葡萄瓜さんのレビュー一覧

擒縛の檻(2) コミック

仲村留海 

所詮、の筈

所詮所有物と飼い主の関係だと嘯いていた
攻の仮面が崩れてゆく巻です。
受の耽溺加減と直向さが増してきているのに、
攻はそれを上手く受け止める事が出来ない。
変化している筈の自分の気持ちに、攻自身が
ついて行けていないが故に次の幕が不本意にも
上がってしまう。そう言う展開です。

番外編は受攻を見守る医者の少年時代。
彼は痛みを知る者として存在して居ます。

1

君に沈む コミック

イシノアヤ 

間を語る

内容は多分殆どの人の口に合う筈です。
障害になるとすれば絵柄なのですが、
厄介な事にこれ等の物語はこの絵で
語られないと説得力が多分半減します。
作り込まれた華美ではなく、叫び出す様な
殴り描きではなく、ただありあわせの紙に
さらりと描かれた様なスケッチの累積。

心情を整理する為のスケッチは、時に
意気込んで作られた芸術より雄弁なのです。

7
非BL作品

友情 -Dear Friend-Ⅲ コミック

佐藤真理乃 

軽やかで重く

表立ったBL展開が無かった分だけ
結末の重みが増してきます。

実はこの後に(恐らく商業誌未収録の)
番外編が存在しております。
その一編も収録されていれば、評者は
この巻の展開を「BL」と区分したでしょう。
只それはこの作品にとって諸刃の剣に
なったのかも知れません。

友情の中に潜む恋の様なもの、それが
恐らくこの作品の主題なのですから。

0
非BL作品

友情 -Dear Friend-II コミック

佐藤真理乃 

まだとりあえずは

多少普通の波乱を含んではおりますので、
まだこの巻までは普通の少女漫画であると
強弁できるでしょう。

かなり危ういバランスではありますが、
この時までは確かに友情しかなかったの
ですから。

0
非BL作品

友情 -Dear Friend- コミック

佐藤真理乃 

初期の面影

余り顧みられていない感がありますが、
BL初期の佳作として挙げられてもおかしくは
ないのではないかと評者が愚考する作品です。
登場人物総当たり戦ではないという部分で
傾向をお察し戴きたく。
現在ならば恐らく然るべき専門誌に収録された
のでしょう。

同時収録の「ピーターパン・ランナウェイ」は
別単行本の表題作「You Give Love A Badname」に
呼応する内容です…

0
非BL作品

魚座の騎士(ナイト) 剣と翔平シリーズ 5 コミック

中田雅喜 

せめて…

改めて記録を残す為にシリーズを再読したのですが、
この巻は4巻目「牡牛座の恋人」以上にシリーズの枠から
外れています。
少なくとも違うのは、この巻所収作品の初出に「JUNE」の
影が一切ない事です。
この巻の出版レーベルがあすかコミックスDXではなく
あすかコミックスCL-DXだったならば、この後の展開も
また変わったのでしょうか。

図らずもシリーズの立ち位置の明暗を分けてしま…

1
非BL作品

牡牛座の恋人 剣と翔平シリーズ(4) コミック

中田雅喜 

毛色違い

シリーズの前3巻とはがらりと違う展開が
試みられています。
それだけJUNEと言う展開方法を手中に
された、と言う事なのでしょう。

只、読者として「この巻はシリーズ本編
なのか」と問われると即答はしかねます。
強弁すれば本編と言えるでしょう。
むしろこの巻から外伝と銘打つなりした方が
まだ混乱は少なかったかと愚考します。
萌えは充分ございますけどね。

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非BL作品

双子座の天使 剣と翔平シリーズ(3) コミック

中田雅喜 

重く、軽やか

語り口は洒脱でありながら内包する主題が
実に重厚な物語です。
その重みがJUNEと良く合ったのかも知れません。

主役級の二人が大人になってからのコメディは
今風で言えばキャッキャウフフと思って戴ければ
程好いかと。
それとても裏主題は存外重いのですが。

読み切りの時代劇は作者さんの趣味と幼児体験が
しっかりでたものかと。
その辺りを読み解くにはこの方のエッセイ漫画
「純…

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キスより簡単 コミック

いくしまみつぐ 

至芸のお預け

後一押しでどうにかなりそうなのに全然進展しない関係で
見事にラブコメを成立させた一例です。
ここまで鮮やかなお預けの連続はまだ現れておりませんね。
BLの文脈の中で敢えて肌色を使わずにピンクを醸し出した
偉業は見事としか言えません。

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アスリエル物語 1 コミック

ハルノ宵子 

外伝、との事

本編の描かれぬ外伝自体そうそう珍しい
存在でもありますまいが。

JUNE掲載故にノルマとして性描写を割り込ませた、
と言う訳ではなくあくまでも流れの中で自然と
肌が重なる、そう言う展開が全編にございます。

久々に読み返して懐古に浸ってしまうかな、と
吾が事ながら危惧しておりましたが、存外すんなりと
作品世界に浸る事が出来ました。
佳作には経年劣化なぞ無縁の様でございます。

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