ともふみさんのレビュー一覧

執事の分際 コミック

よしながふみ 

愛する喜び、愛される喜び

執事・クロード×わがままな若当主・アントワーヌ…フランス革命を背景に遂げた積年の恋。
遥か昔他社さんの方で1話読んだきりだったのですが、評判の良さに読まずにはおれまい!と鼻息荒く購入。
……も、萌えメーターが振り切れますた。
個人的に執事萌えなどは全くないのですが、執事とはかくあるべき!というクロードの仕えぶりとぼっちゃまのアホ…いえ天真爛漫さに、ハートをむんずっと鷲掴みされてニヨニヨがとま…

7

薔薇とボディガード 小説

たけうちりうと  ひびき玲音 

一口では語れない

有能なイギリス人ボディガード・グレイ×ひよっこ日系ボディガード・ジュン、全5冊+外伝2冊。レビューがないことに大ショック…

わたしにとって初めてのたけうち作品で、他のBL作品とは違う独特のテンポや世界観に当時戸惑いました。
でもそこをクリアすると、驚くほどの広い視野からのたけうちさんの哲学に目をみはり、戸惑いながら読んだ1冊目、不思議とやめられない2冊目…と、気が付けば夢中になっている自分…

5

きみがいなけりゃ息もできない(新装版) 小説

榎田尤利  円陣闇丸 

ダメ人間も榎田さんにかかると可愛い生き物にみえた

隣人で世話焼き幼馴染み・東海林×超マイナー漫画家生活能力皆無・二木。
漫画を描くこと意外まともにできることがない驚異的なダメダメを誇る二木ことルコちゃん。
隣人で幼馴染みという縁で定期的に掃除をしてやり身だしなみを整えさせ、やる気がでるように発破をかけ…と丸々面倒をみる東海林。
ルコちゃんに大きな仕事が舞い込んだことから、二人のこの「ちょっと依存させすぎなんじゃないの?」という奇妙なカンケイ…

5

許可証をください!(5) 君にもわかるISO 小説

烏城あきら  文月あつよ 

早く6巻を読みたい読みたい読みたい

前作である程度落ち着いたと思ったのは大間違い!新たなステージに上ったといってもいいかもしれません。
今度は、過去「関係者から死人がでる」とまで言われたISO取得という難題をひっさげて、お仕事BLと言えば!の「許可証シリーズ」5冊目です。

以前レビューで、面白いと思えるワーキングBL作品のポイントとして
・ 業界が分かりやすく書いてあり、かつ飽きずに読める
・ 仕事と恋愛を無理なく絡ませ…

3

猿喰山疑獄事件 コミック

ARUKU  

王子の小鳥のゆくえ リアリストがみせる愛のお伽話

最近読んだ中で久々に衝撃を受けた作品です。
悲しい、嬉しい、辛い、そのどこにも線引きできない種類の
涙が出たのはBL作品では初めてかもしれません。
悩みつつも、琴線に触れたので神評価に。
冷たい若き総帥の星と、自由な身と心を持つ庭師の鷺坂の恋愛。
この一文から想像できない展開が待ち受けていました。
恐ろしい作者さんです。もちろんいい意味で。

最初に読んだ時はあらすじ通りの予測でき…

9

恋愛依存症 小説

金丸マキ  山田ユギ 

恋愛の真髄? 両想いはゴールではなくスタート

生徒(璃一)×教師(大和)の年下攻めラブなんですが、そんな括り以上の話でした。
BL枠を一足飛びにして、もっと普遍的な「好きな人と恋人同士になる、でもいくら好きな相手でもしょせんは他人。他人ととことん付き合うってどういうこと?」という問題のもと、1冊丸ごと二人を向き合わせているのです。

遺産のおかげで金銭面の心配もなく、教職は腰かけ(コネ雇用)、恋愛面では不自由したことがない主人公・大和。…

2

春を抱いていた(5) 新装版 コミック

新田祐克 

涙、涙の前世編

最初は1巻と13巻だけのレビューのつもりだったのですが、同時収録されている前世編「冬の蝉」を語りたいがためにこの巻もチョイス。
とにかく、現世編が甘いだけに切ないの一言。
そして岩城さんと香藤の出演映画としても味わえるお得な番外編でもありす。
儚く散る花ほど美しいもの。激動の時代に飲み込まれた、二人の許されざる薄命の悲恋が、鮮やかに力強く描かれています。

維新に揺れる動乱時代が舞台にな…

6

EGOISTE 小説

かわい有美子  石田育絵 

毒と甘美 麻薬のような本

冷酷な医師(古谷)×孤独な研修医(白井)のシリーズ、全3冊。
共に傷を抱えた二人の医師が、互いにかけがえのない存在になるまでの推移を、毒と甘美をブレンドしつつ描かれたシリアスドラマ。
初出から10年以上経ちますが、初めて読んだときのあの鳥肌が立つような感覚は、今でも忘れられません。号泣、といったように心を激しく揺さぶられたわけではありませんが、麻薬のような中毒性にとらえられ、どうしても手放せな…

7

EGOISTE(2) 小説

かわい有美子  石田育絵 

冷酷な男と脆弱な男が 辿り着いた関係

冷酷な医師(古谷)×孤独な研修医(白井)の「egoiste」の続編。
同居してから1年が経ったところから物語は再開します。古谷からの「愛している」という言葉はないながらも、うまくいっているように見えた二人。
小さな不安を抱えながらも、古谷との穏やかな生活を送る白井だったが、その古谷に女の影がちらつき始めたことから風向きが変わります。
そして次第に追いつめられてゆく白井は…。

という波乱…

4

窮鼠はチーズの夢を見る 新装版 コミック

水城せとな 

ノンケの男が男と付き合うということとは

ジタバタふらふらする恭一の往生際の悪さは、昔読んだ時はたちの悪い単なる優柔不断ぶりに映って仕方ありませんでした。
俎上の鯉での恭一の台詞に「俺がどんな思いでいたのかゲイのお前には絶対にわからない」とあります。(続編とはいえ違う本から抜粋するのは邪道だとは思いますが、新装版ということでご容赦を)
恭一が今ヶ瀬に落ちるのが当然と思い込んでしまってる自分の感覚が、いかにBLファンタジーに首までどっぷ…

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