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53/138(合計:1371件)
仲村留海
葡萄瓜
所詮所有物と飼い主の関係だと嘯いていた 攻の仮面が崩れてゆく巻です。 受の耽溺加減と直向さが増してきているのに、 攻はそれを上手く受け止める事が出来ない。 変化している筈の自分の気持ちに、攻自身が ついて行けていないが故に次の幕が不本意にも 上がってしまう。そう言う展開です。 番外編は受攻を見守る医者の少年時代。 彼は痛みを知る者として存在して居ます。
イシノアヤ
内容は多分殆どの人の口に合う筈です。 障害になるとすれば絵柄なのですが、 厄介な事にこれ等の物語はこの絵で 語られないと説得力が多分半減します。 作り込まれた華美ではなく、叫び出す様な 殴り描きではなく、ただありあわせの紙に さらりと描かれた様なスケッチの累積。 心情を整理する為のスケッチは、時に 意気込んで作られた芸術より雄弁なのです。
佐藤真理乃
ネタバレ
表立ったBL展開が無かった分だけ 結末の重みが増してきます。 実はこの後に(恐らく商業誌未収録の) 番外編が存在しております。 その一編も収録されていれば、評者は この巻の展開を「BL」と区分したでしょう。 只それはこの作品にとって諸刃の剣に なったのかも知れません。 友情の中に潜む恋の様なもの、それが 恐らくこの作品の主題なのですから。
多少普通の波乱を含んではおりますので、 まだこの巻までは普通の少女漫画であると 強弁できるでしょう。 かなり危ういバランスではありますが、 この時までは確かに友情しかなかったの ですから。
余り顧みられていない感がありますが、 BL初期の佳作として挙げられてもおかしくは ないのではないかと評者が愚考する作品です。 登場人物総当たり戦ではないという部分で 傾向をお察し戴きたく。 現在ならば恐らく然るべき専門誌に収録された のでしょう。 同時収録の「ピーターパン・ランナウェイ」は 別単行本の表題作「You Give Love A Badname」に 呼応する内容です…
中田雅喜
改めて記録を残す為にシリーズを再読したのですが、 この巻は4巻目「牡牛座の恋人」以上にシリーズの枠から 外れています。 少なくとも違うのは、この巻所収作品の初出に「JUNE」の 影が一切ない事です。 この巻の出版レーベルがあすかコミックスDXではなく あすかコミックスCL-DXだったならば、この後の展開も また変わったのでしょうか。 図らずもシリーズの立ち位置の明暗を分けてしま…
シリーズの前3巻とはがらりと違う展開が 試みられています。 それだけJUNEと言う展開方法を手中に された、と言う事なのでしょう。 只、読者として「この巻はシリーズ本編 なのか」と問われると即答はしかねます。 強弁すれば本編と言えるでしょう。 むしろこの巻から外伝と銘打つなりした方が まだ混乱は少なかったかと愚考します。 萌えは充分ございますけどね。
語り口は洒脱でありながら内包する主題が 実に重厚な物語です。 その重みがJUNEと良く合ったのかも知れません。 主役級の二人が大人になってからのコメディは 今風で言えばキャッキャウフフと思って戴ければ 程好いかと。 それとても裏主題は存外重いのですが。 読み切りの時代劇は作者さんの趣味と幼児体験が しっかりでたものかと。 その辺りを読み解くにはこの方のエッセイ漫画 「純…
いくしまみつぐ
後一押しでどうにかなりそうなのに全然進展しない関係で 見事にラブコメを成立させた一例です。 ここまで鮮やかなお預けの連続はまだ現れておりませんね。 BLの文脈の中で敢えて肌色を使わずにピンクを醸し出した 偉業は見事としか言えません。
ハルノ宵子
本編の描かれぬ外伝自体そうそう珍しい 存在でもありますまいが。 JUNE掲載故にノルマとして性描写を割り込ませた、 と言う訳ではなくあくまでも流れの中で自然と 肌が重なる、そう言う展開が全編にございます。 久々に読み返して懐古に浸ってしまうかな、と 吾が事ながら危惧しておりましたが、存外すんなりと 作品世界に浸る事が出来ました。 佳作には経年劣化なぞ無縁の様でございます。