竹美家ららさんのレビュー一覧

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

子どもって、一途で傲慢

高校1年で、桂に出会ってしまった志緒、

好きだから、好きでいる

その気持ちだけで、他の人なんか、自分の世界にはいらない。

この本って、サラッと読むと、ほのぼのと、しみじみとした、いいお話みたいなんだけど、
こうやって後からよくよく考えると、結構怖い、
拵さんのように、あからさまなヤンデレさんだけでなく、
志緒君も、結構あぶない、
桂先生も、若気で突っ走って、子供作っちゃっ…

9

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

心に沁みる作品

文句なしの神作品。
これがデビュー作とはすごい!

タイトルにも雪よ、、とあるように、雪が降っているような静謐な世界観。
この方の筆力、表現力、才能なんでしょうねぇ。卓越したものを感じます。
何よりも作者のこの作品に対する気持ち、この作品を書きたいという熱意、言葉を選んで選んで、表現したいものを丁寧に創っている。
北原白秋の詩が引用され、文学的な匂いもあります。
文学少女出身なので、…

8

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

静けさが心地よい

「生徒×先生」という、一見普通な設定です。けど通常なら「生徒と先生との危ない関係」を重視してしまいがちですが、この作品は「愛し愛されることの喜び」を描いているようにみえます。すごく繊細で美しい印象を受けました。

この作家さんは文章力に長けていて、BL小説ということを忘れてしまうほどでした。なかなかBL小説では焦点にならない「生命」についても考えさせられました。それに会話が妙にリアルで想像しや…

9

雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

爽やかな恋物語

受けも攻めも非常に繊細で、触れなば落ちん……と言った風情なんですが、なかなか芯はしっかりとしていているんです。

過去の恋愛でボロボロに傷ついた桂でしたが、その過去ごと受け入れてくれた志緒に、癒されたんでしょう。
志緒にも年の離れた妹が生まれたことも幸いして、桂のことがよく理解出来たのもあったんでしょう。
その上、桂だけ真っ直ぐに愛してくれたら、そりゃ気持ちいいだろうし。素直に自分を認めて…

4

茨姫は犬の夢を見るか 小説

玄上八絹  竹美家らら 

犬姫

受けの犬姫に萌えました。
同人誌でもっと萌です。文庫にしてくれたら良いのにな~。

2

隣に居るひと 小説

椎崎夕  竹美家らら 

涙腺崩壊

今回も泣けました。こうまで自分を犠牲にしなくてもいいじゃない! と思うほど。
でもそれは、大事な大事な姪や愛する人を守るため。それが愛し方なんでしょうねぇ。
わかっていても、辛い、切ない。
そして、今回はその姪の選択が追いつめてしまうことになるんですよねぇ。姪だって、相手を思い遣っての行動だったのに、過程がわからず結果しか見えないから、傷つけることになってしまって。
あれやこれや、もう泣け…

5

隣に居るひと 小説

椎崎夕  竹美家らら 

子供の健気さに胸を打たれました

この作品は2001年同人誌として発表した
原稿をベースにまとめられ、
今回ルチル文庫から発売されました。
『帰る場所』の続編です。

『帰る場所』がとても良い作品で。楽しみにしていた続編。
メインカップルは勿論ですが、
彼らを囲む登場人物達がみんな愛しくて。
あの人達は??あの人とあの人はどうなったの??と、
ドキドキしながら本を開きました。

今回はどんな妨害があ…

6

帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

デビュー作も切なかったんですね

家族は桃子しか残っていなくて、桃子と喫茶店を守り育てることだけが生き甲斐な玲一。桃子と喫茶店に関しては、本当に自分を忘れて必死になってしまうんです。
「なぜ、ここまで頑張れるんだろう」と周りの人間が不思議に思うほどに。(私も思った)

それに対して西崎ですが、なんだコイツ、役立たず! と罵りたくなりましたよ。
たしかに見た目もいい男で仕事も出来るんだろうけど、肝心なときにまるっきり玲一の役…

3

帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

胸がきゅんきゅんする

攻・西崎征一(32) 謎の行き倒れ
受・室瀬玲一(23) 喫茶店経営

両親を亡くした姉弟は記憶喪失の行き倒れの男を拾います。
やがて姉と男の間に子供が生まれますが、男は行方不明に。
姉も亡くなり、姪の桃子と2人で姉の喫茶店を引き継いで暮らしています。

周囲の人々に助けられ穏やかに暮らしていた所に、様々な問題が一度に降りかかります。

まず、西崎という男が喫茶店の前で行き倒れて…

4

帰る場所 小説

椎崎夕  竹美家らら 

椎崎さんのデビュー作

97年に出版された文庫の新装版で、
この作品が椎崎さんのデビュー作(投稿作)だそうです。
可哀想な主人公を書かせると上手い椎崎さん。
やはりデビュー作の主人公も可哀想で健気で、痛々しい人でした。

若くして亡くなった姉の忘れ形見・桃子を育てながら、
姉の残した喫茶店を切り盛りする玲一。
穏やかに幸せに暮らしていた二人の前に、
行き倒れの男・西崎が現れます。

玲一・桃子・西崎の…

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