茶鬼さんのレビュー一覧

愛玩人形 小説

剛しいら  小山田あみ 

人形から人間が自立するお話です。

同じ作家さんで「人のかたち」という人形師の話がありましたが、今回の人形師の話はまたちょっと違った切り口と展開で大変楽しめるものになっています。
ただ人形というのは、人の心を映すものなんだなという点は同じ位置づけであります。

主人公・琴耶は姫丸家の唯一の男子なのに両親の元から離されて祖父母の家で人形を造って、ほとんど引きこもりのような生活をしています。
話相手は人形だけというちょっと変わっ…

2

告白はフルコースのあとで 小説

うえだ真由  あさとえいり 

一年以上、一度も黒字が出たことない店ってすごいと思います。

今まで熱中するものもなく、それなりに上手くやってきてしまった感情表現の苦手なコンサルタントと、不遜で経営観念の薄い、でも信念の強いレストランオーナー。
最初のうち、どうやってこの二人がくっついていくんだろう?と心配でなりませんでしたが、初対面から二人の中だちに入る女性の存在などが伏線になり、どうにかハッピーエンドを迎えてほっとしました。
実はこの本、購入予定ではなく間違えてしまったものだったの…

1

千年ノ祈リ 小説

石原ひな子  翡月トウカ 

このヴァンパイヤものはがっつり骨があって男の世界って感じで好きです。

ヴァンパイアものも幾つか読んでいると、似ていたりとか甘いものが多かったり、飽きとか出てくるのです。
今回はゴスエロのタナトスからなので、しかも前回も吸血鬼モノでちょっとスベったこともあり、はっきり言って余り期待はしてなかったのですが、けっこうよかった。
というのも、エロに走り過ぎず、甘すぎず、結構男っぽさを残した硬派な仕上がりになっていたのが要因だと思いますね。
ぶっちゃけちゃうと、読んでい…

2

人でなしの恋 小説

かわい有美子  金ひかる 

親友への罪悪感が闇を呼び込んだのでしょうか?

不思議な感覚の本でした。
「人でなしの恋」あとがきで作者が”ロクデナシ感満載の題名”と言っておりますが、ロクデナシではないですね。
”人でなし”とは”人に非ず”の人でなしなのかしら?とも思い、、
そう、恋愛も入っていますが、主人公に霊感があり、そんなものも含めた話になっているのですよ。
作品のカラーは淡々としたセピアなくすんだ色彩。
さわやかでもなく、イライラでもなく、ぼんやりと綿をつか…

1

甘くてごめんね 小説

南原兼  旭炬 

嫁はケダモノ攻めでした

今回の南さんの”おにきゅん”はまたもや全寮制の学園ですが、今度はセレブじゃなくて庶民、しかもケーキ屋さんと和菓子屋さんの幼なじみ設定。
最初から最後までエロエロ~
まるで盛りのついた犬?自慰を覚えた猿?みたいな勢いで全ページ埋まっております!

家が隣同士で幼なじみ、昔から「僕は日向の嫁」と言い続けるのがケーキ屋の息子柊。
クリスマスイブ、プレゼントは僕♪といって初体験なのにガンガン攻め…

1

罪と罰の間 小説

綺月陣  AZ Pt.(AZ Pt ) 

本物のオヤジ受けですっ!!

読み終わって激しく興奮しております。
ほんまもんの「オヤジ受け」です♪
一流私大を出て、一流企業に勤めて、そこそこ出世して、女にも不自由せず、女房子供がいて、不遜で傲慢で、そんな男が会社ではその態度からリストラ対象に真っ先にされ、家庭を顧みなかったツケは同時に襲いかかり、妻子に捨てられる。
再就職もうまくいかず、有金もなくなり、自殺しようとする、外見もヒゲ面で疲れ果てた男、まさにオヤジですよ…

7

人のかたち 小説

剛しいら  小笠原宇紀 

魂が容れ物をえたことにより、その魂は永遠になる

”ひとのかたち”とかいて人形、その人形を作った人間サイドと、その人形のモデルになった人間サイド、その双方の物語が絡み合っていくこの小説は実に興味深く、面白く、のめり込ませました。
限りなく神に近い萌えです!

気が強く、奉公しても三日ともたない三次が口利きの才蔵から紹介された先は、人形師の立松の家での奉公でした。
皆に蔑まれ優しさというものを母親以外に与えてもらったことのない三次は、人とし…

4

美しい犬 小説

剛しいら  亜樹良のりかず 

”竹を割ったような”Hというのはおかしな比喩ですが

「美しい犬」題名や表紙カバーから連想されるものは、何だかちょっとエッチな感じでエロ?エロよね?と思うのですが、
読んでドスコイ!エチシーンはありますが甘くない、エロくない、こんな爽やかで、まさに”竹を割ったような”エチものは初めての経験かもしれません。何といっても受け様がほとんど喘ぎませんからネww
ガチンコではあるのですが、「イレサセロ!」勝負なガチンコじゃなくてどちらが犬か、といった性格ガ…

2

梔子島に罪は咲く 小説

綺月陣  高緒拾 

とことん堕ちるところまで堕ちるエロス

綺月さんのピアス作品はぶっとびエロがものすごいのだが、これもそうである。
この作品は当初はピアスに掲載だったのが休刊になった為、大洋図書さんからの登場となった異色作品です。
とにかくディープ!エロも半端ありません!
ストーリーにときめきや胸キュンや、感動や、そんなものは期待できず、とにかくSになって堕ちて行く主人公達を見てやりましょう的な、全編エロでしか構成されていない作品なので、その覚悟が…

8

ファーマーのたまご 小説

玉木ゆら  七海 

ダチョウに求愛される男

この方の本って、マンガを読んでるみたいな錯覚に陥るほどわかりやすい。
今回、七海さんのイラストも登場人物達にぴったりだったせいか、それらが頭の中で動いて物語を進めて行ってくれました。
そして何より胸がキュンキュンすること何度も訪れて、「青春っていいよな~」など柄にもなく懐かしんでしまいました。

舞台は農学部、主人公達は動物資源科学科という学科の学生です。
そうそう、大学って最初のオリテ…

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