葡萄瓜さんのレビュー一覧

この世のふたり コミック

夏目くも(くも) 

お待ち申し上げておりました

早売りが手に入りましたのでちょいと露払いを。

この作者さん、椹野道流さんとのタッグ以来
お久し振りと言う感じでございますね。
緻密な中に漂う何処かとぼけた味わいは健在です。

さてネタバレ防止と申し上げましてもこの作品、
粗筋自体で既にネタバレの様なものでございます。
強いて言えば作品のトーンが多分違うと言う事で
ございましょうか。
粗筋のまま進みますとレビュー内選択肢では

4

君の待ってるコンビニへ コミック

フジマコ 

甘口カレーの良い後味

帯も帯だしどうせエロエロで押し切るつもり
なんでしょとお下品な気持ちでページを開いて
読み進めたら綺麗に裏切られて一本背負いを
喰らいました。
受の雄々しさと攻の女々しさを上手く遣って
ここまで読ませて戴ければ本当に満腹です。
勢いだけかなと思うと要所要所がきちんと
どっしりしているので上滑りしてないんですね。
だから読み直してみてもブレなく美味しく戴ける。
表題作と併録作、リバ…

4

KOH-BOKU コミック

未散ソノオ 

中庸な美味

決して凡打な作品ではありません。
評者の守備範囲の中ではかなりの美味な部類の
作品なのですが、美味から先に突きぬけてない。
さらっと描いておられますが話自体を吟味すると
結構胃にもたれる内容なので絵柄はそれを
相殺していて丁度良いかなと思えました。
ある意味これ以上熟成しようのない物語では
あるんですよね。余程の転換でも発生しない限り。
ちょっと下品な言い方をすればぬるま湯が
ず…

3

その胸の赤を コミック

黒田リサ 

鍵となる赤

波乱含みの内容を上手く淡々と描ききった、
そう言う作品だと評者は読み取りました。
淡々とした理路整然の中に句読点として
折々に登場するトマト。
その意味する所は物語の中でさりげなく
語られていて、総タイトルに更なる深みを
与えています。
カバーと帯の赤のさりげない違いは偶然の
産物なのでしょうが、そこにも何かが込められて
いるのだろうかとふと考えてしまいます。
同じ赤。でも違う…

3

恋は仮面の内側に コミック

ムネヤマヨシミ 

ものの見事に

仮面と言う小道具を実に効果的に用いた物語でした。
出発点が出発点だっただけに真っ直ぐなんですね。
ひたすら真っ直ぐ。そしてその真っ直ぐな気持ちを
そのまま恋にスライドさせて繰り出して来るものだから
傍観者になる読者の立場としてはのた打ち回る程
気恥ずかしくてたまらない。
斜に構えた傍観者として居られたらああしてこうしてと
あらぬ方向に補完する事も容易いのでしょうけど、
……ああ駄目…

2

笑顔の予感 小説

小林蒼  如月弘鷹 

ノリ反り加減

終始受の視点で語られる物語ですので、
先ずその時点でノリが合うかどうかの
関門が待ち受けています。
BLと言うよりは一人称で進行する
ライトノベルノリだと思ってみれば
結構ノリ易いかも知れませんね。
何しろ初出が20年近く前、ボーイズラブと
言う言葉が独占コピーから共有認識として
使われる様になってから間もない頃の
作品ですので殊更に明朗さを前面に
押し出してと言う風潮もありま…

0

恋する雀荘 コミック

星月メテオ 

そうしてこうなった

カバー袖の作者さんの自己紹介が気になり
さらりと検索をかけ、静かに納得した評者です。
しれっと話を振ったご自身が詳細明記を避けて
いる以上ここでも記述致しませんが、一脈通じる
ものはしかと感じました。
人間、想いを拗らせてしまった以上は暴走も
したくなるものです。
で、拗らせた成果のこの一冊ですが…こう言っては
何ですが、このレーベルから出た本であるにも
拘らずときめきを覚えまし…

1

銀河鉄道通信 小説

仙道はるか  沢路きえ 

静かに重い

講談社X文庫ホワイトハートのラベンダー帯は
耽美と言うには軽いけれどもBLとしては重いと
言う部類の話が多い、と評者は勝手に思っています。
この作品もそのレーベルの特色を体現した
結構手強い存在です。

タイトルからして既に色々な背景を背負っている
この作品。紐解くと更に背負っているものが多く、
読んで心が軽くなるBLを求めている方には不向きで
あるやも知れません。
ただ、あと…

1

蝶よ花よ恋よ! コミック

立野真琴 

何処かで活きる杵柄

現物を某所に寄贈した為レビューのみにて失礼します。

この作品を読了した後、立野さんが描いていらっしゃった
家族を題材にした少女漫画をふと連想しました。
思い返してみるとその作品も部品の構成がよく似ているの
ですね。その部品を使ってBLを構築してみたらこうなって
ああなったと思うと「あ、成程」と腑に落ちました。
むしろBLだからと言う事で少女漫画では自粛せざるを
得なかったネタが楽…

1

片想いラブ・ゲーム(表題作 恋の戦シリーズ) コミック

淀川ゆお 

しっくり

スタンダードなBLをエロゲの手法で展開し、
成功したのではないかと思われる一例です。
枠組みに捉われない事で本質を引き出したと
言う感がありとも美味しく感じられます。
電子媒体が初出ですので露出の加減が際立って
しまうのは現状では多分致し方ない事でしょう。
そこに甘えて作品に対し手を抜いたら
本当に駄目な訳ですが、そこをきちんと向き合って
誠実に物語として仕上げようとなさっているの…

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