口語文っていうのかな?大昔に読んでたティーンズ文庫を思い出させる文章でした。それが苦手!って口コミも少し見かけましたが、気持ちは分からんでもない!
ただ、そこさえ苦にならなければとても面白いです。
幼馴染ものであると思うんですが、幼い頃のどこまでも純度(透度)の高い想いが、残酷な運命に歪められてしまう。
消えた者と残された者とに分けられて、だからこそ互いが互いを傷つけた事に苦しむ姿が良きでした。前半部分の、そういった贖罪の気持ちや慟哭が読み手の感情をグサグサ刺してくるのが読んでとても楽しかった。
後半部分は落差がすごい程の甘々展開でしたが、前半が辛い分だけ後半の甘さに口角が緩む緩む…
いやー、魔法のそんな斬新な使い方があるんすねー。笑
って、変な意味で感心しました!
残酷な設定や歪んでしまった勇者様に対して、受がどこまでも強いです。
芯が強い。どんな圧力にも歪まないんじゃないのかな?って思わせるような強さが良かった。
全体的に対比がくっきりとしていて、それがまたこの作品の良さだと思います。
は全く変わらずですねー。
なんてゆうか、子供相手にどうしてそこまで酷い事出来ちゃうのに手ェ出すんだ?
望のインナーチャイルドをこれでもかって痛めつける高遠の存在が腹立たしくてかなわない。
でもぐちゃぐちゃになった時に、高遠から逃げても望にはちゃんと帰る場所があるって事を実感できたシーンはよかったです。
ラスト付近、二人が初めて出会ったシーンが描かれてたけと、望が所属してた時はチャイドルじゃなかったっけ?
どうしてもそこが引っかかって子供の頃のシーンが入ってこなかった。
そしてこの一冊で一番地雷だった部分…
引っ掻き回してた当て馬女が、女子って部分(小さいとか弱々しいとか)で許しちゃうところ。
いやもういいじゃん!クソみたいな設定のままでいいじゃん!
女だから弱くて小さくて守ってもらう存在的な流れがほんま好かんのです。
業腹だけど、母親のがわかりやすくクズで好感がもてる
受に自己投影してしまってどうしても攻が好きにならなかった。
親ガチャ当たりで高スペックの持ち主で何なら人生イージーモードじゃん。って思っちゃうような攻が振り翳す正論がしんどかった。
「自分を卑下したり、卑屈になるのをまずやめろ。生まれてきたとき肉親から与えられて当然だと思われるものが、お前に与えられなかったからといって、それがこの先のお前の一生の価値を決めるわけじゃないだろう。」
正論だと思う。ど正論なんでしょう。だから受に向かってしょうもない親から引き離せたとか言えちゃう。
でも、結局分かんないんだよ。自分は持ってるから。
自尊心や自己肯定感を小さな頃に親に育んで貰ってるんだもん。
ノンケが、別に悪い事してるわけじゃないんだから堂々とすればいいじゃん。って言ってるのと、大差ないと思うんですよね。
全員に分かって欲しいわけじゃない。でも、自分が一番心を預けれる人には自分の痛みを否定されたくない。
痛い。ってことを、痛いね。って、言って欲しい。
強者の思考で、自分は正しいって思ってる感じが辛かった。しょうもない親。って平気で言ってきたり、殴ってきても謝りもしない。
でも自分は正しい。って感じでふんぞりかえってる。
どこがいいんだ?
本当にどこがいいんだ。
受が攻の事が大好きだから、読んでてどうしょうもなく辛かった