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貴方のそばにいたい。運命じゃなくても。
幸せな完結をしたので1巻から読み返してのレビューです。
1巻、2巻、読後がきつかった・・・。
でも幸せな最後を信じて追いかけました。
ご主人αのこれまでの悪行のとばっちりを受けてしまった執事β。
襲われているときに危機一髪、駆け付け救ったご主人α。
薬をもられてひどい状態になっているのに駆け付けたご主人αをさらに守ろうとする執事βがいじらしくて切ないです。
ほぼ意識を保てていないのに、ずっとずっとりょうすけさま、とご主人αの名前を繰り返し呼ぶ様子に涙が出ました。
でも薬でぶっとんでるからこそ、本音が言えたのかな。
いずれにせよ、ひどい目に遭いすぎ、かわいそうすぎました。
周りの助けもあり、ようやくご主人αと向かい合い、父親に立ち向かう決意をしてからの執事βは、涼晴個人として背筋を伸ばしていて、かっこよかったです。
ご主人αも全力で2人の愛のためにがんばっていて、かっこいい。
2人が愛のために闘い始めてからの流れはあっという間、胸をすく思いでわくわくどきどきしながら読みました。
素敵な素敵なハッピーエンドでした。
アルファとベータだけどオメガバ作品なのでエロは多いだろうと納得はしてても、この厚さならばやはりこれだけエロは多くなるよね…トホホって感じです。ストーリーが凄く良くて読ませて来るだけに、もうちょっとだけ減らして欲しかったと思いました。
前作から気になってた凉晴の父親をぶっ飛ばしてやりたかった〜。自分だけがまともだと信じ切ってるダメ親父の典型で天罰を喰らわしてやりたいし、あんな人物を重要視してる芦屋家なんて乗っ取られてしまえ!と腹が立ちました。
だけど今回も中盤まで凉晴にイライラですよ。抑圧されて育って来たとはいえ、チャンスは何度でもあったのに…凌介がここまで折れなかったのは凉晴への気持ちの強さですよね。
今巻でひとまず完結らしいですが、あの弟の婚約者が社会的に抹殺されたシーンとか読みたかったなあ。個人的には凉晴を助けに行くカウントダウンのシーン好きでした。
オメガバらしくロクデモナイ奴ばっかし登場してて、胸糞悪かったので続編はその辺りを綺麗に掃除して欲しいです。だって描き下ろし凄く良かったですから!
凉晴の頑なさの理由がついに明かされました。
両親...特に父親の厳格な執事教育と威圧によるもので...小さい凉晴が私欲を殺していくだけでなく父に心を折られ諦め癖まで備えてしまったことに胸が傷みました...。
そんな中出会った光(運命)が凌介様!
いやまって、なんですかあの出会い。
神々し……!!!
凉晴も可愛くて天使なのだけど、凌介様...あなたは上位天使か???
執事になるために捨てたものや費やした努力と将来執事になることが凉晴の中で折り合ってなくて希望をなくしていたけれど、全てはこのためだったのだと未来が開けて報われる。
「1番のアルファになってくださいっ」って、もう告白みたいなものでは…?
やった!って高くジャンプして喜んでいたシーンは可愛かったし、びっくりしました。
これが本来の凉晴なんでしょう...ありのままの感情が考えるより先に出てしまうくらい嬉しかったのが伝わってきました。
凌介様に出会えて、見つけてもらえて本当によかった!!
執事でいたい理由、凌介様のことを愛している気持ち、全部まとめて受け止めて居場所を作ってくれた凌介様がとっても素敵。
溺愛執着スパダリ堪能しました。
ここで終わりなのは寂しいと思ってしまったけど、続編が決まったんですね。
蜜月が拝見できるのを楽しみにしています。(浅井×律も幸せになってほしいな。)
あと、電子特典が性癖でした。
陰毛と剃毛フェチの方はおいしいかと。
読み始めた頃とこの3巻まで長かった…。
けれど、いざ完結してしまえば短かったような気もしないでもない。
互いに想い合いながらも身体を重ねるのは互い以外の誰か。
そんな純愛とは程遠く、不純に始まった二人の物語も
最高の純愛に辿り着き、終えてしまいました。
αとβではどんなに愛し合っていても、決して番にはなれないという悲哀。
加えて両者の家柄などさらに二人を隔てる壁は高く…
けれど、だからこそハッピーエンドをいざ目の前にしての感動は一入でした。
倫理観の欠片もないように見えていた凌介が瀬乃のために
まさかここまでやってのけるとは…。
自分勝手に見えてその全てが瀬乃のため。
当初は優しさなんて持ち合わせていないかに見えていた凌介ですが、
瀬乃が笑顔でいられるように、と必死に立ち回るその重く深い愛情に
ぐっとくるものがありました。
そして、最初は可愛さの欠片もなかった瀬乃もこの最終巻においては
すっかりヒロインが板につき、凌介を想い、想われる姿は
愛おしさに溢れておりました♡
無事ハッピーエンドを迎えた二人ではありますが、
その後の二人ももう少し見てみたかったなという願望も。
いつか番外編でもいいのでアフターエピソードが読みたいな。
待望の3巻!そして完結!
個人的にオメガバースの世界観でのβの切ない恋が大好きで、しかも主従関係というダブルの切なさで1、2巻から待っていました。
策略を巡らしてなんとか相手にも周りにもふたりの関係を認めさせようとするαの凌介と、大切だからこそ執事としてずっと側にいたいと健気に相手の将来を守ろうとするβの凉晴。
執着する攻めと攻めの為に逃げたい受け。好き合っているのに付き合えないふたりがどうハッピーエンドになるのか。
2巻の終わりで攫われた凉晴がどうなるのか、助けはいつくるのかとドキドキしました。挿入まではいっていませんが、指は入れられちゃってます。苦手な人がいたらちょっと注意です。
3巻では、凉晴の過去が語られます。凉晴がどうして執事に拘るのか、愛されているのにどうして離れようとするのか、βであることについて、凉晴にとっての運命など知ることが出来ます。
そして、周りの人と凌介によって本当に相手を思う気持ちを知り、父親への恐怖と葛藤を乗り越え戦います。たくさん泣きます、でも凉晴は3巻でとても成長します。
また凌介は、ありのままの凉晴を受け入れるため、執事でいたい凉晴の気持ちを大事にするために敵を味方につけ、圧倒的な力を発揮します。信じられますか?まだ10代、大学生なんて!すごすぎる!
それでも「嘆かない人は傷つかない人」ではないんですよね。愛する人のために、その世界を変えるために、よくぞがんばった!って褒めてあげたいです。
浅井君が凉晴へ語るセリフすごくよかったです。βの浅井君とΩの律との恋の切なさや凌介の婚約者の関係など、ありきたりのα×Ωではない恋愛をたくさん見せてくれて嬉しかったです。
ふたりがα×βの主従関係のままでいられることが凉晴にとっての一番の幸せだと思います。ヘタにβからΩになったりしないでよかったです。
ふたりの名前が「さんずい」ではなくて「にすい」で、流れる「水」ではなくて硬くて冷たい「氷」を表しているのですが、ぶつかり合っていたふたりの「氷」がちゃんと溶けて混ざり合った素敵なハッピーエンドでした。
しかし!新章決定と発表があったので、ふたりの続きがまた読めますね。個人的にはふたりより周りの人たちの恋愛の方が気になりますが、どうなるのか今から楽しみにしています。