葡萄瓜さんのレビュー一覧

けだもののお医者さん コミック

堀井甚五郎 

欲情・感情・理性抜き

医者として患蓄を癒しながら男としてはMを飼い慣らす
…と書けばどう言う強面が登場するかと期待されそう
ですが、この主人公はどちらかと言えば筋肉質ながら
優男です。
そう言う男が無自覚のまま幼馴染に惚れてしまうと
どういう変化を起こすかと言うのが実は表題作の
もう一つの見せ場となる訳ですが、これ以上は記し
ますまい。
一つだけ補足すればその幼馴染、奈良原巌はきちんと
表紙に登場して…

1
二次創作

フジミ協奏曲 第一楽章(アンソロジー著者他複数) コミック

案外すんなり

例えばあなたがフジミ関連作品を読もうとして、
何から手をつけて良いのか判らない、と迷った
時に手に取ると程好い一冊なのではないか、と
評者は愚考します。
フジミと言うシリーズを読む場合、作品の世界観に
通暁しているに越した事は無いのでしょうが、
それだと一見さんが結構迷ってしまう。
この一冊は言わばリトマス試験紙です。
これを読んで肌に合わないと思えば引き返せば
良いし、合うと思…

1

愛し愛され僕らは生きてく コミック

葵彰 

原点

この作者さん(黄上恵理さん)がこの名義(葵彰)で
活動していた、と記憶されている方は今となっては
かなり少ないのではないかと想像します。

改名は、作風になんら影響を与えていない感じですね。
強いて言えば描線のタッチが少し変化した程度で、
物語の展開としてはこの本の時点で既に完成して
いるだろうと愚考します。

想いと体液描写を等しい程度に濃厚にするのは、
簡単な様で難しきもの…

0
二次創作

七福神擬人化 「7's HAPPY MAN」 コミック

出来れば補完まで

良い意味で思い切り裏切られた一冊です。

評者はこの本を最初見くびっていたのです。
時流の便乗品とか(絵柄から推定するに)
恐らくはぬるいギャグ仕立てだろう、と。

読み通してみると歯応えは全く違いました。
この本にまとまった部分では笑いで流せる様に
構成されていますが、それでも重い通奏低音が
あります。その重い部分と言うのが実に味わい
深いのです。
脇に登場する女性陣の心情…

2

ニッポン擬人化ハイパー(アンソロジー著者等複数) コミック

何と言うかゴメンナサイ

前巻の『ニッポン擬人化』が微妙な味わいであっただけに
この「ハイパー」と言うのがどの方向に作用するのだろうかと
一抹の不安を覚えつつ読み終えました。

……どうせ中途半端に続編とか新作とか混ぜるならば、
作家さん総入替で新しい面を開拓した方が良かったんじゃ
ないでしょうか?前巻以上に迷走加減が激しい気がします。

矢張りキャラクター造形が統一されていないと、根底の
部分が揺らいで…

2

ショタミサイル コミック

月森泉 

男性向け注意

レビューの前にお断りします。
作者さんは後書きもそのまま信じるならば男性です。
そして初出掲載誌の凡そを占める「BOY MEETS BOY」は
男性読者に照準を合わせたショタアンソロジーでした。
男性による男性の為のショタ…と言う部分で少しでも
違和感を感じられるのならば強いて接近なさらない方が
良いでしょう。この本とあなたの為に。

と、こんな大仰な前書きを書いたのには理由があり…

6

experience コミック

松崎司 

外れない箍

全体的に主題を無難にこなしましたよと言う感じで、
今一つ切れが鈍い感じを否めません。
それも道理で後書きを視ると収録作を描いた期間が
どうも作者さんにとって厄年に当たっていたらしく…
筆のノリが悪いとはこういう事なのか、としみじみ感じ
ました。

それでも恥らうおっさんを描く手腕が一切落ちて
いないのは流石でございますが。

2

MOONY ~桜花寮トリロジー~ コミック

宮本佳野 

不器用な距離

距離感から恋に近い状態に陥ってしまった
野郎どもの群像劇、と言うのが一番適切な
表現かと思われます。
行為そのものの描写は殆ど無く、その前後の
煩悶で深い所を語るという進行ですので、
物足りないと思う方もいらっしゃるかと思われ
ますが、じわじわと後味が来ます。
道理と言えば道理で初出の大半が小説JUNE
なのですね。だからそう言う問わず語りの
空気がどこかにある。
表題作の大元…

2

隅田川心中 コミック

たうみまゆ 

多分これは愛ではなく

この本に納められている関係を愛だなどと
言ったら塩どころかゴルフボール大の岩塩を
容赦なくぶつけられそうな、そう言うつるみ合い
ばかりを描いた短編集と受け取りました。

つるみ合い、正につるみ合いですね。
傷を舐め合うという状況よりは少し心が近いけど、
それでも愛と言い切るには些か足下が危うい、
そう言う関係。
その中でも表題作の一連は一番ボーイズラブに
近いんじゃなかろうかと…

2

週刊ダイヤ主水 コミック

あくつめい太 

緩々ヒモノスラップスティック

若しかしたら三国志が題材になっていたかも
知れないと言うこの作品。
単純なギャグ漫画と言う認識をされそうですが、
ボーイズラブの観点が根底にあると考えないと
正直笑い難いかと思われます。
シリアスな作風でリライトしたと仮定したら、
属性の多さ故相当豪華な内容になりますので。

贅沢を言えば、このノリで是非三国志新釈を
やって戴きたく。多分その際はしみじみとした
感慨も味わえる筈…

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