茶鬼さんのレビュー一覧

threesome スリーサム 小説

榎田尤利  円陣闇丸 

愛される男の真相

”スリーサム” ゴルフのプレーマッチじゃないですよ
あ、そっちのほうが縁がないか!(笑)
『エロティカ』収録のヤクザ組長と弁護士と犬の3Pもの続編ですが
榎田節といいましょうか、あおり文句の”エロティック極上3P”よりも、愛される組長・辻 という人間を、社会を背景にしてしっかりと掘り起こした人間描写に目を奪われるお話になっていました。
が、辻が中心であるだけに関与する弁護士・財津と犬・菊池…

9

彩雲の城 小説

尾上与一   

家をつくろう

前作『碧のかたみ』と同じラバウル航空隊を舞台に、前作同様、操縦員と偵察員の組み合わせで描かれた本作。
前作と比較するならば、前者が”生への執着”ならば今作は”死への憧れ”
但し決してその姿はネガティブでもなければ絶望でもない。
そして、戦争の時代という死と隣り合わせな一見すれば悲愴な環境と時代を舞台にしながらも、主人公達は生き生きと物語の中で生き抜く。

操縦士と偵察員という関係は前作も…

15

桃色ひみつ男子 コミック

桜巳亞子 

バレバレなのに素直になれなくて~

05年「桃色純情男子」06年「桃色恋愛事情」の続編になりますが
多分単発でOKです。
親友から恋人になった二人という設定ですが、二人の問題はというか受けとなる山口は二人の関係がばれるのが怖いという部分と、攻めとなる鷹狩が山口を好き過ぎてるところ。
そんなものが前提として話が展開されていますので、さて、こんな二人に今回は?という具合だからです。

学園のアイドルと呼ばれる(顔はいい)山口と…

2

僕がゲイビ男優になった理由。 コミック

アキハルノビタ 

アホの子ほどかわいい…?

端正な絵は開いてみると、ミナヅキアキラさんのような白黒はっきりした筆遣い。
そしてそれはもっと細かく描き込んだら尚月地さんのような気配も匂わせ?
はい、要は好みの絵柄だったのです☆

実に単純明快!
彼女との結婚のために一生懸命働いていたのに、リストラにあい彼女に逃げられ、ヤケになってコツコツ貯めた貯金を使い果たし~
そこでモッサリ眼鏡に声を掛けられた。
「お金に困ってるの?AVに出…

11

ランデヴー コミック

モンゴロウ 

青春2本

作家さんの初BLだそうです。
表題を含め、短編が1本収録されていますが両方とも高校生を主人公としたものです。
読み終えた印象は、初BLコミックと言われる「らしさ」にあふれていました。
それは決して悪い意味でなく、良い意味です。
「好き」「気になる」そんな気持ちはどこから生まれるの?
深い掘り下げにこだわりを感じるより、そうそう、こういう初々しい相手を慕う心と興味が一歩進んだものなんだよね…

4

フラッグ 2 新装版 コミック

藤たまき 

ホームスイートホーム

人の頭にその人の心を表わす旗が見える。
人がこわくてひきもりになっている少年・聖が主人公の2巻は
1巻で彼に友達が出来た事で激怒した兄・日高が家を出て行ってしまった事から始まります。

外へ目が向いて世界が広がった少年。
お前はひきこもっていればいい!と普段の自分の駄目な部分を棚に上げて聖を縛りつけようとする兄。
それによって少年は更にひきこもるのではなく、そこに兄の弱さと寂しさを見て…

3

フラッグ 1 新装版 コミック

藤たまき 

Flagの意味するところ

05年に徳間から出ていた本の新装版です。
藤たまき作品はここ最近新装版が出ていますが、その当時のといいますか、今もきっと本質は変わっていないとは思うのですが非常にBLというよりはニアに近い関係で、将来はどうでしょうか?的な終わりをしているのが特徴的です。
そしてこの本もまたしかり。
BLじゃないじゃん、と言ってしまうより主人公達の行く末を自分の頭の中で想像して補填して新たに自らでストーリーを…

2

禁じられた恋人 小説

いとう由貴  石田惠美 

BL昼ドラ愛憎劇

最近、昼ドラ見てないないんですが以前流行ったのとはタイプが変わってきているのかな?
その少し前の(ぞうりコロッケとかみたいなw)コテコテドロドロ愛憎の昼ドラをBL版展開した作品?
とでもいいましょうか、久々に昼ドラBL読んで、たまにはこういうのいいな~と、楽しんじゃいました☆
ただ、多分人によっては地雷な部分あるかもしれない。
最初に言及しておくと、片方は結婚していて子供も二人いて、仮面夫…

12

鴻上先生と早乙女くん。 コミック

サクラサクヤ 

夜這いする青年

まるっと1冊でこのお話です。
今回はかな~りのコメディです。
真剣に悩んだり葛藤したりのシリアスは全くない、お笑いに近いかも(笑)

院長が縁談を勧めるのが面倒くさくて開業することになったゲイの鴻上。
立地が商店街らしく、祖父の代からお世話になっているという不動産屋がせがれに商店街への挨拶を案内させると呼んだのが息子の早乙女杏。
バイタリティあふれ、自宅裏の塀の上で猫とケンカしているわ…

4

あたためてくれるひと。 コミック

ヤスエイ 

分かち合える二人

作者さん商業デビュー作がトラットリアを舞台に表題はカルボナーラを据えたお話だったのですが、この2作目も食を通して出会いの始まりとしています。
胃袋を掴んだ者勝ち!とそうそう上手くいかないのは、このお話の主人公達は2人ともノンケだから。
出会いから友達になり、そしてその先の感情と関係の進行がゆっくり丁寧に描かれた読みかえす程にジンワリくる良い作品でした。

給料の低いまだ美容師アシスタントの…

4
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