葡萄瓜さんのレビュー一覧

ねくたいや コミック

歩田川和果 

処変われど

歩田川さんがdear+から単行本を出す、と言う
事実だけでざわついた気持ちになったのは
評者だけでは無かろうと思います。
それこそ評者は帯の時点で相当に違和感を感じて
しまいました。確かにこれもすくい取られた
歩田川さんの言葉ではあるのですが、なんとなく
感触が違うと言うか。
ですがそう言う違和感も頁を進めて行く毎に薄らぎ、
ああ、いつもの面倒臭い歩田川さんの世界かと
納得しなが…

3

疑わしきは恋! コミック

永住香乃 

お気軽ランチ

表題作の尺はあっけない程に短いです。
前後編番外あわせても恐らく全ページの
三分の一に足りない感じ。
にもかかわらず好い味わいをしていますね。
DK…男子高校生ならではの限界と格好つけを
上手に描きつつ主題を掘り下げた良い味わいです。
そしてその付け合わせになっているのが併録作で
あるにもかかわらずシリーズ五篇構成になっている
『王子様』シリーズ。
そして表題作の前菜代わりに短編…

2

あいもかわらず コミック

鮎川ハル 

カウチポテト

帯の言葉はかなり激しいですが、作品文中で
かなり効果的に使われています。
味付け自体はかなり尖った感じになっていますが、
嫌味の無い歯応えなので概ねスナック感覚で
サクサクと行けるかと。

意外だったのは評者自身が2014年9月発行の
この一冊に何故か何かしらの郷愁を感じて
しまった事です。
そう言うネタが練り込まれている訳でもないのに
何故だろう…と思っていてさらりと読み返し…

2

トイレの王子様 コミック

タカハシマコ 

暗闇を一つまみ

2008年初出の作品から2013年初出の作品を経て
描き下ろしの最新作まで、寡作の中からようやく
拾い集めて成立した短編集。
ですがその腹持ちはと言えば…綿菓子を思わせる
装丁からは多分かけ離れている筈です。

そもそもタカハシさんの作品の中で円満な幸福と
言うのは実はかなり少なかったりします。
そう言う少し欠けた部分やずれの部分が色々な効果を
生みながら増殖し、やがて何かを導き…

3

強制女装男子 ~レンタル男の娘~ コミック

風雅ゆゆ 

読み方・味わい方

表題作の描き下ろし番外編を除く
表題作4話+併録作の初出が電子媒体で
ある為、濃い目で明快な味付けになって
しまうのは致し方ないでしょう。
それを承知の上で表題作を一気に読むの
ではなく4話連載形式であると捉え直して
読むと展開に新たな味わいを見出す事が
出来るかも知れません。
とは言え、タイトルで先ず違和感を覚えた方に
強く推して…とまでは行きませんね。残念ながら。

併録…

0

恋愛の掟 コミック

東城麻美 

時代の色

BL、或いはそれ以前の耽美JUNEと言うよりは
時代ががったレディースコミックの様な感覚で
展開されるこの一冊。
その感覚の匙加減故描写についても時にやや過剰な
部分があるのは否定出来ません。
版元さんが雑誌の色合いを手探りで決めつつあった
時代の作品でもありますし。

男女を安易に男同士に入れ替えた作品ではありません。
少なくとも評者はそう認識出来ています。
しかし、全体に漂…

1

腐男子クンのハニーデイズ コミック

淀川ゆお 

ガチリベンジを期待

詮無い仮定を承知で敢えて。
もしもこの作品群の初出媒体が紙媒体であったなら
腐男子と言う設定に切り込む事は出来たか否か。
……今にして思うと無理だったろうと思います。
この作者さん自身の問題ではなく、他の要因で。
腐男子と言う設定を活かす為にはある程度状況を
成熟させる必要があったのだろうと評者は思います。
進化深化した腐男子クンを見てみたい、と言う欲が
評者の中にはありますね。

2

溶けないうちにどうぞ コミック

深瀬アカネ(深瀬紅音) 

縛りから一歩

表題作シリーズを改めて読むと、CMソングを
作られる方の苦心が垣間見える様なそう言う
心地になりました。
変動させ様の無い舞台設定に外してはならない
決め言葉。
その上に更に個性を盛り込まないと唯一無二の
世界観が完成しない。
そう言う点で表題作は良い描き手に恵まれて
幸運だと言えるでしょう。
さり気なく配役に無駄のない所もこの作者さん
ならではです。

メインディッシュに…

0

ネクタイとカマキリ コミック

アユ・ヤマネ 

余白の陰影

この物語達は、本筋以外が割合に饒舌なので
読んでいて戸惑います。
本筋が饒舌なら節々だけを押さえて端折って
後からじっくり読み返そう、などと楽に棚上げも
出来るのですが、本筋が寡黙気味でともすれば
余白の余談がその補足に回っていたりする。
だから読み流した上で振り返ると意外な所の
ささくれに引っ掛かって前に進めなくなって
しまったりする。
素直な様でいて性悪なのだから始末に悪い。…

1

輝ける星 コミック

真柄うしろ 

あり得る弱さ

完全無欠な登場人物のいないBLなんて
興醒めで読みたくない、などと仰らずに
と薦めてみたい一冊です。
多分そこでツッコミの一つは来るでしょう。
このタイトルで完全無欠な登場人物の
いない物語は有り得ないだろうと。
評者はこう返すでしょう。
「自分自身を燃やして輝く星もある。
他の星が投げかける光を浴びて初めて
輝く事の出来る星もある」と。
輝きに対する回答は、一つではありますま…

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