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鎖にキス コミック

山葵マグロ 

不器用な二人に萌え。

前作「ロリポップドラグーン」の脇役二人が主役。
舞台は現代、吸血鬼やダンピールの登場するファンタジー設定です。

好きな人を傷つけたくなってしまう困った性癖の持ち主・太優。
一方、ヘルシングは過去のトラウマから大切なものを作れない。
そんな二人はヘルシングの思いつきで変態セックスばかりのセフレに……。

惹かれ合うものの、素直になれなくて遠回りばかりの二人がもどかしく切ない。
ヘルシングのトラウマに縛られた心がゆるやかに融解していく様が、とてもよかった。
そして何より、流血アリのソフトSM風味なHシーンの雰囲気、エロいです。
前作ネタの短編・4コマも収録されているので、前作を読んでいる人にも嬉しい。
これから手に取る方は前作も同時にどうぞ。

すがすがしい!

まさに、清々しい青春。これに尽きます。
MONDAY→THURSDAYをたまたま手にとって以来待ちわびてましたが、
あれだけ待たせといてモニョモニョという気持ちは一切生まれませんでした。
そういう意味でも清々しかった(笑)

あらすじについては他のレビュアーさんが既に触れられているので割愛しますが
率直な感想として、キス止まりのお話でここまで萌えたのは久しぶりです。
年齢を重ねるごとに抉るようなドス黒くて重い恋愛話が好きになってきていて
ここの所は10代の時のように胸キュンな感じのお話はわりと微妙な評価をしてました。
(もちろん、読めばかわいいなぁとか青春だなぁとは思うんですが、ちょっと食傷気味というか)

そんな中で、この作品のふたりは「あ、この子たち本気で恋愛してるな」という実感を持てた気がします。
もし今後何かがあって別れることになっても、この子たちは後悔なんてしなさそう。
喧嘩別れする2人がまったく想像できないカップル、自分としては超レアなのでなんか妙に嬉しい。
その場の空気に流されたわけでも、一時的な感情に惑わされたわけでもない。
悩み抜いた1週間の存在がそういう空気をちゃんと醸し出していて、設定は「!?」なところもあるのに、妙にすとんと落ちてきましたね。

うっかりM→TのドラマCDも聞いた私ですが、こっちも音声で聞きたいな~。
特にラストシーン18:00の絶妙な間、どう表現してもらえるか。気になる~!!

久しぶりに初読でドキドキ

個人的には神評価をつけたいところですが、
文学・哲学的で少し取っつきにくい部分があるのも否めないので萌に一票。
純文学嗜好の方にはおすすめです。逆に、純文学のにおいが苦手な人にはおすすめしません。

短編については先行のレビュアー様が紹介されていますので、表題作について、聖書の解釈を含めてレビュー書かせて頂きます。既読の方向けかも。

旧約聖書が手元にないので、情報がちょっと怪しいですがご了承願います。
表題作タイトル『エディドヤ』は『ソロモン』の別名で、主に愛された者、という意味のはず。
ソロモンは、ダビデが果たせなかった野望を次々と現実にしていく次代の王。
作中では(恐らく)バテシバ=篠田であり、ウリヤ=次見であり、ダビデ=井上。
バテシバが一度目の不貞を働いたのは本編以前。
そしてバテシバとダビデが2回目の邂逅を果たしたのと時をほぼ同じくして、主人公である野瀬と、篠田が打ち解けはじめる。
どうでしょう。タイミングから見て、野瀬の存在は、2人目の子供ソロモンに準えられているように見えませんか?
その後、己の罪を認めた井上は、篠田の背中を押すような行動を始める。
野瀬もまた篠田を止めることはできず、結局、最後はその背を押した。
篠田は次見を待っていたのではなく、地平線を超えたあちら側へ行く、その切っ掛けを欲していたにすぎなかった。
『存在が消えたかのようだったバテシバは その即位にまつわるエピソードで再び姿を現す  息子(ソロモン)の政敵を支援する者として』
……バテシバのその後について本編の中でも言及がありますが、これはラストにつながっているように思えました。
消えたかのようだった篠田は、最後に再び姿を現したんじゃないでしょうか。
名前のない絵葉書で、『恋敵』との安寧を報せるという形で……

以上、こじつけの混じった、独りよがりな見解でした。
こういう穿った考察をしたい方にはぜひおすすめしたい本、かもしれません。(笑)
もちろん聖書の考察など関係なく読んでも、じんわり感じ入るもののあるお話です。
私個人としては、絵も艶っぽいし、確りしたストーリー構成のできる作家さんだなあという印象を受けたので次回作以降がとても楽しみ。

言葉で伝わることのほうが少ないからこそ。

分かってたけど、上手すぎるよ水城先生。
いや~、こんな天地がひっくり返るような恋愛してみたいもんだ。(笑)

同じ熱量を持っているのにそれが伝わらないって切ない。
言葉って強いけど、一方で無力ですよね。
直接的でない台詞回しと絶妙な間が、余計にそのじれったさを引き立ててる。

愛されていることを実感してからの今ヶ瀬の行動が、『自信のない女が、振り向くはずなかった本命の男に振りむいてもらった時の行動』に見えてしかたない。
結局、どんなに好きだと言ったって、今ヶ瀬の好きは「大好き」を超えてない。
彼はゲイだから。男女間の大恋愛と同じ、「一世一代の恋愛」にすぎない。
(とか言ったら今ヶ瀬は怒るだろうが。それでどんなに苦しんだと思う、と(笑))
でも、恭一が今ヶ瀬に抱いた感情は、「大好き」なんて使い古された言葉じゃ表現できないもののはず。
無限とも思える高い高い壁を越えて、今ヶ瀬だから愛した。

人間って「あんなに愛した人は世界に一人」とか言いながら、別の人と恋愛することもある、薄情な生き物だ。
今ヶ瀬には新しい唯一無二のオトコができる"かもしれない"。だけど自分にとっての今ヶ瀬は、永遠に唯一無二になる。
……そりゃ、恭一も生半可な気持ちでくっつけないよね。
いつしか今ヶ瀬のほうが、恭一より中途半端になっていたんだろうけれど、どこで逆転したのか、初読ではわからない自然さがすごい。

ところで、水城さんの作品はいつも、何気ない台詞がすごく的確で心に突き刺さりませんか。
「食の好みが合う相手とは 大抵価値観も合うものですよ」という今ヶ瀬のセリフなんか、やたら納得してしまった。(笑)
たまきの「雪って見た目はきれいだけど~~」のセリフも、恋愛の暗喩だと気づいたとき鳥肌が立ったりとか。

あと。どうでもいいけど分厚すぎて書店さんのブックカバーが回りきってません。
このボリュームで500円はおいしすぎる~。
B6判も絵が綺麗に見えて良いんだけど、ストーリー重視&普段は少女漫画読みの私としては、コミックサイズのBL本がもっと出れば良いのに。と思っちゃいます(笑)

大人の純愛

今さら感がありますが、未読の方にぜひ薦めたいので。

初めのうちこそ、坦々としたお話のように思えるかもしれません。
しかし後半につれての盛り上がりはスゴイとしか形容できない。
救急車の演出がニクかったなー。
なかなかここまで心をぐっと掴んでくれる作品はないと思います。

二人ともトラウマを背負っている。
「触れられたくない部分」に触れられる痛みを知っているからこそ、相手に触れることに憶病になってしまう。
それって、本気だからこそ生まれる自然な気持ちですよね。
更に大人だからこそ、失敗を繰り返しているからこそ、葛藤があって。
その葛藤さえ乗り越えざるを得ないほどの情熱って、すごい。
そんな恋愛をしてみたいと憧れてしまいますね。
そこまでの恋愛ができる二人は幸せ者だなと思います。

「静」の中に「動」がうまく描かれている作品といったところでしょうか。
トラウマものが好きな人はぜひ読んで~。

キラキラ コミック

三池ろむこ 

きれいすぎる恋

みなさんの高評価を受けて購入してみました。
……が、私の好みではなかったかな~。

正直に言うと、「きれいな恋すぎる」という感想でした。
少しぐらい醜い部分があってこその恋愛だと思っている私には、物足りなかったです。
何年も思い続ける~というシチュエーションがすごく好きなだけに、その間の葛藤なんかが全く見えなくて残念でした。
そもそも、加地が真人を好きになった過程が好みじゃないのかも。
真人に対する気持ちが、どうも少年期のあこがれの域を出ないように思えてしまう。

ただ、ドキッとする瞬間ひとつひとつの描写なんかはとても好きでした。
爽やかさは抜群なので、中高生ぐらいの淡い恋愛のような雰囲気が好きな人には合うかもしれません。
これはもう好みの問題としか言いようがないと思います。
短編「災厄の告白」が好きだったので、中立にさせていただきます。

表題≦短編

私にとって手放せない本の1冊です。
その理由は、短編『接吻スキャンダル』の存在。
ゲイの政策秘書ポールと、バイの下院議員コリンの話なのですが……
このページ数の短編でよくここまでまとめているものだと感服します。
フィクションなのにリアル。かと言ってリアルすぎない、重くない。
ハッピーエンドの映画的なまとめ方で、安心して読めるけれど深読みもできる。
「狡猾と純情は同居できるって、言っても人は信じないだろうな」
とポールはコリンを評価しますが、純情って、実は誰しも忘れた振りをしているだけなのでは?

表題作も当然の面白さです。狡猾な男が好きな人におすすめの1冊。

愛さない男 コミック

宮本佳野 

not「愛せない」、bty「愛さない」

恋愛するのに臆病な人というのは、得てして過去に手痛い失敗をしているもの。

この作品の主人公・佐原も例外でなく、ノンケの男との恋愛で手酷く振られた経験が、加速する愛情にブレーキをかけてしまいます。
臆病な大人同士の恋愛ももちろん良いものですが、
この作品ではまだ未熟な青年である瀬戸に、まっすぐすぎる愛情をぶつけられた佐原が、
だんだんと自分や相手に対する「素直さ」を取り戻していきます。
愚直なまでの瀬戸の愛情表現が愛しく、これなら絆されても仕方ない!と思ってしまう(笑)

ある程度の大人なら一度や二度はあるだろう、恋愛での挫折を見事に描き取っている物語です。

壁を乗り越えていくふたり

ビブロス時代に単行本化されていた表題作+未収録作と大ボリュームの一冊です。

【手をつないで、空を】
ネグレクトのトラウマから極度の潔癖症を抱える高校生・真希。
元小説家だがプレッシャーなどから小説を書けなくなっていたライターの晴也は、
真希と向き合う中でスランプから脱する切っ掛けを得る。
一方の真希も、晴也との出会いから、前向きに生きる術を身につけていく…。

二人が出会ってから前向きに歩み始める、その過程がとても細やかに表現されている作品。
晴也はゲイで、当然初めは下心ありきで真希を家に招き入れた。
そこから段々と、言うなれば「かわいい」が「愛しい」に変化していくさまが非常にリアルでした。
後日談では不安を抱えながらも共に歩むことを決意した二人が描かれています。
甘すぎず現実味のある話が好きな人にはぜひおすすめしたい作品です。

【キス・ミー・ダディ / メイク・ミー・ハッピー / WALKIN' ON THE MOON】
個人でPG事務所を経営するバツイチオヤジ・シバとアルバイトの大学生・直巳。
ゲイの直巳に絆されていくシバさんの胸中、葛藤がかわいい~。
表題作も好きなのですが、個人的のこれがかなりツボだったので神評価にしています。

その他、短編3作品。
どの作品もゲイならではの葛藤が根幹に見える作品。
切ないながらもハッピーエンド中心でホロリとくる作品集です。
考えさせられるBLが好きな人には、ぜひ読んで欲しいと思います。