葡萄瓜さんのレビュー一覧

AD(アド)コンプレックス 1 小説

岩本薫  蔵王大志 

ポイントが関門

2004年にビーボーイノベルズとして刊行された作品の文庫化です。
会社の吸収合併や社内の軋轢などを描く物語の背景は皮肉にも
この一冊に時事性と再びの新鮮さを与えた、と評者は感じます。

さて、この一冊を読み通す時に一つ必要不可欠なものがあります。
それは受に対する惜しみない慈愛のまなざしです。正直この受を
いかなる状況下でも愛する事が出来ないと物語を読み進める事に
挫折します。
評…

3

キミログ 小説

高将にぐん  室木チカ 

完熟寸前の愛しさ

性描写無しで恋の暴走を描き出す事は
何処まで可能なんでしょう?
ここまで暴走しているのに純情で清らかな
関係描写には中々お目にかかれるものでは
ないでしょうね。

ネットを知っていれば判る描写を織り込んだ
小説は存在するでしょう。
でもその描写を古びたものと感じさせず活き活きと
恋の描写に使えると言う事もまた滅多には
無いでしょう。

で、その暴走に挿絵でトドメをさすのです…

11

筋肉男 vol.8(アンソロジー著者他複数) コミック

脂はのる

先ず一点。古屋支那さんのコラム休載に
ついての説明は何処にもございません。
編集後記に漫画家さん御一方が休筆
されると言及されては居りますが。

冒頭に置かれた田亀源五郎さんの戦国
ものから始まり、かなり濃密な味わいの巻と
思われます。
それ故、好き嫌いがどうしても分かれましょう。

2

BATTLE×PRINCESS!! コミック

反島津小太郎 

皮肉なもので…

もしもこの作品に『C!!』の様な切れ味を期待されて
いる方がいらっしゃったとしたら、先入観は捨てた方が
御身の為と評者は囁きましょう。
……斯く言う評者も少しは期待していたのです。
全く新しい反島津小太郎スタイルを観る事が出来る
ものと。そう言う意味では拍子抜けでした。
致し方ございませんけどね。初出媒体が携帯電話
配信コミックスです。『C!!』の延長線上のスタイルを
求められても…

1

玉仙坊夜話(ギョクセンボウヤワ) コミック

蓮見桃衣 

さらりと濃厚

濡れ場の方が淡々と進行し、さり気ない日常の中に
誘われる要素が忍ばせてある中々に油断の出来ない
短編集です。
描線にどぎつい癖がないのでどの様な時代背景の
物語でも描けてしまうのは大きな武器でしょう。

淡々とした空気の中に潜む熱をお楽しみ下さい。

0

還らない夏 コミック

黒川あづさ 

淡々と

淡々と濃厚な一冊でございました。

表題作シリーズは、重いですね。
常に喪失感が付きまとい、そして哀しい色で
埋められてゆく。最終的に愛情で埋められるに
しても、そこには一片の陰りが確実に混じる
のでしょう。

佐藤えり子名義で発表されていた二編は、
初出誌(「manga純一」光彩書房刊)の性格に
合わせたものなのでしょう。
あの雑誌はそう言う描写が結構明け透けでしたし。

1
二次創作

えい吉 コミック

えい吉 

統一感

全編D.Gray-manの二次創作で統一され、
ほぼ時間軸通りの構成となっていると
見受けられますので困惑せず読み進める
事が出来ます。

ヘタレなラビを愛玩する方にはお奨めして
よろしいのではないでしょうか。

0

おそらでガーデン* コミック

桑原祐子 

BL家族

家族を作るには愛情が必要だとかそうでないとか。
神様が家族を作る事で得たかったのは…愛情と
言うよりは本作を読む限りノリツッコミであった様な
気が致します。
性描写一切無しでBLによる擬似家族を描き出す、
と言うのは易しい様で難しい事かと。

併録シリーズにもBL要素はうっすらとあるのですが
…番外編で漸くほんのり色付いたと言う感じですね。

1

君の隣に在るために コミック

恭屋鮎美 

変遷過程

著者表示に同人誌での名義「右恭介」が添え書きされて
あるのでそちらの名義で発表された作品かと思いましたが
現時点での確認の限りではそうではない様です。
単行本化の際、同人誌から入った方が手にとり易い様にと
添え書きされたものでしょうか。

体躯の描き方に経年変化はございますが、展開される
画面の賑やかさは相変わらずと言う感じでございますね。
これは最早持ち味の域に入るものでしょう。…

0

愛人いちまんえん コミック

Dr.天 

普通の御伽噺

総てを無くして行った過程で疲れてしまった男が、
ペットとして飼われる過程で少しずつ人間として
再生して行くと言う御伽噺。
それは傍から見れば御都合主義の物語なのかも
知れません。或いはシンデレラ物語の変形だ、とも。

しかしこの物語はそこに笑いと言う要素を挟み込む
事で溺れてしまう程深くなりそうな空気を緩和し、
登場人物が自分の理性でその足を向ける先について
思考する様に仕向けて…

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