茶鬼さんのレビュー一覧

妖狐な弟 小説

佐々木禎子  佳門サエコ 

タイトルのまま

超ブラコンの是枝兄弟。それには訳が!
弟の葉には耳と尻尾があるのです。
葉に何かあったときのため医学部を目指した兄の幹と、自分の生まれを知りたくて民俗学に興味のある葉。
本当は葉は尻尾や耳はコントロール出来るのですが、大好きなお兄ちゃんに誰かの臭いがつくのが嫌でわざとかまってもらいたくてやっているようなのです。

いかに彼らが思いやりを持っ兄弟であるかがずっと綴られます。
民俗学の准教…

5

年下の高校教師 小説

秀香穂里  三池ろむこ 

先生も生徒も成長するのです。

イイ話だったのですよ。
みんな自分に悩み、迷い、それは大人も生徒も同じなんだと、
ちょっと傲慢で上から目線で、愛していた男に振られたことがとてもショックだった国語の教師が、年下の体育教師とのふれあいで、受け持ちの生徒とのふれあいで、そんなことにきがついていく話。
思わず「贈る言葉」が流れてきそうな???
あまりにフィニッシュがきれいにきまりすぎて、思わずうろたえる読者。
よかったのに、萌…

4

恋いたまえっ! 小説

清白ミユキ  北沢きょう 

ガチンコ勝負、こだわりはソッチ?(笑)

時代設定は明治初期。
物の怪が跋扈して、人々は夜の外出を控え警察組織にモノノ怪対策の「特殊課」というのがあり、与力の家柄からその課の補佐をしている圭一郎が主人公。
彼の元へ「祓い屋派遣協会」から陰陽師の朱利がやってきたのが始まり。
この話のみせどころは、顔を合わせるとは言い合いばかりになったり殴りあったりするケンカップル仕様なところ。
そして攻め攻め攻防戦。
日頃退治する小物でない「鬼」…

4

雨の下の君に捧ぐ 小説

千地イチ  國沢智 

大人になるということ

既出作2作が、なんとなく青春群像作品という雰囲気を感じていたのですが
今回も若者の気持ちやあり方、それを表す主人公の描写がとてもリアルに身近に感じて
どっぷりと共感してしまい、逐一主人公達の気持ちにうんうん、わかるわかる!とうなずいておりました。
ふたを開けると今回もワンコ!?
しかし中々に受け攻め逆転な匂いもあり、リバの可能性もとても大なカプ。
とってもいい感じのお話に、読み終えたあと…

7

愛に終わりはないけれど 小説

中原一也  奈良千春 

最終章へのラストスパート

これでオヤジ開眼をさせられたという自分にとって憧れの最強オヤジ攻め斑目と
ドヤ街でほとんどボランティアのような診療所を開いて「医者」としての姿勢を貫く極貧だけどまっすぐな坂下医師の物語は、とうとう次の巻でラストになるようです。
今まで少し見えていた斑目が医者を辞めた理由に触れ、彼の師である久住という老医師の登場と、斑目が医師を辞めた原因にも繋がる医療過誤により亡くなった少年の兄が、ホームレス支…

9

片思い 小説

木原音瀬  伊東七つ生 

犬と猫、4人4様

比較的新しく腐の世界に入った身には、絶版の新装版は特に関連性のある作品が、とてつもなく分厚くなってしまったとしても一気に見られることは嬉しい。
旧版は桑原さんがイラストだったが、端正な絵柄で目を引く伊東七つ生さんのスタイリッシュなイラストになって今によみがえるのも新鮮です。
ただ、同時収録でそちらの方が評価が高かった作品はどうなるのか?ちょっと心残りもありながら・・・

【片思い】
猪突…

7

愛の在り処 小説

杏野朝水  スゥ 

二つの執着愛

杏野作品、どこか少しほの暗い部分があるのが好きです。
今回は前回のような驚きガッカリ感はどうかありませんように、、と願いながら。
これは、以外にも意表をつくものが実はありました。
二つの愛情。
それは似たようでいて、違うのです。
一瞬同じ種類のものか?とも思われるのですが、結末からも途中からもそれは見えてきます。
ただ、ここで個人の好みを出すと主人公が受け入れられるかられないか。
こ…

2

悪魔との赤ちゃん戦争 小説

樹生かなめ  加賀美炬 

父親がライバル

前作で、とんでもない魔力を持つアスタロトの子供を出産した俊介。
という出産・子育て編へとつにゅうした本シリーズは、今回の題名が「~赤ちゃん戦争」ということで何だろう?チビタと呼応するサタンの子供が何かあるのかしら?
と、次なる展開を期待いたしました。

内容的には、俊介の子供=チビアスタロト→チビタ(で定着♪)がママ大好き!!なお話でもあり、
チビタの強大でコントロールのできない魔界も展…

2

ぼくのスター 小説

一穂ミチ  コウキ。 

青春の象徴

最初読み始めたとき、今を時めくアイドル(AKBみたいな)の熱心なファン=ドルオタ。そんな男子がどうやって男子との恋愛ができるんだろう?
と不思議で仕方ありませんでした。
しかし、展開するにつれて彼が半ひきこもりになり、いあゆるアイドルに逃げた(この言い方が正しいかどうかはアレであるが、自分にはそう見えた)その理由が後半になり語られることにより、彼にはその素養はあったのだということは十分にわかり…

4

この恋、温めますか? 小説

浅見茉莉  三池ろむこ 

社会適応は子供でも、頭脳は明晰

スイスのボーディングスクールを出た、数学に突出した才能を持つ、金持ちの浮世離れしたような箱入りお坊ちゃんが、日本の大学に入学するにあたり一人暮らしをし、社会勉強にとコンビニでアルバイトを始めるのだが、そこの店長が好きになるお話。
この二人に立ちはだかる障害として、弟を溺愛する兄と、主人公を押し倒す程の執着愛を持っている弟が登場する。

何だか三池ろむこさんの絵がはまりすぎていて、これ、マンガ…

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