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神作品

エキスパートレビューアー2023

女性えすむらさん

レビュー数7

ポイント数92

今年度51位

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異文化コミュニケーション

単純にBたちがLして萌えるっていう作品じゃないです。
私が好きな”多様性”のかたちが表現されているようにみえて、とてもいいな~と、いろんな人に読まれてほしいな~という意味で推したいです。(とはいえ、タイトル!!そのまま攻め受けとして、期待しちゃってていいかしら?)

定年退職した銀次、これからは老後をゆっくり…って思ってた矢先、妻が突然死してしまい、生活能力ゼロなお父さんを心配した娘(既婚)が同居しようとしたところ、家の片づけに助っ人として来ていた娘の義父(桃田)が家事の達人な上に仕事場が近いということで、銀次と同居することになり…という、ホームドラマです。

んでもって、桃田はゲイなんすよね。銀次が典型的な昭和のお父さんなもんだから…価値観の相違でバチバチしていくわけです。そも、人はわけがわからないものに拒否反応を起こすし嫌悪するんです。ゆえに、最初は(自分が理解できない)ゲイである桃田に対して嫌悪感を示していた銀次も彼と一緒に暮らしていくうちに、桃田というひとを理解しながら、徐々に昭和育ちなりのスタイルで、自分と違う価値観を受け入れるようになっていくんす(尊)。いろんな価値観が共生できる、どちらかの見解を100%にするっていうんじゃない、優しい多様性が描かれている気がしたんですよね。

しかも、この銀次の次女がまたLGBTとゆ~。でも別に無理に父親にわかってもらおうとしてない(そも、無理だからw)。これがまたいーんです。お互いに無理に歩み寄らない感じ。

ちなみに、桃田は銀次にちょっとほの字(←死語)になってるみたいだし、本当に人生何があるかわからんよね…ってしみじみ。若いときのような勢いや情熱がなくても、その年齢、その年齢なりのラブって絶対あるはずですよね。というわけで、死ぬ直前までの自分の可能性も信じたくなるのでした。

エモエモ師弟愛

おじさま受けはそんなに好きじゃない読者です。
こちら、タイトルと草間先生に惹かれて購入したのですが、
な!な!めちゃくちゃいいお話じゃないですか~~!!
これは、ジャンルを超えて小説好きに推したい逸品でした。

秀才(理系)×秀才(理系)のとことん感情を落とし込んで言語化するコミュニケーションが面白かったです。”恋”という抽象的な感情が、彼らにかかるとこんなにも曖昧さのないw具体的なイメージになるのか~と感心しまくり。文系の私にとって理系への憧れもあるんですけど、うらやましい理路整然…。さらに、理系の研究室で恋文の添削っていう設定がいいっ!!お手紙ってやっぱりいいですね。三段論法と対偶を駆使したラブレター…理系ふたりが”恋”について数学的に論じているエモさがたまりませんでした。印象的だった、”やらせてください”論議。”ふれる”と”さわる”…確かに、”さわる”のほうがいやらしい…!ただ、そんなこと考えたことなかったw 恋を知らない48歳が恋文を添削するっていうなんとも面白くて切ないシチュにほのぼのしちゃいました。

おじさんの一人称小説なのです。これがちょっと古風な情緒を醸し出していて、とてもよいです。エンタメっていうより文芸味が強い印象でした。相手の才能や研究へのリスペクトが思慕へと変わり…、純愛でしたね~。もう、プラトニックでも全然いいんだけど~ってうっかり思ってしまったくらい…後半がなかったら完全に師弟愛の文芸では!?って思いました。(先生、無自覚に伊瀬君頼りすぎで可愛い…”伊瀬君”言い過ぎw)

アラフィフはいろんな意味で厳しいかも…とか腐った脳みそが考えてしまったのですが、30や40のおじさんでなくて、むしろ50近いおじさまが主人公っていうのが、この設定に深みというか説得力をもたせている気がしました。海野先生、お見事です。

悪癖 4 コミック

イイモ 

ハラハラしてしまいました…

おっと〜!!意外と堅実でハッピーな着地で少しだけ拍子抜けしてしまったというか…めちゃくちゃ上手いと思うんですけど、実は1〜2巻であんなに猟奇的な雰囲気だったので、これは通常のオチでは終わらないのでは?!と覚悟していたので、いい意味で裏切られたというか、安心したというか、でもなんか猟奇なままでもよかったかなとか、複雑な気持ちです。いや〜、、最後の最後まで、”大門は小島を油断させて、最終的にはやはり殺して剥製にしちゃうんじゃないか(愛ゆえに)??”ってハラハラしてしながら読んでいたのは私だけでしょうか?っていうか、大門の猟奇に過剰に期待しちゃってミスリードさせられてしまうくらい、前巻までのスリリングな展開がすごかったわけで、最終的な安堵感は半端なかったので、まんまとハマってしまったと言えるのかなと。なので、神でもいいのかも〜くらいな気分なんですけど、やはりちょっとだけ事件の顛末とか小島父の件とか消化不良なところがありまして(汗)、神よりの萌2なんですよね。小島父ってやはり館長なの?つか、本当に整形したの?本当に焼死したの?って実はまだ諸々の理解がおよんでいないところが…。

が、同時収録の押しかけ女房的おじさんと男やもめおじさん、そしてその娘が繰り広げるホームドラマ的BL”長い夜噺”が!!めちゃくちゃ素晴らしくて!!総合”神”になりました。

格調高く純愛

かわい先生のレアな?ファンタジー。
作者様的にはアラブ世界のイメージらしいのですが、個人的なビジュアルイメージ的には、なんとなく「DUNE-砂の惑星-」でした。文明の格差で支配をするものとされるもの、未来的なものと歴史的な雰囲気が混在しているっていうエモいSF感はとても好みでした。ファンタジー苦手なんですけど、これはとても佳き…。葛西先生のイラストも純度高すぎラブにぴったり!!後半は尊さが涙腺にガンガンささって、2回読んで2回泣きましたw

大国の名門貴族の長子として生まれながら先天的な欠陥のために疎外され孤独に生きてきた美しい執政官カレルと、貧しいけれど武勇を誇るアラヤ族出身の剣闘士ユーリスの年の差、格差ラブでした。

ユーリスの左目の横の刺青設定が萌え。一人前になったときに、右側にも入れるものを、カレルが”蛮習だ”といってやめさせ自分のもとに引き取るのが二人の出会いなのですが、他人に無関心な執政官が職務を逸脱するレベルで、少年の存在に心惹かれていたということは後々わかってきます。自分から他人に関わっていくことを知らないから、ユーリスの想いに戸惑いながら、自分の好意や執着に無自覚…。

格差ということで愛情表現がとても間接的になるんですけど、それがむしろ萌え。ふたりの何気ない日常が尊すぎ…ただただ傍にいることの大切さ!!そこに静かに流れる愛や穏やかな幸福感がじんわりと伝わってきます。

執政官主催の剣闘士の大会でユーリスが優勝するエピは、もうその一連の場面が!!愛の告白そのもののように見えてしまって、攻めの健気さと一途に悶えました。指輪の件とか、普通設定だったら”重っ”ってなるかもしれないんですがw、この物語では涙腺に響いてきます。

後半は急展開があって切なさが止まらん!のですが、その切なさが物語の美しさをいっそう引き立てていました。”銀色の雫”ってこれで、都ってあれのことか~!!とお耽美好きにはたまらない設定回収もあって、読後の余韻がなかなかおさまらなかったです。

切ない片想いと不思議MIX、そしてハッピーな後味

今まで絵津鼓先生ってどこかアンニュイな雰囲気の作品っていうイメージで、コミカルな感じが珍しいな〜&ポップで可愛い〜と手に取りました。期待以上に面白かったです!!大好き!!

不思議MIXなんですけど、”ゆる不思議”っつーか、人生で何度か”こういう魔法が使えたらな〜”って思うときってあるじゃないですか? そういう願望を地味に叶えてくれるマジカルが各話にあるんですけど、最終的にそれを回収してくのは、不思議な力じゃなくて、、人間の意志と行動だったりするのが描かれていて、めちゃくちゃ味わい深かったです。何度も読み返したいな〜と思いました。

主人公の美人系ゲイの澄春(片想い歴14年)が”孤独死”という自分の将来の予言にショックを受けるところから始まる冒頭に惹かれまくりました。(なんとなく親近感…)”未来の老人ホーム”ってコンセプトいいな〜、夢ある〜。 ただ長年片想いしている相手と友人として仲良くして、一緒に住んじゃうって軽く地獄な気がする…。そういう軽い地獄にいる澄春のゆらぐ感情にある悲哀と、シェアハウスのわちゃわちゃした日常にある楽しさがいい塩梅に交わっていて、片想いの切なさが少し緩和されているような気がしました。コミカルな部分なかったらしんどかったかも。

大悟が何の気なしに澄春に優しいのが罪なんですよ!ニブチンが、今まで大切な友人である澄春を苦しめていたのが自分だって知ったあとの展開には、ちょっと泣きそうになりました。。いや〜すごいよ〜すごくいい〜、この二人の間に流れる空気感がたまらないっす!じゅわじゅわっと穏やかに”幸せ”ホルモンが噴出してくるような後半の展開に萌え転げながらページをめくりました。

書いたことを忘れるインクが、実は薄まってたというオチがめちゃささってて、あれは、一回好きという気持ちを忘れて、もう一回好きになったということだろうか?って思ったんですが。。そもそも”気持ち”って忘れられるんだろうか…?とか、色々考えてしまったのでした。この一連のエピソードには涙腺を刺激されました。

というわけで、まだ続きそうな余韻が残るラストだったので、ちょっと期待してます。
ティエンくんと泰生(年の差CP)も気になってるので、よろしくお願いします。

THE アメリカの事情CP

最後まで緩まず面白かったです。1〜3まで一気読みをおすすめしたいです。
BLのテンプレ以外は厳しいな〜という人にはあんまりおすすめできないかもなのですけど、海外ものが好き、面白い漫画が好きな人はぜひ♪

カップルの価値観の相違が生々しいターン。
友人のビアンCPに精子提供をすると言い出すアレックスと、それが我慢できないコール。なんで嫌なのか!?を伝えたら嫌われるんじゃないかともだもだしているコールの態度が状況を拗れさせて…ただ、今回はコールの悩みについてはとてもわかりみ〜、、、。自分と恋人のではなく、自分の遺伝子を他のところにあずけてその子供を見たいっていうアレックスの欲求がわかりにくくて、父親になることと精子を提供することは違うっていう考え方もちょっと抵抗ある…。普通に女と結婚すれば?って思うし、それにやはり、あの切り出し方はコールが言うように”決定の上の報告”でしかなくて、”相談”じゃないもんな…。同じことを自分がされたら(って普通はBL読みながら思わないことだけどw)って考えたら、絶対NOだなと…。

コールが壁にぶちあたるといつも賢者ブラッドが現れる…コールってブラッドと対話することで大人の階段を一段あがるのですw ブラッドって本当に良い奴!って思いながらも、ここまで巻き込まれて振り回されて、それでも淡々といいこと言えちゃうっていうのもなんとなく人間味が薄いというか、善人がすぎるのもやばいのでは…と気づいてしまいました。

アレックスより一足先に社会に出たコールが、少しずついろんな人がいていろんな価値観があるということを経験しながら、少しずつ自己肯定感をあげてくんですよね。最終的に、自己肯定感がカンストしてるアレックスとどうにか”ディスカッション”できるようになって、なんだかホッとしました。そこで、ようやくコールにアレックスの”パートナー”なんだという自覚がうまれた印象を受けたのでした。

というわけで、やっぱり互いのチ○コとア○ルは手放せないってことになるわけですが、どうしたって価値観のすり合わせが難しいふたりですから…いくら努力したところで、いずれは違う道を行くだろうな〜って気配を、一応”はぴえん”ラブラブなエンディングのなかに感じずにはいられないのでした。

翻訳とタバコと大人の時間

昭和の戸建てで繰り広げられる、いい感じの大人のスローラブ&ライフ、引き続き最高でした。冒頭から縁側でいちゃつくアラフォー二人に萌え転げる私。幸せがここにある!

さり気なくスパダリな久慈。急な帰省をしなくてはならなくなった朔太郎のために車を出して、ごはんも作る…最高すぎるんですけど( *´艸`) なんとはなしに相手に寄り添う大人の優しさがいいな~と思いました。

朔太郎と母親の関係性もしみじみほのぼのしちゃったというか、母はなにかを察してるけど踏み込まない、おしゃべりなくせにそれだけは話さないっていう場面から、朔太郎の鬱屈が伝わってきたり、「おれの事、好きなくせに」「だからなんだよ」っていう短い会話のなかに、いろんな感情や情報が伝わってきて、なんとなく切なくなっちゃう…etc. 波真田先生の漫画力に魅せられました。

”好き”という気持ちを押し付けず、いい距離感で関係を続けるふたり。”翻訳”というお仕事BLとしてもとても読み応えがあるのですが、そんな彼らの日常の延長線上に当たり前のようにエロもある、ラブとライフの絶妙なバランスが心地よいです。書き下ろしの”琥珀色のかき氷”で描かれる官能は、まさに”大人の時間”でした!!

はっぴーえろ♪♪

ふぁ~~楽しすぎて幸せな気持ちになるぅ~。
性欲大魔神カップルの健全なお付き合い編、お悩み無用!ストレスにこれ一冊!なパンチの効いた続編でした。

こちらのCPには、”攻め受け”より”チン〇神とア〇ル神”という名がふさわしいですね。阿部先生のセンス最高。さらに周辺人物も魅力的!!容姿100,人間性0のおかざきの後輩や、圧強めなおかざき姉、クセ強なメイ先生の新担当…etc. 前回から間違いなくパワーアップしてます。ギラギラが過ぎてなんだか可愛い来斗(受っぽい…)が個人的にはお気に入りです。彼の才能が目覚めそうな女体化エピをもっと読みたいです。

突き抜けたエロエロラブラブのなかに、それぞれの仕事(AV男優、漫画家)の悩みや葛藤も描かれていて、それもまた読み応えがあるんですよね。創作の方向性に悩むメイちゃんに対して、おかざき姉の「私は私のものだ」という名言。私も心に刻ませていただきますw

社長の夏休みの思い出の詳細がめちゃくちゃ気になってるんですけど、まだまだキテレツなエピがたくさんありそうな独特の阿部ワールド、病みつきになりそうです。

可愛くて尊くてほのぼのする

こちらエロなしなので、攻め受けなし!です。(ちゅ~はあります。)
エロはないけど、萌えはたっぷり、キュンも頻発、いろんな人におススメしたくなりました。

仲良し同級生のDKDK。”家元”、”バディ”という二人だけのあだ名で呼び合う彼らにキュン。”バディ”こと直人はお勉強が得意な真面目っ子、高校デビューします。”家元”ことトヨはおうちが華道茶道の家元、姉妹がいて女性あしらいうまくて、コミュ力高めの子。勉強が得意な子は苦手な子に教えて、コミュ力高めの子は低めの子に教えて…お互いの足りない部分を補い尊重しあう、ふたりの健全な親密さに萌えます。

高校デビューして、とにかく”彼女がほしい”直人は、1話ごとにいろんな女の子を好きになっちゃうんですが、それをトヨが傍からフォローし見守る日々。勉強が得意だから、恋愛に関しても頭でいろいろ考えちゃう直人なんですけど、いろんな人たちと関わりながら徐々に勉強以外のことを学習していくんですよね。んでもって”彼女がほしい!”っていうこだわりから、”いったい自分は誰を好きで大切にしたいのか”っていうところにたどり着いて…、幸せの青い鳥は案外近くにいるもんだ…という尊み。

周辺キャラクターがとても魅力的です。BLですが女の子たちもみんな可愛くて個性的。いろんな意味でかっこいい女の子の鳳さんや、卜部さんと多賀ちゃんJKコンビの百合みにほんわかしました。また、写真部の先輩後輩BLコンビ、情報量は少ないのにふたりの間にある物語がたくさん伝わってきて萌えました!多様性を感じながら主人公の成長と初々しい恋のはじまりを堪能できる読み応えのある作品です。

覚悟をきめたふたり

めちゃくちゃ好きでした…この二人のキレッキレの夫婦漫才をもっと読みたい、永遠に読んでいられるかもと思いました。ユーモアとエロとハードボイルドがいい感じに混在している極上のエンタメでありながら、人間の業や愛についても描かれているところがとても素晴らしいです。英田先生の描くアウトローって人間臭くて温かいですよね。むしろ、人間臭さにつながるところの義理人情を大切にしてしまうと、アウトローになってしまうのかもしれないとすら思えてしまうのでした。。

美人ヤクザに振り回されるおっさん探偵が最高にキュート!!いい!超高級マンションに住んでるくせに、古ぼけたアパートの汚い寝床に通いつめる天海も負けず劣らずかわいいんですけど、この物騒で厄介な恋人に対して、陣内が捨て身で発動する包容力や優しさから、愛するものをなんとしても守るという覚悟が伝わってきて胸が熱くなってしまいました。普段は圧倒的に優勢な天海が弱くなるときは、二人が出会ったときの立場(刑事と高校生)に戻ってる感じがして、なんだかキュンとしました。結局、陣内って天海の恋人以上に、過去捨てたはずの”良心”そのものなんだなと。

あと、今回脇キャラも魅力的だったんですよね〜〜。我那覇!!!顔がいいど変態ヤクザ、ナイス!!性癖含めてめちゃくちゃ好みのタイプでした〜。もっと活躍が見たかったです。

”いつかその日がくるとしても”、天海視点で語られる年末のふたりの掌編がめちゃジワるんです。”なんでこんなおっさんがいいのか…”って惚れた弱み全開の惚気話。天海がちょっとしおらしいだけでご機嫌になってるおっさんの平凡さすら愛おしい。んでもって、読後のカタルシスを連れてきてくれる最後の一文が、さすがのかっこよさなのです。”ー惚れた男につけられる傷なら、それすらも愛おしく思えるだろう。”
最高。