Mさんのレビュー一覧

家に王子が泊まっています 小説

鳩村衣杏  yoco 

しっとりと惹かれあっていく二人

 お菓子会社に勤める蒼生は、会社の命令により、異国の王子を純和風な自宅で、もてなすことになった。
「王子」と言われてもピンとこなかった蒼生だったが、実際にやってきたコンラッドは確かに王子で、蒼生は困惑する。
 しかしながら、節度をわきまえ、他国の文化を尊重し、ルールを守る一方で、好奇心旺盛で「日本の文化を学びに来た」と言い、日本のお菓子に目を輝かせるコンラッドに蒼生も徐々に惹かれていく。

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恋はまさかでやってくる 小説

渡海奈穂  佳門サエコ 

さらっと読むのにはちょうどいい本

 自分より体格のいい男を組み伏せて、気持ちよくしてたまらないと泣かせることである、養護教諭・山田の前に、好みそのものの新任教師・杉崎が現れる。
 過去のいろいろから、職場では「恋愛をしない」と決めていた山田だったが、さりげなく接触回数を増やすと、悪くない反応を返してくる。
 ついつい、距離を近づけてしまい、廊下で挨拶をするところから、保健室に訪ねてもらえるようになり、二人きりでご飯……ととんと…

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さよなら恋にならない日 小説

渡海奈穂  みずかねりょう 

コメディトーンではなく、日常を大事にする話

 雪谷は、それなりの企業に勤め、そこそこモテる会社員であるが、自分は主人公にはなれないと思っている。
 その原因は、幼いころから一緒だった、親友の湯原が主人公タイプで、全てにおいて雪谷より一枚上手だったから。クラスメイトも雪谷の家族でさえも、口を開けば「湯原」「湯原」。 何をやっても勝てない雪谷は、すっかり諦めてしまった。
 そして、その湯原が海外転勤してしまってからは、誰かと出かけることもな…

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溺愛王子の育て方 小説

バーバラ片桐  サマミヤアカザ 

素直じゃない鈍い二人のすれ違い

 陸は、幼いころに両親を亡くし、施設に預けられるところを叔父の哲也に引き取ってもらった。
 それから哲也は海外を放浪する生活をやめ、高校の社会科教師として真面目に働くようになった。
 陸はそんな哲也に感謝をしてはいるものの、幼いころに親戚が自分を「やっかいもの」扱いしているのを聞いてしまった心の傷は消えず、なかなか素直になれずにいた。
 そんな時、哲也に「恋人」がいらしいと知った陸は――

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最高の恋人の見つけ方 小説

高岡ミズミ  金ひかる 

真面目な受けと俺様な攻め

 理一は故郷の村に勤める公務員。
 過疎化が進んでいく村で、町おこしをすることになり、英語の得意な理一はそのチームの代表になった。

 そこに現れたのは、不遜な年下の男・デイヴィッドとその家族。
 彼らはどうしてこんな辺鄙な村にやってきたのかもわからず、また、一向に村に馴染もうとしないその様子も気になる。
 理一はなんとか村になじんでもらい、将来的に移住をしてもらおうとするが、デイヴィッ…

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恋でなくても 小説

真崎ひかる  奈良千春 

素直じゃない二人が、素直になるまでの話

 杉原朋久が秘書として仕える保科義宗は、切れ者として評判の会社社長である。
 けれど、高校時代から付き合いのある杉原の前では、ただのだらしないシベリアンハスキー。
 女と付き合っては別れ、そして慰めてもらいに杉原の前に現れる……

 という腐れ縁話。
 杉原は健気で一生懸命。
 義宗も別の意味では健気で一生懸命。

 お互いちょっとずつ歩み寄れればこんなにこじらすこともなかったので…

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嵐のあとは桜色 小説

きたざわ尋子  麻々原絵里依 

少しトゲの取れた普通の恋人同士の日常話

 麻野裕一郎と付き合い始めて、幸せな日々を送る相馬睦紀。
 そんな中、睦紀の弟の春海が大学進学の準備のために、睦紀の家に居候することになった。
 嘘のうまくない睦紀は、なんとか殆ど自宅に帰ってないことを誤魔化そうとするが……

 という話でした。
 睦紀には実は、少々ブラコン君の弟がいたことがわかるシリーズ2作目。
 1作目は少々、睦紀のバイト先である占いの館により気味の内容でしたが、…

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身勝手な純愛 小説

柊平ハルモ  駒城ミチヲ 

気づいてないのは求められた本人だけ

 菊理鷹邦は、とある百貨店経営者の御曹司。
 けれど、彼はその仕事をヨシとせず、自身で会社を立ち上げ、地元企業を支援していた。
 鷹邦の祖父に恩がある永紀は、なんとか鷹邦に会社を継がせようとするが、その代償として、鷹邦から求められたのは、永紀自身だった。

 物語はテンポもよく。
 どれだけ鷹邦が永紀のことが昔から好きだったのか。
 鷹邦が永紀のことが好きでやった行動が、どれだけ誤解を…

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あなたを無性に恋している (表題作 アイリスヒスパニカ) 小説

川琴ゆい華  みずかねりょう 

素直じゃない二人の話

 藍沢廻は、新進気鋭のフローリスト・フラワーデコレーターの伊勢谷万葉にキスされた。
 突然のことに戸惑う廻だったが、万葉に理由を尋ねると
「あなたの顔が好みなんです」
 と言われてしまう。

 ふざけた言い草にキレる廻だったが、体から先に陥落させられていって……という話でした。

 いっぱい理由をつけてなんとか逃げ出そうとする往生際の悪いタイプの男である廻と、自分から手を伸ばせばなん…

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オレンジのココロ‐トマレ‐ 小説

崎谷はるひ  ねこ田米蔵 

人の強さと優しさが身にしみる話

 美術の専門学校に通う相馬朗は、少し複雑な家庭を持つイラストレーション専攻の二年生。

 明るくて元気で人懐っこく見える相馬だが、担任講師の栢野志宏にだけは、ついつい反発してしまう。

 という話でした。

 個人的には、相馬にのっかってしまっているものが重たくて。
 栢野みたいな先生じゃないと救われない人もいるんだなあ……という気持ちではありました。
 これ、すっごく掘り下げたら…

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