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テーマがエロスの新作を書く事となったベストセラー作家。
新担当である童貞編集者・柊は、自分の身体を張ってインスピレーションを得てもらおうと奮闘しー・・・と言ったお話。
こう書くとエロメインに思えそうですが、いや、実際エロ多めですが、二人のスレ違いがなんともジレジレさせてくれる王道の片思いものでした。
ストーリーとしては先の展開まで読めちゃってと、もうひとつ捻りが欲しい方には物足りないかもしれないんですけど。
ただ、一生懸命なのにどこかズレてる受けだったり、俺様なのに妙に子供っぽい部分があってヤキモチ焼きの攻めだったりと、なんともキャラが魅力的なんですよね。
そんな二人がジレジレやってるのに、萌えまくっちゃいましたよ。
ちなみに、攻めの告白を聞くまでもなく、恋愛感情で手を出しちゃってるのが丸分かりって所も楽しかったです。
ザックリした内容です。
まずこちら、新担当である編集者・柊が、ベストセラー作家である穂高を訪ねる所からスタート。
ずっと文芸を希望していた柊ですが、この度、念願叶っての異動となり、張り切っているんですよね。
ところが、初対面の穂高から自身のエロ本を読んだかと聞かれ、未読だと知られると、そのまま追い出されてしまう・・・。
実は穂高ですが、ベストセラー作家として売れる前に、別名義で官能小説を出していたんですね。
柊の勤める出版社で。
で、勝手にその事を触れられたくない過去だと認識していた柊は、深く反省して全てに目を通す。
その上で穂高の自宅に日参し、なんとか家に入れてもらう事に成功する。
しかし、取材として目の前でセックスを繰り広げる男女を見た途端、生理的に受け付けなくて戻してしまう。
実は柊ですが、幼少期にイタズラされたトラウマから、性的な事を一切受け付けられなかったんですね。
そこで、編集者としてトラウマを克服し、一皮むけたい柊。
売れない自分を拾って育ててくれた、初代担当編集者の社長に恩返ししたいものの、なかなか新作のインスピレーションを得られない穂高。
二人で協力して、新作を書き上げる為に、柊のエロレッスンを開始して・・・と言う流れ。
う~ん・・・。
こちら、とにかく柊が可愛いんですよ。
穂高からの指示で同居する事になるんですけど、家事でも仕事でも、手を抜かずに一生懸命なのです。
また、作者さんも書かれてるんですけど、微妙に頑張る方向性がズレてるんですよね。
編集者として「(インスピレーションを得る為に)自分の身体を使ってやって下さい!」的に。
ただ、本当に仕事に真面目に向き合ってて、だからこそ、試してやろう的に無茶を言い出した穂高がほだされて行く。
いや、この穂高がですね、最初はすごく俺様なんですよ。
世間がイメージする、気難しい小説家そのもので。
それが、トラウマ克服+インスピレーションを得る為に柊に触れるワケですが、ここからどんどん甘さを増して行く。
また、レッスンを途中で止めようとするのですが、それが柊に失望したのでは無く、彼のあまりに辛そうな様子に続けられなかった。
こう、影で自分を責めてたんですよね。
分かりにくいけど、すごく情が深い優しい男なのです。
と、こんな日々を過ごすうちに、穂高に惹かれてゆく柊。
しかし、穂高が自分に触れるのは、あくまでトラウマ克服に協力してくれてるからに過ぎず、決して気持ちを知られるワケにはいけないと思い込む。
そこで、本来の目的である「エロス」の取材ーーー自身と他人との「本番行為」を提案し・・・と続きます。
これ、しつこいですが、頑張る方向が完全にズレてるし、オチも簡単に予想がつきます。
ついでに、トラウマってそんな簡単なものじゃ無いとも思うのです。
いや、性的な事を一切受け付けなかったのに、穂高に触れられると、わりと簡単に気持ちよくなっちゃってるし。
まぁただ、誤解が解ける瞬間なんかが、王道だけどめちゃくちゃ萌えるのです。
余裕綽々だと思っていた攻めが、意外とヤキモチ焼きで、グルグルやってたとか楽しすぎますしね。
ちなみに、後半が書き下ろしですが、付き合いだした二人のイチャ甘+恋と仕事の線引きで悩む主人公と言った感じになります。
こっちでも柊が、またまたおかしな方向に頑張っちゃってる。
いや、エロに関しても一生懸命で研究熱心な恋人って、最高だから問題ないのか。
と、捻りなんかは無いですし、ちょいトラウマ部分の掘り下げなんかも甘い気がする。
ただ、王道の甘くて切ない片思いを堪能でき、とても楽しいのです。
あと、とにかくキャラがツボで、二人の関係性なんかも楽しい。
そんなワケで、個人的にはとても面白く読めました。
作家と編集担当が小説を書き上げるまでのプロセスををコメディタッチで描いている作品。
性的トラウマを持つ童貞編集者、柊が担当する作家、穂高は、久しぶりに官能小説テーマにしたいという、熊のような人だった。
AVの動画を視ろと言われて嘔吐する柊。お前には無理だと担当を断られて、やる気をみせる柊に、穂高から出された条件は仕上がるまでの間同居することだった。
柊の性格に穂高が惚れこんで、恋人になる、というあらすじ。
急展開で、恋人になってしまった二人の変化に、「頁数」という大人の事情を感じてしまった。
内容は、後半の「その後の・・」ほうが、面白味がありました。
作品中の専門用語を調べたのでメモ。
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★プロットとストーリーの区別については、イギリスの作家 E・M・フォースターの1927年発表『小説の諸相』の解説が有名。
プロット: (英語: plot) : (Storyline)
書く、描画する、点を打つ、置くなどの意味。
ストーリーの要約である。プロットはストーリー上の重要な出来事のまとまり、後の展開に大きな影響を与える出来事である。すなわち、プロットは出来事の原因と結果を抜き出したもの 。変化を起こさない出来事はプロットに含まれない。
プロットはストーリーとは異なる。プロットは因果関係であり、ストーリーは単なる前後関係、プロットはストーリーの設計図。
トリートメント:
プロットをまとめた文書が「トリートメント」
トリートメントと脚本の違いは、トリートメントが非常に短い短編小説の形で書かれ、まだシーンに分けられていない点。
筆力:
書いた文字・文章・描線から感じられる力・勢い。
読書は 小説を書くため の“筆力”を高める(柏田道夫説)
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売れっ子作家とその担当編集者という、
本文の中で本人も言っていましたが、
ありきたりすきて
ボツにされそうなカップリング!
いや、でも私は嫌いじゃありませんよv
表題作は、
あとがきにも書かれていたように
雑誌掲載の中編ということで、
物語自体は大変駆け足で、
特に驚かされることもなく、
予想通りに起承転結してしまいます。
柊氏視点ということもあり、
穂高先生の気持ちの変化が
ちょっと唐突に感じる所もあるのですが、
柊氏の一生懸命な真っ直ぐさには
ほだされるのも分かります。
そんな感じで
本編には多少物足りなさを感じますが、
続編も含めて一本と見れば、
結構最初から最後まで
らぶらふのあまあまで蜂蜜な感じなので、
これはこれで、私はBL的には満足v
一応大団円ではありますが、
欲を言うのなら、
例の新人作家さんが、
穂高先生の睨んだ通りになるとか、
ライバル編集者の鳥居くんの大活躍(⁉)とか、
その辺の続編も見てみたい気がします!
あまあまらぶらぶで満足ではありますが、
更なるあまあまを期待して、
評価は「萌×2」で!
さすがだぁ、と思わせる岩本薫さんのストーリーはやはり王道に読めてしまう(笑)
いい意味でですよ。ウノハナさんのイラストもあったので手に取りました。
低迷する出版業界において、引っ張りだこの有名小説家が、官能小説出身で、柊の出版社から再度出す本は官能小説だという。
そしてトラウマからセックスシーンを見せられて吐いてしまう。
穂高からダメ出しをされて絶縁状態に。でも意を決して日参し、過去後を決めたという柊に穂高は同居することを条件にする。
そこから穂高による柊のトラウマ克服(って、開発ですよね、、あれは)によってお互いに思いを寄せるところは王道だけど萌えました。
完璧な穂高が柊に嫉妬したりと幸せな二人を存分に楽しめました。
作家買い。
ウノハナさんの男の色香あふれる表紙。
そして帯の「新作のためにまっさらなこの身体を使ってやってください」というちょっとエロティックな文句。
ということでテンションも上がりつつ手に取りました。
主人公は編集者の一路。
まじめで潔癖な彼は大の本好きということで編集者という職を誇りに思いつつ仕事をしている。そんなある日、職場の移動に伴い彼は人気作家・穂高の担当になることに。
憧れていた作家の担当になれるということで気合を入れ挨拶に向かうが、そこで穂高から新作はエロスでいく、と言われてしまう。仕事には真摯に立ち向かってきた一路だが、彼が唯一苦手とするジャンルは「エロス」。
それでも仕事と割り切り穂高の仕事をサポートするが、その最中に一路は嘔吐してしまう。「そんなに潔癖なら自分の編集者は務まらない」と、そのことを理由に穂高に見限られてしまうが―。
というお話。
一路がなぜエロスを受け入れられないのか、という謎解きも含め、一路が仕事に真摯であること、穂高のために何でもしようとガッツを見せることから、はじめこそ不穏な空気が漂った穂高×一路の恋も少しずつ進んでいきます。
が、バッサリ言っちゃと、ただそれだけ、という気も。
穂高はイケメンで人気作家というまさにスパダリ。
一方の一路も、過去のトラウマを乗り越え、仕事に、恋に、一生懸命な好青年です。
そんな二人の恋を応援したい気持ちは、読み進めるごとに強くなってはいきます。
けれど、エロスを書く作家と、それを下も含めてサポートする編集者、というありきたりの設定に加え、この二人が恋愛的な意味で早い段階でくっついてしまうので、あっさりした展開。
この作品は「まっさらなまじめな編集者を、スパダリの百戦錬磨の色男があの手この手で攻め立てる」というエロを楽しむのがよい作品かと思います。
甘々で優しいお話で、読後ほっこりするストーリーで全く萌えなかったわけではないのですが、もう一捻り欲しかったな、というのが正直な感想です。