竜の遺言EX(3) -何様な俺様-

読みでのあるサイドストーリー

飛竜が空を飛び、人と魔性が共存する優しい世界観のファンタジー長編。
ちるちるではあまり話題にならないが、実にこれが15巻目。
少女マンガ風の絵とテイストは如何なものか？と思いながらも
楽しみに読み続けている『竜の遺言』シリーズの新刊です。

美しく強く優しい、強大な魔力を持つ東の大陸の王・天藍と
その側使えの飛竜・浅葱の時間を越えた愛が物語の中心だが、
この二人はすっかりまとまり……（寿命の問題……は残されているが）、
今回は魅力的な脇役によるサイドストーリー。

東の宰相・黎青（れいしょう）と南の大陸の王・エジルがこの巻の主人公。
この二人、どちらもなかなかいいキャラなのだ。
ドエロでドS、やり手の策略家で口八丁手八丁の黎青が、
ひねくれ者だが心美しき王・エジルに迫る！

ドタバタコメディでありながら、時にキュンとしたりホロッとしたり……

「何様な俺様」シリーズの総集編に描き下ろしを加えた、
300頁以上の分厚く読みでのある一冊です。