スピンオフのお話とは知らずに読みましたが楽しませていただきました。
ちょっと失礼な言い方になってしまうかもしれませんが
作品がカキネさんらしいドタバタラブストーリーという印象です。
表題作の『初恋ゲームセット』は、迅があまりにも意地っ張りで
どこが良いのか功治よ…と思ってしまってすみません。
でも自覚してからが可愛いです。
功治が真っすぐでいいヤツなのに10年も諦められなかったとかしんどかったろうに。
一生懸命さゆえの空回りでもそこに愛があればこれから取り戻せることもありますね。
当て馬の三月さんがわりとぐいぐいアプローチするのに引き際があっさりで当て馬の鏡。
(関西弁好きです)
『今日は記念日だから』
付き合って10年経っても最後までしていない愁と七央斗のカップル、
お互い好きな気持ちは伝わってきましたが
そこは大事なところだから意思を言葉でしっかり確認しておこうよと思ってしまいました。
やっぱりキスや触れ合いだけじゃ勿体ないじゃないの。
無事いたせたシーンが読めないのも勿体なかったです(どんだけ勿体ながっているのか)
『恋待ちスプリング』
三月さんの運命のお相手は好みのタイプではなかったようですが
押したり引いたりされると気になってしまいますよね。
そして本気度を見せられたらもうKO。
廉さんのアピールが結構あからさまでしたが
閉ざされた三月さんの心を溶かすには有効だった気がしますし
誠実さが伝わって来ました。
タチ×タチということで今回は廉さん×三月さんでしたけど
逆でもアリだと私は思います。
アラフォー受け、さらにていさんのイラスト!
久々に文庫の“絶対読みたい新刊”リストに入れさせていただいておりました。
冒頭は一心があまりにも自由人過ぎた印象で
亮に同情というか気の毒に思ったりしたのですが
過去の事柄からもトータルで言ったら一心は亮のことが好き過ぎでは…??
確かに亮が二人の関係を考え直すような出来事もありましたけども。
一心は充分に愛を表現してくれているし
亮の思いにも寄り添ってくれている気がしたのですが
亮がうじうじ考え過ぎ…。
年上だからとかで卑屈になるような受けだと予想していませんでした。
更に当て馬の中垣内に言い寄られてという展開も
結構ありがちで(すみません)違う感じのすったもんだが読みたかったです。
個人的に今まであれこれ読み過ぎて麻痺してきているのも否めませんが
倦怠期だからこその二人のリアルなすれ違いを期待してしまいました。
でもやっぱり久しぶりにていさんのイラストを拝めて嬉しかったので
おまけの萌です。
草間さんのお描きになる一途な年下攻めを拝みたくて購入させていただきました。
いやー、書店で手にとったらいてもたってもいられなくなってしまって。
深水が家庭教師として教えた当時高3の入江が大学に合格して
深水のアパートの隣に引っ越して来たという
なかなか行動力もあり健気な年下攻めなんですけども
なんでそんなに深水がいいのかな…??と思ってしまってすみません。
入江がゲイで、好きだと告白されても突き放さないところ?
入江が自分の家に疲れてしまった時でも、側にいてホッとするところ??
それは入江にとっては大事なことかもしれませんが
なぜかいまいち深水の良さが伝わって来ませんでした。
「俺は違うし」と、入江の気持ちを受け入れられないと断ってきたし、
入江がつらいから諦めようとしてるのに
同情のつもりなのか睡眠導入剤を入江からもらって
眠ってる間に好きにしていい(はっきりとは言っていませんでしたがそういう意味)とか
入江に対してひどくないかな…??
入江を「傷つけたくないから」とまで言っていましたが、十分傷付けてる気がしました。
しかも自分の意識がないところで体を触られたりしていいと思えるってことは
その時点で好きでいいんじゃないのかな…など色々ちょっとモヤ~……。
結局深水も自覚するわけなのでハピエンですけども。
一度結ばれたあと、なかなか入江が手を出さずに深水が焦れたのは萌えました。
負担をかけさせたくないって我慢する年下も可愛かったです。
口絵カラーもとても雰囲気があって素敵でしたので
ちょっとおまけの萌です。
聖子ちゃんかなーと思ってしまうと年代がバレそうなコミックスタイトルですが
雁須磨子作品とサーファーって全然イメージが無かったので驚きですww
そして勝手にやんちゃ年下攻め×優しい年上受けだと思っていたのでそこも驚き…。
帯には“正統派!王道BLここに!!”とありましたけど
正統派…?王道…??となってしまいました。すみません。だって個性的過ぎるので。
サーファーが高台の別荘のお金持ちにご飯を誘われて
恐る恐る執事運転の車で向かったらそこには穏やかそうでお上品な男性が…というお話、
最初から雁須磨子節が軽快で楽しいです。
印象が良かった二人が仲良くなるのも早くて
そういう覚悟を決めて江上さんちに泊まることにした欽之介、
ノンケだったのにそんなにすぐ受け入れられるものなのか!?とここでも驚きました(驚いてばっかり)
なんだろう、江上さんがあまりにも偉ぶったところもなく親しみやすい紳士だから
自然とそんな気持ちになっちゃったのかな…。
元から性別ってそんなに関係ないタイプだったのかもしれないですけど、
葛藤とか欲しかった気がします。
若いから、年上だから、庶民だから、お金持ちだから、
そうじゃなくても違う人間だから色んな感覚が違うのは当然ですが
勝手にアバンチュールなんだろうなって決めたらダメじゃん欽之介…。
エネルギッシュな(どうも古臭い言い方しかできない…)欽之介のほうが未来はいくらでも選べるから
江上さんが気の毒になってしまいました。
でもちゃんと江上さんも言い返してくれてホッとした…。
軽い気持ちなんだったらあっさりいなくなってしまいそうだったから。
波とジェンガの使いどころがお上手だなぁーと感心しながらも、
変わり者の雨矢は常識があるようなないようなところが楽しかったです。
萌×2寄りの萌です。
畠さん2冊目発売おめでとうございます!
「人間は皆スケベである」とのっけから断言してくれちゃってる三田村が、
学校のアイドル的男子の早見をやましい目で見始めたことが公となり
本人に知られても早見は引かない不思議な状況に…。
タイトルもですが、
帯の“純情、ゆえにカオス”がこの物語をガツンと表現しています。名言。
早見の秘密はTKBだけではなく内面にもありましたが
三田村がある意味解放してあげられて良かったです。
自分で気づいたわけでなく早見の幼馴染の助けをかりてしまいましたが結果オーライで。
(お茶山くんは年齢詐称しているのでは…??と思うほどに落ち着きと容姿がアレでしたww)
誰に何を言われようと思われようとも自分が自分らしくいられるのは
幸せであることの重要な一部分であり
更に好きな人と抱き合えるフルコンボともなると
男子高校生ですから突っ走り気味になりそうですが、
受験生の身であったりバスケの大会だったりでおあずけ状態。
思っていた以上に三田村が純情で驚かされました。
むしろ早見の方が乗り気なので意外性もありつつ楽しかったです。
早見の進化したTKBを目の前にして消えかかりそうな三田村のコマが笑えましたww
ギャグが強めだったかな~…。
畠さんのノスタルジックでなんとも言えないエモい感じが好きなので
今作は振り切ってる!とびっくり。
言い方が悪くて申し訳ございませんが表紙詐欺かも…??ww