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表題作デュアルスタンダード

愛染幹也、クライムコーディネーター・α
綿貫霧人、警視庁組織犯罪対策部の新人刑事・Ω、26

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

刑事の霧人は運命の番であるクライムコーディネーター・愛染と出会いオメガに変化する。対極の世界に立つ二人が選択する愛の形は…。

作品情報

作品名
デュアルスタンダード
著者
神雛ジュン 
イラスト
ミドリノエバ 
媒体
小説
出版社
プランタン出版
レーベル
プラチナ文庫
発売日
ISBN
9784829626634
2.6

(10)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(2)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
22
評価数
10
平均
2.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

くどいアルファ

エブリスタさんの投稿作品だったらしい神雛先生のデビュー作。おめでとうございます。攻めさんがクドく感じられて、気にはなるけど近くにくるなといいたいタイプでしたので評価に迷いましたが、ミドリノエバ先生の挿絵とぴったんこで印象的でしたので中立よりですが萌にしました。本編160Pほど+その続き135Pほど+あとがき。

父親の後を追って刑事になり警視庁組織犯罪対策部に配属されたばかりの霧人(きりと)。初めての突入現場で任されたのは、そんな緊迫した事態にならない箇所ですが、不思議な甘い香りが。匂いの元を探すと地下に続く階段が見つかり、降りていくとそこにはかなりの数のモニタ、パソコンがあり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けの教育係二人、ちょっとイカレたクズ1名ぐらいかな。
オメガバースの設定としては、王道+アルファフェロモン等による威嚇攻撃でした。

**攻めのくどさについて

ギフテッドという設定で、とにかく頭がいい。私何でもわかってますが何か問題でもという風情で、うーざーいー!(笑)オメガで運命の番らしい霧人には参りました状態なはずなのに、「参りました」ではなく、どっちかというと「閉じ込めて外なんか出してやんねー」と高圧的に感じられたんです。だから可愛くない!もうちょっと弱ったところを見せてくれると、大好きなんだろうけどなあと少し残念でした。ちょっとは可愛い様子はあるんですけどね・・

受けさんは気の強いタイプに分類される方だと思いますが、切ないでも悲観的でもなく、正義感強い刑事!という印象で、んーちょっと萌えるという要素はあまり感じなかったです。

攻め受けともあまり好みのタイプではなかったのですが、ミドリノエバ先生の挿絵ととても合っているように感じたので上振れたかも。
2作目どんなものを書かれるのかな、1作だけだと今一つ分からないので、次回作も読んでみようと思います。先生、よろしくお願いいたします。

2

どうも人間臭いアルファのようで

警視庁組織犯罪対策課に配属となったばかりの新人刑事・霧人は、指定暴力団のガサ入れ現場で愛染と出逢ったが、彼のアルファフェロモンの刺激を受けた影響でベータからオメガ性に身体が変化してしまう。
クライムコーディネーター(犯罪計画者)を名乗る愛染は、数日後に霧人と接触を図り、激しく抱き合って互いの本性からくる飢餓感を満たし合う。
霧人はアルファである愛染に抱かれる事で、急激に自身がオメガ性ならではの身体に変化していくのを自覚しながら、バース性を隠して刑事を続けていく葛藤に苛まれるのだった…

まず愛染についての印象は、どうも人間臭さの漂うアルファだなってのを感じた。
普段は霧人の事を『貴方』と呼ぶのに、怒りが湧いている時には『お前』呼びに変わるし、一気に霧人に惹かれる過程はアルファ性故にオメガを欲する本能そのものだ。
自分の場合、オメガバースものだと”抗えない発情”ってところに目がいく。
理性で抑えられずに人間臭さが滲み出るアルファってのに惹かれるので、愛染みたいなキャラはバッチリ好みに合う。

しかし、ギフテッドと呼ばれる高いIQの持ち主だって割りには隙があるかもね。
クライムサスペンスの要素の部分で、愛染にはもう少しクライムコーディネーターとしてのカリスマ性を感じ取りたかったかな。
更にアルファ×オメガでありながら、敵対する者同志の緊迫感もあれば尚萌えただろうな。

霧人のほうはお人好しで騙されやすい性格で、刑事としてはまだ未熟な面が目立つ。
ちなみに、物語内では”オメガは刑事職には就けない”決まりとなっているが、もう刑事を辞めるしかないって土壇場で反骨心を見せる。
一度腹を括ったからには何とかして刑事を続けていくのだろうね。
今は到底愛染に敵わないが、今後霧人がどう化けるか次第で、征服する者される者の関係も変わりうる可能性に期待していいのだろうか?

アルファ×オメガでありながらも、今は項を噛まない、子供を持たないって選択は二人にとって最善だと思う。
何故かというと、愛染が自身の生い立ちを語る場面で『父との二人暮らしで、物心が付いた時には既に母親は居なかった』とあった事から、もしかして彼の見知らぬ母親はオメガだったのかも知れない…
(あくまでも自分の想像だが)
これで霧人が愛染の子を産んだとしたら、何だがオメガベースの因果の業に嵌ってしまいそうだな…と感じてしまったので。

個人的には刑事ものやサスペンス展開が好きなので、充分に楽しんで読めた。

3

設定が生かしきれて無いと言うか、設定倒れと言うか・・・(´・ω・`)

天才的なクライムコーディネーター(犯罪手引き者)と、刑事。
敵対関係にあり対極の二人が、もし「運命の番」として出会ってしまったら・・・と言うお話になります。
とても好みの設定の為、購入しました。

作者さんのデビュー作との事で、どうも小説投稿サイトの作品を加筆修正、更にその後の二人を書き下ろして書籍化されたみたいです。

で、私はオメガバースが元々大好きなんですけど、そこに対極の二人で敵対関係と、もう設定だけでめちゃくちゃ滾っちゃうんですよね。
えーと、何だろう。
否応なく惹かれあう心と身体。
そして、それにギリギリの所で逆らっての、互いに信念をかけた息をつかせぬ攻防。
果たして、二人が選ぶ愛の形はー?みたいな。

う~ん・・・。
実際ですね、ストーリーとしてはとても面白いのです。
が、どうも設定が生かしきれて無いと言うか、設定倒れと言うか。

攻めである愛染ですが、天才的な頭脳の持ち主で、その世界では伝説的存在のクライムコーディネーターになるんですね。
このクライムコーディネーターと言うのは、完全犯罪の手引き人って感じになるんですけど。
が、この肝心な「完全犯罪」の部分が書かれて無くてですね。
愛染が自分で「私は一切証拠を残さないので、捕まえようがありません」的な事を言ってるだけなんですよね。

そんなワケで、彼は「天才だ」だの「伝説の男だ」と言われてはいるものの、なんか説得力が無いんですよ。
なんせ彼は、霧人(受け)が眠ってると勘違いして、犯罪の重要な情報を電話で洩らしちゃったりするんですよね。
で、当然その情報を元に、組織が手痛い打撃を受けたりする・・・。
これ、わざと情報を漏らしたとかならニヤリとしちゃうけど、完全に彼の手違いなんですよ。
えーと、天才なんだよねぇ?

こんな調子なので、14でマサチューセッツに入学して、アメリカ、イタリア、中国、それぞれで裏の世界を掌握しと言われても、全然説得力が無い・・・。
キャラにセリフで語らせるのでは無く、実際の行動やエピソードで読者を唸らせて欲しいのです。
「本当に天才だ!!」と。

また、私はキャラ萌えで読むタイプなのです。
キャラが魅力的なら、多少のストーリーの綻びは問題無いんですよ。
が、今回はそのキャラにも違和感があるんですよね。

霧人が寝た振り(事後だった)で情報を盗み聞きし、それを警察にリークして愛染に手痛いダメージを与えた件。
愛染は「裏切った罰を与える」と、衆人環視の中で霧人を散々辱しめるんですよ。
ステージ上で卑猥な椅子に括り付け、ディルドで犯しながら自身をフェラさせみたいな。
えーと、普通に酷くない?
お仕置きはいいけど、何でそれを観客の前でやる必要があるの?みたいな。

また、霧人がですね、「対である自分を他人を楽しませる道具にするなんて」と深く傷付いてショックを受けるんですよ。
自分が愛染と同じ立場なら、絶対こんな事は出来ない!と。
えーと、お忘れかも知れませんが、先に裏切ったの自分じゃん・・・。

何だか、この二人じゃ無くとも「運命の番とはこんなものなのか!?」と言いたくなっちゃうんですけど。
二人とも、自分の事ばっかじゃん・・・。

まぁそんな感じで、正直違和感ばっかなんですよね。

とは言え、オメガは非常に珍しい貴重な存在で、まれに出会えたアルファは大変に執着すると言う設定だったり、書き下ろしである後半の二人は甘くて萌えるのです。
もう、キャラは別人になっちゃってる気もするけど。
あと、二人の終着点がとても彼等らしくて素敵ですし。
そんなワケで「中立」です。

14

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