読むBLではなかなか読む事の出来ない視点でのお話しが描かれた「ハレの日」が普遍の愛を感じられて切なくも温かく感じられて心に残りました
更に電子で購入したのですが巻末に店頭配布用の特典ペーパーが読めて、またこのお話しの良さを感じれて好きだな、と思えました
ギアチェンジをせずにフラットな状態で読むと1番表題作の「アイ、セイ」がもどかしさなども含めて、読みながら翻弄されつつ悶えるBLだったな、とBL的な素直な楽しみ方と哀愁を感じられた作品でした
始まりのお話しの「ディーン」、そして続く「クラスメイト」は完全に抗えない癖の解放と抑制の狭間での苦しみや救いの無さ、などが完全に”突き刺して来る”お話しで、この1冊に強烈な風を吹かしていました
冒頭からの2話での流れをココから始める構成に唸ってしまいつつも、ある意味読者想いだな、、、と読後に重く引き摺り過ぎない配慮にも感謝です(ღ˘͈︶˘͈ღ)
色んな視点からBL作品に触れたい、視座を変えて自分の捉え方を感じたい、視野を広げて可能性や感受性に新たな刺激を…!そんな時には読んでみて欲しいな、と思える読み応えのある1冊でした!
短編集。
作家さんの独特の線が好きで作者買いしています。
ディーン:
西部劇で保安官がズタボロになるところに欲情してしまう性癖のコト。人が苦しんでいることでしかイケない自分は死んだ方がましだと、誰とも付き合わず絶望している。
そんな彼と親しくしてくれる、警察官のソノ。実はずっと好きだったけど、性癖のせいで叶わぬ恋だとあきらめている。けれどその彼から告白してきて。。
明るく誠実なソノ。そんな彼の芯からの明るさに、優しさを初めて知ることが出来たコト。ラストじんわりくるお話でした。全4話の中編です。
クラスメイト:
まじめな委員長をめちゃめちゃにいじめる不良、ショーマ。ラストになんとなくヒントはあるものの、委員長が不憫すぎて萌えなかった。委員長が喜んでいるようすが一切なく救いがない。
ハレの日:
妻に逃げられた作家とその息子が、爽やかでイケメンのノンケ編集に恋をする話。これはよいお話でした。クローゼットだった自分と、若い息子。親子を通じて社会との関わり方、生き方のつれづれを語る作品。
イケメンがちゃんとイケメンな先生の絵が活きます。
アイ・セイ:
表題作。Hの相性バッチリなリーマンと大学生。ただそれだけだと思っていたのに。。
Hと愛とは別、という若者と、割り切っていたはずなのにせつないほどの孤独にさいなまれる36歳。
わかりやすいハッピーエンドではないけれど何か2人の関係性が発展することが期待される番外もあり。
萌えというかオススメ度でこの評価かな?
全部のお話が迫ってくるというか息を呑んで夢中で読みました。
タイトルのアイ、セイは最後のお話ですね。
「ディーン」
苦しくて苦しくて。死ぬしかないな主人公がもがき苦しむところがもう!
最後に乗り越えたのかな?どうかな?
こういう死ぬしかないなって人でも、自分を好きでいてくれる人がいるのが救われるような。
本当に朝田ねむいさんはすごいですよね。生きてる方がギリギリ辛い?なお話がお上手ですね。
「クラスメイト」
委員長はいったい何をしてこんな目に?胸糞悪すぎます。最後の主犯格の態度もなぜ?
「ハレの日」
良いお話だった〜!親目線で自分と重ね、わかっちゃうんだな、色々。でも子供は親を超えていく!ハレの日を迎えて。
「アイ、セイ」
複雑なセイの心境。俺だって愛されたい大切にされたい!でも性欲もほとばしる!
だんだん旅行の目的が変わってきてて笑えました。
この順番で良かったです!晴れやかな気持ちで読み終わりました。
ポップでキャッチーな表紙が最高〜〜なのに中身は朝田先生節が健在で、苦みのある作品ばかりなのがギャップを感じてまた良い...!
表題作『アイ、セイ』に惹かれて購入しましたが、その他のお話も難のある人間ばかりが出てきてとっても愛おしいです。
特に『クラスメイト』が好きでした。(朝田作品に登場する、愛し方が下手くそなキャラクターが大好きなので...)
巻末に収録されている先生の各作品へのコメントも良かったです。朝田先生への謎が深まりました。癖が強いなあ...