二人の恋の証は秘密の愛し子

小説

  • オメガの恋は秘密の子を抱きしめる -シナモンロールの記憶-

オメガの恋は秘密の子を抱きしめる -シナモンロールの記憶-

omega no koi wa himitsu no ko wo dakishimeru

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表題作オメガの恋は秘密の子を抱きしめる -シナモンロールの記憶-

ギルバート、伯爵家の後継者でアルファ
真雪、雑貨カフェ経営で突然変異のオメガ、18~

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

小さな雑貨屋カフェを営むオメガの真雪には
愛を誓う伯爵家の後継者・ギルバートがいた。
だが彼は事故に遭い真雪を忘れ、生まれたばかりの一人息子も伯爵家に奪われてしまった。
二人の幸せのため身を引いた真雪に数年後、伯爵家から小さな息子が病にかかったと知らせが届く。
絶対に素性は明かさない。そう誓約を立てベビーシッターとして働くことを許される真雪。
しかし何も覚えていないギルバートと息子は真雪を愛しはじめ……。身分違いの恋の行方は!?

作品情報

作品名
オメガの恋は秘密の子を抱きしめる -シナモンロールの記憶-
著者
華藤えれな 
イラスト
コウキ。 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
レーベル
クロスノベルス
発売日
ISBN
9784773089707
3.6

(94)

(37)

萌々

(24)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(15)

レビュー数
11
得点
325
評価数
94
平均
3.6 / 5
神率
39.4%

レビュー投稿数11

あなたが居るから、世界の全てが愛おしい

こちら、エストニアの小さな街タリンを舞台にした、オメガバースで身分差ものです。
テーマが世界名作劇場風の昼メロとの事で、甘くてふんわりしたオメガバースを目指されたとの事です。

そんなワケで、私の感想はズレてるかもしれませんが、個人的には切なくて切なくて身悶えしちゃいましたよ。
これ、二人の愛と言うのが、最初から最後まで揺るぎ無いんですよ。
どんな状況だろうと。
だからこそ、二人を襲う過酷な運命が切なくて切なくて。
二人とも、ただ共に過ごすと言う、ささやかな幸せしか望んでないんですよね。
なのに、これでもかと二人を引き裂く不幸な出来事の連続。
お願いだから、もう勘弁してやってみたいな。

ただ、そんな中でも一途な想いを胸に、ひたすら真っ直ぐ生きる主人公に胸を打たれるのです。
そして、心のままに、愛を勝ち取りに行く攻めに、拍手喝采したくなるのです。
本当、素敵なお話でした。

内容ですが、大貴族でアルファのギルバート×突然変異のオメガ・真雪によるオメガバースで身分差ものです。

小さな雑貨屋カフェを営む真雪。
協会で偶然知り合った貴族の男性・ギルバートと愛し合い、共に生きる事を誓います。
ところがギルバートは事故に遭い、真雪との記憶を無くしてしまうと言う事態に。
更に、生まれた二人の子供も、伯爵家に奪われてしまいます。
そして四年後ー。
伯爵家から子供の病気を治療する為、血液を提供して欲しいと依頼される真雪。
絶対に素性を明かさないと言う誓約のもと、ベビーシッターとして二人の元へ向かいますがー・・・と言うものです。

まずこちら、真雪ですが、突然変異のオメガになります。
ベータから突然変異でオメガに転性した彼は、発情期も来ず、このままでは20才前後でホルモンバランスを崩して死んでしまうと言った状況だったりするんですね。
更に、真雪のオメガ転性で両親は離婚。
育ててくれた祖母も、病気で大きな手術をしなくてはならないのに、手術代の目処も立たない・・・。
そう、最初から、かなり不憫なんだなぁ・・・。

そんな真雪の前に現れた紳士的な青年・ギルバート。
彼は真雪のカフェに足しげく通い、二人は心を通わせて行くー。
そして、番として、子供を産んで欲しいとプロポーズされる真雪・・・。

ここからが切ないのですが、同時にとても優しくもある展開なんですね。
自身が突然変異のオメガで、あと二年程しか生きられない事を告白する真雪。
すると、その二年を、どうか共に過ごさせて欲しいと、真雪に寄り添うギルバート。

う~ん・・・。
これ、ホントに二人はささやかな幸せしか望んでないんですよ。
真雪が得意のお菓子作りで、ギルバートの為にシナモンロールを作ったり、ギルバートはギルバートで、共に暮らしながらカフェの仕事なんかを手伝ったり。
二人が共に過ごす日常と言うのが、とても優しくて温かいのです。
だからこそ、これでもかと襲う不幸の連続が切ないんですよね。

実はこの間、真雪の祖母が病気を悲観して自殺を図り、それを庇ったギルバートが崖から転落してしまうのです。
この時に頭に怪我を負うのですが、手術をすれば記憶を無くしてしまうかも知れないんですね。
その為、彼はその事を秘密にして、頭に爆弾を抱えたまま真雪の元に帰るー。
真雪の残り少ない二年を、共に過ごす為だけに・・・。
結局彼は倒れ、手術されて記憶を無くしてしまうのですが。

あのですね、ベタなんですよ。
とてもベタなのです。
でも泣けちゃうんですよ。
この、二人で過ごしたたった二ヶ月足らずが、とても優しくて。
そして幸せそうで。
その裏で、ギルバートがこれほどの覚悟を抱えて過ごしていた事が分かると、もう泣けちゃって泣けちゃって。

で、この後、自身が妊娠してる事に気付く真雪。
しかし、オメガには親権自体を持つ事が出来ず、子供は伯爵家に奪い去られてしまうー。
ここまでが過去になります。
そして現在ー。
二人を想いながら、つつましく生きる真雪。
彼は子供を産んだ事で健康になったんですね。
また、ギルバートは記憶を無くしたまま、許嫁であるアルファの女性・メアリーと結婚し、二人の子供・ルウミはメアリーが産んだと言う事になっていて、と言う流れです。

これ、ここまでで半分なんですよ。
これだけ詰め込まれていて、まだ半分!
で、ここからが、乙女心をくすぐってくれる「不憫受けが報われるターン」に突入なんですけど!!

記憶を無くし、すっかり性格が変わってしまったギルバート。
そして愛情を与えられず、手に終えないやんちゃに育っている三才のルウミ。
ベビーシッターとして真雪が現れ、温かい愛情を注ぐ事で、二人は変化して行き・・・と言った具合で。

真雪は健気なのと共に、わりと頑固なんですよね。
身分差や結婚相手であるメアリーの事を想い、ルウミの骨髄移植が終われば姿を消そうと、もう決心していて。
まぁ、そんなワケで、ここからも一筋縄では行かないんですけど。
ただ、ギルバートが本当に格好いいんですよ。
彼はどれほど真雪から拒絶されようと、決して諦めずと。

こう、ちょっと結末は上手く行き過ぎな気がして、人によっては面白みが無いと感じるかも知れないんですけど。
ただ、個人的にはこのベタベタなオチを大歓迎だったりします。
だって二人はこんなに辛い目に遭ったんだから、これくらい完璧なハッピーエンドにして貰わないと!!

ところで、主役二人のみならず、メアリーやルウミまでと皆を不幸にした元凶。
実はギルバートのお父さんなんですよね。
彼は正直どうかと思いましたよ。
メアリーも嫌な女なんだけど、被害者なんですよねぇ。
彼の件だけは、もうちょっと痛い目を見て欲しかったですね。

あとレビュータイトルですが、ラストで真雪が思う事です。
を、ざっくり一行で言うとこんな感じ。

19

安心して読める純愛物語

オメガバースは、著者が設定をする枠にゆとりがあって、夫々個性があって面白いです。
この物語の主人公は、ベータの両親から生まれたβでしたが、5才でΩに変わってしまった。
βからΩに変わった人が、出産しない、発情を迎えなかった場合、20才で体が動かなくなる、もしくは死亡すると言う条件が設定されています。

物語の始まりで、主人公は18才、両親は離婚、祖母と猫と暮らしています。

伯爵家の後継者・ギルバートと出会い、一人息子が生まれて、・・・色々有って、事故でギルバートは記憶を失い、子も奪われて・・使用人として伯爵家に入った真雪とまた恋に落ちるギルバート。

ハッピーエンドと分かっているので、安心して読めました。
Ωバースの条件がユニーク、心理描写が丁寧、純愛、主人公が酷く苛められない展開なのでストレスが少ない点が良かった。
難を言うなら、展開が平坦すぎて月並み、高揚が乏しいことかな。


3

健気なスイーツ

オメガバースで子育て話。
華藤先生といえば安定の、健気受けで、ヨーロッパ観光、スイーツ風味です。
主人公は、お馴染みのともいえる薄幸健気受けちゃんですが、今回は彼をベータからオメガに突然変異させちゃった運命のアルファと早々に出会って、つかの間のラブラブ生活を送ったのちの、別離と再会そしてハッピーエンドに至る道筋には、悲惨な試練とまでいうほどの事は起きない(華藤先生作品比)ので、心安らかに読了。
温かいハーブティーでも飲みながら、舞台となった外国の観光案内や銘菓や名産品を楽しんでね。

6

身分差オメガバース

美味しそうな食べ物が出てくるので、何か美味しい食べ物やお茶とお菓子を用意して読むのが正解です!

華藤えれな先生の描かれる異国情緒ある作品、大好きです。
そこにオメガバース設定が加わって、身分差にプラスαで困難が待ち受けていて・・・な昼ドラ風な展開です!
切なさも感じながら、愛情が溢れているお話でした。

突然変異のオメガという設定がまた特殊で、発情期を迎えられないと20歳まで生きられないという境遇を背負いながらも、周囲に優しく、日々一生懸命に過ごしている受の真雪の性格がまたいじらしいです。
そんなこほっとけるわけがなく、愛さないわけがありません!

穏やかな愛情溢れる優しい日々も描かれていて切ないだけではないのですが、不憫な境遇でも一生懸命な真雪を応援しながら読み進めました。
日陰の身になっても我が子とギルバートへの心からの芯の通った愛情にも胸打たれます。


そして、コウキ。先生のイラストもまた優しくて大好きです!
ちみっこだけでなく、デコちゃんも可愛い!

3

時を経て結ばれた運命の二人と親子の情に感動しました

華藤先生の海外を舞台にした作品は大好きです。
その土地の風景や空気感が感じられ、歴史や文化を絡めたストーリーに浸りしばし現実を忘れます。
今回の舞台はエストニア。

英国貴族の御曹司と祖母のカフェで働く心優しいオメガの子が主人公です。

愛し合い結ばれる運命にありながら身勝手な思い込みといくつもの障害に阻まれて引き離された恋人同士、そして母と子の物語です。

引き離したのは御曹司の父親の伯爵さまなのですが、自身も愛し合う人と結ばれなかったことから色々しでかした挙句みんなが不幸になる結果を作り出してしまう本当に迷惑な人です。
この人のせいで人生ねじくれ刃傷沙汰にまで及び一つもいいことないのになんの権利があって…と怒りがたまってしまいました。
権利はなくてもお金と権力とその上オメガに厳しい法律まであり真雪が不憫すぎました。
子を奪われてもその健やかな成長を願い毎年一人で手作りケーキにロウソクを灯して祝う姿に涙しました。

読みながら主人公の店に並ぶ雑貨品がどんなものかとネット検索してしまいました。
旧市街の土産物屋さんの手作り手芸品が可愛らしくて真雪のカフェ兼雑貨品店を想像し、裏庭にハーブ香る秘密の花園にも訪れてみたくなりました。

3

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