高遠春加さんのレビュー一覧

最後から一番目の恋―神経衰弱ぎりぎりの男たち〈3〉 小説

高遠春加  東山紫稀 

涙が止まらない作品

今まで「神」評価をつけた作品を読み返しています。
本作も、随分前に読んだまま、放置していたもの。
内容も思い出せないまま再読。

やっぱりね、涙が止まりませんでした。
何度読んでも感動は薄れません。
評価を見ると全員が神評価。
それも納得。

といっても、本編は、それほどでもなく、番外編のみの評価です。
この3巻のみだけでも大丈夫なので是非、手に取って欲しい。
まぁ、恐らくそ…

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最後から一番目の恋―神経衰弱ぎりぎりの男たち〈3〉 小説

高遠春加  東山紫稀 

憎いくらい沁みる

番外編「最後から一番目の恋」


・・・・読了後、本当に高遠先生が憎いと思いました。

こんな作品を読まされたら、これだけ心を揺さぶられたら、
今後どの本を読んでも物足りなく、空虚な気持ちを抱えてしまうかも。
「世界の果てで待っていて」を読み終わった際も暫く他の本が読めなかったけれど、これはそれ以上かも。


もういっそ暴力的なぐらいの勢いで自分の中に入り込んできて、ぽっかり穴…

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告白 scent of declaration 小説

高遠春加  ひびき玲音 

壊れた二人

「久しぶりに来ちゃった。ロクデナシの話」と思いながら読み進めました。攻めの男がもう胸くそ悪くなるほど嫌な奴で、世の女の敵・受け様の敵って感じでした。当て馬の中学生の方が何百倍もイイ子で、序盤でその14歳の子に自分のセックスシーンを見られて泣いちゃう28歳受けがすごく可哀想で可愛くて萌えました。

でも読んでいくうちに攻めの境遇に同情すべき点もあり彼は完全に人間性が壊れていて、受けの方も長年攻め…

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最後から一番目の恋―神経衰弱ぎりぎりの男たち〈3〉 小説

高遠春加  東山紫稀 

番外編メインの最終巻

恋人同士になってすぐの七瀬と匡一。夏休み、七瀬は匡一を誘って里帰りすることに成功する。
賑やかな七瀬家に困惑気味の匡一だったが……
匡一の父親、俊哉の物語も収録したシリーズ第3巻。

七瀬と匡一の里帰り編と、匡一の父親の俊哉の話と。
前半の騒がしい七瀬家の様子とそれにとまどいながらもなじもうとする匡一はほほえましくてかわいい。
一方の重くて深い俊哉編はボリュームもさることながら七瀬たち…

2

地球は君で回ってる―神経衰弱ぎりぎりの男たち 2 小説

高遠春加  加地佳鹿 

ちょっと衝撃的な二巻

偶然の重なりから恋人同士になった七瀬と匡一。
医大生の匡一が病院実習で訪れた先には、有名女優の須加乃都が撮影中の事故で入院していた。
彼女のある一言が原因で匡一は世間を揺るがす隠し子騒動に巻き込まれることになるが……
両思いになった二人のその後を描いた『セックスと嘘とホルマリン』収録。

匡一の実母を巡って、びっくりするくらい壮絶な2巻です。
一巻の二人のなれそめとか、匡一のお父さんに…

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神経衰弱ぎりぎりの男たち 小説

高遠春加  加地佳鹿 

割とライトな記憶喪失もの

ある朝七瀬が目覚めると、見知らぬ男とすっ裸で同じベッドで寝ていた。
テンパりまくる七瀬をよそに冷静に見える男、匡一は高槻コンピュータなんてあだ名で呼ばれる医学部一の秀才で、七瀬の恋人だと言うのだが……

テンポのよい一人称でさらさら読めます。
ある日突然記憶喪失になってしまった七瀬。
しかも気づいた時には恋人(男)と同衾。
それでもあんまりシリアスにならないのは、明るい七瀬のキャラクタ…

1

告白 scent of declaration 小説

高遠春加  ひびき玲音 

依存

計司[攻]と弓弦[受]の2人の前に、突然現れた中学生の少年開。
行きがかり上、弓弦は開を夏休み中のみ預かる事となり、時折その開の視点も交えて話が展開していきます。
開は母子家庭で育ってはいるも、愛情を与えられ真っ直ぐな性格の至極真っ当な少年なんですね。
その開から見ると、弓弦は優しくまともなちゃんとした大人だけれど、計司はだらしなく最低で冷たい男。
ある時、開は計司と弓弦とのセックスシーン…

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神経衰弱ぎりぎりの男たち 小説

高遠春加  加地佳鹿 

攻めの脆さがいい

ある朝、七瀬が目覚めるとなんと見知らぬ素っ裸の男と一緒に寝ていた。彼は高槻匡一といい、自分と同棲中の恋人らしいのだが、七瀬は何ひとつ思い出せない。記憶障害になったのはなぜ?という結構王道な始まりの話です。この1話目はコメディタッチの短編なのですが、2話目として二人の出会い編が収録されていてこっちのお話が凄くいいんですよ。トラウマ抱えて誰も愛せないでいる匡一の家に、ひょんなことからしばらく居候するこ…

2

告白 scent of declaration 小説

高遠春加  ひびき玲音 

どこか壊れた二人だけの世界

透明で綺麗だけど、分厚いレンズで覗いたように歪んで見えた二人の世界でした。

特筆すべきは計司の最低男ぶりでしょうか。
社長の肩書きながらろくに仕事をしてる様子もない、家事も弓弦に丸なげ、弓弦と関係を結びながら平行して常に複数の女性とも適当に付き合う。モラルもなく、優しさもなく、身勝手で酷薄、いいのは顔だけというどうしようもなさ。
中学時代から続いているという弓弦に対しても酷い扱い。所有物…

1

告白 scent of declaration 小説

高遠春加  ひびき玲音 

幸せのかたち

作品中に漂う閉塞感に息苦しくなりました。

弓弦と計司の愛は閉鎖的で二人だけの世界で完結しています。
そんな二人の姿は健やかな世界の象徴である開には、
歪で不健康で見える反面……どこか少し憧れる部分もあるんでしょうね。
読者は開の気持ちにシンクロしやすいのではないかと思いました。
私はかなり開目線で読んだので、メインカップルの行く末が心配です。

十人十色とはよく言ったもので、人の…

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