一穂ミチさんのレビュー一覧

ふさいで~イエスかノーか半分か番外篇 3~ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

尊い(語彙力喪失)

個性あるキャラクターのどことなくユーモラスな会話が今回も軽やかに展開するか と思いきや!
社会派の筋立てに頭を一撃。
軽やかさに忘れていた。彼らの職場が24時間動いている放送局の、報道という現場の重さと激務を。スペシャリストとしてのプライドとプライペートな感情とコンプレックスとその向こうにある愛情、どこに愛が存在するのかすら見過ごしそうな緊迫感に固唾を飲んで読み進めた。
辛かった。腹もたつ。…

15

ふさいで~イエスかノーか半分か番外篇 3~ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

最高

もうほんと待ってました。

大人気シリーズの最新刊で、本当に楽しみに待っていた1冊です。
シリーズのうち前の潮と計、竜起となっちゃんはかなりラブコメらしいラブコメでBL小説はあんまり読まないような人にもおすすめしやすい感じでしたが、こちらは大人向けというかラブコメとはだいぶテンションが違います。
なので一穂先生の作品の中でイエスノーシリーズだけ読んでてラブコメが好き!って方には合わないかも…

19

ふさいで~イエスかノーか半分か番外篇 3~ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

予想以上

今作もお仕事シーンが面白く、栄、設楽、奥(初登場キャラ)が仕事を通じて関係を築いていく様子が活き活きと描かれ、だからこそ中盤で起こる事件に胸が締め付けられ、鉛を飲み込んだような重苦しい気分になる。
終盤では計、竜樹、深、錦戸さんとこれまでのシリーズに出てきた旭テレビ縁の面々が勢ぞろい。一作目で計が「ザ・ニュース」初回を見事にやり切った時のように読んでいてワクワクした。思わず笑ってしまう会話も健在…

16

オールトの雲 小説

一穂ミチ  木下けい子 

脳裏に焼きつく眩しい恋模様

少し前の作品ですが、ソムリエコンシェルジュさんからの紹介で読みました。
今日、レビューを書こうとして初めてスピンオフがあることがわかったので、早速買いに行きます。
どんな好みの方が読んでも微笑める作品だと思いますし、いい意味での、ある種の物足りなさが魅力的な作品だったと言うのが、読後最初に感じた印象です。


等身大の眩しさ全開の高校生と対照的に大人びているように見える高校生、幼馴染2人…

4

さよなら一顆 小説

一穂ミチ  草間さかえ 

矢神と言う名前が好きになりました

作品内容は、上記を読んでください。

出会った時は、店員と客だったので、二人とも丁寧語で話していたのですが、次に偶然会って飲んでから、榛名は変わらずの口調、比呂はタメ語に変更。でも、どうしても私の中で、それぞれのキャラに話し方が合わなくて、何度となく「あれ?これ誰のセリフ?」と疑問に思うことがありました。
それぞれの設定は、すごく好きです。
榛名は、女性をとっかえひっかえだったのに、比呂に…

0

off you go 小説

一穂ミチ  青石ももこ 

エロくないのに大人向け

甘々~!ラブラブ~!執着攻め~!みたいな言葉とは対極にある作品。
飲み物で例えるなら殆ど砂糖の入ってないカフェオレ。

決して劇的な話じゃありません。激しい展開もありません。回想を含め淡々と進んでいきます。でも飽きずに読んでしまうし、攻めが受けを押し倒したとき、腑に落ちるんですよね。

個人的には受けのキャラがめちゃくちゃ好きです。
賢くて不遜でひねくれてて口が達者で気が強くて変人で……

2

「キス」共通書き下ろしSSペーパー 間接キス 特典

青春に別れを告げるキス、かな?

父親の葬式の後、明渡と二年ぶりに体を重ねた苑は、翌朝、眠る明渡を起こさず、一人東京に旅立ちます。
SSペーパーは、一人目覚めた明渡の視点です。

苑の姿はなく、ちゃぶ台の上には『鍵は新聞受けに』と、そっけない書き置きだけ。
明渡が家に戻ると、果菜子が、営業部の社員と付き合っていて、結婚して会社を継ぐからね、と告げてきます。そして、「いつ出てってくれる?」と、暗に「苑を追いかけて東京に行きな…

1

キス 小説

一穂ミチ  yoco 

何回も読み返すうちに、とても好きな作品になりました

作家買いだったのですが、初めて読んだときは、これまでの作風とのギャップが大きくて、戸惑いました。一穂さんの作品は、物語の早い段階で登場人物に魅力を感じたり、透明感ある心理描写に惹かれることが多かったのですが、本作品は一読目ではそんな風に感じることができなくて。多分、明るく強引な明渡と感情薄い苑の対照的な人物像にも馴染めなかったし、私にとっては前半のエピソードが多すぎたのかもしれません。
でも、結…

4

雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか~赤~ 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

甘くて、切なくて、寂しくなる

なぜでしょう。本作を読み返すほどに、志緒に共感できない自分がいて。本編と「青」では、結ばれるまでの桂のためらいや志緒の真っ直ぐさに、とても感情移入できたのですが。

結婚できない。一緒のお墓に入れない。志緒が悲しそうに悩んでいるのが、どうしてももどかしく感じてしまいました。
私が若い頃の気持ちを忘れてしまったからなのか。それとも、ここ数年で同性婚に関する社会の変化を見聞きして、「なんとかでき…

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雪よ林檎の香のごとく 小説

一穂ミチ  竹美家らら 

雪のようにさらっとした、綺麗な話です。

話しとしては、すごく好きで、表現が綺麗で、ほわっとしているかと思えば、直球な会話で一気に進む展開だったり。
特に、桂に振られたりかの代わりに、志緒が怒りに行く場面。
いきなりの志緒の告白に、私があっけにとられました。
なんだ?!この急展開!
いつ?!いつ好きになった?!
何となくは分かっていましたが、ゆる~やかに気持ちが傾いているんだと思っていたので、びっくり。
そこからは、桂の過去や…

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