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実は私は、オメガバースが大好きなのです。
オメガバースと言うと、発情期とか本能とか、とかくエロエロな部分が印象強いと思うのですが、この世界観の真骨頂はそこでは無いと思うのです。
これぞ私がBLに求めているものなのですが、「たった一人の運命の相手」に「人生で一度きりの恋」です。
そう実は、めちゃくちゃロマンチックなんですよー!!
で、今回、まさに私が求めるオメガバースだったのです。
超オメガバが生かされてます。ホント、最高です。
あと、真骨頂はソコでは無いと書かせてもらいましたが、そこでは無い部分・エロエロにも当然萌えさせて頂きました。一粒で二度美味しい・・・。
受けがかなり辛い目に遭うので、苦手な方はご注意を!!
内容ですが、オメガバースでシークレットベビーものです。
高位の貴族等を相手とする、子作り専用オメガを育てる学院の生徒・優杏。
理事でオメガの人権を認めてくれる貴族・アルファのキースに憧れを抱いています。
そして発情期の夜、様々なアクシデントが重なった事で、運命のツガイとしてキースと結ばれる優杏。
愛するキースを守る為、自身の妊娠を隠して彼の前から姿を消します。
そして四年後-。
ひっそり子育てする優杏の前に、真実を知らないまま裏切られたと勘違いしているキースが現れー・・・と言うものです。
で、こちら、作者さんがおっしゃるには王道メロドラマとの事。
もうとにかく、めちゃくちゃ切ないのですよ。
二人は四年前、たった一日愛し合っただけです。
実はその時、マフィアに襲われ視力を悪くしていたキース。
そんなワケで、優杏を学院の生徒では無く、偶然行き会ったオメガのマルセル(偽名)だと思っています。
二人はツガイとなり、将来の約束をしたものの、その後黙って姿を消すマルセル。
事実の発覚を恐れた側近により、マルセルが死んだと思わされと言う流れです。
で、四年後に再会する二人。
キースは優杏の事を、特別に目を掛けていたのに裏切って堕落した元生徒として憤りを覚えていてと言った所。
今作でのオメガ設定ですが、オメガは子を産むためだけの存在で人権自体がありません。
で、散々道具として酷い扱いを受けるオメガ達と、かなり痛々しいのです。
しかし、この設定がとても巧みに生かされてもいるんですね。
子を産む事だけを使命のように、洗脳教育されているオメガ達。
そんな中で自身の夢を持ち、道具としてでは無く「人」として生きようと強い意志を持つ優杏。
この設定により、彼の芯の強さや心根の美しさが際立ちと言った具合に。
また、そんな社会を変えたいと願う、キース。
そんな彼の行動により、政府と癒着しているマフィアから狙われ、だからこそ「マルセル」と出逢う・・・。
いやもう、あちこちに「仕掛け」が仕込まれてますよ!!
と、設定やストーリーがとても巧みなのですが、そんな中で展開して行く二人の恋愛部分がこれまた最高です。
先にも書いたように、この二人、誤解からかなりのすれ違いです。
いや、誤解してるのはキースだけですが。
もう、優杏の健気さに身悶えなのです。
一人で子供を育てるのですが、その為に身を粉にして働く。
なのに誤解しているキースが、次々と優杏の仕事先に手を回してクビにしと。
実はこれ、優杏が懸命に働いてるのは、子供の為では無く、別の男に貢いでると言う誤解もあるのですが。
キースがゲス野郎だから邪魔するのでは無く、要は嫉妬心から仕事が出来ない状態に仕向けてるのです。
ホント、最後には身体はボロボロ状態で、内蔵まで(子供の為に)売ろうと言う段階では悲鳴です。もう止めてあげて(ToT)
また、そんな彼ですが、本当に強いのです。身体は華奢で弱いのですが、その精神が強い。
キースに対しても、決して自身の心を曲げずに相対しと。
そんな優杏だから、マルセルを想い続けているはずのキースが惹かれてゆく・・・。
ここまで(精神的に)強い受けて、なかなかお目にかかれないんじゃ無いでしょうか。
まさに、凛としていると言う言葉がピッタリ。
そしてそして、二人のすれ違いに身悶えした後の大団円です。
私は不憫受けが報われる瞬間と言うのが死ぬほど好きですが、今回は興奮し過ぎてページをめくる手がブルブル震えました。ガチで。
くっ!! シビれるぜ!!
最後になっちゃいましたが、オメガバースと言うことでエロ濃厚です。
甘々エロにも、切ないエロにも萌えまくりました。
ホント、面白すぎるよ!!
興奮し過ぎて、長々と失礼しました。
オメガには辛く生きにくい世界感のオメガバースものです。
主人公は、エリートアルファの子を産む道具として隔離して育てられ、それが幸せと洗脳教育をされているオメガの一人である優杏。
けれどそこに現れたオメガにも人権があると声を上げた弁護士でもある伯爵家の後継者キース。
正義の人に出会って二人でオメガの解放に力を合わせるのか…と思いきや、オメガを資金源としているマフィアに狙われたり伯爵家の後継者を守るため優杏を排除しようとする側近や親族や婚約者に阻まれ二人の中は遠のくばかり。
おまけにいじめや裏切りや足の引っ張り合いでどんどん落ちていく優杏。
愛する人との愛の証を生きがいにそれでも健気に生きる優杏なのに何も知らないキースは大人気ない邪魔だてをする有様に呆れるばかりです。
でもそれって子供の好きな子いじめのレベルなんじゃないかなと思うんですけどね。
ひとつ難は、キースへのマフィア絡みの報復による怪我を偶然優杏が見つけて看病して発情してエッチしてって流れが2度もあるというのは都合よすぎるなあと気になりました。
近くにいる理由はあったにしても偶然を重ねる展開は納得できませんでした。
ジュリアンがすんごくかわゆい。
けど性格はキースにそっくりで賢くて策士。
優杏は可愛くていい子な部分しか知らないけれど、キースはすっかり読み切ってライバル認定してるところが、なんでもできるアルファのキースのどうにもできない弱みに見えてちょっといい気味だと思いました。
感想。
貝殻型の本物のマドレーヌを、紅茶に浸して食べたくなります。
優杏の作るマドレーヌの描写が、美味しそうでたまらなくなります。
物語は、いつもの華藤えれな先生の「健気な受」物語の定番型にはまった展開なので、どんだけ苛められてもハッピーエンドを信じて安心して読める作品です。
読み終わってみると、全くあとがきに記載の通りの展開でした。
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シャレード文庫のオメガバース祭り参加作品
子供付のオメガバース、
テーマは昼メロ 王道メロドラマ いつもよりエロ全開
優雅で聡明な貴族のキース(α)と一途で健気な優杏(Ω)
舞台は 架空のケルトの雰囲気が残るスコットランド北部。パラレルのような世界感。劇のマクベスのムードの風景。
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優杏が作るお菓子、マドレーヌがとても美味しそうなので、明日買ってきて食べようと思ってます。作ったらよいのかもしれないけれど、優杏のように美味しく焼くのは難しそう。
産む道具として扱われて人権が無いΩを集めた全寮制学院に法律に従い両親から離されて6才から寄宿生活を送り、管理された生活を送るΩの子供達。
卒業すると学院が決める相手と番い、管理側に不都合な行動をとるΩは、闇に処分される・・マフィアと結託しているΩ管理システム。
それを改善しようとするキース。
キースの活動を阻む学院とマフィア。
勘違いして、優杏を次々手を変えて苦しめるキース、それでも堕ちない優杏。色々な辛苦に耐えて、波乱を乗り越える健気な優杏・・途中で衰弱死しなくてよかった。
ラストはハッピーエンドなので、読後爽やか。
風景の描写が丁寧で詳しいのも良かった。
楽しんで読めたので満足。
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マドレーヌ寺院 (フランス語:Église de la Madeleine)
パリ8区にある聖女マドレーヌ(Madeleineとはフランス語の「マグダラのマリア」のこと)を守護聖人とするカトリック教会。
焼き菓子マドレーヌ:
貝殻の形をした焼き菓子。マドレーヌ寺院の名に因んだ菓子。由来は諸説ある。
スペインの寺院への巡礼者が、ホタテガイの殻を携帯用の食器として持ち歩いた風習からきているので、正しいマドレーヌは貝殻型。
一生懸命に頑張る健気な受けです。強い意志の持ち主でただの健気ではありません。
攻めのキースは優杏に執着(裏切られたと思っている・愛した人に似ている)しているので、彼の仕事に手を回しクビにしていきます。優杏は優しいキースを知っているので、どんなに酷いことをされても彼を嫌いにはならないし、過去に体を重ね愛した人が自分であるという事も黙っています。
息子のジュリアンの為にも力仕事をしたり一生懸命ですが、自分1人では限界を感じていてキースがクレアという女性と婚約をし本当はキースの息子と隠しておかなければいけないけれどジュリアンの事を考えてキースの息子として迎え入れてもらうように手続きを進めていきます。
最終的にはお金の為に自分の臓器さえも売ろうとするくらい自己犠牲が強いというか、他人想いです。それなのに、ジュリアンをキースに託したら自ら命を絶とうとします。今までどんな事があっても身を堕とすこともしなかった優杏ですが、支えがないと生きていけないという唯一の弱い点かもしれないです。
ジュリアンには自分が親ではないと思わせていたようですが、ジュリアンにはバレバレでした。
最終的にはキースの婚約者であったクレアはキースの秘書と結婚し、キースと優杏とジュリアンと一緒に暮らす事になる何の問題もないハッピーエンドです。
オメガバース設定で今作ではオメガは小作り専用という描写があり、学院の生徒は何人ものアルファとの子どもを産むので短命で、また性処理の道具という部分があります。
また、優杏が良い人すぎたかなという点が気になりました。心優しい彼だからという点もありましたが、ジョンとティモシーがやった事がキースとの出会いに繋がったとしても優杏の人生を狂わせたことには違いないです。
その2人のその後の人生を思うと、許してあげる事が彼らの救いになるとは思いますが、ちょっと自業自得な面もあるのかなと思ってしまうのは私の性格の問題かもしれないです。
ジュリアン可愛かったですが、少し漢字表記が多く大人っぽすぎたかなと思います。
ただの健気受けではなく精神的に強い部分も多く、切ない部分もありとても面白かったです。読みごたえもあります。
華藤えれな先生の作風だなあ…と、なってしまう独語感。
今回も情景描写が秀逸で、頭の中では映像を見てるかのように流れていました。
今回のお話の舞台は、スコットランドの架空の都市。
思わず行きたくなってしまう程好きな設定でした。
受けさんの優杏は、エリートオメガ養成スクールに在籍するも
備忘と性格と賢さが妬まれイジメに遭い、不特定多数の男に狙われる羽目に。
そんな時助けてくれたのが、尊敬と憧れの対象だったキース。
発情中の優杏を助けるという名目で2人は熱く愛し合うも、色々な事情により
キースは一旦違う土地に行き
優杏は学院を退学処分で下働きとして生きていくことに。
そんな中、優杏につわりの症状が現れて…
という、最初から切なめハードな展開。
最初に言っておくと、エッチシーンと
2人の子供のジュリアンが出てくるシーンと
番外編の新婚旅行小話
のみ救われる感じで
あとは、優杏やキースが辛い状況ばかりなので、本当に切ないです。
優杏の最後まで意志を変えない健気さ
キースのずっと1人を愛する純情さ
ジュリアンの優杏を大切に想う賢明さ
どれをとっても最高でした。
時間のある時・心に余裕のある時に是非読んでほしい1冊です。