待ちに待った酷くしないで8巻!やっと手に取ることが出来ました〜( ´ ▽ ` )
今までの酷くしないでにみない辛いターンでした。
ルカの本音が初めて明らかになって、翻弄される眠傘に心痛くなった…
今まで受験へ向けひたすら勉学に勤しんできた眠傘くんが、真矢を想うことで大切な人を失うことへの恐怖を初めて知る。
でも、誰かを想えるってとてもステキなこと。
その恐れや哀しみを乗り越えて、更にまだ少し残る真矢への劣等感を克服して欲しい。
真矢は今まで当たり前にたくさんの人に愛され必要とされて来ただけに、眠傘のその辺の苦悩をまだ理解しきれてないのかな?
試練を越えた先に新しい関係を築くその瞬間が楽しみでたまりません。
真に対等な大人のカップルになる、その為の苦難だと思えば…!いくらでも次巻まで待ちます!!ついて行きます!
12月のイラスト集も楽しみです♪
どんなに忘れようとしても決して無くなることのない、消すことの出来ない自分の過去。
岩城さんは隠し子の発覚後改めて自分の過去と向き合うチャンスを得たのではないかと思う。
そして、俳優として事務所の社長として葛藤しながらも負けることなく励み続けたからこそ手にした、支えてくれる周りからの信頼。また、それに応えることへの強い責任。
それらの想いを背負い記者会見に臨む姿には、一人の男としての成長を感じ感慨深く感じた。
AV男優をしていたころの屈折した男は微塵も感じられなかった。
そして、そんな男に押し上げた香藤の真っ直ぐな誠実さが改めて感じられるシナリオにもグッときた。
「綺麗事を受け入れられない時は
自分が歪んでいるときだ‼︎
自分の歪みに人を巻き込むなよ‼︎」
に何よりも香藤の生き様をひしひしと受け取れた。
岩城さんの心の呟き、「いつから俺は過去に囚われなくなったのだろう」に前に前に挑み続ける今後の岩城さんの姿、そして香藤の姿が見えた気がした。
ペドフェリアをテーマに幸せとは何か、正しさとは何か考えさせられる作品でした。
この作品には2人のペドフェリアを抱える男が登場します。その2人を中心にペドフェリアの男を愛してしまった男、ある種被害者ともいえる男、ペドフェリアを持つ男を知る一般家庭を持つ普通の男など様々な人間が語り手となり物語か進行して行きます。
誰もが望んでその性に、そして愛する相手の性別や年齢を選んでいる訳ではない。けれども、意思だけでは変わらないその人をその人足らしめている絶対的なもの。
子供を愛してしまう自分に嫌悪し、葛藤しながらもペドフェリアを抱える2人の男性は全く違う末路を辿る。
1人はホームレスとなり地位も財産も失い亡くなり、1人は周りに尊敬されながら地位も財産も満足に手にしている。社会的な成功や幸福をどちらが得ているのかと問われれば誰もが後者だと答えるだろう。
しかし、どちらが自分の人生を自分らしく幸せに生きているのかと問われればそれは意見の分かれるところだと思う。
小児愛を否定する訳でも肯定する訳でもなく、人の背負う業の複雑怪奇さと理解されたい訳でない、ただ許されたいという強い想いが流れ込んできた。
マジョリティ側であることへの安堵とマイノリティ側になることに対する恐怖、自分にないものを羨む罪深さ、そんなものを考えさせられる秀逸な作品だった。
どこまでも木原音瀬先生らしい構成と結末でした。