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「囀る鳥は~」にハマって、この作者の他の作品を読みたくなり読んでみましたが
「ゲイの気持ち」を本当にリアルに綴ってると思います。
このサイトには女性の方が多いと思いますが、多分、分からない人多いんじゃないかなと
思わざるをえないです。それくらいに"ゲイの"心情の表現がリアルな作品です。
女性やノンケの男というのは将来の夢や願望を考えるにあたって少なからず
「自分の子供」「家族」などがチラつくのが殆どです。成人だと特に意識します。
子供も産めず「世間一般的な家庭」を築く事ができないゲイは、それらとは無縁です。
そんな嶋がノンケの外川にトラウマを抱えながらも惹かれ、体だけの関係になり
「(トラウマからの)自分の学習力の無さ」に呆れつつもズルズル流されます。
体の関係だけって事で嶋も割り切る事だってできたはずだし(ゲイには多い)
なのに色々考えてしまうのはやっぱ思いを寄せてるからなんですよね。
そんな中でふいに聞かされた外川の過去と「正直、家族ってもんには憧れる」って言葉。
これはもうね、ほんっと『トドメ』ですよ。
だって無理ですもん。幾ら2人がどれだけ愛し合っていても家族(家庭)は作れない。
自分が思いを寄せてる人からそんな事を吐露されたら引き下がるしかないですよ。
それに外川のあの過去でしょ?もう説得力ありすぎというね・・・・。
あと、"ゲイには結婚が無い"から『付き合ってもいずれ別れる』っていう真理を嶋が
「どんなに少ない時間でも良い、心変わりするまででも良いから一緒に・・・」って
言うあのシーンは本当にウルっときた。本当にリアル過ぎる。
ゲイに限らず、結婚に至らない恋愛なんて「いずれ別れるもの」じゃないですか。
でも「どーせ別れるから」っていう前提で付き合う人なんて居ませんよね。
それはどうしてなのかっていう、その心情をうまく表現できてるなぁと思いました。
この方の作品は他にも色々あるみたいなのでもっと読んでみようと思えた作品でした。
話題だし読もうかな思てたんですが、元々ガッチリ系男子が好みなゲイの為に、なかなか女性向けのBLの絵柄に手が出せなかったんですが、開き直って色々手を出し始めたのと共に買いました。なので、ハマりだしたのがかなり遅いかとは思いますが、この思いをどっかで吐き出したかったので。
率直に言うとこんなに泣けるBLは多分もう出てこないんじゃないでしょうかってぐらい感動しました。ゲイ向けでもありますねこれ。
だってノンケと恋をしてゲイだとバレた時の周りの反応が怖いから冷静でいようとする主人公の考えや言動が凄く現実的ですし、特に自分自身が傷つきたくないが為に相手を突き放そうとする行動もわかるんです物凄く。
特にカラダからの関係で始まると、けっこう拗らせてしまうし、相手が家族を持ちたい願望があると手を引いてしまいそうになるその駆け引きの描写もかなり訴えかける感じで泣きながら読み進めてました。それでいて所々ある性描写は過激ではなく大人の恋愛って感じで決して無駄だと感じられなかったです。
長文失礼いたしました。
私はこの作品からBLの沼へとはまっていきました。
NLにないBLの魅力は同性であるが故に生じる障壁だと思います。
嶋は外川のことを思うからこそ、"普通の"幸せを手に入れてほしいからこそ、自分の気持ちを抑えて離れることを決意した。
どうしても触れたくない、ふれないでほしい、この決心が揺らぐから
私はそんなふうに捉えましたが、読み返す度に考えさせてもらえます。
コマ割りも映画のワンシーンのような静けさを感じます。中でも外川に預けられたタバコを落としたシーンは格別です。
友人に貸してもらって読んだものの、後日自分で購入しました。
買って後悔しないずっと手元においておきたい作品です。
非常に読み応えがあり、何年経っても色褪せません。
もうドラマCDや実写化などもされてますので知名度は十分すぎるほどですし、評価も賛否両論ありますが、私は入門書としてこれ以上の作品はないと思います。
私がレビューする必要ないほどの大大大ヒット作!!!
今更内容について触れる必要はないと思いますので、
メガヒットの理由について勝手に分析してみようと思います。
決して酔っ払った勢いなどではなく、真面目に考えました。←前置きする所が怪しい
この作品は「過去に付き合った相手に酷い仕打ちを受けて恋愛に踏み込めないでいる嶋君」と、「ノンケだけど相手の心にドーンと踏み込むことが出来る外川さん」というキャラが異常なほどマッチしていると思いました。
嶋君という人間は、恋愛に臆病なのは傷ついた過去も影響してはいますが、元々相手に踏み込んで自分が傷つくことが怖いと思っている「立ち入らないことが優しさ」のタイプだと思います。だから前に付き合っていた人とは分かり合えずにあんな事になってしまった気もします。嶋君が変に空気読んで自分の気持ちを伝えないから。
一方外川さんは相手の心の中に入り込んでそこに座り込み、一緒に笑ったり苦しんだりすることが出来る大きな優しさを持った「立ち入ることが優しさ」のタイプだと思います。
二人が違うタイプの優しさを持っているためにすれ違うんですが、ところがデコとボコが一旦噛み合うと最強のカップリングになるという。これ以上ないほどお似合いの二人じゃないかと思います。
嶋君の優しさは一見相手を思いやってのことのように見えますが、自分が傷つかないための防衛手段であることは明白です。嶋君だって本当は外川さんが自分を傷つけるような人じゃないと分かっているはず。それでも嶋君のようなタイプは「外川さんを傷つけて、自分も傷つくようなことが起きたらどうしよう」と思うわけです。それだったら最初から傷つかないための防衛手段として外川さんから離れたほうがいいんじゃないかと考えます。
ここがこのストーリーの最大のポイントじゃないかと思います。
相手の心に踏み込まないことは優しさではあるけれど、でも例え傷つけ合うことになったとしても、
相手の心に踏み込まなければ深い絆や深い愛情が生まれるわけがない。
でも誰しもが踏み込んだ結果、相手を傷つけたくないけど、自分も傷つきたくない。
多分こう思うことは自然なことだと思います。
特に恋愛に関しては傷つきたくないと思っている人は多いと思います。
だから嶋君が傷つくかもしれないけど、それでも勇気を出して外川さんの所まで追いかけて行った姿や、正直に気持ちを伝えた場面に感動した人も多かったんじゃないかと思います。
また外川さんのほうも嶋君よりよっぽど重い過去があるけれど、それを前面に出していない所がこの作品の良い所だと思います。そういう部分を見せつけるわけでもなく、かと言って隠しているわけでもなく。
何かを乗り越えた人物として登場したところに、重苦しさがなくてウケたんじゃないかと思います。こういうのをもっと重く出して欲しい人には物足りなかったと思うのですが、傷をえぐり出して見せつけるような人物として外川さんを登場させてしまうと、嶋君はああいうタイプなので恐れをなして近づくことは難しかったように思います。
外川さんタイプの人はどの世代にもいるタイプだと思うのですが、嶋君タイプは新人類に多いタイプだと思います。
というわけでこの作品は嶋君のような「立ち入らないことが優しさ」であるというタイプに共感できるかどうかで作品への評価が大きく分かれそうだと思いました。
嶋君タイプが理解不能、めそめそ泣くなんてそれでも男か!好きなら好きって言え!!と思った人には全然楽しめない内容だったと思います…。
内容自体は王道中の王道ですが、二人の重い部分を全面に出さずに、今の時代にマッチした空気感で描いたことがヒットに繋がったのかもしれません。
それに、嶋君のような過去に傷ついて臆病になっている人間が、誰かに強引に説得されたわけじゃなく、自分から外川さんの所に飛び込んで行ったことが、感動を呼んだのではないかと思いました。傷つくことを恐れて防波堤を張っていた人間が、自分の殻を破って相手の方に飛び込むっていうイベントこそが今の時代の人が求めている人間関係なのかもしれません。
傷つかないために上辺だけの付き合いをしたって、本当は虚しいですから。
他の作品にもこの作品と似通ったような設定はいくらでもあると思うのですが、
この作品は他の作品と違って、唯一、嶋君タイプの人間が相手の心に飛び込む瞬間までの道のりを実によく描いている作品だと思います。
で、ここまで長々と書いといてなんですが、
…とか言って実は大人の事情で売れただけだったらビックリだわ。
いやでもかなりの実力のある方には間違いないです!
すみません、ヒットの理由を理屈っぽく書く事はできませんでした。ただの感想です←
なのでお分かりだとは思いますが、誰かにこの考え方を押し付けようと思って書いたものではありません。ほぼ自分に向けて書きました←おい!
わざわざレビューを書く必要がないくらいレビュー数がありますが、
私の中でいまのところ一番のコミックスなので書かせていただきます。
ヨネダコウさん初コミックス。
このコミックスの発売が9月はじめ。しかし10月の半ばにはいくつも梯子しても見つからないという売れ行きでした…。
でも手にとって納得。
棚に並んでいるだけで綺麗なんです!
暖かい部屋の色に光の入り方が綺麗で。怯え気味な嶋をそっと大事そうに包もうとする外川さんも、また…。加えて帯がトレーシングで綺麗だし、木原音瀬さんが推薦文を書いてる。
これは表紙買いの人もたくさんいただろうなあ。
読みながら声を出すほど号泣しました。
次の日はこのはなしが頭の中から消えなくて、思い出し泣きができそうでした…
幸せに泣きそう、で。
本当によく、じっくり練られてる作品ですよね。無理がない。
よくある、いわばテンプレなゲイとノンケの葛藤ですが、その辛さとかを、現実的によく引き出してると思いました。
ヨネダさんの、切実なモノローグと、キャラクターたちの言葉のテンポのよさと沈黙。時々入る軽くて、ちょっと下品なセリフが、作品を重くならないようにしてる。画面も、陰影を上手く出して雰囲気を作り出すヨネダさんお得意の手法とかが合わさって、まるで映画を見ているよう。
最後の書き下ろしが、またとっても幸せで、嶋と一緒に泣きそうでした。
…恋をしたくなります(笑)
BLはファンタジーだ!と私も思う人ですが、これはもうちょっと自分のいる現実と(かなり)近づけて、いろんなことを考えられる作品だなぁと思います。
何がこんなにも響いたのかといえば、やっぱり、恋について現実的に書いているからなんだろうな。
木原さんも書いてますが、『大人のお姉さんにじっくり読んでもらいたいお話』ですね。
絵があんまり…と思っても、ちょっと読んでみてください!
いっつも無表情な嶋のかわいい表情にドキッときたら、もうはまってます。ツンデレはやっぱりいいなぁ…!
あ、嶋のほくろと、外川さんの背中のえろさにもどきどきしたら負け(笑)
名場面がたくさんありすぎてほんとに語りきれません。
いいとこばっかりで拾いきれない!そして何度読んでも飽きない。
とってもかわいい嶋の不器用さと必死さや健気さ、外川さんの男前さをどうぞ堪能してください。