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旧ロシア朝風 架空の王国が舞台。
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フョードル:前王:リクの父 8年前粛正
アンナ:現王・女帝 α リクの母 プロシア出身 政略結婚の偽装夫婦
エリク・フョードルヴィチ・ロマノフ/リク:αと公開・実はΩ 王太子
ニコライ・アレクセイヴィチ・レオンテフ:α 25才 女帝公認、影の「リクの番」
イワン:王位継承権を持つリクの従弟
ザハール:王位継承権を持つリクの従弟 フョードルの姉の子 ナタリアと姻戚
ナタリア:プロシア国の姫 リクの婚約者
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●「背徳のオメガ ロシア宮廷秘話」
・・話を面白くする為、リクが愚かに書かれていて焦れる。
父王は、Ωの継承者を認めない
粛正した夫の代わりに国を統治するα母
お家騒動の真相を隠す、母の愛に気付けないΩ王子リク
リクを支えるニコライの秘めた愛
母のアンナは「リクに王の資質があれば気付ける」と真相を伏せる。
母の慮りを知らず、リクは猛反発。
●「溺愛の子 ロシア後継者誕生秘話」
婚姻後、αの第一子誕生
●「ポーリャの甘くて美味しい日記帳」
ポーリャ5才と女帝アンナの秘密の交換日記。
華藤えれな先生の帝政ロシアの世界観のオメガバース。
先生らしい優雅で美しい背景の中で奏でられる壮大な物語でした。
受けのオメガであるエリクは、自分のせいで体に傷を負ってしまった相手への恋心を封印してもしきれず、甘えたり依存したりしながらも、成長していく中で自立しようと足掻くのですが、空回り気味だったり危なかしくてニコライにしたら放って置けないのだろうなと思いました。
ニコライは側近として生真面目で有能な面とエリクへの執着や恋情を隠して尽くす攻めなところが素敵です。
女帝の思惑や隠された真実が明かされていく過程がスリリングでした。
華藤さんなので、あまあま溺愛家族オメガバースのはずはないと覚悟して読みましたが、かなり辛くて切ない両片思いものでしたね……
攻めは受けを心の底から愛しているのに、いや、愛しているからこそ想いをひた隠して、氷の彫像のように接し続けないといけないとかどんな苦行!
でも個人的に攻めの苦悩は蜜の味なので、その苦行をこなす攻めが可哀想で萌えました。
それと地獄の底まで喜んでお供します!とか、なんならギロチンも!民衆にズタズタにされたって!!みたいなくだりの愛の重さ、好き。
攻めは良い!!健気だ!!
受けは残念ながら好みではありませんでした。
皇太子である自分がオメガである事がバレたら国の滅亡を招くとか、自分だけでなく母である女帝もギロチン行きだとか、そりゃ立場諸々かなり気の毒なんですよ。
好きでオメガになったわけでもないんだし。
でも、どうにも視野が狭いというか、いずれ、君主?無理、無理!としか思えなかった。
納得いかなかったのは、受けがオメガだと知ってるのは、攻めと女帝と主治医の三人のみなんです。
つまり国家秘密そのもの。
なのに、オメガだという事がよりによって素行の悪い従兄にバレてしまったのに、それを女帝に報告すべきか迷った挙句、言わない。
なんでさ!!!
自分が上司だったらこんな部下いらない!!と思いました。
報連相。
で、案の定……はぁ。
そして、ちびっこはいつ?と思ってたら、五歳になって登場。
しかも祖母である女帝が終始付きっきりでみっちりと帝王学を仕込まれており「遊び」を知らないときたわ、可哀想。
そんな息子に対して他人行儀な態度しか取れないんですね、受けは。
なんでかというと、自分がオメガだから申し訳ないし、こんな自分が愛してもいいんだろうか?迷惑じゃないだろうか?と思うらしい。
正直、はっ倒すぞと思ってしまいました。
子供産んで5年も経ってまだそこ?
子供への愛は確かにあるけど、それよりも自分のうんたらかんたらが優って、ほんとこいつは相変わらず自分の事ばっかりだなぁと、心底うんざりしてしまいました。
というか、子供がかわいそうすぎる。
五年間、つまり五歳になっても親の愛を実感出来てないなんて…
かわいい盛りにあんたって人は!!と受けへの怒りでメラメラしてしまって仕方ないです。
買ったままで積まれていたものを消化中。
この先生のオメガバは徹底してオメガが劣等種として扱われるので、不憫な健気受けになりますが、これは設定が複雑で、人間関係もこみいっているせいか、もっと読みたいとか知りたいあたりを1,2行ですまされてしまった上、主人公の受けの堂々巡りの思考を読まされるのが苦痛でした。雑誌掲載作と書き下ろしだったんですが、雑誌に掲載されたものを、もっとふくらませて一冊で読みたかった。
本編は読んでてイライラしてしまいました。
いつもの華藤えれな先生のオメガバース作品のように好きになれませんでした。
リクの性格がうじうじしてて、あまりにも察しが悪かったからかもしれません。
両片思いは好物なんですが、萌えなかったです。
途中なんども愚かなリクを見てこれはハズレ作品だったかなと後悔もしました。
これからどうやって大円満まで持って行くのかとページ数を見ながら不安にもなりました。
実際には漸く決意して親子3人での夏休みを過ごしただけなので、平和な生活にはなっていません。
架空ロシアのお話だとしてもやはりその後の歴史がチラつくので、幸せになるとは想像出来ません。もっと架空の国のお話の方が良かったと思いました。
後書きのポーリャのお話が無ければ中立でした。