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表題作マイリトルインフェルノ 下

真神まゆみ,29歳,天才ハッカー
新井仁,19歳,大学生

その他の収録作品

  • SPECIAL TRACK
  • BONUS TRACK
  • あとがき

あらすじ

小さくて、弱くて、何の力もない「仁(ひとし)くん」。
そんなちっぽけな存在が、必死に抗って歯向かってきたのが、
新鮮で、たまらなく愉快で、可愛かった。

気まぐれに仁のもとに身を寄せたけれど、
「まーくん」を取り戻したいナカモトの画策で
仁の母が借金まみれにされてしまう。

自分のせいだと気づいた「まーくん」は、
ナカモトが誘う危険で享楽的なウラ社会へ再び戻るしかないと、
穏やかだった仁との日々に別れを告げるが……。

作品情報

作品名
マイリトルインフェルノ 下
著者
朝田ねむい 
媒体
漫画(コミック)
出版社
祥伝社
レーベル
on BLUE comics
発売日
ISBN
9784396784690
4.2

(370)

(198)

萌々

(106)

(37)

中立

(11)

趣味じゃない

(18)

レビュー数
32
得点
1536
評価数
370
平均
4.2 / 5
神率
53.5%

レビュー投稿数32

甘くなさが逆に萌えまくる!朝田ねむいワールド最高♡♡♡

もったいつけずにこれはもう最初っからエッチシーンの萌え語りをしよう。
だってめっちゃ萌えたんだもん!
むしろこういうエッチシーンを描く作家さんがいなかったのが不思議なんだけど、とにかく受け(仁)に色気がない!!!笑
両思いになって初めてのエッチで「あんまベタベタ触んないで」とか「パンツずらすだけで良くない?」とか言う受けどーよww
しかもやる気満々で脱いでる攻めにもう一回服着させるの。なんでやねん!
もうねー、にやにやにやにやしながら読ませていただきました♡
こんな萌えエロの描き方があったか!と思いました。
経験がないから照れてるんだよね。そういうのもなんか解るから「かわいいなー( ´艸`)」って、もうにまにまが止まらない♪
仁が色っぽくなる日は来るのかな??それを見られる日がいつか来るといいなぁと思ってます。
ほんと、これはいい平凡受けだった!
仁くんありきの「神」だってことを私的には一番叫んでおきたいところです!


さて、ストーリーの方へ。
このお話の登場人物は3人います。
平凡な大学生〔仁〕と、天才ハッカーの〔まーくん〕、まーくんの元カレで元相棒の〔ナカモト〕。
仁は散々書いている通り“超凡人”。まーくんは“天才”。ナカモトはいわゆる“地頭がいい”タイプ。
お話のモチーフに「アラジンと魔法のランプ」が使われているのですが、まずまーくんがディズニー版「アラジン」でいうところの魔法のランプの魔人ジーニーです。
ナカモトは魔法のランプが欲しくてたまらないジャファー。
仁は魔法のランプを手にするアラジンです。
BLなのでジャスミン王妃は出てこなくて、結ばれるのはもちろんジーニーとアラジンです(^^)

ジーニーが主人によって「善」にも「悪」にもなる魔人であるように、ダークサイドでスリリングに生きたいナカモトに誘われるままにクラッカー(=悪いほうのハッカー)として生きてきたまーくん。
ジーニーがランプから解放されたいと願うように、悪事だとわかっていても問題を与えられると解かずにはいられなくなる自分に疲れたまーくんもまた、そう願う。
そんなまーくんを無力な仁が無力なりの方法で自由にしてあげるお話でした。

魔人のジーニーが聞いてくれる願い事は3つだったよね?
「まーくんなんか捕まればいい!」
「どこにも行かないで!」
「俺を助けて!」
これが仁の3つのお願い事になるのかな?
一つ目は聞けない代わりに代替案を出してたけど、残りの2つはしっかり聞いてくれましたね♪

仁は分かりやすい凡人キャラなので、まーくんが仁の何を気に入ったのかパッと読みは理解しにくいんですが、こんなふうにアラジンと重ね合わせてみると解りやすくなるかな?
まーくんは何でもできるから(家事もそつなくできるしね)、仁に何かしてもらうことは別に求めてないと思うんだ。
いうならば、仁の存在そのものと、仁が自分と一緒にいてほしいとまーくんに願った事それ自体に意味があるんだと思う。
ナカモト(悪)と別れを告げて仁を選んだまーくんは、その天才頭脳を活かして今度こそ第2のラリー・ペイジになれるかな?


2019年始まってまだ1ヶ月半しか経ってないけど、気分的にはもう上半期暫定1位って言っちゃっていいかなってくらい!
ストーリー、萌えともに文句なしの神評価です!

※紙版カバー下なし

28

なんか、あれこれ凄い……

衝撃的だなぁって読み返すたびに思います。

仁の母親が身に覚えのないうちに3000万の借金を背負わされているくだりとか、ヤケにリアルで、でももし我が身にそんな事が起きたら……と思うだけでゾッとする。

ナカモトがただの当て馬とかそういう陳腐な役割ではない凄みがあって、好きにはなれないけれど抗いがたい魅力を放っている事は確かです。

まーくんがかつて作ったマルウェア「ランプの魔人」を使って、仁の母を知らないうちに窮地に追いこみ、それをネタに近寄ってくるナカモト。
私利私欲にまみれたナカモトは、まーくんという魔人を再び手に入れることを諦めておらず、まーくんの耳元で「俺だけが 永遠に お前のそばにいてやれる」と囁く……。

一方の仁は、まーくんを使ってどうこうしてやろうというつもりは全くなく、非力でありながら自分も一緒に手伝うから置いていかないで……と願う。

ナカモトと仁という、対象的な二人のどちらを選ぶのか……


私が痺れたのは、仁が言い放つ「まーくんなんか捕まればいい!」というやつ。
こんな事言うなんて思ってもいなかったので、衝撃でした。

で、悪魔めいた(奥歯が見えるような)笑い方をしながらの「なら言えよ!好きだって!」というくだりからの告白シーンが鬼気迫っててすごいーー!!
地獄の業火に包まれたような二人がすごい。
こんな告白シーン見た事ない。
で、今、インフェルノって地獄って意味だったっけ?とググったら、地獄の他にも業火という意味だったので、まさにここのシーンの事だーーっとゾクゾクしました。

そして、その後。
ナカモトが「行くな!まゆみ」と命令をするのだけど、もう既にランプの魔人はご主人様を選んだ後……と感じさせるところが好きでした。


その他
・エッチシーン、いろいろと要望の多い仁に笑った。
で、それをちゃんと聞いてあげるまーくん、意外と優しいじゃん♡と思いきや、「次は俺のペースでいいよな」「ケツ拡がるまで頑張ろうぜ。」に笑った。

・最後、仁の家でくつろぐまーてんの半纏姿が所帯じみててかわいい。

17

恋は地獄

落ちるという意味では同じようなもの。
読み終わって改めてタイトルを噛みしめます。語感が良すぎる。


以下ネタバレありの個人的な感想です。


まーくんが自分で作った薄暗い「ユートピア」から抜け出して出会ったのが、「「可愛い」インフェルノ」。
「可愛い」って言葉はお互いが別の世界の生き物っていうある種の壁です。まーくんは一線引いて突き放すためにもその言葉を使うんだけど、仁が最終的に壁ぶち抜いて、まーくんを引きずり落とします。無知で無垢で無鉄砲で普通で平穏な地獄。まーくんが捨ててきたものの塊。

まーくんが持ってる力は多くの人が喉から手が出るほど欲しいはずなのに、仁はそんなもの使えなくてもいいし、なんなら警察に捕まえさせてでもとにかく会えればいいって言い切るんですよね。何だそのピュアな好きは…。そりゃまーくん落ちるよ。まーくんっていう力に固執したタツミとの違いはそこですよね。
炎の前で仁に望みを言わせるまーくんの魔人感が最高でした。

まーくんは結局犯罪者ですし、普通の生活を失ったのも完全に自業自得、若気の至りの結果なので、その辺倫理的に受け入れられない人もいるかもしれません。彼は別に後悔してないし、何か償ったりしないですからね。
自分勝手なキャラって相手がかわいそうで好きじゃないんですが、このカップルは二人ともそこそこ自分勝手なのでバランス取れてるから良いです。まーくんはスパダリというよりは魔人攻だと思います。

あとこのお話、仁にハマれるかで評価がガラッと変わりそうです。タツミとの関係性の方に萌える層も結構いるのでは?
私はタツミがあまりにもまーくんへの執着を隠さないので、「おまえそんなに心丸出しで大丈夫なのかい…」と読んでて心配になりました。共感性羞恥というか…。そんなに頑張っても君は絶対選ばれないんだよ?!と。番外編で描かれてた「楽しもうぜ」のところでもう、まーくんの中では終わってたんでしょうね。案の定一分の隙もなく振られてて(おまけに金も持っていかれ)、朝田先生容赦無いです。高飛び先でいい相手が見つかるといいね。

受にズブズブになっていく攻という図が見たかったので、SpecialTrackで堪らずドタドタ出てくるまーくんが見られて良かったです。
仁は自己評価もコミュニケーションの経験値も低いから、懐いた相手にものすごく無防備なんですよね。
「可愛げ」の描写が安易に顔の造形とか性的な部分で描かれてないのがすごく良かった。そして性的なムードが居た堪れなくてついつい回避しちゃう感じがすごくリアルでした。ザ・マグロ。
これからどんどん慣れて解放的になるのかな…と妄想するのもまた楽しい。いいお話でした。

15

ずっと読んでいたかった

下巻読了。まさに最高としか言いようがありません!
骨太なのにスピーディ。
ストーリーもキャラクターも秀逸でした。
終わらないで〜〜!と何度思ったか。

母親が倒れたと聞き、駆けつけた仁とまーくん。
ただの貧血とわかりホッとしたのも束の間、母親が個人情報を巧みに操られ、3000万もの借金を負わされていることが判明します。
身に覚えのない母親はただの悪戯だと思っていますが、それはナカモトによって仕組まれた本物の借金で…

問題解決のため1人ナカモトの元に乗り込むまーくん。
2人は再び共に仕事をし、借金はチャラにしたものの、それをネタに一緒に海外へ高飛びしようと持ちかけられます。

悪の世界で才能を輝かせスリリングに生き続けたいナカモトと、地に足をつけて今ある生活の中で幸せに生きたいまーくん。
どうにかしてまーくんを手に入れたいナカモトの強い執着…ですが、とうに向かいたい方向性はまったく違っていたのです。

そこに入り込んできたのが仁だったんですね。
最初は、ナカモトとは真逆の、卑屈で何も持っていないような仁にまーくんが何故惹かれていくのかな?と不思議に思ったものですが、今ならわかります。
真逆の仁に惹かれる理由が。
きっと守るべきもののあるごく普通の日常…それを象徴するのが仁だったんだろうな、と思うのです。

ですが、そんな小さな幸せを諦め、自らを捨て、海外へ行こうとしたまーくん。
そのまーくんを取り戻しにきた仁の姿にはとても感動しました。
かっこ悪い登場の仕方なんだけど、あの仁が、しっかりとした意志を持って大切な人を迎えにきた!ということが嬉しかった。
可愛くて愛しいってこういうこと。

そしてそしてとうとう2人の初エッチが〜♡
…と思ったら、これがまた史上最強にムードがないんですよ〜!(これ褒めてます)
キャラに無理させず、(うんうん仁くんらしー♪)と妙に納得なエッチだったんです。

服を脱ぎ愛撫しようとするまーくんに対し、「尻に入れるんでしょ。パンツずらすだけでよくない?」と、しらーっと死体のように直立不動で寝転がる仁くん。
まるで倦怠期に仕方なくセックスに付き合う妻のようなムードのなさ(笑)
緊張かな?照れ隠しかな?エッチあんまり興味ないのかな?
いろいろと新しかった( ^ω^ )
いやー、これを持ってくる朝田先生は本当にすごい。
めちゃくちゃ面白くて可愛かったです〜♪

最後の最後まで魅力的な展開で、終わってしまうのが寂しくて寂しくて…
残りページが薄くなっていくのが本当に嫌でした。

最高の作品に文句なしの神です!

14

シリアスと、萌えと、爆笑が詰まってる

上巻と同時発売された『マイリトルインフェルノ』の下巻。上巻が良いところで終わっていたので、いそいそと下巻も読んでみました。

上巻の内容を含めてのネタバレ表現があります。ご注意ください。








上巻の終盤で、仁のお母さんが倒れた、という連絡がきた。
真っ青になって母のもとに馳せ参じる仁くんだけれど、お母さん、超元気。貧血でふらっと来ただけなんだそうな。

なんだー。
良かった。

と思う仁くんですが、お母さんから不穏な話を聞かされます。

借りた覚えのない借金の督促状が次から次へとくる、というもの。
「詐欺だよ」と返す仁くんですが、天才ハッカーのまーくんにはピンとくるものが。

はい、そうです。
まーくんに執着するナカモトの仕業。

自分を追いかけまわすだけではなく、仁にも被害が及ぶと知ったまーくんが選ぶ道は―?

裏社会で生きてきたまーくん。
生き抜くために、彼が捨ててきたものは数知れず。

が、そんな人生に疲れていたのも事実。
仁と出会ったことで、自分が望む生き方を見つけた。だからこそ、仁を巻き込みたくない。

そんなまーくんの葛藤と想いに萌えが滾ります。

そして一方の仁。
気弱で、長いものに巻かれて生きてきた。
けれど、まーくんを守るためなら何でもできる。

何よりまーくんへの想いを自覚した彼の可愛さは犯罪級です。
ちょっとおバカで、でも健気で、一生懸命で。
けしからん可愛さです。

仁の成長に、思わず母の気持ちになって「大人になって…」と感慨深く思ってしまいました。

きちんと想いを通じ合わせて恋人同士になったまーくんと仁ですが、最後の最後にエチシーンが。

今までも素股やキスシーンはありましたが、セックスにまでは至らなかった二人。
やっと…!と思いつつニヨニヨしてしまったのですが、

挿入にまでは至らず。

まーくん本体と、まーくんの息子さんが、おっきいからですね☆
いつかちゃんとエッチできるといいね。

仁はとても素直でいい子なのですが、個人的にナカモトもすんごく気になりました。ナカモトがまーくんに執着していたのは、「お金」だけではなくって、やっぱり恋愛感情もあったんじゃないかな。

ナカモトにとって、まーくんは、彼の全てだった、と思うのです。

だからこそ、本当にナカモトを受け入れてくれる人を見つけてほしいと願ってやみません。彼救済のスピンオフが読みたいな。

上下巻並べると、帯に書かれた文句が繋がります。

最悪な出会いから、スパダリ攻になるまで。

この言葉が、この作品のすべてを物語っていると思うのです。

シリアスの中に潜む、愛情と、爆笑に萌えが爆発しました。
文句なく、神評価です。

11

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