三田菱子さんのレビュー一覧

鼓ヶ淵 小説

三田菱子  いのまたむつみ 

上質な一冊

90年作。帯にルビー文庫創刊!とありました。新時代の夜明け、BLという素晴らしき大海原への船出みたいなパッションに溢れていたであろうBL黎明期を勝手に想像しました。

この作家は後書きにもあるようにジュネ(JUNE)で書かれていた方で、小説としてのクオリティがとても高く、文章が上手くて話も面白いので一気読みしました。文芸作品との差があまりないようでいてちゃんとBL。ジュネってパドエンが多いイメ…

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鼓ヶ淵 小説

三田菱子  いのまたむつみ 

ハラハラしながら読みました

「ジュネ」という言葉をリアルタイムで(ギリギリ)知らない世代なので、スニーカー文庫からこういう作品が出ていたのだなぁと感心しました。裏表紙に著者近影と生年月日がどどーんと載っていたのに時代を感じ、小中学校の図書館で小説を乱読していた日々を思い出しました…。

表題作「鼓ヶ淵」と、全く別のお話「ガーデンセール」が収録されています。

「鼓ヶ淵」は高校二年生の洋一郎と、同級生である雅美のお話で…

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鼓ヶ淵 小説

三田菱子  いのまたむつみ 

怖い…けど、凄い…

うひゃー、
こわかったよママン…

JUNE期の名作ですね。
耽美というよりは、全体的に陰鬱な作品でした。胸がモヤモヤする陰鬱さではなくチリチリする陰鬱さ。ゾクッとする場面が何ヵ所もあって、やたらと怖かったです。
ホラーです。
読んでるあいだ、たまらないほどの焦燥を感じてしまってました。
この時代の作品には、ガラガラポンの悲劇オチを持ってくる作品がやたらと多いから、スリルも半端ないんですよね。
エ…

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M この世で一番最後の夜 小説

三田菱子  いのまたむつみ 

耽美だ

耽美でした。
初版平成2年らしいです。
「これが昔のJUNE小説かァ」と思いながら興味深く読みました。
奇妙で分かりにくい話でしたが、おもしろかったです。今の時代なら、あり得ない話な気がする。

『M』というクラブを舞台にしたお話です。
オーナーが16歳の女装男子です。
ある目的のために、15歳の少年に近づき、仲良くなり、Mのピアニストとしてスカウトする。
最後の最後に真相が明らかになります。悲し…

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鼓ヶ淵 小説

三田菱子  いのまたむつみ 

耽美・幽美

BLCDが登場する以前、そう言う種類の
媒体として君臨していたのはサン出版より
でていた「カセットJUNE」でした。
表題作はそのかセットJUNE第一作の原作で
あります。このメディアミックスが無ければ
現在のBLCD隆盛も無かったでしょう。

物語のトーンはしっとりと耽美です。そして、
性描写も標準的ではありながらどこかに
湿り気を帯びた妖しいものとなっております。
JUNE…

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