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表題作アンドロギュノスの夢

夏目龍之介,25歳,若手人気小説家,鋭(アルファ)型
小栗隆一,20,駆け出しの西洋画家,極(オメガ)型

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

極(オメガ)というのは、匂いだけではなく、唾液まで甘いんだね?
帝都東京――駆け出しの画家の小栗は、極(オメガ)であることを隠して生きている。
ある日、編集の紹介で天才小説家として有名な夏目と出会うが、ひと目見るなりオメガだと気づかれる。
実は鋭(アルファ)だった夏目に会うたび体から堕とされ、絶え間なく喘がされる小栗。
強制発情させられ悦ぶ体にとまどうが、幾度も果て快楽に溺れるなか、次第に夏目に惹かれはじめ…?
話題の小説新人賞受賞作が書籍化!

作品情報

作品名
アンドロギュノスの夢
著者
谷村二十円 
イラスト
駒城ミチヲ 
媒体
小説
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイSLASHノベルズ
発売日
ISBN
9784799743409
2.6

(16)

(2)

萌々

(2)

(4)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
6
得点
35
評価数
16
平均
2.6 / 5
神率
12.5%

レビュー投稿数6

大正時代のオメガバース?

投稿サイトの作品を加筆修正したとのこと。攻め受けとも「好き!」と感じられなかったため、中立です。本編210P+受け視点のあとがき3P。大正時代が好きな方やオメガバースがお好きな方には良いのかも。

新聞社に自分の絵を売り込んだ小栗。運よく目に留まり、小説家の先生を紹介してもらったのですが、出会ったその日に「半陰陽・・?」と気づかれ・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
瀧(編集者)、操(受け母♂)、医者、その他ちょい出の方々。
瀧はともかく操がもうちょっとなんとかならなかったのか・・・

**より内容に触れる感想

攻めの性格が今一つよく分からず。名家の養子であるが故に、結婚相手も見繕われているような方。人生を諦めているのでしょうか?医者の言う通り、鋭(アルファ)の対となる極(オメガ)が見つからないと精神的にまいって短命になるかもということなのでしょうか?
なんとなく人物像がはっきりしなくて、なにかビビッとくる萌ポイントも無かったでした。
まあ分かりやすいテンプレのスパダリにしてくれりゃいいって訳でもないのですが。

受けは極(オメガ)ゆえに酷い目に遭う前にと故郷を飛び出してきている頑張り屋さん。絵で身を立てようなんて、ほんまよう頑張るなあ・・・です。きっと心細いことが多数あったろうに、気丈な様子、振舞いでした。健気という印象は薄く、気の強い、自ら切り開くぞ!という頑張り屋さんの印象の方が強かったです。分かりはしたものの、そんなに好きなタイプでもなく。ちょっと意地っ張りすぎたかな。

攻め受けとも萌のツボに入らず、訳の分からん魔性タイプの操も出てはきたものの結局どうなったんよという点が気になりました。時代設定等一生懸命書いておられる気はするのですが。残念。

2

オメガバースというよりはJUNEっぽいと感じた

2019年刊。

はぁ、読むのに苦戦した一冊だった…(;´Д`)

オメガバースというと発情によって理性では制御できない本能ってのが剥き出しになるイメージを持っているのだが、今回はそんなインパクトが薄い。
どうもね、キャラ萌え、シチュエーション萌えから物語に入っていけずに手間取ってしまった。

読む速度が停滞して困っていたが、途中で何故だか「これってオメガバースじゃなくてJUNEっぽい世界観のほうに嵌りそうじゃね?」って閃いた。
(あくまでも、自分が勝手にそう感じただけ)

と言っても、申し訳ないが自分にはJUNEとBLの違いを明確に答える事は出来ないのだが…
ただ、かつてのJUNEって、物語が訴えたいものを抑圧して溜め込んだパワーで読み手を惹き付けるってイメージがあり、この話が攻め受けの感情の起伏を抑えているふうに感じた事からそう思ったのかもしれない。
大正時代が背景にあるが、浪漫よりも斜陽な感覚を覚えたせいかも知れない。

タイトルにも有るギリシャ神話由来のアンドロギュノスの物語については興味深いものがあるが、この言葉からは通常は両性具有(ふたなり)を連想しがちだ。
多分、オメガバース設定にも引っかけて魂が渇望する程に半身を求める意味が込められているかと思うのだが、とてもそこまで昇華しきれていない気がする。

極(オメガ)の小栗の自我を構成するのは父であり産みの親でもある操への嫌悪だと思う。
また、夏目に惹かれてるのは身体が求めているからではなく、彼の才能に惹かれているからと強く思い込んでいる。
一方の夏目からは、鋭(アルファ)の魂から小栗を欲しているのは伝わる。
ここまでは明確に分かったものの、全体的に作中の二人に熱を感じ取れず、感情移入できないまま読み終えたのだった。

5

時代にどっぷり♡

時代考察がすごいなぁと思いました。
空気感がたまらなく好き!!
内容は好き嫌いがハッキリ出るかもしれませんが、私は大好きでした。

今後も応援したい作家さんです!!

3

情緒的で、肌で感じられる作品

情緒的で読み応えのある素晴らしい作品でした。
大正時代の空気、まだ舗装されていない道路の埃っぽさ、着物の肌触り、畳の部屋、木の本棚、紙の手触り、インクの匂い、そういうものが感じられて、作品の世界に入り込むことができました。
自分の片割れと出会ったときに抗えず肌を重ねてしまう強い運命の力と、その運命を受け入れるまでの心境の変化、さらには自分の母親との関係まで、主人公の心の葛藤がよく描かれていると思いました。
えっちシーンも肌を伝う汗まで感じ取れるような描写で、とてもよかったです。

4

設定倒れ

半陰陽(アンドロギュノス)をオメガバースという設定に落とし込むために、あれこれ苦心して書かれた作品という印象。肉体関係を持っているのに、受けが攻めを受け入れず、拒否し続ける理由が不可解で、読んでいて不愉快な気持ちになる。結局、それが作品を盛り上げるための、そして半陰陽(アンドロギュノス)という設定に整合性を持たせるための「道具」になってしまっているからだと思う。

半陰陽は実際に存在する病気で、現在もインターセックスに悩んでいる方がいるにもかかわらず、それをネタにして、しかも矛盾を抱えた設定(アルファも半陰陽である)になっているので評価できない。

5

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