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エキスパートレビューアー2023

女性銀次郎さん

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今年度61位

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若くてまぶしい

恋愛初心者な2人のお話だったので、かなりくすぐったくてまぶしかったです。
恋愛的に受けを好きになった攻めと、攻めの傍にいるための手段として恋人という手を使った受けの、絶妙な気持ちの掛け違いがじれったくて仕方ない。

無垢そうに見えた受けが、初手で暴走しはじめたところは困惑してしまいましたが...
幼馴染として相性抜群の2人が、恋人になるまでの過程を心情描写たっぷりに描かれています。
家族も同然の関係性だったので、そこを一歩踏み出して意味合いを見つけていくところをしっかりと読むことができます。

2人の同級生たちも、肯定的でみんな優しい。じれったさはありましたが、終始安心して読むことができました。
良かったと思うのは、即物的ではないところ。恋人ごっこで抜きあいまではありましたが、恋人になるまでは最後までしなかったのでそこは本当に良かったです。

お願いだから陸に救いを...!

ずっと読むのが怖かったので、ある程度話が進んでいるだろうこのタイミングで一気読みしました。
1~3巻まで通して読んだので、身構えていたほどの恐怖は感じませんでしたが...

終始思うのは、洋二の話が通じないところが怖すぎる。
そして陸があまりに可哀想。

3巻にしてようやく、洋二がなぜ今のような性格になったのか片鱗が見えてくるようになりました。
ここまでくると、彼にも事情があったのだと同情してしまいそうになります。
けれど今まで陸にしてきたことを見たら、全然そんな気持ちにはなれない。

陸がほんとうに可哀想。心を傷つけられて、身体を蹂躙されて。
でも根底に洋二への気持ちがあるので、どんなに捨てようと思っても捨てきることができない。
身体の関係はあっても圧倒的に対話が少ない2人なので、なかなか明るい方向に進むことがありません。

洋二はきっと自分の手のひらで陸が踊っていると思っているでしょうが、これは陸の優しさがあるからこそ。
自分自身の欲望を、陸に責任転嫁しないでほしいですね。

3巻終盤では、ほんの少しだけ洋二の変化が見られたと思って良いでしょうか...
これがきっかけとなって、陸にとって最大の幸せが訪れることを祈っています。

あと「何かいいの見つけた!」との物語的繋がりがしっかりと感じられて良かったです。
ここまで違和感なく繋がっているのは、すごいなあと思いました。
続きも楽しみにしています。

流れ変わったな

ずっとファンタジーだと思っていたので、急に現代要素が入ってきたときは、少なからず衝撃を受けました。
ただあとがきを読むと、先生は当初からこのストリー構想だったとのこと。
帯の宣伝文句は、先入観を生むのであまり煽りすぎないようにしてほしいですね。

衝撃を受けはしましたが、ストーリーは本当に面白い。
全く予想のつかない展開なので、わくわくがとまりません。
物語が大きく動き出した4巻。そういうものなので仕方はないのですが、眼窩が真っ黒なのはちょっと怖さを感じました。
恋愛要素は少な目でしたが、だからこそいちゃいちゃが光ってきます。
特典で2人の絡みを摂取する必要はありますが...

BLといえば恋愛要素必須な空気感があり、それを自分自身も求めて読んでいるところはあります。
けれど、ストーリーが重厚かつ恋愛要素も盛り込まれているというのは、他ジャンルでは溢れているものですから。
BLジャンルの新たな道として、このまま完結まで突き進んでいただきたいです。

良すぎて言葉をなくす

最高です。この一言につきます。
kanipan先生の執着ものは健康に良い。

殺人犯×殺人犯というインパクトある関係性に、ハッピーエンドなのかわからずどきどきしていました。逃避行はあまり明るい未来が想像できなかったもので...
けれどハッピーエンドだったので、そこは本当に良かったと思います。

1話からぐっと引き込まれたのは、明らかに不穏な空気が漂う中、受けの名前をほんとうに幸せそうに笑顔で呼ぶ攻めを見たとき。
物語の序盤からこの雰囲気を見せられたので、今作も最高だと確信しました。

暗さと明るさの絶妙なバランスで描かれている執着は、人間的な部分がきちんと見えるので安心します。
行き過ぎた執着ものだと、ヒトコワ的な恐怖を感じることがあるので。

少しネジが外れて受けしか見えない攻めは、不安定さが見え隠れするものの、基本的に受けさえいれば良い。
まだ良識的な受けは、自分のせいで攻めがこうなったと思ってしまうけれど、傍にいることで安心を得ている。

お互いがお互いをお求めて愛しているのに、逃避行のために不安定でどこか暗い。
どうなるんだろう、とハラハラどきどきな展開は、罪を償えば後は一緒にいるだけ、という2人にとって最大の幸福のために進んでいきます。

攻めに手を引かれれば、受けはついていってしまう。物語の終盤、2人の未来のために、攻めがぐっとこらえるシーンは切なかったです。

最後がハッピーエンドで本当に良かったです。
本編その後の、2人だけの幸せな時間をずっと読んでいたいと思いました。

個人的に初版ペーパーの言葉のやりとりが、攻めの歪み具合を感じられてお気に入りです。ぜひ読んでみてください。

一旦休止は寂しい

狼と白鹿シリーズは、今作で一旦お休みになるとのこと。寂しい気持ちでいっぱいです。
数ある美形×平凡BLの中でも、きちんと受けを平凡に描かれる貴重な作家さんなので、これからも追い続けます。

節目となる今作は、「狼の花嫁」にでてきたメインCPの子サヤと白鹿ユルールのお話でした。
良いなと思ったのは、美しく神秘的なユルールが、年月を経て老いた容姿になったところ。なんだかぐっときました。

明らかに両片想いな2人ですが、ユルールの一線引いた対応が障害となり、なかなか前に進むことができません。
ユルールはサヤを溺愛しているのにどうして...と本当にハラハラしました。
りゆま先生の作品なので、完全なるハッピーになるのかどうかわからなかったもので...

けれどサヤの兄弟たちの助太刀もあり、お互いにしっかりと感情をぶつけあって、良い形に収まることになります。

ユルールの気にする歳の差を、サヤがしっかりと理解して包み込んでいくところは、切なくも温かい気持ちにさせられます。
自分の意思をきちんと言葉にするサヤが、とてもたくましかったです。

シリーズは休止ですが、今作にも気になるCPたちがちらほら...
続きが読めることを楽しみにしています。

そして今回も、りゆま先生が全て手書きで描かれている美しい民族模様を、存分に楽しむことができたので良かったです。

うさぎたちの絆が良い

このシリーズで個人的に好きなのは、うさぎたちの強い絆を感じられるところ。
仲間でありライバルでもあるうさぎたちですが、お互いに思いやりを持って仕事をしているのがよくわかります。

前巻よりもモブとの濡れ場比率が少なく、うさぎたち本人によりフォーカスされたお話運びになっていると思いました。
とはいえ、やはりモブとの絡みはあるので、苦手な方は注意が必要です。

9号のお話は、大人な色気漂う彼があたふたとしている姿が可愛らしかったです。
お相手の薊さんは9号一直線なので、安心して読むことができました。
9号の弱く儚い心の内を知り、薊さんが傍にいてくれて良かったなと思います。
仕事をやめないところは驚きましたが、いろいろな形があるんだなあと思いました。

46・48号のお話は、お仕事のライバルものとして読めたので楽しかったです。
うさぎたちの絆の強さを感じられたお話でした。
48号の仕事の成長具合に加えて、46号の仕事に対する姿勢も描かれているので、読みごたえがあります。
ここはまだ恋愛未満な関係性でした。

続編が読めてほんとうによかったです。
うさぎたちが幸せでお仕事ができますように!!

優しくふんわり

表紙の緑が印象的で手に取りました。
とても綺麗で幸せな物語を予感させるような装丁でした。カバー下もクローバで彩られています。

大人になってから再会して物語が動き出す、王道なオメガバース。
わくわくしながら手に取ったのですが、驚いたのはその本の薄さです。
ページ数が少ないので、物語が結構駆け足に進んでいってしまいました。

とくに1話で印象だった”カケモノ”という言葉。
子どもを産むことができないΩをそう表していて、受けがその体質であることが明かされるのですが...この要素がほぼ空気でした。
これを負い目に感じる受けだからこそ、なかなか恋愛に発展しないという展開ではあったのですが...

”カケモノ”という言葉ばかり強調されているように感じました。
なぜそこにこだわるのかという部分が掘り下げられていたら、オメガバースものとしてぐっと深い物になったのではと思います。

ページ数が少ないと制約があって難しいのかもしれませんね。
けれどそんな中でも、感情面はしっかりと描かれているので、読みごたえはありました。

久々のオメプロだったので、全てのバース性が妊娠できるという設定を忘れていまして...
受けが妊娠できないなら、攻めがその選択をする可能性がある。
というニュアンスの言葉が出てくるので、そこはそうだったなあと少し衝撃でした。

EAT コミック

ながべ 

緊迫感を味わえる

疑似捕食のシーンが結構本気の噛みだったので、読んでいるこちらは少し怖く感じてしまいました。
まるで自分が嚙みつかれているような、錯覚に陥ってしまいます。
それくらい圧が強い。

はらぺこ攻めと捕食願望持ち受けが、奇跡的にマッチした組み合わせは、生徒と教師という立場もあり背徳感が増していました。

受けは終始、捕食願望に囚われていましたが...
個人的に良かったのは、攻めの変化。
最初は怯えて遠慮していた彼が、徐々に独占欲を見せていく過程がたまりません。
でも暴走しないようにしないと、としっかりと自分を保とうと努力する良い子でした。

受けを狂わせるきっかけとなった当て馬も、かなり魅力的です。
絶妙にかき回していくところはにくいですね。

噛みつき描写をしっかりと描いているので、生死を左右する緊迫感を味わうことができました。
体格差もさることながら、肉食動物が草食動物に噛みつかれているという、逆の配役なのもたまりません。

ながべ先生の唯一無二の世界観を存分に楽しむことができて良かったです。

想像より読み応えがあった

想像していたよりもストーリーがしっかりしており、読み応えがありました。

受けは後宮に女装をして潜り込んでも、全く違和感がない可愛らしい見た目。
けれど知識が豊富で、頭脳で戦っていく逞しい男の子でした。

攻めはなかなか受けに振り向いてもらえない不憫な東宮。
なんとか受けを近くに留めよう、近くにいてもらおうと努力するところが可愛らしかったです。

ストーリーは後宮のごたごたを中心に、距離が近づいていく2人が描かれています。このごたごたの部分が読み応えがあり、楽しむことができました。
受けの逞しさが見えたり、かと思えば攻めの甘々ターンがあったり。

ほんとうに受けが輝いていたので、攻めが時々空気になったりしていましたが...
立場上表立って行動はできないので、仕方ないのかもしれません。
受けを愛して包み込む役割を果たしています。

物語として受けが魅力的に描かれていて、ストーリーの良さが際立っていました。

ところどころ出てきたエピソードで、気になる部分がさらっと流されていたりしたので、そういうところはもっと読んでみたいなと思いました。

SMELL コミック

ながべ 

濃密な癖にのめり込む

読んでいるこちらにも濃密な空気が漂ってくるくらい、強い癖を感じました。

最初は単なる匂いフェチだと思っていたのですが、フェロモンも関係してくきます。
ここがわかった辺りから、2人の関係性もずっと近く深くなっていきました。

基本的にヨゼフしか喋らず、ノイのセリフはヨゼフが復唱することで、読者にもわかるように描かれています。
このセリフ少なめなところが、物語の雰囲気を増長させていて、より匂いの世界に引き摺り込まれていきました。
なんだか読んでいると、何かしらの匂いを察知したような気にもさせられます。

匂いから始まり、2人がそれを乗り越えた関係性を築くまで。
じっとりとした空気感がたまりません。
直接的な行為描写はないのですが、空気感が終始えっちでした。

個人的に良かったのは、匂いを嗅ぐために、ノイがヨゼフを自分の部屋に招き入れようと、無言で玄関扉を開けたシーン。
セリフがない1Pですが、うわ〜と暴れたくなるくらいえっちでした…
このシーンだけでも見ていただきたくなる作品です。