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広告プランナーたちの恋とバトル
電子書籍を購入。
挿し絵あり、あとがきなし。
1から3まで、まとめての感想です。
一言でいえば、お仕事もの。
それに、攻めと受けの恋愛を絡めたあらすじから予想される王道な展開です。
それぞれ、クライアント(プレゼン)毎に章が分けられ、受け視点で話は進んでいきます。
なかなか、お仕事描写もしっかりしていて楽しい。
巻末には、1と3には攻め視点のSS、2には受け視点のSSが収録されています。
オフィスラブの王道展開。
優等生な完璧な攻めが、受けにだけ、俺様横暴。
遊び人を気取ってる受けは、実は恋愛経験皆無のまっさらなチェリーボーイ。
受けの無垢な体は、攻めのテクで快楽に拓かれていき、反発しかなかった心も、仕事を通して信頼と愛を深めていく。
特筆すべき点はありませんが、肩の力をぬいてさらりと読むことができました。
2004年にビーボーイノベルズとして刊行された作品の文庫化です。
会社の吸収合併や社内の軋轢などを描く物語の背景は皮肉にも
この一冊に時事性と再びの新鮮さを与えた、と評者は感じます。
さて、この一冊を読み通す時に一つ必要不可欠なものがあります。
それは受に対する惜しみない慈愛のまなざしです。正直この受を
いかなる状況下でも愛する事が出来ないと物語を読み進める事に
挫折します。
評者の好みも入っている事を自認した上で敢えて申し上げれば、
この受は『愛すべきバカ』とは少し遠い所にいがちな子なのです。
そこを含んで読み進めないと、物語の美味しい部分を読み損ねる
事になろうかと。
ではこの子が愛すべきバカならば読み易かったか?それも否。
この子が難しい加減のおバカだからこそ、この物語は精細を得るの
です。だからなんだかんだ言って評者も萌えを感じる訳でして、ハイ。
受けの有栖(ありす)は、甘いマスクに明るい性格、社内人気NO.1のモテモテ君。
でも実は27にもなってまさかのチェリーボーイw
攻めの世羅(せら)は有栖が勤める会社を合併吸収した相手方の会社から送られてきた切れ者エリート。
今までの有栖の地位(モテモテ独走態勢w)をあっさりと覆してしまいます。
勝気なにゃんこみたいな有栖、一生懸命世羅に噛み付いてますが人生最大のヒミツ(未だに童貞w)を知られてしまってピ~~~ンチ!(笑)
足掻いて爪を立ててフ~ッフ~ッ威嚇しておりますが世良に良いようにあしらわれてるような・・・。
このやり取りが非常に可愛らしく面白いです。
恋愛初心者の有栖の反応もいちいち可愛らしくって萌え心をくすぐってくれます。
いつも一生懸命で努力家の有栖に徐々に本気になっていく世羅、ギャーギャー噛み付きながらも世羅に惹かれていく有栖、でも彼には何やら秘密が多すぎて・・・。
Hはそれなりにあったような・・・。
(あの挿絵はちょっと他人に見られたらヤバイw)
ただ、この1巻では最後までは致してません。
オフィスラブものの面白い点は恋愛と仕事が絡み合うことでしょう。
仕事が広告代理店という舞台にあってその内容はフィクションとはいえ現実的でその業界で働くことの面白さなんてのも恋愛抜きにキャラをとおして伝わってくるよい物語です。
受けの有栖は、仕事もがんばる、まっすぐタイプ、プライド高いカワイコちゃんです。さながらドーベルマン(世羅)に小さいながらも刃向かっていく
小型犬のような・・・
恋愛だけでなく働く業界にも理解や興味をもてる方には楽しく読めると思います。