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夏目くも(くも)
葡萄瓜
早売りが手に入りましたのでちょいと露払いを。 この作者さん、椹野道流さんとのタッグ以来 お久し振りと言う感じでございますね。 緻密な中に漂う何処かとぼけた味わいは健在です。 さてネタバレ防止と申し上げましてもこの作品、 粗筋自体で既にネタバレの様なものでございます。 強いて言えば作品のトーンが多分違うと言う事で ございましょうか。 粗筋のまま進みますとレビュー内選択肢では …
フジマコ
帯も帯だしどうせエロエロで押し切るつもり なんでしょとお下品な気持ちでページを開いて 読み進めたら綺麗に裏切られて一本背負いを 喰らいました。 受の雄々しさと攻の女々しさを上手く遣って ここまで読ませて戴ければ本当に満腹です。 勢いだけかなと思うと要所要所がきちんと どっしりしているので上滑りしてないんですね。 だから読み直してみてもブレなく美味しく戴ける。 表題作と併録作、リバ…
未散ソノオ
決して凡打な作品ではありません。 評者の守備範囲の中ではかなりの美味な部類の 作品なのですが、美味から先に突きぬけてない。 さらっと描いておられますが話自体を吟味すると 結構胃にもたれる内容なので絵柄はそれを 相殺していて丁度良いかなと思えました。 ある意味これ以上熟成しようのない物語では あるんですよね。余程の転換でも発生しない限り。 ちょっと下品な言い方をすればぬるま湯が ず…
黒田リサ
波乱含みの内容を上手く淡々と描ききった、 そう言う作品だと評者は読み取りました。 淡々とした理路整然の中に句読点として 折々に登場するトマト。 その意味する所は物語の中でさりげなく 語られていて、総タイトルに更なる深みを 与えています。 カバーと帯の赤のさりげない違いは偶然の 産物なのでしょうが、そこにも何かが込められて いるのだろうかとふと考えてしまいます。 同じ赤。でも違う…
ムネヤマヨシミ
仮面と言う小道具を実に効果的に用いた物語でした。 出発点が出発点だっただけに真っ直ぐなんですね。 ひたすら真っ直ぐ。そしてその真っ直ぐな気持ちを そのまま恋にスライドさせて繰り出して来るものだから 傍観者になる読者の立場としてはのた打ち回る程 気恥ずかしくてたまらない。 斜に構えた傍観者として居られたらああしてこうしてと あらぬ方向に補完する事も容易いのでしょうけど、 ……ああ駄目…
小林蒼 如月弘鷹
終始受の視点で語られる物語ですので、 先ずその時点でノリが合うかどうかの 関門が待ち受けています。 BLと言うよりは一人称で進行する ライトノベルノリだと思ってみれば 結構ノリ易いかも知れませんね。 何しろ初出が20年近く前、ボーイズラブと 言う言葉が独占コピーから共有認識として 使われる様になってから間もない頃の 作品ですので殊更に明朗さを前面に 押し出してと言う風潮もありま…
星月メテオ
カバー袖の作者さんの自己紹介が気になり さらりと検索をかけ、静かに納得した評者です。 しれっと話を振ったご自身が詳細明記を避けて いる以上ここでも記述致しませんが、一脈通じる ものはしかと感じました。 人間、想いを拗らせてしまった以上は暴走も したくなるものです。 で、拗らせた成果のこの一冊ですが…こう言っては 何ですが、このレーベルから出た本であるにも 拘らずときめきを覚えまし…
仙道はるか 沢路きえ
講談社X文庫ホワイトハートのラベンダー帯は 耽美と言うには軽いけれどもBLとしては重いと 言う部類の話が多い、と評者は勝手に思っています。 この作品もそのレーベルの特色を体現した 結構手強い存在です。 タイトルからして既に色々な背景を背負っている この作品。紐解くと更に背負っているものが多く、 読んで心が軽くなるBLを求めている方には不向きで あるやも知れません。 ただ、あと…
立野真琴
現物を某所に寄贈した為レビューのみにて失礼します。 この作品を読了した後、立野さんが描いていらっしゃった 家族を題材にした少女漫画をふと連想しました。 思い返してみるとその作品も部品の構成がよく似ているの ですね。その部品を使ってBLを構築してみたらこうなって ああなったと思うと「あ、成程」と腑に落ちました。 むしろBLだからと言う事で少女漫画では自粛せざるを 得なかったネタが楽…
淀川ゆお
スタンダードなBLをエロゲの手法で展開し、 成功したのではないかと思われる一例です。 枠組みに捉われない事で本質を引き出したと 言う感がありとも美味しく感じられます。 電子媒体が初出ですので露出の加減が際立って しまうのは現状では多分致し方ない事でしょう。 そこに甘えて作品に対し手を抜いたら 本当に駄目な訳ですが、そこをきちんと向き合って 誠実に物語として仕上げようとなさっているの…