高緒拾さんのレビュー一覧

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

バイオレンスなデビュー作

1冊ぜんぶ表題作です。雪洋(受け)の視点でストーリーは進みます。

初版2003年とのことで、水原先生のあとがきもイラストの高緒先生も初々しいです。そして、お二人の現在の活躍を予感させる見事な1冊です。

滅多にモノを欲しがらない。
一度欲しいと思ったものは、どんなことをしても手に入れる。
そのかわり、欲しいモノを手に入れるといつまでも大事にした。

そんな岡林(攻め)はカッコイイ…

3

イケナイ男 コミック

高緒拾  神室晶 

​ リアルな葛藤と夢が詰まっています!

​ ゲイビデオ業界を描いたお話は沢山ありますが、コミカルな中にもほどよくリアルが垣間見えるストーリーと、細やかな線なのに濃厚に描かれたエロが飛びっきりエロくて、ゲイビには興味がないのに、こんなビデオなら見てみたいと思っちゃいますよ!

・『イケナイ男』 
 所属している男優たちがそれぞれ良いキャラなんです。涼の初めての撮影相手になる真人と、涼が憧れる事務所きってのイケメンの達哉。勢いでこの業…

4

海鳴 コミック

高緒拾  神室晶 

海と波とノスタルジー

 飯島課長シリーズで有名な高緒&神室コンビはアホエロ系も突き抜けてエロくて大好きですが、それらとは一線を画すこちらの短編集は文学的でありながら、難しいストーリーは無く、それでいてとても余韻の残る秀作でした。

・『海鳴』
 田舎の島で暮らす高校生の尚吾と、美術教師として赴任してきた浅野。浅野に”心臓が破裂するかと思った”ほどの一目ぼれをした尚吾ですが…。
 『海鳴』と同時収録の『ラスト・キ…

4

ランブル・ラッシュ コミック

高緒拾  神室晶 

飯島課長、再登場!

 前作『秘密のくちづけ』に続き、バラエティーに富んだ短編集。定評のあるエロはパワーアップしています!高緒&神室コンビの描くエロは私の中で“淫靡なエロ”の3本指に入ります。「イヤラシイ」という言葉がぴったりくるエロです。5話のうち最初の3話はエロメイン、てかほぼエロ(笑)後半の2編がシリアスです。この2編がとても好きです。

・『ランブル・ラッシュ』
 飯島課長、再登場です!鉄道会社勤務の飯島…

3

秘密のくちづけ コミック

高緒拾  神室晶 

飯島課長伝説はここから始まった

​​ コミカルからダーク、シリアスまである振り幅の広い短編集ですが、お二方の描くエロは、とても淫靡でエロいです。大人のエロを求める方にお勧めの作品です。

・『秘密のくちづけ』
 甘くてコミカルな作品です。秘密のありそうな恋人が隠していたものは実は...と言うお話ですが、終始甘々です!秘密が足フェチなので、軽いお話なのにエロは足攻め有りで濃厚仕上げです。この二人の馴れ初めやその後は『ランブル…

3

悪癖でもしかたない 小説

中原一也  高緒拾 

主導権の奪い合い

経済ヤクザの鬼島と、ビジネスパートナーの伏見。
出きる経済ヤクザなのに、男喰い(しかも受)が半端ないという鬼島のキャラが面白かったです。

そして身内には手を出さないと決めていた鬼島も、仕事で刺激をくれる伏見についに男としての興味をもってしまいました。
負けず嫌いな二人の行為は、どちらが主導権を握るかの真剣勝負になってしまうから笑えます。
受けには受けなりの主導権の取り方があるんですね~…

2

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

死とエロスの境界線を描く

初めて木原小説にエロスを感じた作品です。作家さまの淡々としたリアルな作風が好きで、濡れ場も即物的な描き方なので、えっちで滾るBLというよりはそれを遥かに凌ぐ物語の独自性に思わず心奪われてしまうのですけれど、正直これまで読んでいてエロいなぁ…と思ったことはあまりなかったのですよね。(喘ぎ声に色っぽさを感じられない…。)

職場の上司と部下という関係で出会った大河内と青池。大河内は出世欲の塊で、今…

5

悪癖でもしかたない 小説

中原一也  高緒拾 

新渡戸よ、結婚してくれ・・

え、マジですか。この893ものが神評価1件だなんて・・
いや、すごい面白かったですよ!?淫乱受けで、男前で、893兄貴で!
妖艶で、淫乱でありながら、狂犬。そして仕手師。

株とか博徒の話は難しいとこもあるんですが、作者様のあとがき読んで、私は目から鱗の萌えに、初めて気付かされました。
言葉萌えです。
・・わかる!!
確かに萌える!!
何でも訳そうとしたり、どこの横文字だよ!?と、…

10

FRAGILE 小説

木原音瀬  高緒拾 

中途半端感が…

うーむ…私にはダメでした…
途中読んでて、あぁ〜もぅやめよっかなぁ〜と思いつつ、
けれどここまで来ると、救いがないと、どこかでこの状態を納得しないと自分の中で不快さだけで終わると思い…読んでました。
結局最後迄読んじゃったんですけど。
それ位、かなり重くて、どっと疲れる作品。
救いはなかったし、中途半端感あり。

どなたかのレビューにもありましたが、キムギドクのような世界、同感です。…

4

夏陰 -cain- 小説

水原とほる  高緒拾 

住む世界が違うってこういうこと

凄かったです。出会いから圧倒的理不尽w
普通に生きていた青年が、偶然ヤクザに見染められ強引に囲われるというお話はいかにもヤクザ物っぽいなと思います。
しかし、”住む世界が違う”ってこんなにも話が通じなくてこんなにも理不尽なのかというのがとてもよく伝わってきました。
一般人とヤクザ世界の隔たりがしっかり書かれているので、酷いと思いつつも心のどこかで納得していました。
カリスマ的ヤクザの親分の…

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