漫才の物語として面白く読んでいて楽しかったです。心理描写が丁寧だったので、話に厚みを持たせてくれるように感じました。
ただ恋に対する攻め側の感情だけは、どうしても理解することができませんでした。
受けの気持ちを利用するだけだった立場から、急に恋愛感情になるものなんでしょうか。受けの自慰シーンを目撃して、知らないふりをするくらいだったのに。
受けが自分の手元からいなくなってしまいそうに感じて、急に気持ちを自覚する。
そういう変化があることは理解できます。
でも、この攻めにはもっと漫才を切り離したところで、感情を爆発させて受けに向き合ってほしかったかなと思いました。
受けが一途に攻めを想っていて、あまりにいじらしく...
完全に彼に同情していたので、どうしても攻めに対しては冷ややかな目を向けてしまいます。
物語として完成されていて面白く展開も丁寧だっただけに、個人的にはこの部分がより際立って目立って見えてしまいました。
最後は受けが本当に幸せそうだったので、それだけで攻めの酷さがぶっとんでしまいました。彼が笑顔になれて良かったです。
まさにノワール。悪に染まったものたちの、愛の物語でした。
なんといっても、受けと攻めの心のやりとりが魅力的。
分かりにくいささやかなものですが、受けの言葉や攻めの表情に、愛の片鱗を見つけることができます。
血あり暴力沙汰ありのドロドロ展開ですが、そういう悪の要素をすっかりと忘れてしまうくらいでした。
下巻では攻めの過去が明かされ、自身の決意と受けに出会ったことによる心の変化の間で葛藤していく様子が描かれています。
上記と並行して描かれているのが、受けが身を置いている組織のいざこざ。
兄貴分の裏切りにより、2人はピンチに陥ります。
流血表現や暴力表現など多々ありますので、苦手な方はご注意を。
脇キャラが魅力的なのは、本作のポイントです。
兄貴分とその子分。受けのカモフラ愛人とその恋人(百合)。
彼らは物語に深く関わり、展開をより面白くしてくれました。
いざこざの中で自分の中の想いを固め、一緒にいることを選んだ2人。
恋人になる前から、小さな萌え要素がちりばめられていて、殺伐とした雰囲気の中でにやにやとしてしまいます。
物語と恋模様。どちらも丁寧に描かれていて、非常に満足度が高かったです。
薄暗さはありますが、ハッピーエンドは保証します。
気になった方はぜひ、お手に取ってみてください。
架空の魔都を舞台に繰り広げられる愛憎劇の開幕です。
最初はひりひりとした雰囲気で、甘さの欠片もない物語展開。
けれど怪しげな空気と先生の美しい絵柄がマッチして、妖艶な印象を受けました。
攻めの名前は、ジャン シウレイ。
人心を掌握し、高い位置へ上り詰めようとする野心家。
帯には”人たらし”と表現されていますが、人を誑し込むことを1つの手段として用いている確信犯です。
受けの名前は、ワン ユエロン。
裏組織の長でありながら、そう見えない美しい青年。
男が好きだということを攻めに暴かれ、貼り付けていた仮面が剥がれたあとは弱さを見せていきます。
2人の裏取引から物語は動き出します。
受けの弱みを握った攻めによる、若干のムリヤリ描写がありますのでご注意を。
上巻では受けの過去が明かされ、攻めに少しずつ心を開いていく様子が描かれています。
弱った時に攻めを呼びつけるシーンは最高に萌えました。
受けの心に巣食う男の陰に、無自覚な嫉妬をする攻めも必見です。
受けの兄貴分が物語をかき回していく予感、なところで終わった上巻。
気になる終わり方で下巻をすぐに読みたくなりました。
想像していた以上に面白かったので、ここのレビューがないことに驚きです。
最初は名前を覚えるのには苦労しましたが、手元にメモしてから読んでいくと慣れるのでオススメです。
試し読みに惹かれて読んだのですが、買って良かったと思います。
コメディ要素が面白くテンポも良いので、読んでいて楽しい。
キャラクターが魅力的で、物語をぐっと面白くしてくれます。
ワンコみ溢れる攻めは、ぐいぐい迫ったかと思いきや、自身のことに触れられそうになるとあっさりと身を引いてしまう。
受けが絆されかけたところでこの態度ですから、彼がちょっぴり可哀想に感じてしまいました。
そんな受けは、くたびれたお顔にかっちりした装いがなんとも艶っぽい。
オークションのオーナーだけれど、結局は雇われ支店長。
毎日代わり映えしない生活に、攻めが入り込んできて1日の空気が明るくなっていく。攻めに流され絆されて、ちょっとずつ柔らかくなっていくところが愛しかったです。
本部のオーナーがいろいろと引っ掻き回してくれはしますが、全体的にはコミカルなお話なので重たくはありません。
2人の関係性が楽しくて、心を通わせていく過程が丁寧でした。
初めて読む作者さんでしたが、他の作品も読んでみたいと思います。
なかなか残酷なお話でしたが、それはそれで楽しむことができました。
個人的な感じ方かもしれませんが、1つ1つの要素がどこかブツ切れのように感じてしまいまして...
雰囲気は好きだけれど、想像していたよりはあっさりとしていた過程だと思いながらたどり着いた最後。
終わり方にぞくぞくと来ました。
始祖吸血鬼を滅ぼすということは、アジュールも消してしまうということ?
自分自身を滅ぼしてしまうのでしょうか。
アジュールが一族を滅ぼして、彼自身もいなくなれば秋夜の願いは叶えられる。
吸血鬼に完全に取り込まれてしまったように見えて、秋夜の方が上手だったように感じました。
冥花すゐ先生は初めて読みましたが、唯一無二の雰囲気にぞくぞくとさせられました。読んでいて楽しかったです。
2作品が収録されていますが、個人的には表題作が好みでした。
【ブルーノート】
ピアノを通じた恋物語は、先生の絵柄と物語の雰囲気がぴったりとマッチしていて、ロマンティックさを増してくれます。
とても綺麗なお話だったのですが、1つだけ気になったのがピアノの上でやっちゃうシーン。
2人を繋げてくれたピアノであり、奏にとっては商売道具なのにその上でしてしまうのが違和感でした。
物語としては幸せで、甘いシンデレラストーリーを楽しむことができました。
1つのお話が短いのでどうしても物足りなさは感じてしまいましたが...
絵柄と物語がぴったりとはまっていて、目で見て楽しむこともでき、大満足でした。
束原さき先生の絵柄がアンドロイドという設定にぴったりで、そこだけで雰囲気が増していました。冷たさを感じるくらいの美しい絵柄は、無機物のアンドロイドにかっちりとはまっていると思います。
あらすじにも「人間とロボットたちの世界が回り始める」とあるとおり、さあこれから動き出すぞ!というところまでで1巻は終わります。
人間とアンドロイドが主従関係で結ばれている世界で、アンドロイドで結成された解放軍の存在があり、人間と対立する様子も描かれています。
人間とアンドロイドはわかり合うことができないのか。
この部分を主軸に物語は進んでいくようです。
伏線がちりばめられた1巻で、2巻以降で物語が盛り上がっていく予感。
恋愛要素は少ないですが、物語は楽しそうな予感。
これからな1巻なので正直なところ物足りなさを感じてしまいましたが、2巻でどのように動いていくのか楽しみにしています。
4巻があった!!続きがよめる!!嬉しい!!!
もう馬鹿とハサミの世界観にずっぷりとはまっています。
筋間さんのわかりにくい甘やかしは、ほんっとにわかりにくいのですが...
それが描かれたときは、砂漠で出会ったオアシスのようにきらきらと光っています。
このわかりにくい愛に萌えます。もうずぶずぶと彼のキャラクターに惹かれてしまいました。
陽介は相変わらずのおバカで能天気な奴。
けれど根が素直で寂しがりやなので、行動が可愛らしくて。愛に飢えた子どものようで、筋間さんがはまっていくのも納得です。
彼のために健気な行動を起こすところは、筋間さんにとっての癒しであることでしょう。
2巻で出てきた誠に加え、筋間さんの元セフレも登場し物語をかき回してくれます。
わかりにくい筋間さんから、はっきりとした意思表示を引き出すことができた3巻。
ぐっと距離の近づいた2人が、4巻ではどうなっていくのか。
続きが早く読みたくて仕方ありません。